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多頻度小口の受注課題|原因の整理と改善の進め方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 多頻度小口とは1回の出荷ロットが小さく件数が増える取引で、負荷は金額ではなく件数と明細行に沿って増えます。
  • 原因は、定型でない入口、取引先ごとに異なる様式と商品コード、在庫と与信と納期回答の分断という3点に絞れます。
  • 自動車運転者の拘束時間は1年3,300時間、1か月284時間を原則として2024年度から適用され、取引条件の見直しが受注側にも及びます。
  • 改善は可視化、棚卸し、着手順序の決定という3段階で進め、標準仕様のデータ連携とWeb受注を取引先の構成で使い分けます。

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多頻度小口とは

多頻度小口とは、1回あたりの出荷ロットが小さく、そのぶん納品と受注の件数が増える取引の姿を指します。国が続けている貨物の流動調査でも、1件あたりの貨物量が縮んできた経緯が示されています1。受注の現場では、この変化が伝票の枚数と明細行の数として現れます。取引金額が同じでも、件数が増えれば確認と入力の手数はその件数に沿って膨らみます。負荷を測る物差しを金額から件数へ切り替えることが、話の出発点になります。

まず、出荷ロットが小さく件数が増える取引の姿から確かめます。同じ年間出荷量でも、1回あたりの数量が半分になれば納品の回数は2倍です。受注側では注文の受付と入力が2回に分かれ、出荷指示と納品書も2組必要になります。1回ごとの金額は小さくなる一方、1件を処理する手数は数量に比例して減りません。件数が増えるほど、1件あたりの固定的な手数が全体を押し上げます。

物流の小口化は、物流の現場だけの話ではありません。国の貨物流動調査は5年ごとの周期で続けられ、第11回は2021年度の出荷実績を対象としています1。この調査では1件あたりの流動ロットがトン単位で示され、長期にわたって縮んできた経緯が読み取れます。出荷が細かくなれば、その手前にある受注の入口も同じ回数だけ開くことになります。

似た言葉との違いも押さえておきましょう。小ロットは1回の数量が少ないことを指し、頻度までは含みません。分納は1件の注文を複数回に分けて納める形で、注文そのものは1件のままです。多頻度小口はこの2つが重なった状態で、注文の件数と納品の回数がそろって増えます。受注業務の負荷を数えるときは、金額ではなく件数と明細行で数えると実態に近づきます。

注文の届き方は取引先ごとに異なります。電話、FAX、紙の注文書、メール、EDI(電子データ交換。企業間で注文や出荷の情報を定型の形式でやり取りする仕組み)、Web受注と、経路は6通りに広がります。本記事では、以降もこの6経路を同じ区分で扱います。件数が少ないうちは、経路の違いを人手で吸収できていました。件数が増えると、経路ごとの作法の違いがそのまま処理時間の差になります。

多頻度小口は、取引先の都合だけで生まれるものではありません。在庫を持たずに必要な分だけ引く購買、店舗ごとの直送、消費期限の短い商品の補充といった川下の事情が積み重なった結果です。売り手の側から頻度を戻す交渉は、簡単には進みません。受け止め方を変える、つまり受注の入口と処理の仕組みを見直すほうが現実的です。以降の節では、その手順を件数の数え方から順に整理します。

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着手順序で並べた受注改善の確認5項目(順位根拠:前の項目が終わらないと次に進めない実施順序)

  1. チャネル別に月間の受注件数と明細行の合計を数えます。電話、FAX、メール、EDI、Web受注の5経路それぞれで、1件あたりの入力時間と修正の発生件数を3か月分並べます。
  2. 取引先ごとの商品コードの対応表と、入数や単位の表記を棚卸しします。対応表が担当者の手元にしかない範囲を洗い出すと、属人化している箇所が特定できます。
  3. 件数の上位に入り、かつ標準的な様式へ対応できる取引先を先行の対象に選びます。上位3社から着手すると、初期の効果を数字で示せます。
  4. 接続の基盤を確かめます。電話回線を用いた接続は新規の申し込み受付と提供終了の予定が公表されているため、回線種別と切替の期限を先に押さえます6
  5. 効果を測る指標を4つに絞って固定します。転記件数、修正件数、1件あたりの入力時間、締め後の変更件数を同じ定義で数え、繁忙期を含む推移で判断します。

