◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- FAX受注は取引先の都合で入り口を変えにくく、読み取りと転記の側を変える検討になりやすい
- 「導入期間」は、本稼働までの期間と、精度が安定して確認作業が軽くなるまでの期間に分けて考える
- 代表製品ではトライアル1ヶ月・オンボーディング支援2ヶ月が公開されており、相談から本稼働まで数ヶ月単位を見込む
- クラウド型が短期間という方向性は示されているが、具体的な日数差は公開されていないため候補製品へ直接確認する
- 公開されている認識率は検証条件付きの数値で、自社の見込みは実際に届いたFAXを読ませて確かめる
目次

FAX受注のどんな負担がOCR導入の検討につながるか
FAXで届いた注文書を見ながら、品番と数量を基幹システムへ打ち直す。
その作業が毎日積み上がると、読み取りを機械に任せられないかと考え始めます。
そこで最初に知りたいのは、契約してから実際に使えるようになるまでどのくらいかかるのか、という見通しです。
公開情報で確認できる範囲では、代表的なAI-OCRで契約前の有償トライアルが1ヶ月、本契約後の導入支援が2ヶ月と示されており3、相談から本稼働まで数ヶ月単位で考えるのが現実的です。
クラウド型はサーバーの準備が要らない分だけ早く使い始められるとされますが、帳票の種類数や手書きの有無が期間をどれだけ延ばすかは製品ごとに違い、契約前に自社の条件を伝えて確かめることになります。
FAXが届くたびに受信トレイから紙を抜き取り、品番と数量、納期、届け先を確かめて基幹システムの画面へ打ち込みます。
手書きの数量がつぶれていれば取引先へ電話をかけて確認し、届いた順に並べ直して、締め時刻までに入力を終わらせます。
一枚あたりは数分でも、取引先の数だけ様式が違い、繁忙期には束になって届くため、入力の速さそのものが業務の上限になっていきます。
この負担感は、調査でも同じ方向を向いています。
食品業(小売・卸売)の受注担当者を対象にした調査では、受注方法としてFAXを利用しているという回答が67%(n=106)4、受注業務の課題としては「注文書の手入力に手間がかかる」が60%(n=90、複数回答)と最も多く挙げられています4。
これは食品業の受注担当者に限った調査で、設問ごとに回答者数も異なるため、他業種の割合がそのまま同じになるとは限りません。
ただし、FAXで注文を受けている職場で手入力が負担として自覚されていること自体は、この調査から読み取れます。
負担があるなら受注方法を切り替えればよい、とは簡単に言えないところに、この業務の難しさがあります。
同じ調査では、FAX・電話での受注をやめると取引に支障が出ると回答した人が58.8%(n=80)にのぼっています4。
注文の入り口は取引先の都合で決まる部分が大きく、自社の判断だけで閉じられるものではありません。
そこで、入り口はFAXのままにして、届いた紙を読み取って転記する側を変えられないかという発想になります。
これがFAX-OCRの検討が始まる典型的な入口です。
そして検討が具体化すると、関心はすぐに「では、契約してからいつ使えるようになるのか」へ移ります。
繁忙期の前に間に合わせたい、稟議に載せる以上はいつから効果が出るのかを書きたい、担当者の異動や増員の判断も控えている。
期間の見通しは、製品を選ぶ前に社内の段取りを決めるために必要な情報です。
出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」2023年3月。食品業(小売・卸売)の受注担当者が対象で、課題は複数回答。
「導入期間」には二つの意味がある――稼働までの期間と精度が安定するまでの期間
ベンダーに「導入期間はどれくらいですか」と尋ねたとき、返ってくる答えと自分が知りたかったことがかみ合わない、という食い違いが起きがちです。
聞いた側は「手入力が減るのはいつからか」を知りたいのに、答える側は「システムが使える状態になるまで」を答えている、という種類のずれです。
どちらも嘘ではないため、見積書を読んでもこのずれには気づきにくいままになります。
公開されている導入の流れを見ると、区切りがどこにあるかが分かります。
あるAI-OCRでは、初期相談・ヒアリング、トライアルの実施、本契約の締結、本導入・運用開始という順で進むことが示されています3。
