◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 定額型のWeb受注システムは、初期100,000円・月額88,000円(税抜)から始められます(2026年時点)。
- 商習慣に合わせる型は、ベースエンジン利用料の月額170,000円が下限です。サーバー構成しだいで、モデルケースの月額は260,000円になります。
- 通常枠の補助金は、クラウド利用料を2年分まで補助の対象にできます。補助額の上限は450万円です。
- 無料トライアルは30日、申込から利用開始までは最短3日です。試してから稟議に進める順序を選べます。
目次

月額88,000円から始まる費用の全体像
Web受注システムとは、FAXや電話で受けていた注文を、取引先がWeb画面から直接入力する仕組みです。月額は2つの型に分かれます。標準機能をそのまま使う定額型が月額88,000円(税抜)、商習慣に合わせる型がベースエンジン利用料の月額170,000円から。初期費用は100,000円からです。
この金額の背景には、朝いちばんに届いたFAXを担当者が基幹システムへ打ち直している現場があります。BtoBの卸や製造業では、いまも続いている光景です。電話で受けた注文はメモのまま机に残り、メールの注文書は添付ファイルのまま順番を待ちます。同じ数字を二度打つ手間は、品目が増えるほど効いてきますね。3,800品種を扱う日東電工CSシステム株式会社のように、扱う幅が広い会社ならなおさらです(2018年時点)7。
打ち直しをなくす仕組みの費用は、2つの型に分かれます。標準の機能をそのまま使う定額型と、自社の商習慣に合わせて作り込む型です。前者は初期100,000円・月額88,000円(税抜)から始められます5。後者はベースエンジン利用料の月額170,000円が下限で、ここに構成に応じた費用が乗ります6。どちらを選ぶかで、稟議に書く金額の見え方が変わります。
FAXを打ち直している時間はどの請求書にも載りませんが、人件費としては毎月払い続けている費用です。
初期100,000円と月額料金の内訳
内訳を分けて見ると、どこで金額が動くかが見えます。定額型は初期と月額の2つだけで組まれ、商習慣に合わせる型は土台の利用料に構成の費用が積み上がる形です。
初期費用に含まれるものと別見積もりになるもの
金額がそのまま公開されているのは、定額型です。定額型の初期費用は100,000円、月額は88,000円で、いずれも税抜の表記です5。金額だけでは、そこに含まれる作業の範囲までは読み取れません。データの移し替えや帳票の追加がどちら側の費用になるかは、見積もりの段階で線を引いておくと後で揉めずに済みます。
商習慣に合わせる型では、内訳の見方が変わります。ベースエンジン利用料の月額170,000円が下限で、これは機能を動かす土台の分です6。「土台は固定、上物は構成しだい」と考えると、見積書の読み方がそろいます。
無料トライアル30日と最短3日で始める流れ
稟議の前に試せる点は、定額型の使いどころです。無料トライアルは30日、申込から利用開始までは最短3日とされています5。30日あれば、主力の取引先1社に絞って実際の注文を流してみることもできます。進み方は申込、初期設定、利用開始の3段です。初期設定の段で初期100,000円が発生し、利用開始から月額88,000円が始まります5。
定額型の月額88,000円(税抜)を上回る手間を社内でかけているなら、いまの形を続ける費用はすでに毎月発生しています5。
月額260,000円になるモデルケース
月額の見積もりは、3つの確認でほぼ決まります。1つめは標準機能の確認です。標準の機能で足りるなら、定額型の月額88,000円(税抜)で収まります5。ここで足りないと分かった会社だけが、次の確認へ進みます。
2つめはサーバー構成と転送量です。公開されているモデルケースでは、月あたりの転送量を200GBとした構成で、月額のASP利用料金が260,000円になります6。これは特定の構成を前提にした例示で、どの会社にも当てはまる金額ではありません。取引先の数と掲載する画像の量が、そのまま転送量に効いてきます。
3つめはカスタマイズの範囲です。商習慣に合わせる範囲が広がるほど、見積もりは下限の月額170,000円から離れていきます6。「どこまでを標準に寄せるか」を先に決めておくと、金額がぶれません。
クラウド利用料2年分が補助対象の制度
補助金を前提に置くと、見るべき金額が月額から初年度総額へ移ります。デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、クラウド利用料が2年分まで補助の対象になります3。補助額の上限は、4プロセス以上で450万円、1プロセス以上で150万円です3。採択は審査を経て決まりますので、通ることを前提にした資金計画は避けてください。
判断の順序は、対象プロセスの確認、枠の選択、初年度総額の試算の3段です。まず受注業務の棚卸しから始め、どの業務が補助の対象に当たるかを見ます。次に通常枠とインボイス枠のどちらで出すかを選びます。最後に、クラウド利用料2年分と初期費用を合わせて初年度総額を見ます。補助金を踏まえた総額の話とは別に、次は現場でかかる実務の手間を見ていきます。
以降は、自社の条件が標準の型から外れると感じた方に向けて、さらに詳しく書いた内容です。
