◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- EDI(企業間で受発注データを決めた形式でやり取りする仕組み)の課題は、回線の期限、取引先が指定する標準規格、社内の連携の三つに整理できます。着手の順序は、この仕分けで決まります。
- ISDN(電話回線を使ったデジタル通信の方式)のディジタル通信モードは2024年に段階的に提供が終わり、INSネット関連サービスも2028年に提供終了が予定されています5。自社で動かせない期限は、ここだけです。
- 企業間電子商取引の市場規模は2024年に514.4兆円、EC化率(商取引全体のうち電子商取引が占める割合)は43.1%で、前年比10.6%増でした1。電子化を求められる側に回る中堅・中小が増えています。
- 流通BMS(流通業界の標準EDIの規格)を導入した卸・メーカーは2025年時点で21,600社以上と推計され、直近半年で700社以上増えています2。取引先の指定に合わせるか、自社側に受け皿を置くかの判断が先に立ちます。
- 2021年度の調査では、対象8団体のうち業界EDIの保有は4団体、保有業界でも中小企業の利用率は25%を下回っていました4。業界標準が無い業種は、共通EDIか自社サイトのどちらで受けるかを自社で決めます。
目次

EDIの課題は接続先ごとの分断に集約
EDIの課題とは、企業間の受発注データを自動でやり取りする仕組みが接続先ごとに分断される問題です。回線の期限、取引先が指定する標準規格、社内の連携の三つに整理でき、期限のある回線から着手します。INSネット関連サービスは2028年に提供終了が予定されています5。
企業間の受発注を自動でつなぐ仕組み
朝いちばんに開く画面が、取引先の数だけ並んでいます。ある取引先の専用画面で受注を確認し、別の取引先から届いたFAXを見ながら基幹システムへ打ち込む。届いた数量と社内の在庫を突き合わせ、疑問があれば電話で確かめます。出荷の指示が出るまでに、同じ数字を二度も三度も書き写すことになります。同じ数字を書き写すこの時間に、あなたの受注事務でも心当たりはないでしょうか。
EDIは、この書き写しを無くすために生まれた仕組みです。発注、出荷、請求といったやり取りを、相手と決めた形式と手順でそのまま渡し合います。ところが実務で起きているのは「つながらない」ではなく「つながり方がそろわない」という事態です。相手ごとに方式が違えば、担当者の手元には相手の数だけ入口が残ります。
取引先・回線・社内の三層で起きる分断
この入口の多さを生む分断は、三つの層で起きます。第一に取引先の要求です。標準EDIへの対応や回線の移行を、相手の都合と時期で求められます。第二に回線とサービスの期限です。提供が終わる回線の上に、自社の受発注が載ったままになっています。第三に社内の連携です。受け取ったデータが基幹システムに入らず、人手の転記で埋めることになります。
この三つは、着手の順序が違います。回線とサービスの期限には、自社の判断で動かせない締切があります。取引先が指定する標準規格は、相手に合わせる部分と自社で決められる部分に分かれます。社内の連携は、期限も相手もない代わりに、後回しにすると効果が出ません。課題を一覧で眺めるより、この三つに仕分けるほうが手が動きます。
転記と電話で確かめる時間は、どの請求書にも載りませんが、毎月の人件費として現に払っています。
2028年に切れる回線と移行の残り時間
2028年で終わるINSネット関連サービス
期限は二段で来ています。ISDNのディジタル通信モードは2024年に段階的に提供が終わりました5。関連するINSネット関連サービスも、2028年に提供終了が予定されています5。EDIの通信をこの回線に載せている場合、残っている時間はこの期限までです。地域や事業者によって案内の時期が異なりますので、自社の契約先が公表している資料で確かめる必要があります。
期限のある課題は、後回しにしたぶんだけ選べる手が減ります。回線が使えなくなる日に合わせて切り替えるのではなく、取引先との日程を先にそろえる段取りが欠かせません。切替を誤れば、受注データが届かない日が生まれます。受注が止まれば出荷も請求も止まりますので、失われるのは工数ではなく売上です。
移行が取引先との共同作業になる事情
受注を止めずに回線を移す作業は、自社だけで完結しません。EDIは相手と決めた形式と手順でつながる仕組みですから、片方が方式を変えれば、もう片方も設定を変えます。取引先の数だけ、同じ説明と同じ日程調整を繰り返すことになります。ここで効くのは技術力よりも段取りです。誰にいつ何を伝えるかを決めておけば、相手側の作業待ちが重なりません。
