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帳合先の卸価格と消費税対応|BtoB受発注の会計整備

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 5階層までを得意先の組織階層として持たせ、掛け率は商品ごとに持たず階層へ置きます4
  • 128.9兆円が卸売業のBtoB-EC市場規模で、帳合の取引も電子の上を流れています1
  • 78.6%が免税事業者のインボイス登録率で、登録の無い取引先も残ります2
  • 19.8%が電子帳簿保存法に「対応済み」と答えた中小企業の割合で、対応は道半ばです3
  • 20000点規模の品揃えでも、価格の切り替えは商品ごとに増やさず得意先の階層で持ちます6

Minimalist image of a white shopping bag and mini cart on a
▽ 写真の出典元

帳合とBtoB-EC化率の現在地

帳合の卸価格設定とは、得意先ごとの掛け率を商品ではなく組織階層に紐づけて切り替える仕組みを指します。帳合先ごとの卸価格は、商品単位ではなく得意先の組織階層に沿って掛け率を持たせ、消費税区分と登録番号を同じ受注明細へ載せます。切り替えは5階層までを目安に設計し4、請求と仕訳が同じ元を見る形にすると、会計の整備は一本の流れに収まります。

朝いちばんの経理室。日東電工CSシステム株式会社のように全国の販売加盟店を束ねる商流では、届いたばかりのFAX用紙がまだ温かいうちに、担当者が掛け率の一覧へ指を滑らせます。「この明細は本部価格か、支店価格か」と一行ずつ確かめる作業が続きます。温かいのは紙だけで、月末の締めは待ってくれません。帳合の値決めは、商品ではなく取引先へ貼りつく形で動きます。

広がりの度合いを、まず全国の数字で確かめます。128.9兆円が卸売業のBtoB-EC市場規模として2024年に示された値で、全業種を合わせた514.4兆円の内側にあります1。電子で動く取引は、もう例外の扱いではありません。43.1%が2024年度のBtoB-EC化率で、取引の半分に迫る水準です1。それでも帳合先ごとの掛け率は、紙の一覧や表計算に残っている現場があります。

一行ずつの価格確認と税区分の入れ直しは、月末の残業代と請求の訂正という費用に変わります。

得意先階層別の卸価格設定と消費税処理

得意先階層に応じた卸価格の切り替え

帳合の掛け率は、得意先の名前ごとではなく本部・支店・店舗という組織の階層へ持たせます。どこまで細かく分けられるか、上限を先に押さえておきます。5階層までを得意先の組織階層として持ち、階層ごとに卸価格を切り替える作りが用意されています4。名前ごとの個別対応を積み上げる形に比べると、加盟や停止があっても台帳の更新だけで済みます。「この得意先はどの階層か」に答えられれば、価格はそのまま決まります。

商品点数が増えても、この持ち方は崩れません。価格の切り替えを商品ごとの例外で持つなら、自社の取扱点数と得意先数を掛け合わせた件数を一度数えてみてください。商品ではなく得意先の階層へ掛け率を置く形なら、点数が増えても持ち物は増えません。「いくらの定価か」は商品に、「何割の掛け率か」は得意先に、と置き場所を分けて考えます。特売や期間限定の価格だけを例外として別に持てば、平時の台帳は静かなままです。

消費税区分と掛け率の整合

掛け率が決まっても、消費税の扱いが別の台帳にあると突合が残ります。軽減税率の対象か標準税率かという区分は、商品の属性として持ちます。掛け率のほうは得意先の階層に属します。属する先の違う双方を、受注の1明細の上で必ず出会わせます。「税抜の卸価格」と「税区分」が同じ行にあれば、請求書の記載と会計の仕訳は同じ元を参照します。

端数の処理も、先に決めておく事柄です。掛け率を掛けた後の小数点以下を切り捨てるか四捨五入するかは、取引先との取り決めで変わります。丸める位置が明細と合計とで違えば、請求額も食い違います。「どこで丸めるか」を仕組みの側で固定し、担当者ごとの判断を残さない形にしますね。

19.8%が電子帳簿保存法に「対応済み」と答えた中小企業の割合で、いまの保存のしかたを続けるほど、要件を満たさない控えの作り直しが後からまとめて費用になります3

得意先階層の判定、掛け率の適用、消費税区分の付与、端数処理、請求と仕訳の順に進みます。
得意先階層の判定から請求と仕訳までを、帳合先ごとの卸価格がたどる順に並べた図です。

