◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 月額88,000円・初期費用100,000円で始められる形があり、申し込みから最短3日で受注を動かせます
- 月額は「基本利用料」に取引先数とデータ量に応じた従量分と保守が重なる構成で、モデルケースでは26万円という金額が示されています
- 初期費用は作り替える範囲で開き、一部だけ直す場合は400万円から、全面的に作り込む場合は1,500万円からが公開されたモデルケースの下限です
- 43.1%が国内のBtoB取引のうち電子で流れている割合で、比べる相手は他社の料金表ではなく紙で回している自社の受発注です
- 50件までは費用をかけずに取引先を登録して試せるため、稟議の前に自社の注文の取り方が乗るかを確かめられます
目次

電子データ交換の費用が分かりにくい理由
電子データ交換の費用は、毎月かかる利用料と、最初の一度だけかかる導入費に分けて見ます。月額は基本利用料に取引先数とデータ量に応じた従量分と保守が重なり、初期費用は既存の仕組みをどこまで作り替えるかで開きます。小さく始めて後から広げる順にも組めます。
朝八時の受注センター。夜のうちに届いた注文書がファクスの受け皿にたまり、紙の端がかすかに反り返っています。担当者は一枚ずつ取り上げ、基幹システムへ品番と数量を打ち直していきます。その間にも「先月と同じ品番なのに単位が違う」という確認の電話が鳴ります。
この受け方を電子データ交換へ置き換えようとして料金表を開くと、月額の欄に「◯円〜」とだけ書かれていて、稟議に載せる数字が決まりません。金額が幅を持つのは、取引先の数と扱う商品数、既存システムとつなぐ範囲によって作り込む量が変わるからだと考えられます。つまり月額は商品の値札ではなく、自社の条件を入れて初めて決まる数字です。
打ち直しと確認の電話は、請求書に載らないだけで、毎月人件費という形ですでに支払っている費用です。

月額費用に含まれる内訳
基本利用料
月額の土台になるのが「基本利用料」です。受発注の画面、取引先と商品の登録、注文データの受け渡しといった、どの会社でも必ず使う部分にかかります。ここは受注が少ない月でも減りません。金額を一つ置きます。17万円が公開料金での土台部分の月額の下限で、月額全体はここから積み上がります3。
26万円という金額が、同じ料金表でモデルケースとして示された月額です3。土台にこの後の二つが重なった合計と読みます。これは2026年時点の一例であり、取引先数やつなぐ範囲によって個別の見積もりで上下します。「◯円から」の数字は上限でも固定額でもなく、自社の条件を当てはめる前の出発点として見ます。
基本利用料や従量分とは別に、初回のみかかる初期費用として8万円が全プランに共通して設定されています3。この金額は月額の土台である17万円とは別枠で、契約の入り口で一度だけ発生する費用です3。見積書に月額としか書かれていない場合、この初回費用が別途上乗せされていないかを確認する必要があります。
取引先数・データ量による従量課金
月額を動かすのが、取引先の数と扱う商品数、やり取りする注文データの量に応じて増える部分です。取引先を新たに載せれば、その分の画面と通信が増えます。ここを読み違えると、初年度の予算に収まっていた月額が、翌期には収まらなくなります。見積もりは「いまの取引先数」ではなく「載せ切りたい取引先数」で取ると、後からの積み増しを避けられます。
保守・サポート費用
三つ目が「保守・サポート」です。取引先からの問い合わせ対応、商品マスタの一括更新、帳票の様式変更への追従などがここに入ります。月額の総額だけを見比べて保守を外すと、運用が始まってから社内の担当者が肩代わりすることになります。見積書を受け取ったら、保守が月額に含まれるのか、別立てなのかを最初に確かめます。
53.3%が、モデル事業で減った受発注の作業時間の平均で、いまの受け方を続けるならこの分を毎月人手で払い続けることになります2。
初期費用の相場と規模による違い
一部だけ作り替える場合の初期費用
既存の受発注の流れは変えず、注文画面と帳票だけを自社向けに直す進め方です。「いまの帳票のまま電子にしたい」という相談が、だいたいここに当てはまります。先に金額を置きます。400万円が公開料金でのこの進め方の初期費用の下限で、同じモデルケースの月額は7万円からとされています3。初期に厚く、月々は薄い並びです。
この二つは2026年時点のモデルケースとして示された下限であり、実際の金額は連携する基幹システムの本数や商品数で上下します。初期費用を動かすのは、作り替える画面の数と移行するデータの量だと考えられます。見積もりを取る前に、いま紙で回している帳票を机に並べ、「残すもの」と「やめるもの」を分けておくと、金額の根拠が追えます。
