◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
目次

Web受注システムの初期費用はいくらかかるのか
Web受注システムの初期費用は提供形態で大きく変わり、確認できたSaaS・パッケージ型の例は8万円と10万円34、カスタマイズ型のモデルケースは400万〜1,500万円超2です。抑えるにはカスタマイズを足さずパッケージ機能で始める判断が先で、商品数・取引先数・ユーザー数の上限と月額が条件になります。
SaaS・パッケージ型の初期費用は8万〜10万円台
SaaSは提供元が用意したソフトをインターネット経由で使う形態、パッケージ型は既製の機能を設定して使う提供の仕方を指します。
この形で金額を公表している例を見ると、BtoB向けの受発注サービスであるBカートは全プラン共通の初期費用を8万円とし、初回のみの負担でエンタープライズプランは対象外と記載しています3。
Web受注に使えるEC-Rider Primoのクイックビジネスプランは、初期費用10万円、月額88,000円(税抜)です4。
対象も機能も別のサービスですが、初期費用はいずれも10万円前後に収まっています。
初期費用が何にかかる費用なのか、開発費・設定費・データ移行費といった内訳を示す一次資料は、今回の調査では確認できませんでした。
確認できるのは、既製の機能をそのまま使う形態の公表額と、独自開発を伴う形態の公表額に大きな差があるという事実です2。
そのため初期費用を抑えたいときの最初の判断は、見積もりの値引き交渉ではなく、既製機能の設定で自社の受注業務が回るかどうかを決めることになります。
金額を並べる前に、表記の条件も揃えておく必要があります。
Bカートの8万円は初回のみの初期費用で、エンタープライズプランは除くと明記されています3。
EC-Rider Primoの月額88,000円は税抜表記です4。
初回のみなのか、税抜か税込か、どのプランが対象なのかという条件が揃っていないと、同じ8万円でも比べたことになりません。
カスタマイズ型の初期費用は400万円〜1,500万円超
独自のカスタマイズを伴う型では、金額の桁が変わります。
アラジンECの料金ページはモデルケースを三段階で示し、小規模カスタマイズが初期400〜800万円・月額7〜10万円、中規模カスタマイズが初期800〜1,500万円、大規模カスタマイズが初期1,500万円〜・月額15万円〜とされています2。
ここでの「小規模・中規模・大規模カスタマイズ」という呼び方は同社ページ上のモデルケースの呼称であり、業界共通の公式な区分ではありません。
この三段階は、対象とする事業規模とカスタマイズ範囲の組み合わせで並んでいます。
段階が上がるほど初期費用の下限が上がり、月額も小規模の7万円から大規模の15万円へと上がります2。
つまり金額を動かしているのは受注件数の多さそれ自体ではなく、どこまで自社専用に作り込むかという範囲です。
自社の要件が既製機能の外へ出る数だけ、初期費用と月額の両方が上の段へ動くという読み方になります。
SaaS・パッケージ型の8万〜10万円台34と、カスタマイズ型の400万円〜2という差は、交渉で埋まる幅ではありません。
初期費用を抑える検討は、まずこの二つの形態のどちらに自社が入るのかを決める作業から始まります。
初期費用を抑える方法:SaaS・パッケージ型と無料プランの活用
カスタマイズを増やさずパッケージ機能で始める
初期費用を抑える方法として最初に効くのは、カスタマイズを足さずにパッケージ機能の範囲で始める判断です。
提供形態の違いが費用の桁を決めているため23、削る対象は金額そのものではなく要件になります。
具体的には、現在の受注業務で使っている紙やFAXの様式を一覧にし、既製の入力画面で代替できる項目と、代替できない項目に分ける作業から入ります。
分け方で迷いやすいのは、取引先ごとに条件が変わる部分です。
たとえば取引先別の単価を画面に出したい場合、取引先ごとにログインIDを発行できることと、取引先別単価を表示する機能があることは別の話です。
IDが発行できるだけでは個別価格の表示は実現しないため、機能として備わっているのか、備わっていないなら追加開発になるのかを見積もり時に確認します。
支払条件も同じ考え方で切り分けます。
掛売のように広く使われている商慣行であっても、すべての取引に当てはまるとは限らず、見積提出後にまとめて受注する取引や、委託扱いの取引が混ざることがあります。