インボイス登録と電子帳簿保存法の対応実態

免税事業者のインボイス登録動向

まず、取引先台帳に登録番号の欄を置きます。78.6%が免税事業者のインボイス登録率で、取引先のすべてが登録を済ませているとは限りません2。登録の無い先からの仕入れは、経過措置の扱いを含めて仕訳が分かれます。番号の有無を台帳に持たせ、受注と請求の画面から同じ値を参照する形にします。「番号は台帳で引く」という状態を先に作りますね。

番号を持つだけでは、突合は終わりません。2025年に示された登録率は免税事業者を対象にした値であり、自社の取引先の構成とは一致しません2。公表されている照会の窓口で登録の有効性を確かめる作業は、取引開始時と年に一度の棚卸しに分けて置きます。「いつ確かめたか」を台帳の欄に残せば、期末の確認は数えるだけで済みます。

電子帳簿保存法への対応状況

電子で受け取った注文書や請求書は、印刷しても電子のまま保存が要ります。先に挙げた「対応済み」の割合は中小企業を対象にした調査の値で、対応の度合いには幅があります3。全社が済ませているわけではなく、自社の状況は自社で確かめる以外にありません。先に挙げたその割合を踏まえ、まず保存の場所と方法を、受注の入り口ごとに書き出します。

この値は2023年の調査で示されたもので、いまの対応率は改めて確かめる必要があります3。保存の要件は、取引年月日と取引金額と取引先の名で検索できることが土台になります。受発注の仕組みで受け取った電子取引データは、項目として検索できる形で持ちます。ファイル名の付け替えだけでは、「探せる」状態にはなりません。自社の直近1年の電子取引を、どこに保存したか一覧にしてみてください。

取引先台帳の整備、登録番号の確認、電子取引データの保存、検索できる形での点検の順に作業が進みます。
取引先台帳の整備から電子取引データの保存まで、帳合の会計整備が積み上がる段取りを示した図です。

受発注システムによる帳合・会計の効率化事例

選ぶときの基準は、機能の数ではなく自社の帳合の形に合うかどうかです。得意先の組織階層をいくつまで持てるか、掛け率をその階層へ置けるか、消費税区分を同じ明細へ載せられるか。この確認を通らない仕組みでは、表計算での補正が結局は残ります。「どの階層の価格か」に仕組みが答えられるかを、見積書より先に確かめます。

規模の目安も置いておきます。3000社が、日東電工CSシステム株式会社の全国の販売加盟店数として2020年に示された値です5。加盟店の数だけ価格の問い合わせが起きる商流では、価格の切り替えを人手で抱える形は長くは続きません。自社の取引先数を数え、価格の区分がいくつ要るかを並べてみてください。「階層で持つ」という一点が、選定の分かれ目になります。

ここから先は、階層ごとの卸価格の設計と、インボイスと電子帳簿保存法への対応を、実務の手順に沿って詳しく見ていきます。

帳合先ごとの掛け率と消費税区分を一つの明細へ載せる設計は、自社の台帳の作りを見ないと決められません。

いまの取引先台帳のままで階層ごとの卸価格を切り替えられるか、実際の項目に当てて確かめられます。無料相談で要件を整理する

帳合の会計整備で先に着手する事柄

  • 掛け率を商品ごとに持たず、得意先の組織階層へ置いて切り替える
  • 消費税区分と掛け率を受注の1明細に同居させ、請求と仕訳の元を一つにする
  • 端数処理の位置を仕組みで固定し、担当者ごとの判断を残さない
  • 取引先台帳に登録番号の欄を設け、空欄の先を数えて仕訳を分ける
  • 電子取引データを、取引年月日と取引金額と取引先で検索できる形で保存する
  • 価格の例外には期限を持たせ、期限切れは元の掛け率へ戻す

