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飲食店の食材発注、原価を日次で把握する方法——発注データと歩留まりの組み合わせ方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 月次の原価率は月が終わるまで確定せず、ずれに気づいた時点でその月の発注は終わっているため、原因の品目までさかのぼれない状態が繰り返される
  • 日次の原価は発注データだけでは出せず、納品数量と確定単価、在庫の増減から出す使用量、歩留まりを反映したレシピ原価を重ねて初めて売上と突き合わせられる
  • 歩留まりは仕入先や規格、産地、メニューの変更を契機に見直す。固定値のまま使い続けると理論使用量が常にずれ、異常な日を見分けられなくなる
  • 手作業・表計算・専用の仕組みは、転記の量と複数店舗をまとめられるかで性質が異なる。計算の定義を先に固めてから置き場所を移すと数字の意味が変わらない
  • 店舗間の原価率の差はメニュー構成や仕入先、在庫の数え方の違いでも生じるため、共通メニューの品目単価と実測歩留まりまで下りて原因を確かめる

20代後半の日本人男性が小売店のバックヤードでの発注をしている場面

月次の原価率確認で困るのはどんな場面か——日次把握が要る条件を見極める

月末に原価率を計算したら想定より高く、どの日に何が起きたのかをさかのぼろうとして手が止まる。
発注控えも納品書も売上データも残っているのに、日ごとの原価としてはつながっていない——日次で原価を見たいという話は、たいていこの場面から始まります。
日ごとの原価を出すには、発注データだけでは足りません。
実際に届いた数量と単価、その日に使った量、そして下処理で目減りする分を織り込んだレシピ原価を重ねて、はじめて売上と突き合わせられる数字になります。
その記録を手作業で持つか、表計算で持つか、専用の仕組みに載せるかは、品目数と店舗数、記録に手をかけられる人の数で変わってきます。

月末集計で原価のずれに気づくのが遅れる典型パターン

月次の原価率は、仕入の合計と売上の合計に、期首と期末の在庫を突き合わせて出します。
言い換えれば、月が終わるまで確定しません。
確定したときには、その月の発注はすべて済んでいます。
想定より高いと分かっても、手を入れられるのは翌月の発注からです。

たとえば、週末に向けて鮮魚の仕込みを多めに見た日があったとします。
客数が読みほど伸びず、下処理まで済ませた分を使い切れずに翌日へ回し、状態が落ちた分は賄いや廃棄に回した。
この日の原価は明らかに崩れているのですが、月末に出てくるのは一か月分の合計値です。
合計が少し高い、という形でしか表に出ないので、どの日のどの判断が原因だったのかは伝票をさかのぼらないと分かりません。

さかのぼる作業そのものも軽くありません。
発注控え、納品書、レジの売上が別々の場所に残っていれば、日付をそろえて並べ直すところから始まります。
月に一度これをやり切るのは難しく、結局「今月は少し高かった」という感想だけが残り、翌月も同じ形で繰り返される。
日次で把握したいという動機は、この繰り返しを止めたいという点にあります。

仕入価格変動や廃棄が起きやすい品目・業態の目安

日次で見る必要が強く出るのは、まず仕入単価が日ごとに動く品目を多く扱っている場合です。
鮮魚や葉物野菜のように相場で値段が変わるものは、発注の時点で単価が確定しないことがあり、納品されて初めて金額が分かる場合もあります。
この種の品目が原価の中で大きな比重を占めていると、同じレシピで同じ食数を出しても、日によって原価が変わります。
月の合計だけを見ていると、値上がりが続いていたのか、特定の数日だけ跳ねたのかが区別できません。

もう一つは、下処理や仕込みの段階で目減りが出る品目、そして使い切れずに捨てる量が出やすい業態です。
廃棄の規模感として参考になる公表値があります。
農林水産省の推計では、2024年度の事業系食品ロス量は237万トンで、このうち外食産業は70万トンでした1。
ただしこれは産業全体の推計値であり、個々の店舗の原価管理の頻度や発注実務の実態を調べたものではありません。
自店の廃棄量を示す数字として読むものではなく、原価が想定とずれる一因として廃棄が無視できない規模で存在している、という背景として受け取るのが妥当です。

