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卸価格改定を繁忙期前に終える、期限からの逆算チェックリスト

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 卸価格改定は、適用の期限から逆算して着手日を決めると、繁忙期の受注対応と切替作業の重なりを避けられます。
  • 最初に確かめるのは、通知に書かれた適用日と、自社の価格表が実際に切り替わるまでの所要日数の二つです。
  • 得意先ごとの設定件数は、卸価格の適用先を得意先の組織階層に沿って当てられる仕組みなら減らせます。
  • 着手日は、繁忙期の入り口より前に切替を終える位置に置き、予備日を残します。
  • 得意先への影響が読み切れないときは、一部の得意先で先に確かめてから全体へ広げます。

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▽ 写真の出典元

卸価格改定の期限はいつまでか

卸価格改定を繁忙期前に終えるには、適用の期限を一次資料で確かめ、そこから自社の所要日数を差し引いて着手日を置きます。所要日数は、価格表の作り直し、システムへの登録、得意先への案内、確認までの各工程を並べて数えます。繁忙期の受注量が立ち上がる時期と切替の作業時期が重なるなら、着手日をさらに前へ動かします。切替の範囲が広いときは、得意先の組織階層に沿って卸価格の適用先をまとめて当てられるかを先に確かめると、手で直す件数そのものが減ります。

通知に書かれた適用日を一次資料で確かめる

最初に手を付けるのは、仕入先から届いた通知そのものです。伝聞や社内の連絡メールではなく、通知の原本に書かれた適用開始日を読み取ります。適用開始日が「その日の受注分から」なのか「その日の出荷分から」なのかで、社内の価格表を切り替えるべき日が一日ずれることがあります。ここを取り違えると、切替の前日に入った注文の扱いで得意先とやり取りが増えます。

通知に経過措置が書かれている場合もあります。既存の見積や受注残に旧価格を適用する取り決めがあるなら、その期限も別に控えておきます。社内の価格表を切り替える日と、旧価格を残しておく期限は、同じとは限りません。

得意先との取り決めで期限が前倒しになることがある

仕入先が示した適用日が、そのまま自社の期限になるとは限りません。得意先との間に価格改定の事前通知の取り決めがあるなら、その通知に要する期間だけ、自社の締切は前へ動きます。得意先ごとに通知の期間が違うなら、最も長い期間を基準に置きます。

この段階で、期限を一枚の表にまとめます。仕入先の適用日、得意先への通知期限、社内の価格表の切替日を並べて書くと、どれが最も早い期限なのかが一目で分かります。逆算の起点になるのは、この中で最も早い日付です。

ここまでの流れを、期限から逆算して確かめる順に並べ直します。

卸価格の切替にかかる日数の目安

価格表の作り直しから確認までを工程に分ける

切替にかかる日数は、まとめて見積もると必ず外れます。工程に分けて、それぞれに担当と所要日数を当てます。卸価格改定では、改定後の価格表を作る、得意先ごとの適用条件を決める、システムへ登録する、得意先へ案内する、切替後の表示と受注を確かめる、という並びになります。

工程ごとの所要日数は、前回の改定のときに実際に何日かかったかを持ち出すのが確実です。記録が残っていないなら、今回の改定を計測の機会にして、工程ごとに着手日と完了日を控えます。次回の逆算が、このときの記録の精度で決まります。

手で直す件数を減らせるかを先に確かめる

所要日数を左右するのは、得意先ごとに何件の設定を直すかです。得意先の数だけ価格表を開いて書き換える前提なら、件数に比例して日数が伸びます。

得意先の組織階層に応じて卸価格の適用先を設定できる仕組みでは、親となる組織へ当てた条件を配下へ及ぼせます。EC-Rider B2Bでは、得意先の組織階層に応じて卸価格の適用先を5階層まで設定できるとされています1。本社と支店、支店と店舗のように階層で管理している得意先なら、上位へ一度当てるだけで済む範囲がどこまでかを先に切り分けると、手で直す件数の見込みが立ちます。

この切り分けは、所要日数の見積もりより前に行います。件数が決まらないうちに日数だけを見積もっても、逆算の土台が動いてしまうためです。

確認項目を一巡させたら、社内で判断が分かれやすい点を押さえておきます。

価格表の作成から登録、案内、確認までの工程を左から順に並べた流れ図。
卸価格改定の反映工程。工程ごとに担当と所要日数を当てて合計する。

繁忙期と切替作業が重ならないか

受注量の山を月別に並べて重なりを見る

繁忙期は、感覚ではなく受注の実績で確かめます。月別の受注件数と、価格に関する問い合わせの件数を並べると、どの時期に人手が取られるかが見えます。卸売やメーカーでは、得意先の期末や季節商材の仕込み時期に山が来ることが多く、そこへ切替作業を重ねると、どちらも遅れます。

