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帳合先ごとの卸価格と受注締切管理

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 卸価格は帳合先ごとの登録条件へ、受注締切は帳合先ごとの時刻へ。
  • 5階層までの組織階層に沿って卸価格を出し分けられ、本部で結んだ条件を支店の画面へ降ろせます5
  • 85%の企業がFAXや電話を受注に使っており、電子化は置き換えではなく併走から始まります2
  • 43.1%というBtoB-EC化率は『その他』の業種を除いた集計で、残る注文はいまも人が受け取っています1
  • 50件までの取引先を登録できる無料トライアルで大口の数社から試し、そのまま件数を広げられます4

60代前半の日本人男性が店舗カウンターでの受注をしている場面
▽ 写真の出典元

受注締切とアナログ運用の負荷

帳合先ごとの卸価格と受注締切は、Excelや電話での管理ではなく「取引先ごとの条件」として登録し、画面上で切り替えます。5階層までの組織階層に沿って卸価格を出し分け、締切は帳合先ごとに持たせられます。担当者が不在でも同じ条件で受注が回ります。

この条件管理とは別に、現場の朝は、午前9時に受注センターの複合機が紙を吐き出す音で始まります。担当者は届いたFAXを帳合先ごとに仕分け、電話のメモと突き合わせて基幹システムへ転記します。紙の量は繁忙期ほど増えます。85%の企業がFAXや電話を受注手段に使っており、同規模の同業と見比べても「紙が主役」の職場は珍しくありません2

この手段そのものに問題があるのではなく、届いた注文を人が読み取って転記する工程が積み上がることが負荷になります。帳合先ごとに卸価格も受注締切も違うため、担当者は「この先はいつまで受けられるか」を記憶と一覧表で補います。転記が溜まる時間帯と締切が重なると、確認の電話が増え、出荷手配が後ろへずれますね。

転記のやり直しと締切確認の電話は、「担当者の時間」という形で毎日支払っている費用にほかなりません。

帳合先ごとの卸価格切替

卸価格は、同じ商品でも帳合先ごとに違う値を出す必要があります。紙の価格表を配る運用では、改定のたびに全帳合先へ差し替えを送り、古い表で発注された分を後から訂正する手戻りが生まれます。取引先ごとの条件として登録しておけば、ログインした相手に応じて「その先の価格」だけが表示され、他社向けの値は見えません。配る運用から、相手ごとに出し分ける運用へ変わりますね。

得意先の組織階層と価格設定の上限

帳合先は一社で完結せず、本部と地区、支店、部門、担当者が段になっていることが多くあります。段の数は得意先によって違います。5階層までの組織階層に応じて卸価格を切り替えられるため、本部から担当者までを一続きの条件として置けます5。上限を超える段を持つ得意先があるなら、「どこで束ねるか」を先に決めておく必要があります。

価格の改定には、いつから適用するかという期限が付きます。改定日を条件に持たせておけば、担当者が全帳合先へ連絡して回らなくても、当日を境に表示が入れ替わります。紙の表では「新しい表が届いたかどうか」が現場ごとにばらつき、旧価格での受注が混じります。改定を人が伝えるか、条件が自動で切り替えるか、自社の直近1年の訂正件数と並べて比べてください。

条件を登録する利点は、担当者が不在の日にはっきりします。誰がどの帳合先にどの価格を出しているかが一覧で見えれば、応援に入った人も同じ値で受注できます。Excelの個人ファイルに「その人しか分からない値」が置かれていると、休みがそのまま受注の停止につながります。属人化は熱心さの裏返しでもありますが、引き継ぎまで含めると割に合わない場面が増えます。

約8割の業務が導入前と比べて減ったとする2020年時点の「導入企業の自己申告」を踏まえると、いまの形を続けることは、その時間を毎年支払い続ける選択になります2

本部から地区、支店、部門、担当者へと卸価格の条件が段を追って降ります
本部で決めた卸価格が地区や支店を経て担当者の画面まで降りる順を示した図です

BtoB EC化による期限管理の効率化

受注締切は、帳合先ごとに違う時刻を持たせて初めて機能します。締切後の注文を翌日扱いへ回し、当日分だけを出荷指示へ流す判断を画面側に持たせれば、「まだ間に合いますか」という電話の多くが要らなくなります。締切の前後で表示を変える設定は、受注担当の裁量を奪うものではなく、例外の対応へ時間を回すための土台です。

この仕組みだけでは、電子化の余地はまだ大きく残っています。43.1%というBtoB-EC化率は、2024年時点で企業間の商取引の四割超が電子で行われた水準を示しますが、この値は『その他』の業種を除いた集計である点に留意してください1。残りは電話やFAX、郵送で受けた注文であり、業種によって比率は大きく振れます。自社の直近1年の受注を「手段別の内訳」で数え、どの手段が何割を占めるかを確かめてください。