業態でいえば、当日仕込みの比率が高い店、コースや宴会で食数の振れが大きい店、生鮮の構成比が高い店ほど、日ごとの原価が上下しやすくなります。
逆に、冷凍や加工済みの食材が中心で、仕入単価も一定期間固定されている場合は、日ごとの変動要因が少なくなります。
自店がどちらに近いかを先に見ておくと、どこまで細かく記録を取るかの見当がつきます。

日次把握が向く状況・向かない状況

日次での突き合わせが効いてくるのは、原価が動く理由が日ごとに違うときです。
相場品の構成比が高い、発注を複数の担当者が分担している、仕入先が複数あって同じ品目を別の単価で買っている、店舗が複数ある——こうした条件が重なるほど、月の合計からは原因が読み取れなくなります。
日次で見る価値は、数字を毎日出すこと自体ではなく、崩れた日に原因の品目まで絞り込める状態を作る点にあります。

一方で、全品目を毎日集計する必要がない店もあります。
仕入が期間契約で単価が固定されていて、メニューの構成も安定しており、日別の食数の振れが小さいなら、週次の確認でも発注の修正は間に合います。
記録に人手を割けない状況で無理に日次へ広げると、入力が滞って数字が埋まらない日が出て、かえって信頼できない数値が残ります。

現実的な落としどころは、全品目ではなく重点品目だけを日次にすることです。
使用金額の大きい品目、単価が動く品目、廃棄が出やすい品目を先に選び、それ以外は従来どおり月次に置いておく。
この絞り込みができていれば、次に考えるのは「その重点品目について、何と何を突き合わせれば日次の原価になるのか」という計算の中身です。

月次集計では、発注の判断とずれの把握のあいだに月末の集計と翌月の確認が挟まる
日々の発注と納品、月末の集計、翌月の確認と対処という段階を左から順に並べた図

発注データに納品・使用実績・歩留まりを重ねて日次原価を出す

発注数量・単価だけでは実際の原価とずれる理由

発注データは「頼んだ量」の記録です。
原価として知りたいのは「使った量」の金額なので、この二つは最初から別のものです。
あいだには、届かなかった分、代替品に振り替わった分、規格やケース入数が違った分、そして在庫として翌日以降に回った分が挟まります。

単価も同じです。
時価の品目では、発注の時点で単価が決まっておらず、納品されて伝票が来てから確定します。
発注時の想定単価のまま集計すると、値が動いた日ほど実際との差が開きます。
この差は、後から伝票で直せば消えますが、直すタイミングが月末になるなら、結局その月のあいだは実態とずれた数字を見ていることになります。

在庫の繰り越しも見落としやすい点です。
その日に届いた食材がその日に使い切られるとは限らず、冷凍品や乾物、調味料は数日から数週間にわたって使われます。
発注日で合計した金額は「その日の仕入高」であって「その日の原価」ではありません。
日次で原価を見たいのであれば、仕入の記録と使用の記録を分けて持つ必要が出てきます。

納品数量と当日の使用実績を突き合わせる

使った量を出す基本の考え方は単純です。
前日の残りに当日届いた分を足し、営業終了時点で残っている分を引く。
残った差が、その日に厨房から出ていった量になります。
ここに納品時点で確定した単価を掛ければ、その日に使った食材の金額が出ます。

問題は、全品目について毎日これをやろうとすると続かないことです。
だから対象を絞ります。
使用金額の大きい品目や単価が動く品目だけを選び、計量する場所とタイミングを固定する。
営業終了後にするのか、翌朝の仕込み前にするのかを決めておかないと、同じ品目でも測る時点がずれて、日々の数字が上下して見えてしまいます。

もう一つ、突き合わせの相手になる数字があります。
レシピの使用量に、その日に出た食数を掛けた理論上の使用量です。
レジの出数と結びつけられれば、注文どおりに作ったならこれだけ使ったはず、という量が出ます。
実際に減った量と理論上の使用量の差が、廃棄や提供量のばらつき、記録漏れとして残る部分です。
毎日この差をゼロにしようとする必要はなく、差が普段より大きい日に原因を探しにいく、という使い方のほうが現場で回ります。

歩留まりを反映したレシピ原価の考え方

歩留まりとは、仕入れた状態の量に対して、下処理を終えて実際に料理へ使える量がどれだけ残るかの割合のことです。
魚をおろせば骨や頭が落ち、葉物なら外葉や芯が落ち、肉なら筋や脂を外します。
仕入れた重量のうち皿に乗るのはその一部なので、仕入単価をそのまま料理の原価に使うと、実際より安く計算されます。