ここまでの手順を自社の条件で確かめたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。
クラウド利用80.6%が示す受注システムの払い方
- クラウドサービスを利用している企業は80.6%です(2024年・総務省の企業向け調査)2。受注システムも、買い切りではなく月々の利用料で払う形が前提になっています。
- 事業者間(BtoB)電子商取引のEC化率は40.0%です(2023年)1。注文をWebで受ける形は、取引先の側にも慣れが広がっています。
- 定額型は初期100,000円・月額88,000円(税抜)から始まります5。標準の機能で足りる会社にとっての下限です。
- 商習慣に合わせる型は、ベースエンジン利用料の月額170,000円が下限です6。構成しだいで、モデルケースの月額は260,000円になります6。
- 通常枠の補助金は、クラウド利用料を2年分まで対象にできます3。補助額の上限は450万円です3。
上の並びに順位は付けておりません。順位の出典が取れていないためでございます。
自社に当てはまる項目が上の並びに見当たらない方は、次の型の表から近いものを探せます。
標準から外れる3つの型と費用の決まり方
| 型名 | 当てはまる条件 | 費用で効く点 |
|---|---|---|
| 多品種の卸・製造 | 取り扱いが3,800品種規模で、商品情報の量が多い | 商品データの整備と転送量 |
| 新規事業の立ち上げ | 既存の受注業務がなく、開発に4か月規模を見込む | 開発期間と初年度総額 |
| インボイス対応の同時進行 | 受発注と請求の書式を同時に見直す | 補助の対象経費の区分 |

3,800品種を扱う場合の費用の決まり方
品種の数が増えると、定額型の標準テンプレートでは収まりにくくなります。3,800品種を扱う日東電工CSシステム株式会社の例では、商品情報そのものが大きな資産です(2018年時点)7。型番や荷姿、取引先ごとの価格まで含みます。これらを画面へ載せる作業は、月額をいくらに見込むかという話より前に立ちはだかります。
この型で見る軸は、機能の有無ではなく、商品データの量と更新の頻度です。品種が多いほど、初期の登録と月々の更新に人手がかかります。画像や技術資料が多いなら、月あたりの転送量200GBを前提にしたモデルケースの構成が目安になります6。月額260,000円というモデルケースの金額も、この前提の上に立っています6。
見積もりを待たずに、自社だけで確かめる道もあります。無料トライアルの30日を使い、主力の商品群だけを先に登録してみる方法です5。1品種あたりの登録にかかる時間が分かれば、3,800品種規模での手間は自社で見積もれます7。
難しさは機能ではなくデータの側にあり、品種の数だけ手間が積み上がりますので、先に整理の段取りを決めておくと後戻りを避けられます。
| 確認する項目 | 見るところ |
|---|---|
| 商品情報の量 | 3,800品種規模なら、項目数と登録の手順を先に数えます |
| 更新の頻度 | 価格改定の周期が、そのまま月々の運用の手間になります |
| 画像と資料の量 | 月あたりの転送量200GBという前提と突き合わせます |
開発4か月を要する新規事業の総額
新規事業では、移すべき既存の受注業務がありません。移すものがない代わりに、決めることが増えます。フーヅフリッジ株式会社のECサイトは、実質的な開発期間が4か月でした(2017年時点)8。申込から最短3日で始まる定額型の速さは、この場面では効きにくくなります5。
この型の軸は、月額ではなく初年度総額と立ち上げ時期です。開発に4か月かかるなら、その間の売上はゼロで、費用だけが先に出ます8。初期100,000円・月額88,000円の定額型で先に受注の入口を開け、作り込みを後から重ねる順序も選べます5。稟議に載せる数字は、月額ではなく初年度の合計にそろえておくと比べやすくなります。
立ち上げ時期から逆算すると、決める順番が見えます。開発4か月を見込む型では要件を固める段取りに手が要りますので、先に受注の入口だけを開けておくと、機会の取りこぼしを抑えられます。
| 比べる軸 | 定額型 | 要件に合わせる型 |
|---|---|---|
| 立ち上げまでの時間 | 申込から最短3日 | 新規サイトで4か月の例(2017年) |
| 初期費用 | 100,000円(税抜) | 構成に応じた見積もり |
| 月額 | 88,000円(税抜) | ベースエンジン利用料170,000円から |
インボイス枠で350万円まで対象になる条件
受注のWeb化と請求書の書式見直しが同じ年に重なる会社があります。この型では、通常枠とは別の枠が視野に入ります。インボイス枠では、ソフトウェア等の補助額の上限が350万円です4。レジ・券売機等は20万円、PC・タブレット等は10万円が上限とされています4。
この型の軸は、金額の大小ではなく対象経費の区分です。ソフトウェアとハードで上限が分かれますので、何を申請に載せるかで使える額が変わります4。通常枠でクラウド利用料が2年分まで対象になる点と合わせて、どちらの枠が自社の買い物に合うかを見ます3。補助金の枠組みを踏まえたうえで、次は自社にとってどの型が合うかを整理します。
枠の選択は見積書の内訳の作り方にまで及びますので、どの経費をどの区分に載せるかを先に決めておくと、出し直しを避けられます。
