◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 取引先が大手小売中心なら流通BMSのような業界標準EDIへの対応、多数の中小事業者なら自社サイトで注文を受けるB2B受発注が現実的な選択肢になる
- 中小企業共通EDIの実証では12件平均で業務時間51.4%の削減が報告されており、減るのは判読・転記・確認に使っていた時間である
- 受注側が標準に対応済みの仕組みを使う場合の費用負担は小さいとされる一方、自社サイトの構築は別の投資になり、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠が使える場合がある
- B2B受発注の最初の実務は商品登録の精査で、注文実績の多い商品から整えると公開までの道筋が見える
- 全取引先を一度に切り替えず、紙とWebの併用期間に正とする経路・締め時間・連絡方法を決めておく
目次

FAX・電話中心の受発注業務、何が課題で何が変わるのか
朝いちばんに複合機からFAXの束を取り出し、品番と数量を読み取って基幹システムへ打ち込む。
手書きの数字が読めなければ取引先に電話し、追加の注文はメールでも届く。
この受け方を続けたまま取引先が増えると、確認と転記の時間は注文件数と同じだけ増えていきます。
減らす手立ては一つではありません。
取引先が大手小売中心であれば流通BMSのような業界標準EDIへの対応が現実的で、多数の中小事業者と個別条件で取引しているなら、自社サイトで注文を受けるB2B受発注システム(ECサイト型)のほうが扱いやすくなります。
どちらを選ぶかを決めるのは自社の都合ではなく、取引先がいま何を使って注文を出せるかという構成です。
FAXや電話での注文対応で起きているミス・確認工数の問題
受注の一日は、紙と電話から始まります。
複合機に溜まったFAXを取り出して取引先ごとに仕分け、品番と数量を読み取り、基幹システムの受注入力画面へ打ち込んでいく。
手書きの数字が1なのか7なのか判断できないときは、取引先に電話をかけて確かめる。
ここに使っている時間は、注文が増えたぶんだけそのまま増えていきます。
手作業で負担になりやすいのは、同じ内容を二度書いている箇所です。
届いた注文書に受領の印を押し、赤ペンで数量や納期を書き込み、そのあと同じ数字をシステムへ入力する。
品番の枝番違い、入数と本数の取り違え、納品希望日の読み間違いは、この転記の途中で起きます。
やっかいなのは、間違いに気づくのが出荷の直前か、ときには納品後に取引先から連絡が来たときだということです。
確認の手間も、注文そのものとは別に積み上がります。
得意先ごとに掛率や特価が違えば、注文書に書かれた金額が自社の条件と合っているかを照合しなければなりません。
在庫が足りなければ電話で代替品や分納を相談し、その結果をまた注文書に書き足す。
こうした取り決めが担当者の頭の中にしかないほど、その人が休んだ日に他の人が答えられなくなります。
もう一つ、後から探す時間もかかっています。
「先月と同じ内容で」と言われたときに、紙の控えを遡り、メールを検索し、電話のメモを探す。
注文が届く経路がFAX・電話・メールに分かれているほど、一つの取引先の履歴を一か所で見られなくなります。
デジタル化で変わること
受発注をデジタル化するというのは、注文の入力を誰がどこで行うかを変えるという話です。
取引先が自分で品番と数量を選んで送信すれば、受注側がそれを読み取って打ち直す工程はなくなります。
注文の履歴も取引先ごとに残るので、前回と同じ内容を紙の控えから探す作業もシステムの中で完結します。
ただし、すべてが自動で片づくわけではありません。
在庫を引き当てて納期を回答する判断、初めての取引先の与信、特注品や分納、急ぎの差し込みといったイレギュラーは、人が見る仕事として残ります。
デジタル化で減るのは、読み取りと転記、そして「この数字で合っていますか」という確認の電話です。
この二つが自社の受注業務のどれだけを占めているかが、そのまま効果の大きさになります。
取引先の側から見ても、受け取り方は変わります。
FAXを送った後に「届きましたか」と電話で確かめる、注文請書の返信を待つ、といった往復が、画面上の受付完了と注文履歴に置き換わります。
受注側だけが楽になる仕組みだと取引先には使ってもらえないので、相手の手間がどこで減るのかも合わせて見ておく必要があります。
そして、ここが最初の分かれ道になります。
注文を出すのは取引先であって、自社ではありません。
