◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 専用構築の型は、ベースエンジン利用料が月額170,000円から始まります。モデルケースでは月額260,000円で、構成が変われば金額も動きます4。
- 小規模向けの定額プランは、初期費用100,000円と月額88,000円(税抜)です。商品数30,000SKU・取引先10,000件・利用者5名までを含みます5。
- 補助のインボイス対応類型では、ソフトウェア等の区分上限が350万円です。ハードウェアは10万円と20万円の上限に分かれます3。
- 紙の伝票を続ける負担も費用です。2024年の調査では、事務負担が増えたと答えた事業者が82.2%、コストが増えたと答えた事業者が48.8%でした2。
目次

月額17万円から見る伝票費用の内訳
伝票システムの月額費用とは、土台を動かす利用料に、処理量で動く分と機能追加分を足した毎月の支出です。専用構築の型は月額170,000円から、小規模向けの定額プランは月額88,000円(税抜)が出発点です45。
ベースエンジン利用料に含まれる範囲
朝の受注担当の机には、前夜に届いた注文の紙が積まれています。品番を読み、基幹システムへ打ち直す。手が止まるのは、単価が取引先ごとに違う欄です。
この「打ち直し」の時間は、どこの請求書にも載りません。載らないから、稟議書の欄にも書けないのです。あなたの会社の稟議書にも、月額の欄だけが空いていないでしょうか。
ベースエンジン利用料は、システムの土台を動かすための月額です。ASP型の下限は月額170,000円で、受発注の画面と処理の基本部分がここに入ります4。
サーバー構成で動く月額の幅
月額の幅を決めるのは、サーバー構成と処理量です。公表されているモデルケースは、月間データ転送量200GB・月間リクエスト数1,000,000件で、ベースエンジン利用料は月額260,000円です4。
同じ機能でも、構成を変えれば金額は動きます。260,000円は固定の価格表ではなく、ひとつの前提のもとで出た金額なのです。
カスタマイズとオプションの扱い
土台の外側にあるのが、カスタマイズとオプションです。取引先ごとの単価表、掛売の与信、基幹システムとの連携。どれが土台に含まれるかで、外に出る分が変わります。
見積もりを読むときは、月額の総額から入らないでください。内訳の3区分に分けて並べると、比べる相手がそろいます。
定額と従量で分かれる月額の増え方
取引先1万件・3万SKUの定額の上限
定額の型は、上限までは金額が動きません。小規模向けの定額プランは、商品数30,000SKU、取引先10,000件、利用者5名までを月額88,000円(税抜)に含みます5。
上限の内側にいる限り、取引が増えても請求額は同じです。稟議書に根拠を書きやすいのは、この型なのです。
見るべきは、いまの数字ではなく増えていく先の数字です。商品数が30,000SKUに近づいているなら、上限そのものが判断の材料になります。
処理量が増えたときの費用の動き
専用構築の型では、処理量が月額に反映されます。モデルケースの200GB・1,000,000件という前提が動けば、260,000円という金額も動きます4。
増える向きだけではありません。閑散期に処理量が落ちれば、その分も反映されます。定額と従量のどちらが向くかは、取引量の振れ幅で決まります。
取引がECへ移る流れは続いています。国の市場調査によると、2024年の企業間電子商取引のEC化率は43.1%で、前年から3.1ポイント上がりました1。市場規模は514.4兆円、前年比10.6%の増加です1。
紙の注文がECへ移るほど、システムが受け止める処理量は増えます。定額の上限か、従量の単価か。どちらの型でも、増える先を見て選ぶ必要があります。
自社の商流に合わせた要件整理を進めたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。
初期費用10万円を含む総額の試算
初期費用と月額を合算した12か月の見方
順序は3段です。初期費用の確定、月額の確定、12か月の合算。この順に並べると、比べられる数字が1つになります。
小規模向けの定額プランは、初期費用100,000円と月額88,000円(税抜)に分かれています5。12か月の合算は、初期費用100,000円と、月額88,000円の12回分の和で見ます。
稟議書に月額だけを書くと、初年度の実額とずれます。初期費用は初年度に一度だけ乗る費用で、翌年以降は乗りません。
30日間の無料期間で確かめる項目
無料期間は、金額を自社の数字に置き換える期間です。無料トライアルは30日で、商品数500SKU、取引先50件までを扱えます5。
30日で見るのは機能の一覧ではありません。自社の単価表が登録できるか、掛売の条件が表現できるか、いまの伝票の項目が収まるか。この3点です。
補助上限350万円までの費用の切り分け
補助対象になる経費とならない経費
判断軸は3つです。機能の範囲、補助対象の切り分け、申請前の合意。この順に決めると、申請の内容と稟議の内容が一致します。
補助のインボイス対応類型では、ソフトウェア経費の区分上限が350万円と示されています3。枠・補助率・上限額は年度ごとに変わりますので、公募要領の確認を申請前に一度入れてください。
ハード上限10万円・20万円の内訳
ハードウェア経費は、区分ごとに上限が分かれます。PC・タブレット等は10万円、レジ・券売機等は20万円です3。
端末を含めて申請するなら、上限の内側で機種を決める必要があります。ソフトウェアの枠と混ぜて積み上げると、あとで削る作業が出ます。