自社だけで抱えると、必要な手当ても増えます。回線と通信方式の知識、基幹システムの受け口の改修、取引先ごとの調整、そして受注を止めない切替日の設計という四つが同時に走ります。外部の支援を入れる意味は「難しいから任せる」ことではなく、受注が止まる日を作らないために段取りの担い手を増やすことにあります。
いまの形を続けるという選択には、2028年に提供が終わる回線の上へ自社の受発注を置き続けるという値札が付いています5。
EC化率43.1%が押し上げる電子化の要求
514.4兆円に達した企業間取引の電子化
取引先側の変化は、統計に現れています。2025年に公表された電子商取引に関する市場調査では、2024年の企業間電子商取引の市場規模は514.4兆円でした1。EC化率は43.1%、市場規模は前年比10.6%増で、EC化率は前年から3.1ポイント上がっています1。同じ調査の同じ年の数値ですので、規模と比率が同じ向きに動いたと読めます。
43.1%という比率は、企業間の商取引の四割強がすでに電子でやり取りされていることを示します。残る側にいるか、入った側にいるかで、受け取る依頼の中身が変わるのです。
電子化を求められる側に回る中堅・中小
比率が上がるほど、求める側と求められる側の立場が入れ替わります。取引先が受発注を電子化すれば、紙と電話で応じている自社へ対応の依頼が届きます。依頼の中身は、標準EDIへの接続、指定された画面での発注受付、データ形式の統一のいずれかです。対応を見送るという選択には、見送った理由を取引先へ説明し続けるという手間が付いてきます。
基幹システム連携で詰まる三つの箇所
コード体系の不一致で止まる自動取込
自動取込が止まる箇所は、たいてい番号です。取引先の商品コードと自社の商品コードが違えば、受信したデータはどの商品を指すのか分かりません。取引先コード、数量の単位、税の扱いも同じです。人が見れば分かる違いを、仕組みは読み替えられません。コード体系の統一が、連携の入口に置かれます。
画面転記が残る限り減らない入力工数
取込の自動化まで進めないと、入力の工数は減りません。受信したデータを画面で見て基幹システムへ打ち直す形では、通信が電子になっても人手の作業は残ったままです。むしろ確認する画面が増えたぶん、手間が上積みされることもあります。画面転記の廃止を到達点に置けば、どこまで進めれば効果が出るかが決まります。
51.4%の時間削減を生んだデータ連携
連携まで届いた場合の効果は、公表された実証で確かめられます。2016年度に選定・実施された中小企業共通EDIの実証は12件で、参加した中小企業の業務時間は平均51.4%減りました3。これは実証に参加した企業の平均値ですので、導入すれば同じだけ減ると読む数値ではありません。通信の電子化で止めれば、基幹システムまでつないだ場合との差は、そのまま毎月の入力工数として残ります。
業界EDIの有無で分かれる中小企業の現在地
8団体中4団体にとどまる業界EDIの保有
判断の起点は一つです。自社の業界に業界標準のEDIがあるかどうかで、選べる手が変わります。2022年に公表された受発注のデジタル化に関する報告書では、2021年度の調査対象8団体のうち業界EDIを保有していたのは4団体でした4。保有している業界でも、中小企業の利用率は25%を下回る水準にとどまっていました4。業界標準がある側でも、使っていない企業が残っているわけです。
自社の受け皿を決める二つの問い
ここから先の判断は、二つの問いで足ります。第一に、取引先が規格を指定しているかどうかです。指定があるなら、その規格へ合わせる作業が先に立ちます。第二に、指定が無い取引先が残るかどうかです。残るなら、相手ごとにEDIを増やすより、自社側に発注を受ける画面を一つ置くほうが後の手間が減ります。
自社側に受け皿を置く場合の期間は、公表された事例で見当がつきます。フリュー株式会社は、BtoB向けのECサイトを2016年に構築し、2か月でカットオーバーに至ったと公表されています6。基幹システムを入れ替える話ではなく、受注を受ける画面を先に用意した例です。2028年という回線の期限と並べたとき、どちらを先に置くかの見当が立ちます5。
ここまでで着手の順序と判断の起点はそろいましたので、以降は自社の条件が標準の並びから外れる方に向けた内容です。