受注業務で起きている課題

受注業務の課題は、件数の増加そのものよりも、経路と情報が分かれたまま人手で束ねている点にあります。注文が電話、FAX、紙の注文書、メール、EDI、Web受注の6経路から届けば、受付の作法も確認の手順も6通りに分かれます。1件あたりの処理が数分でも、件数が3倍になれば同じ人数では収まりません。ここでは工数、精度、属人化の3つに分けて見ていきます。

受注チャネルの分散は、転記作業の重複を生みます。電話で受けた注文はメモに書き、基幹システムへ入力し、取引先の伝票と突き合わせます。同じ内容が紙と表計算とシステムの3か所に並び、どれが最新かを人が判断する状態です。入力の回数が増えるほど、打ち間違いと二重登録の余地も広がります。

明細行の増加は、件数の増加より見えにくい負荷です。1件の注文に商品が10行含まれていれば、確認は10回、修正が入れば連絡と再入力も行数の分だけ発生します。欠品や数量変更が1行でもあると、注文全体の再確認が要ります。受注件数だけを数えていると、この行単位の手数が集計から抜け落ちます。

担当者依存は、繁忙の波と重なったときに表面化します。取引先ごとの締め時刻、単位の読み替え、例外的な納期の扱いが、担当者の記憶だけに残っている状態も生まれます。その人が休むと、同じ注文の処理に2倍の時間がかかる事態も起こります。月末や季節の山では、残業と確認漏れが同時に増えます。

これらは別々の問題に見えて、同じ入口から出ています。経路が分かれ、情報が定型になっていないため、人が翻訳役を務めている状態です。翻訳の手数は、件数と明細行の積で増えていきます。人を増やす前に入口の形を見直す判断が、先に来る理由がここにあります。

工数の実態は、感覚ではなく件数で確かめられます。チャネル別に月間の受注件数、1件あたりの入力時間、修正の発生件数を並べると、どこに時間が集まっているかが見えます。3か月分を並べれば、繁忙の波と担当者の偏りも同時に確認できます。この3つの数字がないまま仕組みを選ぶと、投資の効果を後から説明できません。

課題 現れる場面 増える手数
受注チャネルの分散 電話やFAXなど6経路からの受付 紙と表計算とシステムへの転記の重複
明細行の増加 1件に商品が10行含まれる注文 確認10回と行数分の再入力
担当者依存 月末や季節の山 同じ注文の処理に2倍の時間

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課題が生まれる構造的な原因

課題の原因は、現場の努力不足ではありません。次の3点が重なっています。

<ul><li>注文が定型のデータとして届かない入口が残っています。</li><li>取引先ごとに注文の様式と商品コードが異なります。</li><li>在庫と与信と納期回答が別々の仕組みに置かれています。</li></ul>

この3点は互いを補強し合います。入口が定型でないから人が読み、様式が違うから読み替えが要り、参照先が分かれているから確認が往復します。

電話や紙の注文書は、受け手が聞き取り、書き取り、入力するまで機械が扱える形になりません。声と手書きは検索も突き合わせもできず、記録は担当者のメモに残ります。誤りが見つかるのは出荷指示や請求の段階で、さかのぼって原因を確かめる手間が発生します。入口が定型でないことは、後工程の確認回数を増やす原因になります。

取引先ごとに異なる様式と商品コードも、読み替えの手数を生みます。同じ商品でも取引先の型番と自社の品番が違えば、対応表を引いて確かめる作業が挟まります。入数や単位が箱とバラで混在すると、数量の解釈を取り違えた瞬間に誤出荷へつながります。商品識別コードとメッセージの形式は、流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)として業界標準が整備されています。仕様は流通システム開発センターが公開しており、その存在を知らないまま個別対応が積み上がる状態も見られます5