申請前に決めておく機能の範囲
申請前の合意で引くのは、必須機能と追加機能の線です。必須機能は稼働の初日に要るもの、追加機能は稼働後でも間に合うもの。この線がないまま進めると、見積もりも申請書も膨らみます。
社内の稟議で問われるのは、月額の根拠です。内訳の3区分と、上限までの余裕。この2つを書ければ、金額の質問には答えられます。
ここまでで、月額の内訳と総額の見方はそろいます。以降は、自社の規模が標準の形から外れている方に向けた内容です。
事務負担82.2%が費用より重い理由
順位は公表された調査に依ります2。

順位根拠:公表された調査
- 回答した3,149者を母数とする2024年の調査では、売上高1千万円以下の事業者で経理事務を1人で行っている割合が92.0%でした。担当者が1人なら、伝票の打ち直しはその1人の時間を占めます。
- 事務負担が増えたと回答した事業者は82.2%です。制度への対応が済んだあとも、伝票の確認と保存の手間は残ります。
- 代表者等が経理事務を兼務している割合は78.1%です。兼務なら、伝票にかかる時間は営業や製造の時間を削ります。
- コストが増えたと回答した事業者は48.8%です。増えたのは金額だけでなく、金額と手間の両方でした。
- 外部専門家の関与なく社内のみで経理事務を行う割合は31.1%です。社内だけで回すなら、仕組みの側で手間を減らすほかありません。
規模別に分かれる3つの型と選び方
| 型名 | 当てはまる条件 |
|---|---|
| 小口卸型 | 取引先が50件まで、商品数が500SKUまでに収まる |
| 中小卸型 | 商品数30,000SKU・取引先10,000件・利用者5名の内側で回る |
| 中堅卸型 | 基幹システムとの連携があり、倉庫や拠点が複数ある |
取引先50件までの小口卸の見極め
無料期間の上限で足りるかの確認
取引先が50件までの小口卸では、月額の絶対額より先に効く制約があります。伝票を触れる人が1人しかいない、という制約です。先ほどの12か月の合算だけでは、この制約は数字に出てきません。
ここで見る軸は、上限までの残りです。無料トライアルの上限である商品数500SKU・取引先50件に、いまの取引が収まっているかを確かめます5。
収まっていて単価も一律なら、いまの表計算と会計ソフトのまま様子を見る判断も成り立ちます。依頼をしない選択も、費用の判断の一部なのです。
定額プランへ移る判断の目安
移る合図は2つです。取引先が50件を超えたとき、商品数が500SKUを超えたとき5。どちらかが来たら、定額プランの上限で受け止められます。
難易度そのものは高くありませんが、作業は残ります。単価表の整理と取引先マスタの棚卸しは、社内で用意する分です。担当者が1人なら、通常業務と並行する分だけ日数が伸びます。
| 確認する項目 | 公表されている上限 |
|---|---|
| 無料トライアルの商品数 | 500SKU |
| 無料トライアルの取引先数 | 50件 |
| 無料トライアルの期間 | 30日 |
| 有料プランの商品数 | 30,000SKU |
| 有料プランの取引先数 | 10,000件 |
| 有料プランの利用者数 | 5名 |
3万SKU規模の中小卸の見極め
月額88,000円で収まる条件
商品数が30,000SKUに近づく中小卸では、定額の上限が判断の中心になります。金額が動かない代わりに、上限に触れた日が期限になるからです。
収まる条件は3つです。商品数30,000SKU以内、取引先10,000件以内、利用者5名以内5。この内側にいる限り、月額88,000円(税抜)は動きません。
上限を超えたときの選択
上限を超えると、金額の調整ではなく型そのものを変える判断になります。専用構築の型は、ベースエンジン利用料が月額170,000円から、モデルケースでは月額260,000円です4。
金額は上がりますが、処理量と機能の幅は広がります。上限の直前で機能を削って粘ると、稼働後に作り直しが出ます。
決める順序は、上限に触る時期の見積もりからです。商品数と取引先数の増え方を、いまの数字で並べてください。
| 判断の項目 | 定額の型 | 専用構築の型 |
|---|---|---|
| 月額の出発点 | 88,000円(税抜) | 170,000円から |
| 初期費用 | 100,000円 | 構成に応じて決まります |
| 含まれる上限 | 30,000SKU・10,000件・5名 | 処理量に応じて広がります |
| 月額の動き方 | 上限までは動きません | 200GB・1,000,000件のモデルケースで260,000円 |
複数拠点を持つ中堅卸の見極め
基幹連携と倉庫数で変わる構成
複数拠点を持つ中堅卸では、月額の幅を決めるのは機能の数ではありません。基幹システムとの連携の本数と、在庫を持つ倉庫の数です。定額の上限で判断する形は、ここでは成り立ちません。
見る軸は処理量です。公表されているモデルケースは、月間データ転送量200GB・月間リクエスト数1,000,000件で月額260,000円4。拠点が増えれば、この前提の側が動きます。
約4か月で立ち上げた進め方
公開されている導入事例では、実質的な開発期間は約4か月でした6(2017年の導入)。要件の整理と、いまの伝票項目の移し替えが先に来ます。
必要な知識は3領域です。受発注の業務、基幹システムのデータ構造、掛売と与信の条件。1人が兼務する形では、要件の抜けが稼働後に出ます。
月額の見積もりを取る前に、連携する基幹システムの本数と倉庫の数を書き出してください。この2つが決まると、構成の話がそのまま金額の話になります。