| 対象経費の区分 | 補助額の上限 |
|---|---|
| ソフトウェア等 | 350万円 |
| レジ・券売機等 | 20万円 |
| PC・タブレット等 | 10万円 |

この型に当てはまる場合は、判断の抜けによる手戻りを防ぐために、無料相談で自社の条件を持ち込むのが確実です。
要点の整理
| 判断軸 | 基準 |
|---|---|
| 標準機能で足りるか | 足りるなら定額型の初期100,000円・月額88,000円(税抜) |
| 商習慣に合わせるか | 合わせるならベースエンジン利用料の月額170,000円から |
| サーバー構成と転送量 | 月あたり転送量200GBの前提でモデルケースは月額260,000円 |
| 立ち上げまでの時間 | 定額型は申込から最短3日、新規の作り込みは4か月の例 |
| 商品データの量 | 3,800品種規模なら登録と更新の手間を先に見積もる |
| 補助金の使い方 | 通常枠はクラウド利用料2年分まで、上限450万円または150万円 |
| インボイス対応 | ソフトウェア等350万円、レジ・券売機等20万円、PC・タブレット等10万円 |
よくある質問
月額88,000円は税抜ですか、税込ですか。
税抜です。定額型として公開されている初期100,000円・月額88,000円は、いずれも税抜の表記です5。商習慣に合わせる型の料金ページには税区分の記載が見当たりませんので、ベースエンジン利用料の月額170,000円が税抜か税込かは、見積もりの段階で確かめてください6。稟議書では税込に直した金額も併記しておくと、差し戻しを避けられます。
無料トライアルはどのくらい使えますか。
30日です5。申込から利用開始までは最短3日とされていますので、月の初めに申し込めば、その月のうちに主力の取引先で実際の注文を流せます5。期間中に自社の商品データを載せてみると、登録にかかる手間まで見えます。稟議へ進む前の材料になります。
月額260,000円は自社にも当てはまりますか。
そのまま当てはまるとはかぎりません。260,000円は、月あたりの転送量を200GBとした特定のサーバー構成を前提にしたモデルケースの金額です6。取引先の数、掲載する画像の量、必要な処理の重さで構成は変わります。下限はベースエンジン利用料の月額170,000円で、そこから積み上がる形です6。
補助金はクラウドの利用料にも使えますか。
通常枠では、クラウド利用料が2年分まで補助の対象になります3。補助額の上限は、4プロセス以上で450万円、1プロセス以上で150万円です3。月々の利用料で払う形でも、初期費用と同じ土俵に載せられます。ただし採択は審査を経て決まりますので、補助を前提にした資金計画は避けてください。
インボイス枠では何が対象になりますか。
対象経費が区分ごとに分かれます。ソフトウェア等は350万円、レジ・券売機等は20万円、PC・タブレット等は10万円が補助額の上限です4。受注のWeb化と請求書の見直しが重なる年は、この枠が視野に入ります。補助率や対象経費は公募要領の版で変わりますので、申請前に最新の要領で確かめてください。
立ち上げまでにどのくらいの期間がかかりますか。
型で分かれます。定額型は申込から利用開始まで最短3日です5。一方、新規に作り込む場合は、実質的な開発期間が4か月という公表例があります(2017年時点)8。立ち上げ時期が決まっているなら、先に定額型で受注の入口を開け、作り込みを後から重ねる順序も選べます。
- 1 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書(顧客との接点や事業者間取引)」(2025年) 経路
- 2 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書(クラウドサービス)」(2025年) 経路
- 3 出典:中小企業庁/独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠」(2026年) 経路
- 4 出典:中小企業庁/独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型)」(2026年) 経路
- 5 出典:EC-Rider(公式サイト)「EC-Rider Primo サービス紹介ページ」(2026年) 経路
- 6 出典:EC-Rider(公式サイト)「EC-Rider B2B Ⅱ 料金プラン」(2026年) 経路
- 7 出典:EC-Rider(公式サイト)「導入事例(日東電工CSシステム株式会社)」(2026年) 経路
- 8 出典:EC-Rider(公式サイト)「導入事例(フーヅフリッジ株式会社)」(2026年) 経路
画像の出典元
- Blurry background with a focus on a computer mouse in an off/Photo by ClickerHappy on Pexels
- 50代後半の日本人女性が店舗カウンターでの受注をしている場面/画像:生成AI(自社)
- Shiny pages of agenda with lines and shadows on sunny day on/Photo by Nothing Ahead on Pexels