どれほど便利な仕組みを用意しても、相手がその方法で注文を出せなければ、FAXは今日と同じように届きます。
何を導入するかは、自社の希望より先に、取引先がいま何を使えるかで決まります。
取引先の構成で決まる、EDIとB2B受発注の選び方
流通BMSなど業界標準EDIが向くケース
EDIは、企業の間で注文や出荷、請求といったデータを決まった形式で直接やり取りする仕組みのことです。
その中で流通業界向けの標準として使われているのが流通BMSで、小売業者と卸・メーカーの間でやり取りするデータの形式や通信方法をそろえています。
取引先ごとにばらばらの形式へ個別に合わせるのではなく、同じ規格で受けられることが利点です。
普及の状況は数字でも見えます。
流通BMSを導入した卸・メーカーは2025年6月1日時点で21,600社以上と推計され、直近の半年間で700社以上増えています1。
これは卸・メーカー側の導入企業数の推計で、主に大手小売業者との取引で使われている標準についての数字です。
中小企業同士を含めた受発注全体の姿を表すものではないので、そこは読み違えないようにしてください。
業界標準EDIへの対応が現実的になるのは、主要な取引先が大手小売で、相手からその規格での発注を求められている場合です。
このとき自社が方式を選ぶ余地はあまりなく、相手が使っている規格に合わせることが前提になります。
売上の大半を数社の大手小売が占めているなら、そこに合わせるだけで手入力の対象が大きく減ります。
対応を進めるときの実務も押さえておきましょう。
取引先から届いた発注データを自社の基幹システムに取り込み、出荷データや請求データを返す流れをつくることになります。
ここで確認が要るのは、自社の商品コードと取引先側のコードの対応付けです。
この変換の取り決めが整っていないと、データは受け取れても結局は人が読み替える作業が残ります。
B2B受発注システム(ECサイト型)が向くケース
一方、取引先が地域の小売店や飲食店、施工店のように数が多く、規模もまちまちな場合は事情が違います。
相手側にEDIを動かす環境がなければ、こちらが規格に対応しても注文はFAXのまま届きます。
この構成で扱いやすいのが、自社が用意したWebサイトに取引先がログインして注文するB2B受発注システム、いわゆるECサイト型の仕組みです。
取引先の側に必要なのは、ブラウザとログインのためのIDだけになります。
向いているかどうかは、注文の中身からも判断できます。
得意先ごとに掛率や特価が違う、入数や最低ロットの決まりがある、同じ商品でも取引先によって見せる価格が変わる。
こうした条件は画面側に持たせておけば、注文の時点で反映されます。
取引先が自分の条件で価格を見ながら注文できるようになるので、受注後に金額を照合し直す作業が減ります。
注文の多くが定番品の繰り返しであることも、Web型が効きやすい条件です。
注文履歴から前回分を呼び出して数量だけ直す形にできれば、取引先にとってもFAXを書くより手間が小さくなります。
逆に、毎回が個別の見積もりを伴う特注中心の取引では、画面だけで完結しない部分が残ります。
その場合は、定番品の注文だけを先にWebへ寄せて、特注は従来どおり相談で受けるという分け方もできます。

どちらか一方に決めなければならない、というものでもありません。
大手小売とは業界標準EDIで、その他の取引先とはWebで、どうしても紙が外せない先はFAXのまま受ける。
実際の受注窓口はこうした併存になりやすく、全部を一度にそろえようとすると、どこから手を付けるかの段階で止まります。
まずは注文件数の内訳を数え、どの経路が何件を占めているかを確かめるほうが早く進みます。
EDI導入でどれだけ業務時間を削減できるのか
中小企業共通EDI導入の実証データ(12プロジェクト平均)
効果の目安として参照できる公的なデータがあります。
中小企業庁がミラサポplusで紹介した中小企業共通EDIの実証事業では、12件のプロジェクトの平均で業務時間が51.4%削減されたと報告されています2。
2018年時点の実証結果で、参加した12件の平均値です。
業種も注文件数も違う自社にそのまま当てはまる数字ではありませんが、手入力を前提にした受注業務にどれくらいの余地が残っているかの見当はつきます。
半分近くまで下がりうる理由は、何がなくなるのかを考えると見えてきます。
受注データがそのまま自社の業務アプリに入れば、読み取りも転記も、注文書と入力内容の突き合わせも発生しません。
言い換えると、削減されるのは転記と確認に使っていた時間であって、在庫や納期を判断していた時間ではありません。