在庫と与信と納期回答が分かれた仕組みは、確認の往復を増やします。受注担当が在庫を別画面で確かめ、与信は経理へ問い合わせ、納期は物流へ電話で聞く形では、1件の回答に3つの部署が関わります。取引先を待たせた時間は、そのまま回答の遅れとして評価されます。参照先が分かれているかぎり、入力の自動化だけでは待ち時間は縮みません。

入口を放置したまま人手で支える選択にも費用がかかります。受注の締め後に判明した数量違いは、出荷の組み替え、再配送、請求の訂正へと波及します。1件の訂正に受注と物流と経理の3部署が関わると、当初の入力時間を上回る対応時間が消えていきます。誤受注は取引先の在庫にも影響するため、金額に表れない信用の損失も伴うと考えられます。

3点のうちどこから手を付けるかは、取引の構成で変わります。件数の大半が少数の取引先に集まっているなら、入口の定型化が効きます。取引先の数が多く1社あたりの件数が小さいなら、自社側の読み替えと参照の統合が先になります。原因を1つに決めつけず、件数の分布から順番を決める進め方が現実的です。

課題を放置した場合の影響

課題を放置した場合、影響は受注部門の残業では収まりません。誤受注と欠品は出荷、請求、入金まで波及し、配送頻度の増加は物流費として毎月積み上がります。加えて、労働時間の基準や物流効率化の制度が更新され、取引先から取引条件の見直しを求められる場面も出てきます。3つの影響は時間差で現れ、後になるほど選べる手が少なくなります。

誤受注や欠品は、後工程で費用に変わります。数量の誤りは出荷作業のやり直しと再配送を招き、請求の訂正と入金消込の差異にもつながります。訂正が月をまたぐと、締めの作業に追加の確認が入ります。受注の入口で1行を取り違えた影響は、締め処理が終わるまで部門をまたいで残ります。

配送頻度の増加は、物流費として継続的に効いてきます。業界団体は売上高に占める物流コストの比率を毎年調べ、全業種平均として公表しています4。小口の出荷が増えれば1回あたりの積載効率は下がり、同じ売上でも配送の回数は増えます。納品先が求める頻度に合わせるほど、増えた費用をどちらが負担するかという交渉が避けられません。

取引環境の変化も、対応の遅れがそのまま負担になります。荷主に物流効率化の取り組みを求める制度が整えられ、判断基準や中長期計画の考え方が公的なポータルで示されています2。規模の基準や義務の開始時期は段階的に定められているため、自社が対象かどうかは公式の記載で確かめる必要があります。受注の入口が紙のままでは、荷待ちや荷役の時間を短くする取り組みにも着手しにくくなるでしょう。

運送を担う側の労働時間の基準も更新されました。自動車運転者の拘束時間は1年3,300時間、1か月284時間を原則とし、1日は13時間を基本として上限15時間と定められています3。休息期間は継続11時間を基本とし、9時間を下回らないこととされ、2024年度から適用されています。これは運送事業者に適用される基準であり、受注側へ直接課されるものではありません。

ただし、影響は取引条件を通じて届きます。締め時刻の後ろ倒しや当日出荷の依頼が受け入れられなくなれば、受注の締めと出荷指示の間の余裕は縮みます。回答の遅い受注業務は、輸送の計画を立てにくくする要因にもなります。受注の入口を定型化しておくことは、こうした条件の変化に耐える準備でもあります。

システム側の期限も同時に近づいています。電話回線を用いた従来型の接続については、新規の申し込み受付と将来の提供終了が公表されています6。期限の内容は提供地域や契約で異なるため、自社の回線と接続方式を早めに確かめる必要があります。基盤の更新と受注の見直しを別々に進めると、同じ取引先へ二度の切替を依頼することになります。

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自社の受注課題を整理する進め方

自社の受注課題を整理する進め方は、可視化、棚卸し、順序決めの3段階で足ります。最初にチャネル別の受注件数と工数を数え、次に明細と単位と納期条件を棚卸しし、最後に着手順序の決定へ進みます。順番を入れ替えると、効果の小さい取引先から手を付けてしまい、投資の説明が難しくなります。数字を先に置くことが、社内の合意を早めます。