契約はこの流れの途中に置かれていて、契約した時点ではまだ本稼働ではありません。
逆に言えば、契約より前の段階にも相応の時間が置かれている、ということでもあります。
この流れをもとに整理すると、読者が気にしている「期間」は二つに分かれます。
一つは、相談を始めてから本稼働、つまり日々の受注処理にOCRを組み込んで回し始めるまでの期間です。
もう一つは、使い始めてから、現場が読み取り結果を信頼して確認作業を軽くできるようになるまでの期間です。
前者は契約手続きと初期設定の話なので、製品側の支援プログラムの長さがそのまま効いてきます。
後者は性格が違います。
読み取りの安定度は、自社の注文書の様式や手書き欄の書かれ方、送信元の機器の状態といった条件に左右されるため、製品の公開情報の側から「何週間」と一律に示せる性質のものではありません。
この二つ目の期間を見積もるには、自社の実物を読ませてみるほかに手がない、というのが実務の実感に近いところです。

区別が効くのは、社内へ説明するときです。
「本稼働は繁忙期の前に間に合います」と伝えた後で、現場から「読み取り結果の確認に時間がかかって、結局これまでと変わらない」という声が上がる。
この二つを分けて見積もっておけば、本稼働の直後は確認の手間が残る前提で人を配置する、といった段取りが先に組めます。
以降では、まず一つ目の期間について公開されている具体的な数字を見て、そのうえで二つ目の期間を左右する精度の話へ進みます。
| どちらの期間か | いつからいつまでか | 主に何で決まるか |
|---|---|---|
| 稼働までの期間 | 初期相談やトライアルから本稼働まで | 契約の手続きと初期設定、支援プログラムの長さ |
| 精度が安定するまでの期間 | 使い始めてから確認作業を軽くできるまで | 自社の帳票の状態と、修正・確認の運用の組み方 |
契約前後、どのくらいの期間で使えるようになるか(代表製品の例)
一つ目の期間、つまり相談から本稼働までについては、公開情報で具体的な長さを確認できる製品があります。
AI-OCRのDX Suiteでは、初期相談・ヒアリングの後にトライアルを実施し、本契約を締結してから本導入・運用開始へ進むという流れが示されています3。
この流れのうち二つの段階に、期間が明記されています。
有償トライアル(1ヶ月)で何を確認するか
契約前に置かれている有償トライアル(Success Program for DX Suite)は1ヶ月間です3。
無償の体験ではなく有償のプログラムとして設けられている点は、稟議の組み立てに影響します。
本契約より前に一度予算の話が発生するため、社内の承認を二段階で取る想定をしておくと、日程が後ろへずれにくくなります。
1ヶ月という長さは、受注業務の側から見ると意味のある単位です。
多くの職場では月の中で注文の量に波があり、締め日の前後にまとまって届きます。
1ヶ月あれば、閑散期の数枚だけでなく、山が来たときの束もそのまま読ませて様子を見られます。
この期間に何を見ておくかは、その後の見通しの精度を左右します。
読ませるのは見本の帳票ではなく、実際に届いたFAXです。
そのうえで、読み取れなかった項目がどこに偏るか、たとえば手書きの数量欄なのか、罫線がずれた取引先の様式なのか、かすれた送信元なのかを控えておきます。
あわせて、誤りを見つけて直すのに一枚あたりどれくらいかかり、それを誰が担当するのかも見ておくと、本稼働後に残る作業量の見当がつきます。
ここで分かることは、製品が使えるかどうかの判定だけではありません。
前の節で整理した二つ目の期間、つまり精度が安定するまでにどれくらいかかりそうかを、自社の帳票で推し量る材料にもなります。
本契約後のオンボーディング支援(2ヶ月)で何をするか
本契約の後には、StandardおよびProプランに含まれる2ヶ月間の導入支援(オンボーディングサポート)が用意されています3。
内容としては、専任担当者による支援、帳票定義設定サービス、Web会議によるサポートが含まれます3。
これは2026年確認時点の公開情報で、対象は該当プランに限られます。
支援の中身に帳票定義設定サービスが明示されていることは、導入作業の山がどこにあるかを示しています。
OCRに注文書を読ませるには、どの位置のどの欄を何の項目として取り出すかを、帳票ごとに決めておく必要があります。