一部だけ作り替える場合と全面的に作り込む場合の間には、Standard・Proプランという中間の選び方もあります。この場合の初期費用は20万円からと公開されており3、小規模カスタマイズの400万円、大規模カスタマイズの1,500万円とは桁が異なります3。取引先数や商品数がまだ定まっていない段階では、この中間の水準から検討を始めることもできます。
全面的に作り込む場合の初期費用
受注から在庫、請求までを一つにつなぎ、取引先ごとの単価や納期の決まりまで作り込む進め方です。桁が一つ上がります。1,500万円がこの進め方の初期費用の下限として公開料金に示されており、一部だけ直す場合の下限とは別の桁になります3。「全社の受発注を一本化したい」という要望はこちらに入ります。
ここまで作り込めば、朝に紙を数える作業は残りません。一方で、要件を固める打ち合わせと検証の期間が要り、「作れば終わり」ではなく公開後も取引先ごとの調整が続きます。2026年時点で公開されている金額はいずれもモデルケースの下限であり、自社の条件を当てはめた個別の見積もりで変わる点は、どの進め方でも同じです。
| 進め方 | 作り替える範囲 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 一部だけ作り替える場合 | 注文画面と帳票の一部 | いまの帳票のまま電子にしたい |
| Standard・Proプラン | 中間の選び方 | 取引先数や商品数がまだ定まっていない段階 |
| 全面的に作り込む場合 | 受注から在庫、請求まで | 全社の受発注を一本化したい |
費用の前に見る取引の広がり
料金表の欄を見比べる前に、自社の取引がどちら側にあるかを確かめます。まず全体の位置です。43.1%が国内のBtoB取引のうち電子で流れている割合で、残りを電話と紙が受け止めています1。514.4兆円が電子で動いた取引の金額で、取引先の側から「電子で受けてほしい」と求められる場面は増えると見ます1。比べる相手は他社の料金表ではなく、いま紙で回している自社の受発注です。
中小企業庁は2023年の時点で、電子受発注の普及率について50%という目標値を掲げていました2。43.1%という2024年の実際の数字と並べると、目標に届かないまま推移してきた期間の長さが見えてきます1。目標が先に立てられていたという経緯は、電子データ交換への切り替えが個社の判断待ちの段階を過ぎ、政策としても後押しされてきた領域であることを示しています。稟議の場で「なぜ今なのか」を問われたときに、この経緯は説明の材料になります。
始める規模を決める材料もあります。50件が費用をかけずに登録できる取引先数の上限で、主要な取引先だけを先に載せて動かせます4。これは2026年時点の条件です。自社の注文の取り方がそのまま乗るかを見てから月額の桁を決めるこの順番が、稟議に出す数字の根拠になることを次に確かめます。
ここから先は、月額の内訳と初期費用の幅を、規模ごとの進め方に分けて具体的に見ていきます。
紙と電話で回している時間を金額に直す作業は、自社だけで進めると抜けが出やすく、月額と並べるための前提がそろいません。
いまの受注件数と手入力の工程を伝えて、電子に置き換えた場合の月額の内訳から確かめてもらうのが近道です。無料相談で要件を整理する
稟議に載せる前に確かめる順番
- 費用をかけずに試せる範囲へ主要な取引先を登録し、いまの注文の取り方がそのまま乗るかを先に確かめる
- 月額を「基本利用料」「取引先数とデータ量に応じた従量分」「保守」の三つに分けた形で見積もりを受け取る
- 初期費用を、作り替える画面の数と移行するデータの量で説明できる形にしてもらう
- いまの取引先数ではなく、載せ切りたい取引先数で金額を出してもらう
- 紙と電話で回している作業時間を金額に直し、月額と並べて稟議に載せる
この並びに優劣の順序はありません。
ここまでの順で数字がそろったら、自社の受発注がどの進め方に当てはまるかを、次の表で見比べます。

規模で分かれる費用の組み立て方
| 進め方 | 作り替える範囲 | 費用の重心 | 向いている受発注の状況 |
|---|---|---|---|
| 注文画面と帳票だけを直す | 画面と帳票の一部 | 最初の一度に寄る | 紙とシステムが混在し、受け方自体は変えたくない |
| 基幹システムまで作り込む | 受注から請求まで | 初期費用と月額の両方 | 取引先ごとに単価と納期の決まりが分かれる |
| 設定だけで使い始める | 設定と登録のみ | 毎月の利用料に寄る | まず主要な取引先だけを電子に載せたい |
注文画面と帳票だけを自社向けに直す進め方