受注件数の可視化から始めます。電話、FAX、紙の注文書、メール、EDI、Web受注の6経路ごとに、次の4項目を並べます。

<ul><li>月間の受注件数を数えます。</li><li>明細行の合計を数えます。</li><li>1件あたりの入力時間を測ります。</li><li>修正の発生件数を数えます。</li></ul>

3か月分を並べると、繁忙の波と担当者ごとの偏りが同時に見えてきます。ここで得た数字は、後の効果測定の基準としてそのまま使えます。

次に明細と単位の棚卸しへ進みます。取引先ごとの商品コードの対応表、入数と単位の表記、納期条件と締め時刻を一覧に落とします。対応表が担当者の手元にしかない場合は、その時点で属人化の範囲が特定できます。単位の読み替えが多い取引先ほど、誤出荷の危険と改善の余地が同時に大きくなります。

効果の見込みの試算は、件数を使えば手早く出せます。転記が1件あたり4分、月に1,000件と置けば、転記だけで月4,000分という計算になります。この4分と1,000件は、あくまで計算の例として置いた数字です。この計算式に自社の実測値を入れれば、外部の平均値ではなく自社の数字として投資判断に使えます。実測が取れていない項目は、置いた前提を明記しておきましょう。

着手順序の決定では、件数の多さと移行のしやすさを掛け合わせます。件数の上位に入り、かつ標準的な様式に対応できる取引先から始めると、初期の効果が数字で出ます。逆に、件数が少なく個別対応の多い取引先を先に選ぶと、労力の割に効果が見えません。上位3社から着手し、成果を見せてから範囲を広げる進め方が説明しやすくなります。

整理の作業そのものにも人手が要ります。チャネル別の集計、対応表の棚卸し、取引先への確認は、受注の実務と並行して進めることになります。実務の担当者だけで抱えると、繁忙期に止まったまま数か月が過ぎます。期間を区切り、集計の担当と判断の担当を分けておくと、途中で止まりにくくなります。

自社の受注課題を整理する進め方を3段階に分けた図です。第1段階の受注件数の可視化には、月間の受注件数、明細行の合計、1件あたりの入力時間、修正の発生件数の4つの作業が入ります。第2段階の明細と単位の棚卸しには、商品コードの対応表、入数と単位の表記、納期条件と締め時刻の3つの作業が入ります。第3段階の着手順序の決定には、件数の多さ、移行のしやすさ、上位3社の3つの作業が入ります。
自社の受注課題を整理する3段階と各段の作業

受注の負荷を下げる改善の選択肢

受注の負荷を下げる選択肢は、次の3つの方式に整理できます。

<ul><li>標準仕様のデータ連携で、注文を定型のデータとして受け取ります。</li><li>取引先が入力するWeb受注で、入口を1つにそろえます。</li><li>複数チャネルの併用で、経路ごとの注文を1つの受け皿へ集めます。</li></ul>

取引先の件数と規模の分布によって、どれを軸に置くかが変わります。件数の大半を占める大口の取引先にはデータ連携、件数が小さく数の多い取引先にはWeb受注が向きます。1つの方式に統一しようとすると、移行できない取引先が残ります。

標準仕様のデータ連携は、注文から請求までのメッセージの形式を業界で共通化する考え方です。この標準は流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)として2007年に公表されました5。1980年代から使われてきた電話回線を前提とする手順に代わる方式として整備されています。通信の手順も複数用意され、インターネット回線を使う形が選べます。取引先が同じ流通BMSに対応していれば、個別の様式合わせが不要になります。

取引先が入力するWeb受注は、入口を1つにそろえる方法です。取引先が画面から注文を登録すれば転記の工程がなくなり、在庫や納期の回答をその場で返せます。商品コードの読み替えも、画面側で自社の品番に対応させておけば人手を介しません。ただし、取引先に操作を覚えてもらう必要があり、切替の案内と初期の支援が要ります。