この並びに優劣の順序はありません。

ここからは、取引先の数と商品点数、そして受注の入り口の違いによって、取るべき順序がどう変わるかを見ていきます。

A top-down view of a shopping cart, list, card, and bag on a
▽ 写真の出典元

自社の条件から選ぶ帳合の会計整備

読み手の条件 卸価格の持たせ方 先に整える会計の項目
全国の加盟店網を抱える製造元 本部と支店の階層へ掛け率を置く 加盟店の登録と停止を台帳で一元化する
多品目を扱う卸売の受発注担当 得意先の階層で価格を切り替える 商品ごとの消費税区分を必須項目にする
FAXと電話の受注が残る帳合先 取引金額の大きい先から階層化する 電子で受け取った分の保存を先に手当てする

加盟店網を抱える製造元の進め方

加盟店を束ねる商流では、価格の問い合わせが日々どこかで起きます。加盟店の登録と停止が毎月あり、そのたびに卸価格の適用先が変わります。「いつから新価格か」を口頭で回すと、請求の訂正が後から届きます。台帳の更新が、そのまま価格へ伝わる作りにします。

ここで先に確かめるのは、階層の深さよりも加盟店の出入りの頻度です。3000社が、日東電工CSシステム株式会社の全国の販売加盟店数として2020年に示された規模です5。同じ規模なら、階層を増やすより登録と停止の手順を短くするほうが効きます。加盟店の登録、階層の割り当て、掛け率の適用、停止の反映という順に、担当者が同じ画面で終えられるかを確かめます。

難易度は中くらいで、台帳の欄の設計に数日、加盟店データの移行と確認に数週間を見込みます。

確かめる項目 加盟店網での確認点
階層の数 本部と支店の二段で足りるかを先に試す
登録と停止 受注画面と同じ台帳で完結するか
価格の適用開始 更新が翌営業日の受注から効くか
請求の訂正 訂正の履歴が明細の単位で残るか
加盟店の登録、階層の割り当て、掛け率の適用、停止の反映という順に台帳の更新が価格へ伝わります。
加盟店の追加や停止が、取引先台帳を経て卸価格の適用へ伝わる順序を縦に並べた図です。

加盟店の出入りが続く商流では、登録と停止が価格へ伝わるまでの手順が会計の正確さを左右します。

加盟店の追加から卸価格の適用までを同じ画面で終えられるか、現状の手順に沿って見えてきます。無料相談で自社の条件を持ち込む

多品目を扱う卸売での整え方

取扱点数が多い現場では、価格の例外が商品ごとに溜まります。特売、旧品番、同梱品と、理由の違う例外が同じ一覧に並びます。「この価格はいつまでか」が分からない行が増えると、棚卸しのたびに手が止まります。例外には期限を必ず持たせ、期限切れは元の掛け率へ戻す作りにします。

ここで先に整えるのは、得意先の階層よりも商品ごとの消費税区分です。20000点が、株式会社ポディウムのBtoB ECサイトで扱う商品点数として2025年に示された規模です6。点数が多いほど、軽減税率の対象を1件ずつ確かめる作業は後回しにできません。商品マスタで税区分を必須項目にし、空欄のまま公開できない作りにします。

難易度は高めで、商品マスタの区分の洗い出しに数週間、価格の例外への期限設定に数日を見込みます。

整える対象 多品目での確認点
商品マスタ 消費税区分が空欄の商品が無いか
価格の例外 期限と適用先が明細に残るか
掛け率 得意先の階層から自動で決まるか
請求書 税率ごとの合計が同じ書面で読めるか

取扱点数が多いほど、商品ごとの消費税区分の抜けは請求と仕訳の両方へ及びます。

商品マスタの区分の空欄をどう洗い出し、どの順で埋めていくかの段取りを持ち帰れます。無料相談で自社の条件を持ち込む

紙の受注が残る帳合先での順序

電話の向こうの「いつもの掛け率で」という一言は、台帳にだけは残ってくれません。FAXと電話の受注が主なら、入り口を一つに絞る話より先に、受け取った電子データの保存から手を付けます。紙で届いた注文書は紙のまま保存でき、電子で届いた分が電子保存の対象になります。手を付ける範囲を狭めれば、今月からでも始められます。

進め方は、全社一斉の切り替えより、取引金額の大きい先から順に階層化する形が現実的です。43.1%が2024年度のBtoB-EC化率で、電子で動く取引の外側に電話とFAXの受注が残っています1。自社の受注を、電子と紙で数え分けてみてください。数が見えてから、どの取引先を先に移すかを決めます。