ここまでの手順を自社の条件で確かめたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。
期限の近さで並べるEDI課題の着手順
順位は公表された調査に依ります5。
順位根拠:公表された調査
- 回線とサービスの期限への対応です。ディジタル通信モードは2024年に段階的に提供が終わり、INSネット関連サービスも2028年に提供終了が予定されています5。自社の判断で動かせない締切は、この一件だけです。
- 取引先が指定する標準EDIへの対応です。流通BMSを導入した卸・メーカーは2025年時点で21,600社以上と推計され、直近半年で700社以上増えています2。増えている側が取引先にいるなら、指定は例外ではなく前提になります。
- 取引先ごとに増えた画面の集約です。相手の画面に出向く形を続けるか、自社の画面に相手を迎える形へ移すかを決めます。決めないまま画面が増えると、人手の転記がそのまま固定されます。
- 基幹システムとの連携です。2016年度の中小企業共通EDIの実証12件では、参加した中小企業の業務時間が平均51.4%減りました3。実証参加企業の平均値であり、一般の導入効果として読む数値ではありません。
- 業界標準EDIが無い場合の備えです。2021年度の調査対象8団体のうち業界EDIの保有は4団体、保有業界でも中小企業の利用率は25%を下回っていました4。合わせる先が無い業種は、受け皿を自社で決めます。
自社の行がこの並びに見つからない方は、次の表の型から自社の条件を探せます。
三つの型で見分ける自社の当てはまり方
| 型 | 当てはまる条件 | 判断の起点 |
|---|---|---|
| 取引先からの標準EDI指定 | 取引先が流通BMSなどの規格と切替時期を指定している | 指定のうちどの業務メッセージまで対応するかを切り分ける |
| 取引先ごとの画面の増加 | 相手ごとの専用画面と紙の注文が並び、人手の転記が残っている | 発注を受ける場所を相手側に置くか自社側に置くかを決める |
| 業界標準EDIの不在 | 自社の業界に共通のEDIが無く、合わせる規格が存在しない | 共通EDIと自社の発注サイトのどちらで受けるかを決める |
標準EDI対応を迫られる卸の担当者
21,600社が導入した流通BMSの現在地
この型では、着手の順序を自社で決められません。取引先が規格と時期を指定しますので、回線の期限より先に相手の切替日が来ることがあります。記事の前半で示した期限の近い順は、相手の日程が入ると並べ替わります。先に確かめるのは、相手が示した期日が動くのか動かないのかという一点です。
同じ指定を受けた会社は珍しくなく、2025年時点の推計では流通BMSを導入した卸・メーカーは21,600社以上で、直近半年に700社以上増えています2。同じ半年で700社が加わる速さですから、指定してくる取引先はこれから減る方向には向かいません。依頼が来た時点で、自社が最後の1社ではないという前提で段取りを組めます。
指定に合わせる範囲を切り分ける基準
この型の判断軸は、期限ではなく範囲です。指定された規格のうち、どの業務メッセージまで対応するかを切り分けます。発注と出荷の連絡だけで始め、請求と支払の連絡を後の段に置く選び方があります。相手の指定を同時に全部満たす必要があるのかは、相手に確かめるところから決まります。
相手に確かめた結果しだいでは、自社で設備を持たずに済ませる道もあります。取引先が用意した仕組みに自社が接続先として参加する形であれば、自社で送受信の設備を構えずに指定へ応じられます。取引先の数が限られ、送受信の量も自社の人員で扱える範囲にとどまるなら、この形で足ります。設備を持たない選択は、後で自社側に受け皿を作る道を閉じません。
設備から自社で組む場合は、規格の読み解きと基幹システムの改修、取引先ごとの調整が同時に走り、受注を止めない切替日の設計まで手元で引き受けることになります。

取引先ごとの画面を抱える受注担当者
多画面化が人手の転記を固定する事情
この型では、電子化が進んだのに工数が減っていません。取引先ごとの専用画面が増えるたび、確認する場所も増えます。受信の方式が電子でも、基幹システムへ入れる工程が人手なら、転記は残ったままです。画面が増えることは、担当者の作業が固定されることと同じなのです。
この型の判断軸は、規格でも期限でもなく、発注を受ける場所です。相手の画面に自社が出向く形を続けるのか、自社の画面に相手を迎える形へ移すのかを決めます。前者は相手の数だけ画面が増え、後者は相手に操作を覚えてもらう負担が生じます。どちらを選ぶかで、その後に調整する相手が変わります。