計算の考え方としては、仕入単価を歩留まりの割合で割った額が、使える部分の単位あたり原価になります。
この単価にレシピ上の使用量を掛け、一皿分の食材をすべて足したものがレシピ原価です。
日次で原価を見るときは、この歩留まり込みの原価を使って理論使用額を出し、実際の使用額と比べます。
なお、飲食店の歩留まりやレシピ原価の出し方について、公的機関が示した統一の基準は確認できていません。
ここで示しているのは実務上の整理であり、品目や仕込みのやり方によって置き方は変わります。

歩留まりを入れずに組んだ場合、日次の数字は毎日少しずつ実態より低く出ます。
そして理論使用量も実態より小さくなるため、実際の使用量との差が常に出続けます。
差が常時ある状態だと、廃棄が増えた日やレシピどおりに作られていない日を見分けられません。
日次で見る目的が原因の絞り込みにある以上、歩留まりの反映は数字の精度の話であると同時に、異常に気づけるかどうかの話でもあります。

歩留まり・レシピ原価の更新頻度を決める

歩留まりは一度決めれば終わりという値ではありません。
同じ魚でも季節や産地でおろしたあとの残り方が変わり、野菜も時期によって使えない部分の量が変わります。
仕入先や規格を変えれば、洗浄済みかどうか、カット済みかどうかで前提そのものが動きます。
固定値のまま何年も使い続けると、日次の数字と実態が静かに離れていきます。

現実的なのは、頻度を暦で決めるより、見直す契機を決めておくことです。
仕入先を変えたとき、規格や入数が変わったとき、産地が切り替わったとき、メニューを改定したとき。
加えて、理論使用量と実際の使用量の差が説明できないまま数日続いたときも、歩留まりの前提を疑う場面です。
この四つの契機を品目表に書き添えておけば、誰が気づいても見直しに入れます。

測る作業自体は、仕込みのついでに一度計量して記録する形で足ります。
下処理前の重量と、使える状態になった後の重量を控えるだけです。
ただし全品目に同じ手間をかけるのは無理があるので、原価に効く品目から順に実測値へ置き換えていくことになります。
どこまで実測に切り替えるかは店の人員体制によって変わり、すべてを実測しなければ日次把握が成り立たないわけではありません。

発注記録に納品・使用実績・レシピ原価を重ねて日次原価にする流れ(編集部整理)
発注、納品、使用量、理論使用量、日次原価の順につながる流れ図

手作業・表計算・専用システム、どれを選ぶか

手作業(紙・電卓)で管理する場合の負荷

計算の中身が決まったら、次はその記録をどこに置くかです。
なお、手作業・表計算・専用システムの作業量やコストを比較した公開調査は確認できていません。
ここでは金額や時間で優劣をつけず、作業の性質としてどこが違うかを整理します。

紙と電卓でやる場合、始めるための準備はほとんど要りません。
納品書を日付順に並べ、重点品目の数量と単価を書き出し、在庫の増減から使用量を出す。
品目が数点で、発注も一人で見ているなら、この形でも日次の数字は作れます。

負荷が出るのは、毎日同じ転記が発生する点と、過去との比較が手集計になる点です。
納品書から書き写す作業は品目数に比例して増え、書き写した数字が合っているかを後から確かめる手立てがありません。
先週の同じ曜日と比べたい、今月の傾向を見たいと思ったときには、その都度集計し直すことになります。
担当者が休んだ日の記録が飛ぶと、前日在庫が取れず、翌日以降の使用量まで出せなくなります。

表計算(Excel等)で管理する場合の負荷と限界

表計算に移すと、計算そのものは自動になります。
品目ごとの単価表、レシピと歩留まりを持つ表、日々の納品数量と在庫を入れる表を分けて作り、参照でつなぐ形が一般的な組み方です。
入れた数字から使用量とレシピ原価が出て、売上と並べれば日次の原価率まで表示できます。
過去の日付と並べて比べるのも、同じファイルの中で済みます。

残る負荷は入力です。
納品書の数量と単価を人が打ち込む点は手作業と変わらず、品目数が増えるほど入力時間も増えます。
単価やレシピを変えたときにマスタ側だけ直して日次シートの参照が古いままになる、といった更新漏れも起きます。
式を誤って上書きしたときに気づく仕組みも、基本的にはありません。