受注業務のうち手入力が占める割合が大きい会社ほど、削減の幅は大きくなります。
この数字の立場にも注意しておきたいところです。
報告されているのは実証プロジェクト全体での業務時間の削減であり、受注側だけ、発注側だけを切り出した数字ではありません2。
自社の受注業務がどれだけ軽くなるかを見るなら、この削減率をそのまま当てはめるより、いま手入力に使っている時間を出発点に置くほうが確実です。
自社での見込みは、次のように置くと粗く計算できます。
注文1件あたりに使っている入力と確認の時間、月間の注文件数、そのうちデジタルで受けられそうな件数の割合。
この三つを掛け合わせれば、削減できる時間のおおよその上限が出ます。
案外つまずくのが二つ目で、FAXが何件、電話が何件、メールが何件という内訳を数えていなければ、効果の話はいつまでも感覚のままになります。
効果が想定より小さくなる条件も、あらかじめ見ておく価値があります。
デジタルで受けられる取引先が数社にとどまれば、残りの経路の作業はそのまま残ります。
急ぎの差し込みや数量変更が電話で来る商習慣が強い場合も同じです。
受け取った受注データを結局は印刷して社内に回す運用にしてしまうと、転記は減っても紙を扱う手間は残ります。
受発注のデジタル化にかかる費用と使える補助金
受注側の導入費用感
費用は、どの方式を選ぶかで性格が変わります。
中小企業共通EDIについては、受注側の企業がその標準に対応したプロバイダーや業務アプリケーションを利用する場合、大きな費用はかからないとされています2。
これは受注側がすでに標準対応している仕組みを使うケースについての説明で、自社で新しく仕組みを作る場合の費用を指したものではありません。
自社のB2B受発注サイトを持つ場合は、別の投資が必要になります。
初期の構築費用、月々の利用料、商品データの移行、基幹システムとの連携、得意先別の価格設定の作り込み。
金額は商品点数や取引先数、連携の有無で大きく変わるため、相場という形で示せるものではありません。
見積もりを取るときは、次の項目が含まれているかを確かめると、複数の見積もりを比べやすくなります。
・初期構築の費用と、そこに含まれる作業の範囲
・月額の利用料と、取引先数や商品点数による変動の有無
・商品データの移行を自社で行うか、支援が付くか
・基幹システムや在庫データとの連携の方法
・得意先別の価格・掛率の設定にかかる作業
判断するときは、投資額そのものを眺めるより、いま何に時間を払っているかとの置き換えで考えるほうが整理しやすくなります。
受注入力に月何時間使っているか、その時間を他の仕事に振り向けられるか、繁忙期に増やしていた応援をどこまで減らせるか。
ここで使う数字は、注文件数の内訳と1件あたりの処理時間がそのまま材料になります。
デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の補助額と対象経費
導入費用の一部には補助金を使える場合があります。
「IT導入補助金」という名前で調べている場合は、制度の名称が変わっている点に注意してください。
2026年から「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)」という名称になっています3。
旧称のままでは、最新の公募情報にたどり着けないことがあります。
通常枠の補助額は、対象となる業務プロセスの数で区分されています。
1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です3。
補助対象者は中小企業・小規模事業者等とされています3。
受注だけをデジタル化するのか、在庫や請求まで含めて見直すのかによって、当てはまる区分が変わってきます。
対象になる経費の範囲も確認しておきたいところです。
ソフトウェアの購入費、クラウドの利用料(最大2年分)、導入コンサルティングや活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートなどが対象経費として挙げられています3。
システム本体だけでなく、立ち上げの支援や研修が含まれている点は、社内に専任の担当者を置けない会社ほど効いてきます。
ただし枠や要件、申請の期間は年度ごとに定められるため、実際に申請する前には公募要領で条件を確かめる必要があります。

商品データの整備から始めるB2B受発注の導入手順
導入前に商品データを整理する(事例:株式会社ポディウム)
では、B2B受発注システムで進めると決めたとき、最初に何から手を付けることになるのか。