その設定作業がベンダー側の支援メニューとして独立して掲げられているということは、自社だけで黙々と進めるには手数のかかる工程だと読めます。
2ヶ月という長さも、契約したその週から本稼働できるわけではない、という前提を裏付けています。
トライアルの1ヶ月と支援の2ヶ月を足すと3ヶ月、そこへ初期相談やヒアリング、社内の承認に要する時間が乗ります。
したがって、検討を始めてから本稼働までは数ヶ月単位で見込むのが現実的だと言えます。
ただし、これは1製品の、しかも特定プランについて公開されている期間です。
業界共通の標準として扱えるものではなく、他の製品が同じ区切りと長さで進むとは限りません。
候補が複数あるなら、それぞれについて「契約前にどの段階があり、契約後の支援は何ヶ月か」を同じ聞き方で揃えて確認すると、比べられる形になります。
クラウド型とオンプレ型で、使えるようになるまでの早さは変わるか
同じOCRでも、クラウドで提供されるものと、自社の環境へ入れて動かすものとでは、使い始めるまでに必要な準備が変わります。
ここは稟議の日程に直接効くため、製品名を絞る前の段階で押さえておきたいところです。
クラウド型OCRについての解説では、サーバーの構築や管理が不要なため、オンプレミス型と比べて短期間で導入できるとされています2。
オンプレミス型の側は、ハードウェアの準備やテスト運用に時間がかかり、導入のスピードが遅くなりがちだという整理です2。
自社に機器を置く以上、調達と設置、設定、動作確認という工程がそれぞれ日程を持つことになるので、方向としては納得しやすい説明です。
ただし、この比較で示されているのは方向性までで、具体的な日数や週数の差は記されていません2。
「クラウドなら何週間短縮できる」という形で稟議に書ける数字は、ここからは取れないということです。
期間を根拠に提供形態を決めたいのであれば、候補製品それぞれに対して、自社の条件を伝えたうえで見込み期間を聞くしかありません。

もう一つ、期間だけで提供形態を選ばないほうがよい理由もあります。
注文書には取引先名や単価が並ぶため、データをどこに置けるかという社内の規程が先に制約になることがあります。
読み取った結果を基幹システムへどう渡すか、その接続を誰が作り、誰が保守するのかも、稼働後にずっと続く話です。
これらは公開資料から一般化できる性質のものではないので、自社の情報システム部門と取り決めたうえで、期間の比較とは別の軸として持っておくことになります。
| 比べる点 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 使い始める前に必要な準備 | サーバーの構築・管理が不要 | ハードウェアの準備やテスト運用が必要 |
| 導入スピードの方向性 | 短期間で導入できるとされる | 時間がかかりがちとされる |
| 公開情報から分かる差 | 方向性のみで日数・週数の記載はない | 方向性のみで日数・週数の記載はない |
読み取り精度はどの程度で、条件によってどう変わるか
本稼働までの期間が見えてきても、知りたかったことの半分しか埋まりません。
残りは、使い始めてから手入力がどれだけ減るのか、そしてそれがいつ落ち着くのかという話です。
ここは精度の話と切り離せないので、公開されている数字がどういう条件のものかから確かめます。
検証結果として公開されているものの一つに、PFU基準帳票を用いた比較があります。
従来型OCRの認識率が80%だったのに対し、AI-OCR(DynaEye 11)では98%という結果が示されています1。
従来型と比べたときの差ははっきりしていて、AI-OCRを検討する理由にはなります。
一方で、この98%という数字の読み方には注意が要ります。
この値はPFU基準帳票を用いた検証条件下のもので、どのような帳票を使ったかの詳細までは示されていません1。
つまり、自社の注文書を読ませたときに同じ水準が出るとは限りません。
さらに、文字の単位で測った認識率なのか、項目の単位なのかも公開情報からは読み取れないため、「100項目のうち2項目だけ直せばよい」と作業量へ換算することもできません。
FAXという経路には、この不確かさを広げる事情もあります。
同じ取引先の同じ様式でも、送信側の機器や紙の状態によって、届く画像の濃さやかすれ方は毎回そろいません。