例外の取引をシステムに載せるのか、当面は現行の電話・FAXのまま残すのかを先に決めておくと、初期費用に乗せる範囲を小さく保てます。
無料プランで小さく試す(COREC・CO-NECTの例)
もう一つの方法は、無料プランで小さく試してから有料プランに移ることです。
受発注管理システムの費用を比較した記事では、CORECの無料プランが初期費用0円・月額料金0円、CO-NECTの発注システム利用時のフリープランが初期費用0円として紹介されています1。
ただしこの二つはいずれも発注する側のシステムとして挙げられているもので、自社が受注側として使う業務をどこまで担えるかは、各サービスの機能条件によって変わります。
無料プランで確かめられるのは、画面の操作感、入力項目の並び、取引先に入力を依頼できる形かどうかといった運用面です。
一方で、無料プランにどんな機能制限があるかは今回確認した資料では個別に特定できていないため、登録できる件数や使える機能は各社の料金ページと利用規約で確認する必要があります。
無料の範囲で当面の受注量が回るのかどうかも、自社の件数と照らして判断します。
無料プランから移行する場合は、登録済みのデータを持ち出せるか、移行に費用がかかるかを事前に聞いておきます。
取引先に入力してもらう運用へ切り替えるときは、当面は電話・FAXを併用する期間を設ける進め方も考えられます。
ただし併用期間が必要かどうかは取引先の数や入力項目の多さで変わるため、どの会社にも必要な手順とは言えません。
操作に不慣れな担当者がいる場合は、初回の受注処理に提供元の支援を入れられるかを確認しておくと、切り替え時の停滞を避けやすくなります。
費用を抑えた場合に生じる機能・件数の制約
商品登録数・取引先数・ユーザー数の上限
費用を抑えたプランで妥協が生じるのは、機能の有無よりも登録できる件数の上限です。
EC-Rider Primoのクイックビジネスプランは、商品30,000SKU、取引先10,000件、ユーザー5名を上限としています4。
これは同サービスの当該プランの仕様であり、他社のサービスや他のプランに共通する制約として一般化はできません。
ただし上限として置かれる項目の種類は、自社の数字を数えるときの目安になります。
SKUは在庫管理上の最小単位で、同じ商品でも色やサイズが違えば別に数える扱いが取られます。
自社の商品点数を数えるときは、規格違いを何点として数えるのかを先に決めないと、上限に収まるかどうかの判断がずれます。
取引先の件数も、取引のある会社数で数えるのか、納品先の拠点数で数えるのかで変わります。
ユーザー数についても、自社で受注を処理する担当者だけを数えるのか、取引先側のログインも含むのかは各社の定義次第なので、見積もり時に数え方を確認します。
上限値そのものより重要なのは、その上限までにどれだけ余裕があるかです。
取引先が年に数社ずつ増える見込みなのか、新商品の追加で商品点数が毎年増えるのかによって、同じ上限でも到達までの時間が変わります。
料金表の上限と自社の増え方を並べておくと、上限に届いたときの判断を落ち着いて決められます。
上限を超えた場合の上位プランへの切り替え
上限に届いたときにどうなるかは、契約前に確認しておく項目です。
Bカートは全プラン共通の初期費用8万円を初回のみと記載し、エンタープライズプランは除くとしています3。
この記載から同一サービス内でプランを移る際の扱いを一律に読み取ることはできないため、上位プランへ切り替えるときに初期費用が再度かかるのかは、個別に問い合わせる内容になります。
確認する問いは、上限に達した時点で新しい商品や取引先を登録できなくなるのか、超過分が追加課金になるのか、上位プランへの切り替えが必要になるのかという三点です。
あわせて上位プランの月額との差額と、切り替えの申し込みから利用開始までにかかる期間も聞いておきます。
受注が伸びている時期に登録できない状態が生じると、抑えた初期費用の分より運用の負担が大きくなる場合があります。
反対に、上限に大きな余裕があるプランを選べば安心とも言い切れません。
上限の大きさに応じて月額が変わる料金設計であれば、余裕を取るほど月額が上がります。
料金表で上限と月額の対応を確かめ、当面の件数で足りるプランから始めて、必要になった時点で上げる進め方が取れるかを確認します。

受注規模別:自社に合ったWeb受注システムの選び方
まず小規模プランで始めたい事業者
まず低コストでWeb受注を始めたい場合は、次の条件がそろっているかを見ます。