重なりを見るときは、切替の当日だけでなく、切替後の問い合わせが集中する期間も含めます。価格が変わった直後は、得意先から「注文書の単価と違う」「見積の価格はどちらか」という確認が入ります。この対応に人手が要ることを、あらかじめ日程へ織り込みます。

重なったときに何が起きるかを先に書き出す

どうしても重なる場合に備えて、起きることを先に書き出します。受注の入力が滞る、旧価格のまま出荷してしまう、得意先ごとの適用条件を確かめる時間が取れない、といった事柄です。書き出しておくと、着手日を前へ動かす判断や、切替を段階に分ける判断の根拠になります。

繁忙期のただ中に切替を置かざるを得ないなら、切替の範囲を絞ることを先に考えます。全得意先を同じ日に切り替える必要が本当にあるのかを、期限の表に戻って確かめます。

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▽ 写真の出典元

いつ着手すればよいか

期限から所要日数と予備日を差し引く

着手日は、最も早い期限から、工程ごとの所要日数の合計を差し引いて出します。ここで終わりにせず、さらに予備日を差し引きます。予備日は、登録内容の誤りが見つかったとき、得意先から適用条件の照会が来たとき、承認が止まったときに使います。

出した着手日が、繁忙期の立ち上がりより後になっているなら、その日程は成り立ちません。着手日を前へ動かすか、工程のどこかを並行させるか、切替の範囲を分けるかのいずれかを選びます。

承認と社内周知の日を日程に入れる

逆算で抜けやすいのが、社内の承認と周知です。価格表の改定は、営業部門や経理部門の承認を経ることが多く、その待ち時間は担当者の手元では縮められません。承認の依頼日と、承認が下りる見込みの日を、工程の一つとして日程へ書き入れます。

周知も同じです。受注を受ける担当者、出荷を手配する担当者、請求を組む担当者が、いつから新価格になるかを知らないまま切替日を迎えると、旧価格での処理が残ります。切替日の前に周知の日を置き、誰へ何を伝えたかを記録します。

一斉に切り替えるか段階的に切り替えるか

一斉切替が向く場合

適用日が全得意先で同じで、価格の決め方も共通しているなら、一斉切替が単純です。切替日が一つで済むため、周知も確認も一度で終わります。旧価格と新価格が併存する期間が生まれないので、受注時の取り違えも起きにくくなります。

一斉切替を選ぶなら、切替の直前に人手が集まることを前提に日程を組みます。繁忙期の立ち上がりより十分前に切替日を置けることが条件です。

段階切替が向く場合

得意先ごとに適用条件や通知の取り決めが異なる場合、あるいは切替の件数が多く一度では確かめきれない場合は、段階に分けます。まず少数の得意先で切り替え、価格表の表示、受注時の単価、請求の金額が想定どおりかを確かめてから、残りへ広げます。

段階に分けるときは、旧価格と新価格が併存する期間ができます。どの得意先がどちらの価格で動いているかを一覧で持ち、受注担当者がその場で確かめられるようにしておきます。得意先の組織階層に沿って適用先を当てられる仕組みなら、階層の単位で区切ると、併存の境目が分かりやすくなります1

卸価格改定を繁忙期前に終えられるかどうかは、改定の通知が届いてから最初の数日で決まります。期限を一次資料で確かめ、工程ごとの所要日数を数え、予備日を差し引いて着手日を置く。この逆算を紙の上で一度通しておけば、繁忙期に切替作業が食い込むかどうかが、着手する前に分かります。今回の改定で工程ごとの日数を記録しておけば、次の改定では逆算の精度が上がります。

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▽ 写真の出典元

期限からの逆算が成り立つかどうかは、得意先ごとの卸価格をどこまで仕組みの側でまとめて当てられるかで変わります。自社の得意先構成で手作業の件数がどこまで減るかは、実際の階層と適用条件を見ないと判断できません。

現在の得意先の組織構成と価格の決め方を持ち込めば、階層でまとめて当てられる範囲と個別対応が残る範囲を切り分けたうえで、切替に要する工程と日数の見当を確かめられます。無料相談で要件を整理する

期限から逆算して確かめる項目

  • 仕入先の通知に書かれた適用開始日と、受注分か出荷分かの区別
  • 得意先への事前通知の取り決めと、そこから決まる自社の締切
  • 最も早い期限がどれかを一枚の表で確認
  • 得意先ごとに手で直す設定の件数と、階層でまとめて当てられる範囲
  • 工程ごとの所要日数(価格表の作成・適用条件の決定・登録・案内・確認)
  • 社内の承認に要する待ち時間と、周知の日
  • 月別の受注量から見た繁忙期の立ち上がり時期
  • 切替後に問い合わせが集中する期間の人手
  • 期限から所要日数と予備日を差し引いた着手日
  • 一斉切替か段階切替かの判断と、段階に分ける場合の区切り方