実際の導入例では、商品データの整理が最初の山になります。
欧州を中心としたスポーツ自転車部品の輸入・卸売を手掛ける株式会社ポディウムでは、EC-Rider B2Bの導入にあたり、2万点ほどあった商品登録の精査に取り組んでいます4。
商品データが先に来る理由は、注文の受け方が変わるからです。
FAXや電話であれば、取引先が古い型番で書いてきても、受注担当が「これは廃番だから後継品で」と頭の中で読み替えられました。
Webの注文画面では、その読み替えが効きません。
登録されている商品が、登録されている情報のまま取引先の画面に並び、そのまま注文されます。
精査で見ていくのは、おおむね次のような点です。
・すでに廃番や取扱終了になっている商品が残っていないか
・同じ商品が表記違いで重複して登録されていないか
・入数と販売単位が、実際の出荷単位と合っているか
・得意先別の価格や掛率を、どの区分で持たせるか
・取引先が選ぶために必要な画像や規格情報がそろっているか
全点を一度に片づけようとすると、たいてい途中で止まります。
直近の注文実績が多い商品から順に手を入れ、実際に注文が発生している範囲を先に整えるほうが、公開までの道筋が見えてきます。
点数の多さそのものより、取引先が実際に注文する商品の情報が正しいかどうかが先に問われるからです。
商品と並行して整理しておきたいのが、取引条件の持ち方です。
得意先別の掛率、数量によって変わる単価、最低ロットや送料の条件を、どの単位で登録するかを決めておく必要があります。
ここが曖昧なままだと、画面には価格が出るのに、受注後に「この取引先はこの条件だった」と人が直す作業が残ります。
FAX時代に担当者が覚えていた取り決めを、設定として書き出す作業だと考えると近いかもしれません。
FAXと並行して動かす期間をどう決めるか
商品データが整っても、公開した翌日から全取引先がWebで注文してくれるわけではありません。
注文の出し方を変えるのは取引先側の作業で、担当者の慣れや相手の社内手順が絡みます。
注文件数の多い数社に先に案内して使い方を確かめ、そこで出た質問を踏まえて対象を広げる進め方が現実的です。
併用する期間に決めておくと迷いが減るのは、次のような取り決めです。
同じ取引先から紙とWebの両方で注文が来たとき、どちらを正として扱うのか。
Webの締め時間を何時にして、それを過ぎた注文を当日出荷に含めるのか。
欠品や数量変更の連絡を、電話で行うのか画面上のやり取りで行うのか。
これらを決めないまま並行させると、受注担当が二つの経路を突き合わせる作業が新しく増えてしまいます。
切り替えた後にも、残る確認はあります。
新しい取引先を登録したときの掛率の設定、在庫数が画面に反映されるタイミング、特注や分納の扱い。
デジタル化はこうした判断をなくすものではなく、判読と転記という、機械のほうが正確にこなせる部分を引き受けるものです。
どこまでを仕組みに任せ、どこを人が見るのかを最初に線引きしておくと、運用に入ってからの手戻りが小さくなります。
取引先の構成で方式が決まり、効果と費用の見当がつき、最初の実務が商品データの精査だと分かれば、次は自社の注文がどの経路から何件届いているかを数えるところから始められます。
取引先の構成も商品データの状態も会社ごとに違い、業界標準EDIとWeb型のどちらから手を付けるかは、自社の注文がどの経路から何件届いているかを見ないと決まらないためです。
現在の注文の内訳と商品登録の状態を持ち寄れば、どの方式でどれだけの注文を受けられるようになるか、最初に精査すべき商品の範囲はどこかを一緒に洗い出せます。無料相談で要件を整理する
自社の取引先構成から、どちらに寄せるかを見分ける
取引先の構成と、その取引先がいま注文に使える手段で並べた。
- 主要取引先が大手小売で、すでに流通BMSでの発注を求められている:業界標準EDIへの対応が先になる
- 取引先が中小の小売・飲食店・施工店など多数で、相手にEDIを動かす環境がない:ブラウザで注文できるWeb型のB2B受発注が現実的
- 得意先別の掛率・入数・最低ロットなど条件が細かい:条件を画面側に持たせられる仕組みが要る
- 注文の多くが定番品の繰り返し:注文履歴から呼び出して数量を直す形が効く
- 毎回が個別見積もりを伴う特注中心:画面で完結しない部分が残るため、定番品から先に寄せる
- 大手小売とその他が混在:併存を前提に、注文件数の多い経路から順に着手する