| 構成の要素 | 月額に効く点 |
|---|---|
| 基幹システムとの連携 | 連携の本数だけ設計と検証の分量が増えます |
| 倉庫と拠点の数 | 在庫の引き当て単位が増えます |
| データ転送量 | モデルケースは月間200GBです |
| リクエスト数 | モデルケースは月間1,000,000件です |

要点の整理
| 判断の軸 | 基準 |
|---|---|
| 月額の内訳 | ベースエンジン利用料・サーバー構成・カスタマイズとオプションの3区分で並べる |
| 定額か従量か | 30,000SKU・10,000件・5名の上限に収まるかで分ける |
| 総額の見方 | 初期費用100,000円と月額88,000円(税抜)の12か月分を合算して比べる |
| 補助の切り分け | ソフトウェアは350万円、ハードウェアは10万円と20万円の上限で分ける |
| 紙のままの負担 | 事務負担82.2%・コスト48.8%・経理1人92.0%を自社に当てて見る |
| 小口卸型 | 無料トライアルの500SKU・50件・30日で足りるかを見る |
| 中小卸型 | 月額88,000円(税抜)の上限に触る時期を見積もる |
| 中堅卸型 | 基幹連携の本数と倉庫の数で構成を決め、約4か月規模の立ち上げを見込む |
よくある質問
月額費用は税抜と税込のどちらの表示ですか。
公表されている月額88,000円は税抜の表示です5。稟議書に並べるときは、税抜と税込のどちらでそろえるかを先に決めてください。専用構築の型の月額170,000円からという表示についても、前提を見積書で確かめる必要があります4。
初期費用と月額は分けて請求されますか。
小規模向けの定額プランでは、初期費用100,000円と月額88,000円(税抜)が分かれています5。初期費用は初年度に一度だけ乗る費用です。12か月の合算で見ると、初年度と翌年以降で実額が変わります。
無料で試せる期間はどれくらいありますか。
無料トライアルは30日で、商品数500SKU・取引先50件までを扱えます5。この上限は、自社の単価表と取引先マスタが収まるかを確かめる範囲です。期間に入る前に見る項目を決めておくと、判断が早くなります。
補助金で月額費用も対象になりますか。
対象の範囲は年度の公募要領で定まりますので、申請前の確認が要ります。インボイス対応類型では、ソフトウェア等の区分上限が350万円と示されています3。ハードウェアは10万円と20万円の上限に分かれます3。
紙の伝票を続ける場合の負担はどう見積もればよいですか。
請求書に載らない時間を数えることから始めます。2024年の調査では、事務負担が増えたと答えた事業者が82.2%、コストが増えたと答えた事業者が48.8%でした2。売上高1千万円以下では、経理事務を1人で行う割合が92.0%です2。
導入までどれくらいの期間がかかりますか。
公開されている導入事例では、実質的な開発期間は約4か月でした6。基幹システムとの連携の本数や倉庫の数で、設計と検証の分量は変わります。定額プランなら、無料トライアルの30日で確かめてから決められます5。
定額プランの上限を超えた分だけ追加で払えますか。
公表されているのは、上限を含んだ月額と、専用構築の型の月額です45。上限を超える見込みが立った段階で、型そのものを比べる形になります。上限に触る時期を先に見積もると、切り替えの検討が間に合います。
月額の内訳は見積書のどこを見ればわかりますか。
3区分に分けて読むのが近道です。土台のベースエンジン利用料、処理量で動くサーバー構成の分、外に出るカスタマイズとオプションの分です。専用構築の型ではASP型の下限が月額170,000円で、モデルケースは月額260,000円です4。
- 1 出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
- 2 出典:日本商工会議所「中小企業におけるインボイス制度、電子帳簿保存法、バックオフィス業務の実態調査」(2024年) 経路
- 3 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業デジタル化・AI導入支援事業(デジタル化・AI導入補助金2026)インボイス枠・インボイス対応類型」(2026年) 経路
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B Ⅱ 料金プラン」(2026年) 経路
- 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo 料金」(2026年) 経路
- 6 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider 導入事例」(2026年) 経路
画像の出典元
- Sunlit construction plans and hard hat on site. Perfect for/Photo by Pavel Danilyuk on Pexels
- Detailed view of server racks with glowing lights in a data/Photo by panumas nikhomkhai on Pexels
- Blurry background with a focus on a computer mouse in an off/Photo by ClickerHappy on Pexels