紙の注文書とシステムが混在していて、受け方そのものは変えたくない、という会社があります。長年の取引先ごとに帳票の様式が決まっていて、「うちの注文書の形は変えられない」と言われる場面も珍しくありません。この状態で既製の画面をそのまま使うと、かえって取引先への説明が増えます。
ここでの判断は、月額の大小ではなく、取引先へ「今までと同じ形」で出せるかどうかで決まります。費用の重心は最初の一度に寄り、月々の負担は薄い並びになります。月額を平らにしたいのか、最初に払い切って後を軽くしたいのか、どちらを取るかで結論が変わります。
動き出す前に、いま使っている帳票をすべて並べ、残すものとやめるものを分けます。ここが決まらないまま見積もりを取ると、金額は「〜円から」の形でしか返ってきません。難易度は中くらいで、帳票の整理と要件の確定に社内の担当者が張り付く期間が要ると見ます。
| 確かめる項目 | 一部だけ作り替える場合 |
|---|---|
| 初期費用 | 400万円から(モデルケースの下限) |
| 月額費用 | 7万円から(モデルケースの下限) |
| 作り替える所 | 注文画面と帳票の一部 |
| 先に決めること | 残す帳票とやめる帳票の切り分け |
帳票の様式を変えずに一部だけ直す進め方は、どの画面へ手を入れるかで初期費用が大きく動き、公開されている月額だけでは自社の金額が読めません。
手元の注文書と帳票を持ち込み、作り替える範囲ごとに初期費用と月額を分けて出してもらうのが近道です。無料相談で自社の条件を持ち込む
基幹システムまで含めて作り込む進め方
取引先ごとに単価も納期の決まりも違い、受注のあとに在庫と請求で同じデータを打ち直している会社があります。拠点が分かれていると、同じ品番が拠点ごとに別の名前で登録されていて、社内に「方言」が生まれていることもあります。この状態で画面だけを電子にしても、打ち直しの場所が変わるだけです。
ここでの判断は、初期費用の総額ではなく、つなぐ範囲を「どこで切るか」に移ります。受注だけをつなぐのか、請求まで含めるのかで、作り込む量も検証の手間も変わります。月額の土台部分は17万円からで、作り込みの大小にかかわらずかかり続けます3。
先に決めるのは、取引先ごとの単価と納期の決まりを、どこまで仕組みの中へ入れるかです。「この取引先だけは特別」という例外をすべて作り込むと、費用も検証も膨らみます。難易度は高く、要件を固める打ち合わせから検証まで、情報システム部門が継続して関わる前提で組みます。
| 確かめる項目 | 全面的に作り込む場合 |
|---|---|
| 初期費用 | 1,500万円から(モデルケースの下限) |
| つなぐ範囲 | 受注・在庫・請求 |
| 先に決めること | 取引先ごとの単価と納期の扱い |
| 社内の体制 | 情報システム部門が継続して関わる |


受注から請求までつなぐ場合は、範囲の切り方ひとつで初期費用も月額の従量分も変わり、社内だけで線を引くのは難しいところです。
既存の基幹システムの構成と取引先ごとの決まりを共有し、つなぐ範囲を段階に分けた見積もりを作ってもらうのが近道です。無料相談で自社の条件を持ち込む
設定だけで使い始める進め方
稟議に出す前に、そもそも自社の受発注が電子に乗るのかを確かめたい、という段階があります。「取引先が使ってくれなかったらどうする」という問いに、社内の誰も答えを持っていない状態です。ここで作り込みを前提にした見積もりを持ち込んでも、話は前に進みません。
この段階の判断は、機能の多さではなく、申し込みから受注の開始までの速さと、後戻りできるかどうかで決まります。「まず動かしてみる」形であれば、取引先と商品の登録を済ませ、取引先への案内を出すところまでを短い期間で試せます。
主要な取引先をいくつか選び、実際の注文を一巡させてみます。そこで出た「この項目が足りない」という声が、次の作り込みの要件になります。難易度は低く、社内の工数は担当者一人が設定と登録に充てる範囲に収まると見ます。動かしてから決めるという順番を踏まえ、ここまでの要点を次の表で振り返ります。
| 確かめる項目 | 設定だけで使い始める場合 |
|---|---|
| 月額費用 | 88,000円(税抜) |
| 初期費用 | 100,000円(税抜) |
| 扱える商品数 | 30,000SKUまで |
| 利用開始まで | 最短3日 |
少数の取引先で試す段階では、月額の金額よりも、自社の注文の取り方がそのまま乗るかどうかを先に見極める必要があります。
実際の注文書を何通か見てもらい、試せる範囲でどこまで動かせるかを確かめてから金額の話へ進むのが近道です。無料相談で自社の条件を持ち込む
要点の整理
| 確かめる項目 | 費用を見積もるときの目安 |
|---|---|
| 月額の内訳 | 基本利用料・取引先数とデータ量に応じた従量分・保守の三つに分けて受け取る |