自社側に受け皿を置くという選び方
自社側へ移す場合の作業は三段に分かれます。受け皿の設置では、商品情報の精査と取引先ごとの条件の設定を先に済ませます。取引先の移行では、発注手順の案内を相手へ届けます。多画面の削減は最後に来ます。相手の発注が自社の画面へ移った分だけ集約は進みますので、残るのは合わせる規格そのものが無い場合の受け方です。
頼まずに済ませる形も残ります。紙の注文が届く相手が数社にとどまるなら、その数社だけ従来の受け方を続け、残りを自社の画面へ寄せる折衷が成り立ちます。全件を一度に移す前提を外すと、着手の入口が下がります。
自社側へ移す場合は商品と価格の精査に手間がかかり、取引先への案内も同時に走りますので、受注を止めずに進める段取りが要ります。
| 比べる点 | 相手の画面に出向く形 | 自社の画面へ迎える形 |
|---|---|---|
| 画面の数 | 取引先の数だけ増えます。<br>確認する場所も同じだけ増えます。 | 一つに収まります。<br>確認の場所が固定されます。 |
| 転記の工程 | 相手ごとに残ります。<br>方式が違えば手順も分かれます。 | 受注データを自社側でまとめて扱えます。 |
| 相手の負担 | 相手は従来の手順のままで済みます。 | 発注手順を覚え直してもらいます。<br>案内の手間が自社側に生じます。 |
| 着手の起点 | 相手の指定と日程を待ちます。 | 自社の判断で始められます。 |
業界標準EDIを持たない業種の責任者
共通EDIと自社サイトという二つの受け皿
この型では、合わせる先がありません。2021年度の調査で業界EDIを保有していたのは対象8団体のうち4団体でしたので、保有していない業種が残ります4。合わせる規格が無いことは、自社で決められることと同じです。決めた形を取引先に受け入れてもらう説明は、自社が用意することになります。
この型の判断軸は、切替の負担を誰が負うかです。業種を越えて使える共通EDIに載せる道と、自社の発注サイトを受け皿にする道があります。前者は相手が同じ仕組みを使っていれば負担が小さく、後者は相手に新しい画面を覚えてもらいます。取引先の側に送受信の設備があるかどうかで、答えが変わります。
20,000点に及んだ商品登録の精査
自社サイトを受け皿にする場合、重心は商品情報に置かれます。株式会社ポディウムは、BtoB向けのECを導入するにあたり、20,000点ほどの商品登録を精査したと公表されています7。掲載する商品と価格を決める作業が、公開の前に立つわけです。ここを詰めずに走り出すと、受注のたびに例外の確認が発生します。
取引先の切替負担を測る基準も、先に置けます。相手が既に電子でやり取りしているなら共通EDIへ寄せ、紙と電話のままなら自社の画面へ迎えるという分け方です。2016年度の実証12件が示すように、効果は基幹システムまでつないだ先に出ます3。受け皿を決める段で、取込の自動化までの道筋を併せて描いておくと、後戻りが減ります。
受け皿を自社で決められる分、商品と価格の整理と取引先への説明を自社が引き受けますので、公開の前に決める事項が増えます。
この型に当てはまる場合は、判断の抜けによる手戻りを防ぐために、無料相談で自社の条件を持ち込むのが確実です。
要点の整理
| 判断軸 | 基準 |
|---|---|
| 着手の順序 | 自社で動かせない期限があるものを先に置きます。<br>期限の無い課題は、相手の日程が入った時点で順序を見直します。 |
| 回線の期限 | 2028年の提供終了までに移行を終える段取りを組みます。<br>案内の時期は自社の契約先の公表資料で確かめます。 |
| 規格への対応 | 取引先の指定があるかどうかで分けます。<br>指定がある場合は、どの業務メッセージまで対応するかを切り分けます。 |
| 受け皿の場所 | 指定の無い取引先が残るなら、自社側に発注を受ける画面を置きます。<br>相手に設備がある場合は共通EDIへ寄せます。 |
| 連携の到達点 | 画面転記の廃止まで届かないと入力の工数は減りません。<br>コード体系の統一と取込の自動化を先に置きます。 |
| 業界標準の有無 | 業界EDIが無い業種は、共通EDIと自社の発注サイトを取引先の設備で選び分けます。 |
| 着手の単位 | 取引先を一度に全件移さず、寄せ終わった相手から順に効果を出します。 |
よくある質問