大手小売との取引開始や、少額多頻度の取引先が増えたときは、この見分けをやり直す。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 取引先の中心 | 大手小売中心なら業界標準EDI、多数の中小事業者なら自社サイトで受けるB2B受発注 |
| 効果の見積もり | 注文1件あたりの入力・確認時間×月間件数×デジタルで受けられる見込みの割合 |
| 受注側の費用 | 標準に対応済みの仕組みを使う場合と、自社サイトを構築する場合を分けて見る |
| 補助金 | デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠。対象プロセス数で補助額の区分が分かれる |
| 最初の実務 | 商品登録の精査。注文実績の多い商品から整える |
| 切り替え方 | 一斉切替ではなく、併用期間の締め時間と連絡方法を決めてから対象を広げる |

商品データの精査や得意先別の条件設定、FAXとの併用期間の設計は、実際に進めた例を知らないと段取りの見当がつきにくい部分です。 卸売の受注をWebで受ける仕組みを立ち上げた進め方を確かめながら、自社の商品点数と取引条件で何から着手するかを具体的に詰められます。
よくある質問
流通BMSと中小企業共通EDIは何が違うのか
対象としている取引の範囲が違います。
流通BMSは主に大手小売業者と卸・メーカーの間でやり取りするデータの標準で、導入した卸・メーカーは2025年6月時点で21,600社以上と推計されています1。
中小企業共通EDIは中小企業庁が普及を進めてきた規格で、中小企業間のデータ連携を想定しており、実証事業では12件の平均で業務時間51.4%の削減が報告されています2。
自社の取引先がどちらの側にいるかで、確認しに行く先が変わります。
EDIを導入すれば取引先とのやり取りは全て自動化されるのか
いいえ。
データをやり取りできるのは、同じ仕組みに対応した取引先との間だけで、対応していない先からは従来どおりFAXや電話で注文が届きます。
また、在庫の引き当てや納期の回答、特注や分納の扱いといった判断は人の仕事として残ります。
なくなるのは、注文書を読み取って打ち直す作業と、数字を確かめるための電話です。
デジタル化・AI導入補助金は受発注システムの導入費用にも使えるのか
通常枠では、ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入コンサルティングや活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートなどが対象経費とされています3。
補助額は1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下、補助対象者は中小企業・小規模事業者等です3。
ただし対象となるツールや申請の要件は制度側に定めがあり、年度ごとに変わるため、申請前に公募要領で条件を確認してください。
なお「IT導入補助金」は2026年から現在の名称に変わっています3。
B2B受発注システムを導入する際、既存の商品データはどこから整理すればよいか
直近で実際に注文されている商品から手を付けると進めやすくなります。
廃番や取扱終了が残っていないか、表記違いで重複登録されていないか、入数と販売単位が出荷の実態と合っているかを見ていきます。
ある輸入卸の導入例では、2万点ほどあった商品登録の精査から着手しています4。
FAXなら受注担当が頭の中で読み替えていた部分が、Web画面ではそのまま注文になるため、点数の多さより情報の正しさが先に効いてきます。
- 1 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)/流通システム標準普及推進協議会「第28回 卸・メーカーの流通BMS導入企業数推計」(2025年)
- 2 出典:中小企業庁「企業間のデータ連携で、受発注の業務コストを削減する!(ミラサポplus)」(2018年)
- 3 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠」(2026年)
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B Ⅱ 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年)
画像の出典元
- High angle view of warehouse workers organizing inventory wi/Photo by Tiger Lily on Pexels