もう一つの限界は、店舗が増えたときのファイルの扱いです。
店舗ごとにファイルを分ければ本部で合算する作業が発生し、一つにまとめれば同時に開けない、あるいは行数が増えて重くなるという問題が出ます。
作った人しか構造を把握していない状態になりやすく、その人が離れると誰も直せない表が残ります。
ここが辛くなってきたときが、仕組みを変える検討に入る目安です。

専用システムを使う場合に変わること

専用の仕組みに載せると変わるのは、主に転記の量と、複数店舗をまとめて見られるかどうかです。
納品実績を取り込める形で受け取れるなら、数量と単価を打ち直す作業が減ります。
レシピと歩留まりを登録しておけば、出数から理論使用額が自動で出て、実際の使用額との差を日ごとに並べられます。

ただし、データが存在することと、そのデータを処理する機能が備わっていることは別の話です。
発注や納品の記録を受け取れても、歩留まりを品目ごとに保持できるか、日をまたいだ在庫の繰り越しを持てるか、締めの時刻を店舗ごとに設定できるか、店舗別と品目別のどちらでも出せるかは、製品によって異なります。
ここは一般論では決まらないので、自店で日次原価を出すために必要な項目を先に書き出し、それが扱えるかどうかで確認するのが確実です。

確認しておきたいのは、いま発注と納品がどんな形で届いているかという点でもあります。
電話やファックス、仕入先ごとのWeb画面、紙の納品書が混在していれば、取り込める部分と手入力が残る部分が分かれます。
どこまで自動で入り、どこに人の確認が残るのかが見えていないと、導入しても入力作業の総量が思ったほど変わらないということが起こります。

自店の品目数・人員体制からの選び方

選ぶときの材料は、扱う品目数、仕入先の数とその発注手段、記録に触れる人の数、店舗数の四つに整理できます。
品目が少なく発注も一人なら、紙や表計算でも日次は回ります。
仕入先が多く発注手段もばらばらで、複数の担当者が入力するなら、記録の形をそろえる仕掛けがないと数字が揃いません。
店舗が複数あるなら、集計を誰がどこで行うかまで含めて考えることになります。

移行の仕方としては、いきなり全品目・全店舗を対象にせず、重点品目と一店舗で日次の形を作ってみるほうが確かめやすくなります。
そこで毎日どれだけの入力が発生し、誰が何分向き合うことになるのかが見えます。
その負荷を品目数と店舗数の分だけ掛け算したときに現実的かどうかが、次の判断の材料になります。

手作業から表計算へ、表計算から専用の仕組みへ、という移行は段階的に進められます。
先に計算の定義——どの記録を突き合わせ、歩留まりをどう置き、いつ締めるか——を固めておけば、置き場所を変えても数字の意味は変わりません。
逆に定義が曖昧なまま道具だけを替えると、出てくる数字の読み方が前と変わってしまい、比較ができなくなります。

記録の置き場所 日々の作業の進み方 品目数・店舗数が増えたときに出やすい負荷
紙と電卓 納品書から書き写して計算する 転記と再集計が品目数に比例して増える
表計算 打ち込んだ数字から計算と比較が自動で出る 入力とマスタ更新、店舗ごとのファイル管理が残る
専用の仕組み 取り込める形の納品データなら転記が減る 取り込める形式や締めの運用を個別に確かめる必要がある

複数店舗・品目数が多い場合の仕組みの変え方

店舗ごとに管理する項目と本部で統一する項目

店舗が増えると、同じ計算の仕組みでも決める場所を分ける必要が出てきます。
本部で揃えておきたいのは、品目のコードと名称、数量の単位、レシピの構成、歩留まりの初期値、そして締めの時刻です。
ここがばらばらだと、同じ食材を店舗ごとに違う名前と単位で持つことになり、集計の段階で突き合わせられなくなります。

店舗側で持つのは、実際の納品数量と確定した単価、廃棄や賄いの記録、そして実測した歩留まりです。
仕入先が地域で違えば単価も規格も変わりますし、仕込みの手順が違えば歩留まりも変わります。
本部の初期値をそのまま全店に当てはめると、実態と合わない店舗が出ます。
初期値は出発点として置き、実測したら店舗側の値で上書きできるようにしておく、という分け方が扱いやすくなります。