始め方は、全帳合先を一度に載せる道だけではありません。50件までの取引先を登録できる無料トライアルが30日間用意されており、2026年時点の条件では大口の数社から試せます4。3日という最短日数で申込から利用開始まで進むため、繁忙期の前の「落ち着いた時期」に合わせられます4。10000件まで取引先を扱える有料プランへ移せば、試した形をそのまま広げられます4

紙をやめるかどうかではなく、どの帳合先から条件を移すかという「順番の問題」。大口から始めるか、小口から始めるかで、必要な準備の量は変わりますね。

ここから先は、帳合先ごとの卸価格と受注締切を「どの順で移すか」を、条件の決め方と確かめ方に分けて見ていきます。

締切時刻の登録から注文の受付、締切、翌日扱いへの振り替え、出荷指示へと処理が進みます
受注締切を帳合先ごとに登録し、締切後の注文を翌日扱いへ振り替えるまでの流れを示した図です

帳合先ごとに違う卸価格と受注締切を自社の条件へ落とし込む段になると、どこまでを画面側に持たせられるかは実物を見ないと判断がつきません。

自社の帳合先の階層と締切時刻を持ち込めば、そのまま登録できる条件か、事前の整理が要る条件かを切り分けられます。無料相談で要件を整理する

帳合先ごとの条件を移す順番

  • 帳合先ごとの卸価格を取引先の条件として登録し、組織階層に沿って出し分ける
  • 受注締切を帳合先ごとの時刻で持たせ、締切後の注文は翌日扱いへ回す
  • 価格改定日を条件に持たせ、当日を境に表示を入れ替える
  • 受注手段の内訳を数え、電話とFAXで受ける注文の割合を把握する
  • 大口の数社で試し、運用が固まってから小口へ広げる

この並びに優劣の順序はありません。

同じ順番でも、大口の帳合先を抱える卸売と、小口の新規開拓を進める会社では先に手を付ける場所が変わるため、次の表で読み手の条件別に整理します。

帳合先の構成別に見た進め方

読み手の条件 先に決めること 受注締切の持たせ方
大口帳合を抱える卸売 組織階層ごとの卸価格 帳合先ごとの時刻を個別に設定
小口帳合から始める新規開拓 標準の卸価格と例外の扱い 共通の時刻を置き例外だけ個別
40代前半の日本人男性が店舗カウンターでの受注をしている場面
▽ 写真の出典元

大口帳合を抱える卸売

上位の数社で売上の大半を占める卸売では、価格条件が本部との交渉で決まり、支店ごとに運用が枝分かれします。全体の受注件数を減らすことより、大口一社の条件を取りこぼさないことが先に来ます。まず「本部と結んだ条件」を登録し、支店の画面へ降ろす形が作れるかを確かめてください。

自社がこの型に当てはまるかどうかを左右する基準は、取引先数の多さではなく、階層の深さと価格改定の頻度です。電子での受発注は全体でも大きな額を占めます。514.4兆円というBtoB-ECの市場規模は、2024年時点で企業間取引のうち電子で行われた金額です1。自社の大口帳合先が「電子での受発注」を求めているかは、直近の商談記録で確かめてください。

先に挙げた階層の上限に自社の商流が収まるかを、実際の得意先名で当てはめてください。収まらない段がある場合は、どこで束ねて「一つの取引先」として扱うかを決めます。準備の難易度は高めで、本部との条件確認が入るぶん、価格条件の棚卸しに相応の期間を見込む必要があります。

確かめる項目 大口帳合での決め方
卸価格の単位 本部と結んだ条件を支店へ降ろす
組織階層の深さ 束ねる段を先に決める
受注締切 帳合先ごとに時刻を個別に設定
価格改定 改定日を条件に持たせて当日切替

本部と結んだ価格条件を支店へ降ろす商流では、束ね方を決めないまま進めると、受注締切の設定にまで手戻りが及びます。

実際の得意先の並びを当てはめて、どの段で束ねれば卸価格と締切が両立するかを見極められます。無料相談で自社の条件を持ち込む

小口帳合から始める新規開拓

小口の帳合先を数多く開拓する会社では、一社ごとの交渉より、標準の卸価格をどう置くかが先に来ます。新規の相手に「まずこの価格から」と示せる形があれば、見積の往復を減らせるかどうかを直近の案件で数えられます。例外の値引きは後から個別条件として足す順番にすると、標準が崩れません。

自社がこの型に当てはまるかどうかを左右する基準は、階層の深さより登録の手間と初期の件数です。導入はまだ広がりの途中にあります。14%という導入率は2020年時点の中堅・中小企業の値で、2022年時点の調査では導入企業の45%がコロナ禍以降に始めたと回答しています23。「後から始めた会社」が相当数を占めることが、この二つの割合から読み取れます。