難易度は低めで、保存の場所と検索の項目を決めるだけなら数日、取引先ごとの移行は月の単位で進み、ここまでの進め方を次に要点として整理します。

進める順序 紙の受注が残る場合の目安
電子取引データの保存 今月受け取った分から対象にする
取引先の階層化 取引金額の大きい先から順に移す
登録番号の確認 新規の取引開始時にその場で行う
掛け率の見直し 移行した取引先から順に反映する
60代前半の日本人女性が店舗カウンターでの受注をしている場面
▽ 写真の出典元

電話とFAXの受注が残る間は、電子で届いた分だけを切り分けて保存する判断が要ります。

受注の入り口ごとに、電子保存の対象になる書類と対象外の書類を洗い出せます。無料相談で自社の条件を持ち込む

要点の整理

確かめる事柄 満たせている状態
卸価格の持たせ方 得意先の組織階層に掛け率が置かれている
消費税区分 受注の明細で卸価格と同じ行に載っている
端数処理 丸める位置が仕組みの側で固定されている
登録番号 取引先台帳に欄があり、空欄の先を数えられる
電子取引データ 取引年月日と取引金額と取引先で検索できる
価格改定 階層の単位で反映され、例外に期限がある

帳合の商慣行と消費税の実務は、どちらか一方だけを整えても噛み合いません。 卸価格の階層設計から電子取引データの保存まで、着手の順序と工数の見込みまで詰められます。

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よくある質問

帳合先ごとの掛け率は、何階層まで分ければ十分ですか

分け方の上限と、自社に要る階層の数は別の問いです。本部と支店の二段で足りる商流もあれば、地域統括まで含めて刻む商流もあります。まず直近の請求書で、価格の違う取引先を実際に数えてください。数えた区分より細かい階層を先に作ると、中身の入らない階層だけが台帳に残ります。

免税事業者の取引先とは、取引を続けても問題ありませんか

登録の有無だけで取引先を選び直す必要はありません。仕入税額控除の扱いが変わるため、台帳で登録番号の有無を区分し、仕訳を分けられる状態にしておきます。価格の取り決めを一方的に変えると別の問題になりますので、社内の判断の手順を先に決めてから交渉に入ります。

紙で届いた注文書も、電子で保存しなければなりませんか

紙で受け取った書類は、紙のまま保存できます。電子で受け取った注文書や請求書は、電子のまま保存する扱いになります。判断の分かれ目は、届いた形そのものです。受注の入り口ごとに、どの形で届くかを一覧にしておくと、保存の手順を一度で決められます。

BtoB-ECへの移行は、いま急ぐ必要がありますか

514.4兆円がBtoB-EC市場規模として示された値です1。ただし急ぐかどうかを決めるのは、全国の規模ではありません。自社の受注のうち電子で届く割合です。まず直近1年の受注を、電子と紙で数え分けてください。紙の比率が高いほど、転記と保存の手当てが先になります。

受発注の仕組みと会計の仕組みは、つなぐべきですか

つなぐ前に、双方で同じ値を持てているかを確かめます。卸価格と消費税区分と登録番号が受注の明細に載っていれば、連携は写すだけの作業になります。載っていない項目があるなら、連携の検討より先に台帳の欄を足すほうが早く終わります。

価格の改定は、どの単位で反映すればよいですか

改定は階層の単位で行い、取引先ごとの個別対応は期限付きの例外として持ちます。期限を持たせておけば、改定のたびに全件を見直す作業は要りません。改定の開始より前に受けた注文へ旧価格が適用されるかも、あわせて確かめておきます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
  2. 2 出典:日本商工会議所「中小企業におけるインボイス制度等に関する実態調査」(2025年) 経路
  3. 3 出典:ワークフロー総研「電子帳簿保存法改正に向けた中小企業の対応実態調査」(2023年) 経路
  4. 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Riderお役立ちコラム(BtoB向けECサイトで取引先ごとに卸価格を切り替える)」(2026年) 経路
  5. 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(日東電工CSシステム株式会社様)」(2020年) 経路
  6. 6 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年) 経路

画像の出典元

  1. Minimalist image of a white shopping bag and mini cart on a/Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels
  2. A top-down view of a shopping cart, list, card, and bag on a/Photo by Nataliya Vaitkevich on Pexels
  3. 60代前半の日本人女性が店舗カウンターでの受注をしている場面/画像:生成AI(自社)

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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