品目数が多い場合の集計単位のまとめ方

品目が数百に及ぶ規模になると、全部を日次で見るのは現実的ではありません。
使用金額の大きい品目を日次、それ以外を週次や月次に置くという二段構えにすると、記録の量を抑えたまま原価が動く部分は追えます。
どこで線を引くかは店の構成によりますが、上位の品目が原価の大半を占めているなら、その範囲を日次にするだけでも日ごとの変動はかなり説明がつきます。

もう一つの整理は、見る単位を分けることです。
鮮魚、青果、精肉、ドリンクといったカテゴリ単位で日次の金額を並べておき、どこかが普段と違う日だけ品目単位まで下りる。
毎日すべての品目を眺める必要がなくなり、確認の時間も一定に保てます。

単位の扱いには注意が要ります。
キログラム、本、ケースが混ざったまま集計すると、ケースの入数が変わった時点で数量の意味が変わってしまいます。
集計で使う単位を一つに決め、仕入先の単位からの換算を品目マスタ側に持たせておくと、入数の変更があっても換算の定義を直すだけで済みます。

店舗間で原価を比較する際の注意点

複数店舗の日次原価が並ぶようになると、店舗間の差に目が行きます。
ただし原価率の差は、そのまま管理の巧拙を示すものではありません。
メニュー構成、客単価、宴会やコースの比率、仕入先と単価、締めの時刻や在庫の数え方——これらが違えば、同じ運営をしていても数字は違って出ます。

差が出たときに必要なのは、原因を決めつけずに明細まで下りることです。
同じ品目の納品単価を店舗間で並べる、同じレシピの実測歩留まりを比べる、理論使用量と実際の使用量の差を品目単位で見る。
そこまで見て初めて、単価が高いのか、使いすぎているのか、廃棄が出ているのか、あるいは記録の取り方が違うだけなのかが分かります。
合計の差額の大きさは、どこを先に見るかの手がかりであって、原因の判定ではありません。

比較を運用に載せるなら、条件を揃えた項目だけを並べる形にしておくと誤読が減ります。
店舗別の原価率を並べるのではなく、共通メニューの品目単価と実測歩留まりを並べる。
条件の違いが大きい店舗は同じ土俵に乗せず、自店の前月・前週との比較で見る。
こうしておけば、数字が動いた理由を説明できる範囲で運用できます。

ここまでで、日次の原価をどう組み立て、記録をどこに置き、店舗が増えたときに何を分けるかまでは整理できます。
残るのは、自店の発注と納品がいまどんな形で届いていて、どこまで打ち直さずに済むかという個別の事情です。

決める場所 対象になる項目 揃えない場合に起きること
本部で統一 品目コードと名称、数量の単位、レシピ構成、歩留まりの初期値、締め時刻 同じ食材を突き合わせられず合算や比較ができない
店舗ごとに管理 納品数量と確定単価、廃棄と賄いの記録、実測した歩留まり 地域や仕込み手順の違いが数字に反映されない

日次原価の計算の中身が決まっても、実際に転記をどれだけ減らせるかは、いま発注と納品がどんな形で届いているかによって変わります。<br>電話やファックス、仕入先ごとのWeb画面、紙の納品書が混在している状態では、どこまで自動で取り込め、どこに人の確認が残るのかを個別に見ないと判断できません。

自店の発注手段と納品データの形を並べたうえで、どの記録が打ち直さずに扱えて、どこに入力と確認が残るのかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する

日次原価の仕組みを決める前に確かめておく項目

自店の品目数と店舗数、記録に手をかけられる人の数から、先に決めておかないと後で数字の意味が変わる項目を並べています。

  • 日次で追う重点品目の範囲(使用金額が大きい品目、単価が動く品目、廃棄が出やすい品目)
  • 納品単価が確定するタイミング(発注時に決まるのか、納品後の伝票で決まるのか)
  • 在庫を数える時点(営業終了後か、翌朝の仕込み前か)と締めの時刻
  • 歩留まりを実測に切り替える品目と、見直しの契機(仕入先変更・規格変更・産地切替・メニュー改定)
  • 記録に触れる人の数と、発注・納品の受け取り方(電話、ファックス、Web画面、紙の納品書)
  • 店舗間で共通にする項目(品目コード、単位、レシピ構成)と店舗ごとに持つ項目