商品点数・取引先数・受注を処理する担当者数が既製プランの上限に収まること、基幹システムとの自動連携が当面は必須でないこと、受注データをCSVなどの手作業で受け渡す運用に耐えられることです。
この条件に当てはまるなら、初期費用8万円3や10万円4という水準で開始できる例があります。
この選び方で妥協するのは、独自の受注フローを画面にそのまま再現することと、件数の上限です。
受注の受け付け自体は既製機能で行えるため、機能がないから受注できないという形の妥協にはなりにくい一方、様式の細部は既製の画面に合わせる必要があります。
現行の様式を変えられない理由が社内の慣習であれば見直せる余地がありますが、取引先の指定様式であれば変更の可否を取引先に確認してから判断します。
進め方としては、無料プランで操作と運用を確かめたうえで、本番は有料の小規模プランに移す順序が取れます1。
その際は、無料プランで作ったデータを移せるか、取引先への案内をやり直す必要があるかを先に確認しておきます。
無料プランが発注側向けとして紹介されているサービスの場合は、受注側の運用に使えるかどうかを機能一覧で確かめる必要があります1。
基幹システム連携や独自フローが必要な事業者
一方で、次のような要件があるならカスタマイズ型が検討対象になります。
受注データを基幹システムへ自動で流す必要がある、取引先ごとに異なる単価体系や承認フローを画面に反映する必要がある、複数の受注窓口をまとめて扱う必要があるといった場合です。
ここで注意したいのは、受注窓口が複数あることと、請求元を分ける必要があることは別の要件だという点です。
窓口が複数でも請求を一本化できるなら、分けるための作り込みは不要になるため、見積もり前に切り分けておきます。
費用の目安としては、モデルケースで初期400万円から、月額7万円からという水準が示されています2。
連携の範囲や独自フローが増えると、中規模の初期800万〜1,500万円、大規模の初期1,500万円〜・月額15万円〜という段へ移ります2。
初期費用だけでなく月額も段階的に上がるため、総額で見る期間を決めてから比較します。
要件が固まっていない段階で安いプランを選ぶと、後から追加開発を検討する判断が必要になる場合があります。
どちらが有利かは追加する範囲の大きさで変わるため、まず要件の確定度を確かめます。
受注フローの変更を社内で決められる段階なら既製機能に寄せる選択が取りやすく、取引先との取り決めで変更できない条件が多いなら、その部分だけを見積もりに出して費用を確かめる進め方になります。
初期費用を抑えたいときの判断は、既製機能の設定で受注業務が回るかどうかの切り分けから始まります。
収まるなら初期費用8万〜10万円台の水準34で始められ、代わりに商品数・取引先数・ユーザー数の上限と、上限を超えたときの扱いを契約前に確認する作業が必要になります。
収まらないなら、カスタマイズ範囲に応じて初期費用と月額が段階的に上がる型2を前提に、どの要件までを初期の範囲に入れるかを決めます。
次の一覧では、その段階がどの幅で分かれているかを確認します。
初期費用を抑えられるかどうかは、料金表の金額よりも、自社の受注業務が既製機能の設定で回るかという切り分けで決まります。商品点数の数え方や取引先の数え方、どの要件が追加開発になるのかは、受注の実務を聞き取ったうえでないと確定しません。
現在の受注件数・取引先数・受注の様式を持ち込めば、上限件数に収まるかどうか、どの要件がカスタマイズの対象になるか、初期費用と月額をどの条件で比べればよいかを確かめられます。無料相談で要件を整理する
初期費用は事業規模とカスタマイズ範囲で大きく変わる
アラジンECの料金ページが示すモデルケースを、対象とする事業規模とカスタマイズ範囲が小さい順に並べました(2026年時点、区分名は同社ページ上の呼称)。
- 小規模カスタマイズのモデルケース:初期400〜800万円・月額7〜10万円
- 中規模カスタマイズのモデルケース:初期800〜1,500万円
- 大規模カスタマイズのモデルケース:初期1,500万円〜・月額15万円〜
自社の受注フローを既製機能の設定内に収められるなら、この並びの外側にあるSaaS・パッケージ型(初期8万〜10万円台)が候補になります。
逆に基幹システムとの連携や取引先ごとの承認フローが要件に入ると、受注件数が同じでも上の段へ移ります。
続く型別の節で、それぞれの適用条件と見積もりでの確認点を整理します。