そのうえ、注文書の様式は取引先ごとに違い、数量や備考だけ手書きで書き足されることもあります。
公開された検証条件と自社の受信環境との間には、こうした差が必ず残ります。
だからこそ、トライアルで実際に届いたFAXを読ませる意味があります。
そこで得られるのは製品の一般的な精度ではなく、自社の帳票と送信元で何%読めて、どの項目でつまずくかという情報です。
そして、読み取り結果を人が確かめて直す作業がどれくらい残るのか、その手間が許容できる水準に収まるまでの期間が、前に整理した二つ目の期間にあたります。
この期間は製品の公開する導入スケジュールには含まれていないので、本稼働の日程とは別に社内で見込んでおく必要があります。
帳票の種類数・手書き文字・基幹連携の有無は、契約前にベンダーへ確認しておく
ここまでで確認できた期間は、いずれも一般的な条件のもとで公開されている目安です。
実際の日程は、自社の帳票と業務の組み合わせによって変わります。
その変わり方を、公開情報から読み取れる範囲と、聞かなければ分からない範囲に分けて整理します。
帳票の種類数が支援期間に影響しうる理由
手がかりになるのは、導入支援の中身に帳票定義設定サービスが含まれているという事実です3。
読み取りの設定は、帳票の様式ごとに、どの位置の欄をどの項目として扱うかを決める作業です。
取引先ごとに注文書の様式が違えば、その決め事を様式の数だけ用意することになります。
種類が増えるほど設定の対象が増えるという関係は、この支援メニューの性質から読み取れます。
ただし、種類が一つ増えると期間が何日延びるのか、手書き欄があると何週間変わるのか、基幹システムとの接続を伴うとどうなるのかについて、公開資料に具体的な数字は示されていません。
ここは製品の作りや支援体制によって違う部分なので、記事の側で相場を示せる性質のものではありません。
逆に言えば、この部分こそ商談で聞くべき内容だということになります。
手書きと基幹連携についても、期間への効き方は性質が違います。
手書き欄があるかどうかは、読み取り精度だけでなく、読み取り後に誰がどの項目を目視で確かめるかという運用の設計に関わります。
基幹システムへ渡すかどうかは、渡す形式と項目名の突き合わせを誰がいつ作るかという、OCRの外側の作業を呼び込みます。
どちらも「OCRの設定が終われば完了」とはならない部分なので、期間の見積もりを聞くときには、これらの作業が含まれているのかどうかまで確かめておきたいところです。
契約前にベンダーへ伝えておくべき自社条件
見積期間を具体的に出してもらうには、こちらの条件を先に渡すほうが早く進みます。
取引先ごとの注文書が何種類あるか、手書きで書き込まれる欄はどこか、1ヶ月に何枚届き、繁忙期はいつか、読み取った結果をどのシステムへどんな形で渡したいか。
この四点が揃っていると、相手も自社の支援メニューのどこにどれだけ時間がかかるかを当てはめて答えられます。
聞き方も、日程の精度を変えます。
「導入期間はどれくらいですか」ではなく、「この条件だと、トライアルの開始から本稼働まで何ヶ月を見ておけばよいか」「その期間に含まれる作業と、当社側で用意するものは何か」と尋ねると、答えが自社の日程に落ちる形で返ってきます。
あわせて、本稼働の後も読み取り結果の確認がどの程度残る想定かを聞いておくと、現場へ説明するときの食い違いを減らせます。
そのうえで、繁忙期から逆算して着手時期を決めます。
トライアルに1ヶ月、契約後の支援に2ヶ月という公開されている区切り3に、社内の承認と自社側の準備を足して逆算すると、いつ相談を始めるべきかが見えてきます。
期間の見通しは、製品を決めてから調べるものではなく、候補を絞る段階から自社の条件とセットで確かめていくものです。
ここまでは公開情報から言える見通しです。
自社の帳票を当てはめる段になると、判断材料は社内にしかありません。
公開されている期間は、一般的な条件のもとでの目安です。取引先ごとに様式が何種類あるか、どの欄が手書きか、読み取った結果をどの画面へ渡すのかまでは織り込まれていないため、ここから先は自社の受注業務に当てはめる作業になります。
いま届いているFAXの様式と、入力先の画面を並べて見ながら整理すると、どの転記が減り、どの確認が残るのか、繁忙期を避けるにはいつ着手すればよいのかを具体的に詰められます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 確認する軸 | 判断のよりどころ |