複数チャネルの併用を選ぶ場合は、受け皿を1本にすることが要点になります。データ連携とWeb受注のどちらから届いても、同じ受注データとして基幹側に積み上がる形にします。電話とFAXが残る取引先については、受付の担当者が同じ画面へ入力し、経路の違いを後工程へ持ち込まないようにします。経路が3つに分かれても、確認と出荷指示の手順は1つに保てます。

紙やFAXを読み取る仕組みも選択肢に入ります。文字認識で伝票を読み取れば入力の手数は減りますが、読み取りの誤りを確かめる工程は残ります。手書きや印字の状態で精度が変わるため、確認なしで基幹へ流す設計は避けたほうが安全でしょう。入口そのものを定型化する方式と比べると、位置づけは移行までの橋渡しになります。

方式の選択は、機能の多さではなく取引先の構成で決まります。上位の取引先が流通BMSに対応しているか、残りの取引先が画面入力を受け入れられるかを先に確かめます。判断の材料は、前節で集めた件数と明細行の分布です。方式を先に決めてから取引先に合わせる進め方は、移行の途中で行き詰まりやすくなります。

方式 向く取引先 要る備え
標準仕様のデータ連携 件数の大半を占める大口の取引先 流通BMSへの対応と通信手順の選択
取引先が入力するWeb受注 件数が小さく数の多い取引先 切替の案内と初期の支援
複数チャネルの併用 電話とFAXが残る取引先 受け皿を1本にする形
紙やFAXを読み取る仕組み 移行までの橋渡し 読み取りの誤りを確かめる工程
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改善を進めるときの確認事項

改善を進めるときは、取引先への移行案内、通信基盤の更新、効果の測定の3点を並行して確認します。取引先の合意がないまま切替日を決めると、注文そのものが止まります。基盤の期限を見落とせば、同じ取引先へ二度の依頼をすることになります。指標を置かないまま始めると、投資の成果を社内へ説明できません。

取引先への移行案内は、対象取引先の選定から始めます。取引量と様式の近さで並べ、先行する数社を決めます。移行手順の説明では、切替の期日、入力の手順、問い合わせの受け方を一度に伝えます。並行運用の期間を設け、旧来の方式をしばらく併用できるようにしておくと、注文が止まる危険を抑えられます。

通信基盤の更新は、期限のある作業です。電話回線を用いた接続は、新規の申し込み受付と提供終了の予定が公表されています6。回線の切替と併せて流通BMSへの様式の標準化を同じ時期に進めると、取引先への依頼を一度にまとめられます。自社の契約内容と接続方式を先に棚卸しし、期限までの残り期間から逆算して計画を置きます。

効果の測定では、指標の選定を先に済ませます。転記件数、修正件数、1件あたりの入力時間、締め後の変更件数という4つがあれば、変化を追えます。継続の確認として、繁忙期を含む3か月以上の推移を見ます。改善の効果は取引先の構成と件数によって変わるため、他社の数値ではなく自社の推移で判断しましょう。

内製で進める場合に要る知識も、あらかじめ見積もっておきます。次の5つの領域にまたがります。

<ul><li>流通BMSの標準メッセージの仕様を読み解きます。</li><li>通信手順と証明書の扱いを整えます。</li><li>商品コードの対応表を設計します。</li><li>基幹システムとの連携を実装します。</li><li>取引先への説明と案内を担います。</li></ul>

受注の実務担当者が片手間で担える範囲を超えるため、情報システム部門と業務部門の双方から担当を置く必要があります。人員を確保できない場合は、外部の専門パートナーへ設計と移行支援を委ねる選択もあります。

内製と外部委託の違いは、速さと失敗の抑え方に出ます。内製では仕様の理解から始めるため、取引先への案内までに時間がかかり、切替の順序を誤ると注文が止まる危険が残ります。移行の経験がある担当が入れば、並行運用の期間や案内の文面といった手順を先に固められます。費用は増えますが、切替の失敗による受注停止の損失と比べて判断する考え方が現実的です。

ここまでの内容を、改善の順序として3点に整理しておきます。まず経路ごとの件数と明細行を数え、負荷の所在を金額ではなく件数で押さえます。次に流通BMSのデータ連携、Web受注、複数チャネルの併用のうち、取引先の構成に合う方式を選びます。最後に上位の取引先から順に移行し、効果を件数で測りながら対象を広げます。