この並びに優劣の順序はありません。

項目を一つずつ埋めていくと、日程が成り立つかどうかが着手前に見えます。

要点の整理

基準
起点にする期限 仕入先の適用日と得意先への通知期限のうち、最も早い日
所要日数の数え方 価格表の作成・適用条件の決定・登録・案内・確認の工程ごとに当てて合計する
件数の見込み 階層でまとめて当てられる範囲と、個別に直す範囲を切り分けてから数える
繁忙期の判定 月別の受注実績で立ち上がり時期を出す
着手日 最も早い期限から所要日数と予備日を差し引いた日
切替日の上限 予備日を含めて繁忙期の立ち上がりより前で完結する位置
一斉切替の条件 適用日と価格の決め方が共通で、繁忙期より十分前に切替日を置ける
段階切替の条件 適用条件が得意先ごとに異なる、または一度で確認しきれない件数がある
段階切替の初回対象 価格表の表示から受注・請求まで一巡して確かめられる得意先
次回への備え 今回の工程ごとの着手日と完了日を記録に残す
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▽ 写真の出典元

改定のたびに同じ焦り方を繰り返すかどうかは、価格の管理を今の運用のまま続けるかで決まります。次の繁忙期までに何を変えられるかは、現在の運用と期限の実績を突き合わせて初めて見えます。 今回の改定で記録した工程ごとの日数と、得意先ごとの設定件数を持ち寄れば、次回の改定を繁忙期前に収めるために何を先に整えるべきかを確かめられます。

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よくある質問

仕入先からの通知が届いた時点で、適用日まで日数が足りません。どうすればよいですか。

まず、足りないのがどの工程かを特定します。工程ごとの所要日数を並べれば、価格表の作成なのか、システムへの登録なのか、社内の承認なのかが分かります。そのうえで、切替の範囲を絞れないかを確かめます。適用日が全得意先で同じでないなら、期限の早い得意先から段階的に切り替える選択肢があります。並行して、仕入先へ経過措置の有無を確認し、得意先へは適用日の見込みだけでも先に伝えておくと、後の問い合わせが減ります。

得意先ごとの卸価格の設定件数が多く、手作業では期限に間に合いません。

得意先を一件ずつ直す前提を見直します。得意先が本社と支店、支店と店舗のような組織階層で管理されているなら、上位の組織へ条件を当てて配下へ及ぼせる仕組みかどうかを確かめます。EC-Rider B2Bでは、得意先の組織階層に応じて卸価格の適用先を5階層まで設定できるとされています1。階層でまとめられる範囲と、個別に直す必要がある範囲を切り分けると、実際に手を動かす件数の見込みが立ちます。

切替日をいつに置けば、繁忙期と重ならないと言えますか。

繁忙期の立ち上がり時期を、月別の受注実績から出します。そのうえで、切替日だけでなく、切替後に問い合わせが集中する期間も繁忙期の外に収まる位置へ置きます。切替日を繁忙期の直前ぎりぎりに置くと、確認や手直しが繁忙期へ食い込みます。予備日を含めて繁忙期の前で完結する位置が、実際に置ける最も遅い切替日です。

段階的に切り替える場合、どの得意先から始めるべきですか。

取引量が中くらいで、価格の決め方が標準的な得意先から始めます。取引量が最も大きい得意先は、不具合が出たときの影響が大きく、最初には向きません。逆に取引がごく少ない得意先では、受注や請求まで通して確かめられないことがあります。価格表の表示、受注時の単価、請求の金額までを一巡できる得意先を選ぶのが要点です。

旧価格と新価格が併存する期間の管理はどうしますか。

どの得意先がどちらの価格で動いているかの一覧を作り、受注を受ける担当者がその場で見られる場所に置きます。区切りは、得意先を個別に並べるより、階層や区分の単位でまとめたほうが読み間違いが減ります。併存の終了日も一覧に書き添え、全得意先が新価格へ移った日を記録として残します。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B「BtoB向けECサイトで取引先ごとに卸価格を切り替える」」(2026年) 経路
  2. 2 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(フリュー株式会社様)」(2016年) 経路

画像の出典元

  1. Clean and simple image of a to-do list on a clipboard with l/Photo by MART PRODUCTION on Pexels
  2. A minimalist flat lay of brown clipboard and tags with green/Photo by Polina ⠀ on Pexels
  3. A minimalist office desk setup with essential office supplie/Photo by MART PRODUCTION on Pexels
  4. A minimalist abstract pattern formed with white papers layer/Photo by DS stories on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

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