|---|---|
| 稼働までの期間 | 代表製品ではトライアル1ヶ月・オンボーディング支援2ヶ月が公開されており、相談から本稼働まで数ヶ月単位で見込む |
| 精度が安定するまでの期間 | 公開されている認識率は検証条件付き。自社帳票での確認・修正が許容範囲に収まるまでを別枠で見積もる |
| 提供形態 | クラウド型が短期間という方向性は示されているが日数差は不明。候補製品へ直接確認する |
| 自社条件の伝達 | 帳票の種類数、手書き欄、月間枚数と繁忙期、受け渡し先を伝えて個別の見積期間を得る |

見積期間の長短は、帳票の種類数や手書きの扱い、基幹システムへの渡し方といった自社側の条件で動きます。製品の公開情報を読み比べるだけでは、自社の日程には落ちません。 実際の注文書と現在の入力手順を持ち寄れば、トライアルで何を試すべきか、契約前にベンダーへどの条件を伝えると期間の見積もりが具体的になるかを、順序立てて確認できます。
よくある質問
契約前のトライアルでは何を確認しておくべきですか。
見本ではなく、実際に届いたFAXを読ませることが出発点です。
そのうえで、読み取れなかった項目がどこに偏るか(手書きの数量欄、罫線のずれた様式、かすれた送信元など)、誤りを直すのに一枚あたりどれくらいかかるか、その修正を誰が担当するかを控えておきます。
公開されている認識率は検証条件付きの数値なので1、自社で何%読めるかはこの場でしか分かりません。
有償トライアルが1ヶ月という製品の例もあり3、締め日の前後の山も含めて試せる長さかどうかを踏まえて計画すると無駄がありません。
ベンダーに見積期間を聞くとき、自社のどんな情報を伝えればよいですか。
取引先ごとの注文書が何種類あるか、手書きで書き込まれる欄はどこか、1ヶ月の受信枚数と繁忙期、読み取った結果をどのシステムへどんな形で渡したいか。
この四点を先に渡すと、相手は自社の支援メニューに当てはめて答えられます。
質問の仕方も、「導入期間は」ではなく「この条件でトライアル開始から本稼働まで何ヶ月か」「その期間に含まれる作業と、当社側で用意するものは何か」と具体化すると、返ってくる答えが日程に落とせる形になります。
AI-OCRの公開されている認識率は、そのまま自社の帳票にも当てはまりますか。
当てはまるとは限りません。
公開されている98%という値はPFU基準帳票を用いた検証条件下のもので、使われた帳票の詳細までは示されていません1。
同じ検証では従来型OCRが80%とされており1、方式による差の目安にはなりますが、自社の受信環境での見込みとは別の話です。
FAXは送信側の機器や紙の状態で画像が毎回そろわないうえ、様式も取引先ごとに違います。
自社での見込みは、実物を読ませて確かめるのが確実です。
クラウド型とオンプレミス型のどちらが向くか、期間以外に何を比べればよいですか。
期間については、クラウド型はサーバーの構築・管理が不要なため短期間で導入できるとされ、オンプレミス型はハードウェアの準備やテスト運用に時間がかかるとされています2。
ただし日数や週数の差は示されていないため2、比較の決め手にはなりにくい面があります。
期間以外では、注文書に含まれる取引先名や単価をどこに置けるかという社内の規程、基幹システムへの接続を誰が作り誰が保守するか、運用中に設定を直す担当を社内に置けるかといった点が、稼働後まで続く判断材料になります。
これらは自社の事情で決まるため、情報システム部門と先に条件をそろえておくと選定が進みます。
- 1 出典:株式会社ピーエフユー(リコーグループ)「FAX注文書はOCRできる?精度を向上させる3つのポイント(デジタラクル コラム)」(2025年)
- 2 出典:株式会社ピーエフユー(リコーグループ)「クラウド型OCRとは?メリットやデメリット、オンプレミス型との違いを分かりやすく解説(デジタラクル)」(2026年)
- 3 出典:AI inside株式会社「DX Suite よくある質問(導入までの流れ・オンボーディングサポート)」(2026年)
- 4 出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」(2023年3月)