FSOLでは、受注基盤の移行支援として、件数の可視化から方式の選定、取引先への案内までを一貫してお手伝いしています。自社の受注件数と経路の分布を整理した段階でご相談いただければ、着手順序の検討から並行して進められます。取り組みの内容は<a href="/service/order-platform/">受注基盤の移行支援</a>のページでご確認いただけます。

改善を進めるときの確認事項を3つの段で示した図です。取引先への移行案内では、対象取引先の選定から始め、切替の期日と入力の手順と問い合わせの受け方を一度に伝えます。通信基盤の更新では、電話回線を用いた接続の期限から逆算し、流通BMSへの様式の標準化と併せて進めます。効果の測定では、指標の選定を先に済ませ、繁忙期を含む3か月以上の推移を見ます。
改善を進めるときに並行して確認する3点の順序

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よくある質問

多頻度小口への対応にかかる費用はどのように見積もればよいですか

初期の設計と接続、取引先ごとの設定、運用の保守、社内の工数という4つに分けて見積もります。金額は取引先の件数と接続方式で変わるため、他社の相場よりも自社の受注件数と明細行の数を先に押さえるほうが確かです。転記や修正に費やしている時間を月単位で数えておくと、費用と削減見込みを同じ物差しで比べられます。

取引先が標準のデータ連携に対応していない場合はどうすればよいですか

取引先が入力するWeb受注や、紙とFAXの読み取りを組み合わせて受け皿を1本にまとめます。標準仕様は業界団体が整備しており、対応の可否は取引先の基幹システムの更新時期に左右されます5。対応できない取引先を無理に移行させるより、自社側で経路の違いを吸収する設計のほうが移行は進みます。

改善の効果はどのくらいの期間で確認できますか

繁忙期を含む3か月以上の推移で判断します。切替の直後は並行運用があるため、かえって手数が増える時期があります。転記件数、修正件数、締め後の変更件数を毎月同じ定義で数え、季節の山を1回はさんだうえで比べてください。効果の幅は取引先の構成と件数によって変わるため、条件を添えて社内へ報告しましょう。

電話やFAXでの注文をすべてやめる必要がありますか

すべてをやめる必要はありません。件数の上位に入る取引先からデータ連携やWeb受注へ移し、残る経路は受付担当が同じ画面へ入力する形にすれば、後工程の手順は1つに保てます。経路を残す場合でも、受注データの形をそろえておくことが在庫や納期回答の自動化につながります。

小規模な事業者でも通信基盤の期限に対応する必要がありますか

電話回線を用いた接続を使っているなら、規模にかかわらず確認が要ります。新規の申し込み受付と提供終了の予定が公表されており、条件は提供地域や契約で異なります6。自社の回線種別と接続方式を棚卸しし、期限までの残り期間から逆算して切替の計画を立ててください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:国土交通省「第11回全国貨物純流動調査(物流センサス)の調査結果について」(2023) 経路
  2. 2 出典:国土交通省・経済産業省・農林水産省「『物流効率化法』理解促進ポータルサイト(荷主の判断基準等)」(2025) 経路
  3. 3 出典:厚生労働省(千葉労働局)「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の改正(令和4年厚生労働省告示第367号)」(2022) 経路
  4. 4 出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「2025年度物流コスト調査報告書(概要版)」(2026) 経路
  5. 5 出典:一般財団法人流通システム開発センター「流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)」(2018) 経路
  6. 6 出典:東日本電信電話株式会社「INSネットの新規申込受付・提供終了について」(2024) 経路

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  1. Magnifying glass highlighting stacked area charts for busine/Photo by RDNE Stock project on Pexels
  2. Close-up of a financial report showing sales data with drama/Photo by RDNE Stock project on Pexels
  3. Close-up of financial analysis showing graphs, charts, and person pointing with pencil./Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels
  4. Close-up of colorful financial charts and a pencil on a wooden desk./Photo by RDNE Stock project on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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