型別に見る初期費用の抑え方と見積もり比較
| 型 | 初期費用 | 月額費用 | 向く条件 | 主な制約 |
|---|---|---|---|---|
| SaaS・パッケージ型(小規模事業者向け) | 8万円3/10万円4 | 88,000円(税抜)の例4 | 既製機能の設定で受注業務が回り、まず低コストで始めたい | 商品数・取引先数・ユーザー数に上限がある場合がある |
| カスタマイズ型(中〜大規模事業者向け) | 400万〜1,500万円超2 | 7万〜15万円超2 | 基幹システム連携や独自の受注フローが必要 | カスタマイズ範囲に応じて初期費用と月額が上がる |
SaaS・パッケージ型:8万〜10万円台で始める場合の条件
初期費用に含まれる範囲と月額の関係
SaaS・パッケージ型を比べるときは、初期費用と月額を別の軸として並べます。
EC-Rider Primoのクイックビジネスプランは初期費用10万円に対して月額88,000円(税抜)で、初期費用と月額が近い水準に置かれています4。
Bカートは全プラン共通の初期費用8万円を初回のみと記載しており、プランごとの月額とは別建ての扱いです3。
初期費用の安さだけで選ぶと、使い続けるほど月額の差が総額に効いてきます。
総額で比べる期間は、社内の投資判断に合わせて決めます。
受注業務の効率化を目的にしているなら、効果を測る期間と同じ長さで初期費用と月額を足して比べると、判断がぶれにくくなります。
その際は税抜と税込の表記を揃え、初期費用が初回のみなのかどうかを確認しておきます34。
初期費用に何が含まれるかは、公表額だけでは分かりません。
今回確認した一次資料には、開発費や設定費、データ移行費といった内訳を示すものはありませんでした。
そのため見積もりを受け取ったら、初期設定やマスタ登録の作業が初期費用に入っているのか、別料金なのかを明示してもらう必要があります。
上限件数に届く前に確認しておくこと
上限が設けられる項目は、商品数・取引先数・ユーザー数が代表的です。
EC-Rider Primoのクイックビジネスプランでは、商品30,000SKU、取引先10,000件、ユーザー5名が上限とされています4。
この数値は同社の当該プランの仕様なので、他社の小規模プランが同じ上限を持つとは限りません。
確認するのは現時点の件数だけでなく、上限に対する増え方です。
直近の一年で取引先が何社増えたか、商品を何点追加したかを数え、その伸びが続いた場合に上限へ届くまでの年数を見ます。
届くまでの期間が想定する利用期間より短いなら、最初から上位プランを検討するか、上限を超えたときの費用を確定させてから安いプランを選ぶかという判断になります。
上限の欄は、見積もり依頼書にそのまま質問として書き写せる形にしておくと比較が早く済みます。
数え方の定義まで揃えて聞くことで、料金表の数字が自社の実数と対応しているかを確かめられます。
| 確認する上限項目 | 公表されている例(1サービスの1プラン) | 自社で確かめること |
|---|---|---|
| 商品登録数 | 30,000 SKU4 | 規格違いを何点として数えるか |
| 取引先登録数 | 10,000件4 | 取引のある会社数か、納品先の拠点数か |
| ユーザー数 | 5名4 | 自社担当者のみか、取引先側のログインも含むか |
カスタマイズ型:初期費用が400万円台から動く理由
カスタマイズ範囲と月額費用の関係
カスタマイズ型では、初期費用と月額が同じ方向に動きます。
モデルケースでは小規模カスタマイズが初期400〜800万円・月額7〜10万円、大規模カスタマイズが初期1,500万円〜・月額15万円〜と示されています2。
初期費用を下げるために作り込む範囲を狭めれば、月額の側も下の段へ寄る関係になります。
ここから言えるのは、初期費用の欄だけを交渉で下げても、範囲が変わらなければ段は変わらないということです。
費用を動かしたいなら、どの要件を初期の範囲から外すかを決める必要があります。
外す候補になるのは、運用の工夫で代替できる要件、当面は件数が少なく手作業で回せる要件、取引先側の都合で将来変わる可能性がある要件です。
ただし、モデルケースの区分は同社ページ上の呼称であり、規模の線引きが業界で統一されているわけではありません2。
複数社の見積もりを並べるときは、区分名ではなく、含まれる機能と連携先の一覧で比べます。
基幹システム連携が前提になる場合の判断