EDIの移行にかかる費用の相場を知りたいのですが、公表された目安はありますか。
公表資料で確かめられる費用相場は見当たりませんので、本記事では金額の目安を示していません。費用は、接続する取引先の数、対応する業務メッセージの範囲、基幹システムの改修の有無で変わります。見積もりを依頼する際は、この三つを先に決めてから渡すと、比べられる形の金額が返ってきます。
回線の移行は、いつまでに終えればよいですか。
INSネット関連サービスは2028年に提供終了が予定されていますので、その前に終える必要があります5。ディジタル通信モードは2024年に段階的に提供が終わりました5。地域や事業者ごとに案内の時期が異なりますので、自社の契約先が公表している資料で確かめてください。取引先との日程調整が入りますから、期限の直前に寄せない段取りが欠かせません。
取引先ごとにEDIを増やす形と、自社サイトで受ける形は、どちらを選べばよいですか。
取引先が規格を指定している場合は、その規格へ合わせる作業が先に立ちます。指定が無い取引先が残る場合は、自社側に発注を受ける画面を置くほうが、後の転記の工程が減ります。両方を併用する形も成り立ちます。判断の起点は、指定の有無と、指定が無い相手の残り方の二つです。
業界標準のEDIが無い業種では、何から手を付けますか。
合わせる先が無いため、受け皿を自社で決めるところから始めます。2021年度の調査では、対象8団体のうち業界EDIを保有していたのは4団体でした4。保有する業界でも、中小企業の利用率は25%を下回っていました4。業種を越えて使える共通EDIに載せる道と、自社の発注サイトで受ける道を、取引先の設備の有無で選び分けます。
電子化すれば入力の手間はすぐに減りますか。
通信を電子化しただけでは減りません。受信したデータを画面で見て基幹システムへ打ち直す形が残る限り、転記の工程はそのまま残ります。2016年度に実施された中小企業共通EDIの実証12件では、参加した中小企業の業務時間が平均51.4%減りました3。実証に参加した企業の平均値であり、導入すれば同じだけ減る数値ではありません。
取引先に移行をお願いする際、何を根拠に説明すればよいですか。
公表された資料の範囲で説明できます。回線の提供終了の時期は、事業者が公表している資料に記載があります5。企業間電子商取引のEC化率は2024年に43.1%で、前年から3.1ポイント上がっています1。自社の都合ではなく、期限と統計を先に置くと、相手の社内でも話が運びやすくなります。
受注を止めずに切り替えることはできますか。
並行して動かす期間を設ければ、止めずに移せます。従来の受け方と新しい受け方を一定期間どちらも開けておき、相手ごとに順に寄せる進め方です。相手の日程がそろわない場合でも、寄せ終わった相手から順に転記が減ります。取引先を一度に全件移す前提を外すことが、受注を止めない条件になります。
- 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
- 2 出典:一般財団法人流通システム開発センター 流通システム標準普及推進協議会「第28回 卸・メーカーの流通BMS導入企業数推計」(2025年) 経路
- 3 出典:経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus「企業間のデータ連携で、受発注の業務コストを削減する!」(2026年) 経路
- 4 出典:経済産業省 中小企業庁「受発注のデジタル化に関する推進方策 報告書」(2022年) 経路
- 5 出典:東日本電信電話株式会社「ISDN(INSネット)に関する公式解説ページ」(2025年) 経路
- 6 出典:株式会社イーシー・ライダー「EC-Rider B2B 導入事例(フリュー株式会社様)」(2025年) 経路
- 7 出典:株式会社イーシー・ライダー「EC-Rider B2B 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年) 経路
画像の出典元
- オフィスの自席で納品書とノートパソコンを見比べる日本人の会社員/画像:生成AI(自社)
- A telecommunication tower equipped with satellite dishes aga/Photo by Barnabas Davoti on Pexels
- 20代後半の日本人女性が倉庫事務所での受注対応をしている場面/画像:生成AI(自社)