| 初期費用 | 作り替える画面の数と移行するデータの量で説明できるかを見る |
| 取引先の数 | いまの数ではなく、載せ切りたい数で金額を出してもらう |
| 始める規模 | 主要な取引先だけを先に載せ、運用が回るかを見てから広げる |
| 比べる相手 | 他社の料金表ではなく、紙と電話で回している自社の作業時間 |
| 公開金額の読み方 | モデルケースの下限であり、自社の条件を当てはめた見積もりで変わる |
電子データ交換の月額は、取引先数と商品数とつなぐ範囲がそろって初めて一つの金額になり、相場を並べた情報だけでは稟議の数字になりません。 自社の受発注の条件をそのまま渡して、月額と初期費用の内訳が並んだ見積もりを受け取るところから始めるのが近道です。
よくある質問
初期費用は、作り込みをしない場合でもかかりますか
導入の形にかかわらず、初回だけかかる費用があります。80,000円が全プランに共通する初回のみの初期費用で、上位のプランを選んだ場合は200,000円が初期費用として示されています3。作り込みを伴う場合の費用はこれとは別に見積もられるため、見積書では「初回のみ」の分と「作り込み」の分を分けて確かめます。
月額費用は契約後に変わることがありますか
月額は一度決めたら固定、というものではありません。取引先の数や扱う商品数、やり取りするデータ量に応じて動く部分があり、載せる先が増えれば月額も上がると見ます。契約の前に、どの数量を超えると金額が変わるのかを一覧にしてもらうと、増えた分を見込んだ予算が組めます。
電子データ交換に切り替えると、業務はどれくらい変わりますか
53.3%が、受発注をデジタル化したモデル事業における中小企業の業務時間の削減率の平均です2。ただし減り方は、いま紙と電話で受けている割合によって変わります。自社の受注のうち何割が手入力かを先に数えておくと、月額と見比べるための材料になります。
取引先が電子での発注に応じてくれない場合はどうしますか
取引先の事情で紙が残ることはあります。50%が、電子受発注の普及率として掲げられた目標値で、対応する取引先は今後も広がっていくと見ます2。当面は、電子で受ける先と紙で受ける先を分け、応じてくれる先から先に載せる進め方が取れます。
小さく始めて、あとから作り込みへ移れますか
移れます。まず設定だけで使える形で主要な取引先を載せ、運用が固まってから画面や基幹システムとの連携を作り込む順です。ただし作り込みへ移る段では初期費用が改めてかかると見ます。最初の見積もりの時点で「将来つなぎたい仕組み」を伝えておくと、移る時の手戻りを減らせます。
見積もりを依頼するとき、何を伝えればよいですか
伝える項目は四つです。取引先の数、扱う商品数、既存の基幹システムと連携したい範囲、そして紙で残したい帳票です。この四つが決まると、初期費用の大半を占める作り込みの量が見積もれます。逆にここが曖昧なままだと、どの会社の見積もりも「〜円から」の形で返ってきます。
- 1 出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年) 経路
- 2 出典:中小企業庁経営支援部技術・経営革新課(委託:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)「受発注のデジタル化に関する推進方策 報告書」(2022年) 経路
- 3 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider(BtoB EC受発注システム)料金プラン・費用ページ」(2026年) 経路
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
画像の出典元
- Vivid stacked area chart and graphs on paper, showcasing dat/Photo by RDNE Stock project on Pexels
- Sustainable wardrobe piece neatly packed in recyclable mater/Photo by Ron Lach on Pexels
- 20代前半の日本人女性が備品の交換をしている場面/画像:生成AI(自社)
- A person reviews statistical graphs on a tablet, showcasing data analysis and technology./Photo by Mikael Blomkvist on Pexels
- Top view of vibrant charts and colored pencils on wooden surface./Photo by RDNE Stock project on Pexels