基幹システムとの連携を要件に入れるときは、データがあることと機能が実装されていることを分けて考えます。
基幹システムに取引先別の単価データが入っていても、Web受注の画面にその単価を表示する機能と、単価を受け渡す連携が実装されていなければ画面には出ません。
見積もりでは、どのデータをどちらの方向に、どの頻度で受け渡すのかを項目単位で確認します。
連携の方式も費用に関わります。
自動で随時受け渡すのか、日次でファイルを受け渡すのか、手作業でCSVを取り込むのかによって、必要な作り込みの範囲が変わります。
当面は日次のファイル受け渡しで足りるのであれば、随時連携を初期の範囲から外す判断も取れます。
受注の締め時間や在庫の引き当てのように、連携の頻度が業務の可否に直結する要件は、範囲から外す前に現場で確認します。
在庫数を画面に出したい場合も、基幹システムの在庫データをどのくらいの間隔で反映する必要があるかで作り込みが変わるため、必要な鮮度を決めてから見積もりに出します。
| 見積もりで確認する要件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 連携するデータ | 品目・単価・在庫・受注のどれを、どちら向きに渡すか |
| 連携の頻度 | 随時・日次・手作業の取り込みのどれで足りるか |
| 取引先ごとの条件 | 単価体系・承認フロー・支払条件の違いを画面に反映する必要があるか |
| 請求の単位 | 受注窓口が複数でも請求を一本化できるか |

導入までに確認すべきこと・見積もり比較のポイント
初期費用以外に月額・上限件数を必ず比較する
複数のベンダーから見積もりを取るときは、初期費用の欄だけを並べても判断できません。
比べる欄を先に決めて、同じ条件で埋めてもらうほうが早く終わります。
そろえたいのは、初期費用、月額費用、上限件数、上限を超えたときの扱い、標準機能に含まれる範囲です。
欄が埋まらない項目が出た場合は、その項目こそ費用が動く余地の大きいところです。
標準機能の範囲が曖昧なまま契約すると、運用開始後に追加開発の相談が発生します。
取引先別単価や承認フローのように自社の運用に直結する機能は、標準か追加開発かを文面で残してもらいます。
見積もり依頼前に社内で揃える情報
見積もりの精度は、渡す情報でほぼ決まります。
渡す前に社内で確定させたいのは、受注の実数、既製機能で足りる範囲と足りない範囲の切り分け、連携先のシステム名と受け渡すデータ、運用を担当する人数です。
これらが決まっていないと、ベンダー側は広い範囲を前提に見積もるため、初期費用は膨らむ方向に出ます。
社内で決めきれない要件は、決められない理由ごとに分けて渡します。
取引先の合意が必要な要件、繁忙期を過ぎないと判断できない要件、現場の運用を変えれば不要になる要件は、それぞれ見積もりでの扱いが変わります。
初期の範囲には入れず、後から追加する場合の費用の出し方だけを聞いておく進め方も取れます。
| 比較する欄 | 確認のしかた |
|---|---|
| 初期費用 | 初回のみか、税抜か税込か、対象プランはどれか |
| 月額費用 | 税表記と、上位プランとの差額 |
| 上限件数 | 商品数・取引先数・ユーザー数と、その数え方の定義 |
| 上限を超えたとき | 登録停止か、追加課金か、上位プランへの切り替えか |
| 標準機能の範囲 | 取引先別単価や承認フローが標準か追加開発か |
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 提供形態 | 既製機能の設定で受注業務が回るならSaaS・パッケージ型、基幹システム連携や独自フローが必須ならカスタマイズ型 |
| 初期費用 | 確認できた例はSaaS・パッケージ型が8万円3と10万円4、カスタマイズ型のモデルケースが400万〜1,500万円超2 |
| 月額費用 | 初期費用と同じ表で比べる。例は88,000円(税抜)4、モデルケースは7万円〜と15万円〜2 |
| 件数の上限 | 商品数・取引先数・ユーザー数を自社の実数と増え方で照らす(上限値は各サービスの仕様) |
| 上限を超えたとき | 登録停止・追加課金・上位プランのどれになるか、初期費用が再度かかるかを契約前に確認 |
| 削る対象 | 金額の交渉ではなく要件の範囲。運用で代替できる要件と、取引先の取り決めで変えられない要件を分ける |