重点品目だけの日次から始め、転記や入力が追いつかなくなった時点で記録の置き場所を見直すと、計算の定義を保ったまま移せます。

要点の整理

判断する軸 目安にする基準
日次で見る必要があるか 相場で単価が動く品目の比重、当日仕込みや食数の振れの大きさ、発注担当者と店舗の数
日次で追う範囲 使用金額の大きい品目・単価が動く品目・廃棄が出やすい品目に絞り、残りは週次や月次に置く
突き合わせる記録 納品数量と確定単価、前日在庫と終了時在庫、歩留まりを反映したレシピ原価と出数
歩留まりの見直し 仕入先変更・規格変更・産地切替・メニュー改定、および説明できない差が続いたとき
記録の置き場所 品目数、仕入先数と発注手段、記録に触れる人数、店舗数で選び、計算の定義を固めてから移す
店舗間の比較 原価率の差を原因の判定にせず、共通メニューの品目単価と実測歩留まりまで下りて確認する

店舗数や品目数が増えるほど、品目コードや単位の揃え方、締めの運用といった設計の部分が後から効いてきます。<br>ここは道具を選ぶ前に決めておかないと、置き場所を変えたときに数字の意味が変わってしまう部分です。 本部で統一する項目と店舗ごとに持つ項目の分け方、発注・納品データの受け渡しの形について、自店の条件に沿って確認できます。

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よくある質問

日次で把握した原価と月次の決算上の原価率が一致しないのはなぜか

見ている対象が違うためです。
日次で出しているのは、その日に使った食材の金額を積み上げたものですが、決算上の原価は仕入高に期首・期末の在庫の増減を反映して算出します。
加えて、日次側では在庫を数えていない品目が残っていたり、賄いや廃棄の扱いが決算の処理と揃っていなかったりします。
日次の数字は日ごとの変化と原因を追うための数字、月次は確定した数字、と役割を分けて扱うのが現実的です。
ずれが毎月同じ方向に一定量出ているなら、歩留まりの置き方や在庫を数える範囲に原因がある可能性があります。

歩留まり率はどのくらいの頻度で見直せばよいか

一律の頻度を示す公的な基準は確認できていません。
暦で区切るより、見直す契機を決めておくほうが実務では回りやすくなります。
仕入先を変えたとき、規格や入数が変わったとき、産地が切り替わったとき、メニューを改定したときが代表的な契機です。
これに加えて、理論上の使用量と実際の使用量の差が説明できないまま数日続いた場合も、前提を疑う場面になります。
対象は原価に効く品目から順に絞り、全品目を同じ頻度で測ろうとしないほうが続きます。

レシピ原価をメニュー変更のたびに更新する必要があるか

使用量や食材の構成が変わったメニューについては更新が要ります。
更新しないまま日次で集計すると、理論上の使用量が実態と合わなくなり、廃austなどの異常に気づく手がかりが失われるためです。
一方で、価格や盛り付けの見た目だけを変えた場合や、構成を変えていない場合は、食材側の単価更新だけで足ります。
期間限定メニューのように短期間で入れ替わるものは、通常メニューとは別に持っておくと、入れ替えのたびに本表を触らずに済みます。

仕入価格が急に変動した場合、当日の原価にどう反映させればよいか

日次の原価に使う単価は、発注時の想定単価ではなく、納品時に確定した単価に置き換えるのが基本です。
時価の品目で当日中に単価が分からない場合は、いったん想定単価で集計し、伝票が届いた時点で差し替える運用にしておくと、その日の数字を待たずに出せます。
差し替えた履歴が残る形にしておけば、後から「値上がりだったのか使いすぎだったのか」を区別できます。
レシピ原価側の単価をその都度書き換えるかは別の判断で、一時的な変動を毎回反映すると基準値が動いて比較しにくくなるため、継続する値動きに限って更新するという分け方もあります。

在庫の棚卸を毎日行う必要があるか

全品目について毎日行う必要はありません。
日次で追うと決めた重点品目だけを対象にすれば、使用量の算出には足ります。
重要なのは頻度よりも、数える時点を毎日そろえることです。
営業終了後に数える日と翌朝に数える日が混ざると、同じ品目でも使用量が上下して見え、原因の切り分けができなくなります。
重点品目以外は従来どおり月次の棚卸に置いたままでも、日ごとの変動を追うという目的は果たせます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:農林水産省「事業系食品ロス量(2024年度推計値)を公表」(2026年)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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