こうした後発の会社ほど、まず「標準の卸価格」を一本決め、例外を持つ相手だけを別に登録してください。取引先の登録は名寄せの作業が中心で、大口ほど階層の設計に悩まずに済みます。難易度は低めで、既存の台帳が整っていれば短い期間で形になります。

確かめる項目 小口帳合での決め方
卸価格の単位 標準の価格を一本置く
例外の扱い 個別条件として後から追加
受注締切 共通の時刻を置き例外だけ個別
登録の作業 取引先の名寄せが中心
50代後半の日本人男性が店舗カウンターでの受注をしている場面
▽ 写真の出典元

小口の帳合先を短い期間で増やす段では、標準の卸価格と例外をどこまで認めるかを早めに固めておく必要があります。

手元の取引先台帳を見ながら、標準価格一本で回せる範囲と個別登録が要る相手を仕分けできます。無料相談で自社の条件を持ち込む

要点の整理

決めること 判断の目安
卸価格の持たせ方 得意先の組織階層に沿って出し分ける
階層の上限 得意先名を当てはめて上限に収まるか確認
受注締切 帳合先ごとの時刻を登録し締切後は翌日扱い
価格改定 改定日を条件に持たせ当日で切替
受注手段 FAXと電話は例外の窓口として残す
試す範囲 大口の数社で固めてから件数を広げる

受注締切の管理をいまの形で続けるか、帳合先ごとの条件として持たせるかは、繁忙期に入る前が決めどきになります。 現在の価格表と締切の一覧を突き合わせれば、移す順番と必要な準備の量をその場で確かめられます。

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よくある質問

帳合先ごとに卸価格を変えると、他社向けの価格が見えてしまいませんか。

ログインした相手ごとに表示する条件を切り替えるため、その帳合先に設定された価格だけが画面に出ます。紙の価格表を配る運用では、差し替え漏れで古い表が残ったり、別の帳合先の表が回ったりする余地がありました。画面側で出し分ける形にすれば、「どの表が最新か」を確認する手間を減らせます。

受注締切を過ぎた注文は、どう扱えばよいですか。

締切後の注文を翌日扱いへ自動で回すか、受付だけして出荷日を翌日で表示するかを、帳合先ごとに決めます。例外を電話で受ける運用を残す場合でも、締切を画面に出しておけば「間に合うか」という問い合わせ自体を減らせます。例外の件数を月ごとに数えると、締切時刻が実態に合っているかを判断できます。

FAXや電話での受注は、やめないといけませんか。

やめる必要はありません。手段を一つに絞るのではなく、電子で受けられる帳合先から順に移し、FAXや電話は「例外や緊急の窓口」として残す進め方が現実的です。アナログな手段を使う企業は依然として多く、取引先側の都合もあります。自社の受注のうち、どの帳合先なら画面で受けられるかを先に切り分けてください。

担当者が不在のときに受注が止まらないようにするには、どこから手を付けますか。

価格と締切の条件を個人のExcelではなく「取引先ごとの登録」として持たせることが出発点です。誰がどの帳合先にどの条件を出しているかが一覧で見えれば、応援に入った担当も同じ値で受注できます。引き継ぎ書の厚さではなく、条件が登録されているかどうかで、止まらない体制かを判断してください。

試すときは、どの帳合先から選べばよいですか。

受注件数が多く、担当が固定されている帳合先を数社選ぶと、「効果と手戻り」の両方が短い期間で見えます。無料で試せる登録件数には上限があるため、全社を一度に載せる前提では設計しないでください。まず数社で締切と価格の設定を固め、そのまま件数を増やす順番が扱いやすい進め方です。

価格改定の連絡は、どのように変わりますか。

「改定日」を条件に持たせておけば、当日を境に表示が切り替わるため、全帳合先へ差し替えを送る作業が不要になります。連絡そのものをなくすというより、連絡と実際の価格がずれる期間をなくす形です。改定のたびに何件の訂正が出ていたかを、自社の直近の記録で確かめてください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(2025年) 経路
  2. 2 出典:株式会社アイル「中堅・中小企業のBtoB受注業務の実態調査」(2020年) 経路
  3. 3 出典:株式会社アイル「中堅・中小企業における受注業務の実態調査」(2022年) 経路
  4. 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
  5. 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Riderお役立ちコラム『BtoB向けECサイトで取引先ごとに卸価格を切り替える』」(2026年) 経路

画像の出典元

  1. 60代前半の日本人男性が店舗カウンターでの受注をしている場面/画像:生成AI(自社)
  2. 40代前半の日本人男性が店舗カウンターでの受注をしている場面/画像:生成AI(自社)
  3. 50代後半の日本人男性が店舗カウンターでの受注をしている場面/画像:生成AI(自社)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

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