上限に届いたときの費用や、基幹システムとの連携で実際に画面へ出せるデータの範囲は、契約前に確かめておく必要があります。公表されている料金だけでは、自社の運用に必要な機能が標準に含まれるかまでは判断できません。 現行の受注様式と連携したいシステムの情報を示せば、既製機能の設定で再現できる範囲と、追加開発が必要になる範囲の線引き、上位プランへ移る場合の条件を確認できます。
よくある質問
無料プランのWeb受注システムには、どんな機能制限がありますか。
制限の内容はサービスごとに異なります。受発注管理システムの費用を比較した記事では、CORECの無料プランが初期費用0円・月額料金0円、CO-NECTの発注システム利用時のフリープランが初期費用0円として紹介されていますが1、個別の機能制限まではこの資料では特定できていません。確認するときは、登録できる商品数・取引先数・ユーザー数、受注データの出力形式、取引先への案内機能の有無を、料金ページと利用規約で照らしてください。発注する側のシステムとして紹介されているサービスは、受注側の業務に使えるかを機能一覧で確かめる必要があります。
初期費用を抑えた小規模プランから始めて、後から上位プランへ切り替えられますか。
切り替えの可否と費用は、サービスごとの契約条件で決まります。Bカートは全プラン共通の初期費用8万円を初回のみと記載し、エンタープライズプランは除くとしています3が、同一サービス内でプランを移る際の扱いをこの記載から一律に読み取ることはできません。契約前に、上位プランへ切り替えるときに初期費用が再度かかるか、申し込みから利用開始までにどのくらいかかるか、登録済みのデータをそのまま引き継げるかを確認しておくと、上限に届いた時点で受注を止めずに済みます。
見積もりを複数のベンダーから取るとき、初期費用以外にどの費用軸を比較すべきですか。
月額費用と、上限件数、上限を超えたときの扱いを同じ欄で並べてください。月額は税表記の違いで見え方が変わり、たとえばEC-Rider Primoのクイックビジネスプランの88,000円は税抜表記です4。カスタマイズ型では月額も段階的に上がり、モデルケースでは小規模の7万円〜から大規模の15万円〜という幅が示されています2。あわせて、初期設定やマスタ登録の作業が初期費用に含まれるのか別料金なのかを明示してもらうと、同じ条件で総額を比べられます。
受注件数や取引先数が増えた場合、初期費用を抑えたプランのままで対応できますか。
各プランの上限に収まる範囲なら対応できますが、上限値は各サービスの仕様です。EC-Rider Primoのクイックビジネスプランは、商品30,000SKU、取引先10,000件、ユーザー5名を上限としています4。自社の直近の増え方を数えて上限に届くまでの年数を見たうえで、届くまでが短いと判断できる場合は、上位プランの月額差と切り替え条件を先に確認してからプランを選んでください。商品点数は規格違いをどう数えるかで結果が変わるため、数え方の定義も一緒に確認します。
初期費用の内訳は見積もりで分かりますか。
今回確認した一次資料には、初期費用の内訳(開発費・設定費・データ移行費など)を公表しているものはありませんでした。公表されているのは提供形態ごとの金額で、既製機能を設定して使う型は8万円3や10万円4、独自のカスタマイズを伴う型のモデルケースは400万〜1,500万円超2という水準です。内訳は見積もりの段階で、初期設定・マスタ登録・データ移行・操作説明のそれぞれが含まれるかを項目ごとに聞いて確かめる形になります。
- 1 出典:株式会社スマートキャンプ「BOXIL Magazine『受発注管理システムの費用相場と料金比較・おすすめサービス』」(2026年) 経路
- 2 出典:株式会社アイル「Web受発注システム・BtoB EC『アラジンEC』料金」(2026年) 経路
- 3 出典:株式会社Dai「Bカート 料金プラン」(2026年) 経路
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
画像の出典元
- 20代後半の日本人女性が開発のWeb会議をしている場面/画像:生成AI(自社)
- 60代前半の日本人女性が開発のWeb会議をしている場面/画像:生成AI(自社)
- A minimalist office space featuring a wooden chair and desk,/Photo by dada _design on Pexels
- 50代前半の日本人女性が在宅でのWeb会議をしている場面/画像:生成AI(自社)