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菓子の食材発注、原価を日次で把握する方法|歩留まりを踏まえた記録の付け方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 材料費は消費数量×消費単価で計算するもので、仕入額の集計だけでは製品一つあたりの原価は出ない
  • 日次で原価を追うなら、締めを待つ棚卸計算法ではなく、日々の出庫を記録する継続記録法を発注データと結び付ける
  • 菓子の歩留まりは外部の数値を当てはめず、出庫の記録に仕上がり数を併記して自店の実測から出す
  • 記録の手段は費用や機能ではなく、締め作業が持ち越されていないか、棚卸との差を説明できるかで選び分ける
  • 原価が上がった理由を単価・投入量・仕上がり数に切り分けてから、発注のまとめ方や仕入条件に手を付ける

40代前半の日本人男性が食品スーパーの事務での発注をしている場面

発注のたびに原価がわからず月末に気づく—悩みを整理する

きょう小麦粉とバターを発注した、伝票の控えもある。
けれどその発注が、今日焼いた菓子の原価をいくら押し上げたのかは、月末の試算表が出るまで分からない——食材発注のたびに、そんな状態が続いていないでしょうか。
つまずいているのは、仕入れた金額をそのまま原価として見てしまい、実際に使った分量を追えていない点です。
材料費は本来「消費数量×消費単価」で計算するもので、仕入れた材料費がそのまま製品の材料費になるわけではありません2。
日々の出庫を記録する継続記録法を発注データと結び付ければ、月末を待たずに原価の動きを日次で追えます2。
菓子は原料の水分などで出来高が動きやすいため、仕入額を日割りするのではなく、実際に使った量から捉える必要があります。
記録の手段は、発注件数や記録にかけられる時間に合わせて決めれば十分です。

月次の試算表に並ぶのは、その月に支払った仕入額です。
一方で、その月に売った菓子の原価は、その月に届いた材料だけでできているわけではありません。
先月末に納品されたバターを今月の頭に使い、キャンペーン前にまとめ買いした小麦粉は来月まで棚に残ります。
仕入額と原価がずれるのはむしろ当然で、そのずれが在庫として積み上がっているあいだは、帳簿の数字をいくら眺めても、菓子一つあたりにいくらかかったのかは見えてきません。

この点について、食品製造業の原価計算では、仕入れた材料費がそのまま製品の材料費になるわけではなく、実際に使用した分だけを材料費として計算する必要があるとされています2。
言い換えると、発注書と納品書だけを集計している限り、そこに出てくるのは「買った金額」であって「使った金額」ではありません。
月末の試算表で原価率のズレに気づくのは、担当者の集計が遅いからではなく、そもそも買った金額しか記録していないからです。

もう少し細かく見ると、記録が片側しかない状態だと言えます。
発注のデータは、いつ・どこから・何を・いくらで・どれだけ入れたかを持っています。
ところが、それが厨房のどの仕込みで・どれだけ出ていったかという記録は、多くの場合レシピの頭の中と冷蔵庫の残量にしかありません。
入ってきた側だけが数字になっていて、出ていった側が数字になっていないので、両者の差である「今日使った分」が取り出せないのです。

ここが分かると、次に手を付ける先が変わります。
月次の集計を速くする、試算表を早く締める、といった方向ではなく、出ていく側の数量をどう残すかが先になります。
日次の原価把握は、新しい計算方法を覚える話というより、いままで記録していなかった一方の側を埋める話です。

日次で原価を把握するには何を記録し、発注データとどう結び付けるか

材料費は「消費数量×消費単価」で計算します2。
式としては単純ですが、日次で出そうとすると、右側の二つをそれぞれどこから持ってくるかという問題になります。
消費単価は発注データ側、つまり仕入単価から引いてくることができます。
問題は消費数量のほうで、これは仕入の記録には載っていません。

消費数量の把握方法には二つあります2。
一つは棚卸計算法で、期首の棚卸量に当期の仕入量を足し、期末の棚卸量を引いて使った量を求めます2。
もう一つが継続記録法で、日々の出庫をその都度記録していく方法です2。
食品業界では継続記録法が採用されやすいとされています2。

日次で原価を追いたい場合、選べるのは実質的に後者です。
棚卸計算法は期末の棚卸量が確定して初めて答えが出る構造なので、どれだけ丁寧に運用しても、分かるのは締めたあとになります。
月末に初めてズレに気づくという今の状態は、この計算方法に沿った結果でもあります。
逆に言えば、毎日の出庫を記録する形に変えるだけで、原価が分かるタイミングが月末から当日に動きます。

では日々の出庫として何を残すか。
最低限必要なのは、日付、品目、出した数量、そしてそれをどの仕込みに使ったかの四つです。
「4月12日/発酵バター/2.5kg/パウンド生地」のように、仕込みの単位で一行残します。
ここで数量をレシピの配合表から引くか、計量器の実測値で書くかは分かれますが、日次で追い始める段階では、まず実際に量った値を入れるほうが後の判断に使えます。
配合どおりに出ているという前提で書いてしまうと、あとで触れる歩留まりの変動がそのまま見えなくなるためです。

発注データと結び付けるときに実務でつまずきやすいのは、計算式より単位です。
発注は「バター450g×10本」「上白糖20kg入り1袋」といったケース単位で、厨房の出庫は「2.5kg」「600g」といった重量で動きます。
この換算を都度やっていると記録が続かないので、品目ごとに「発注単位」「厨房で使う単位」「換算値」を一度決めて固定しておくと、以降は数量を書くだけで済みます。
品目名も、伝票の表記と厨房の呼び名が違うことが多いので、どちらかに寄せておきます。

消費単価をどの値で置くかも先に決めておきます。
直近の仕入単価をそのまま使う、一定期間の平均で置く、といった決め方があり、どれを選ぶかよりも、期の途中で基準を変えないことのほうが日次の比較には効きます。
昨日と今日で単価の置き方が違えば、原価が動いた理由が単価なのか使用量なのか分からなくなるからです。
仕入単価が改定されたときの扱いは、後段のFAQでもう一度触れます。

なお、原価は材料費・労務費・経費の三つの要素に分けて記録するのが基本的な枠組みです3。
材料費には直接費と間接費があり、労務費は直接製造労務費と間接労務費、経費には外注費のような直接費と電力・水道・消耗品のような間接費が含まれます3。
ただしこの枠組みは月次の原価計算として示されているもので、日単位での計算方法が示されているわけではありません3。
実務としては、日次で動かして意味があるのは材料費、つまり発注と仕込みに直結する部分で、労務費や経費は月次の枠組みのまま置いておく、という切り分けが現実的です。
毎日すべての原価要素を出そうとすると記録が続かず、続かない記録は判断に使えません。

発注データと出庫記録を結び付ける流れ
発注、入庫記録、出庫記録、材料費の計算、日次確認へと進む流れ図

菓子の仕込みロス・歩留まりを日次原価にどう反映させるか

原典が示す食肉・水産物の歩留まり変動の考え方

出庫した量を記録すれば材料費は出ます。
ただ、食品の場合はもう一段の変動があります。
食肉や水産物などは、工業品のように決まった組成ではなく、水分などによって出来高が変わるとされています2。
同じ重量を仕入れても、そこから取れる製品の量が毎回同じとは限らない、という意味です。

この性質があると、「仕入れた量÷想定の歩留まり」で原価を決め打ちする運用が崩れます。
歩留まりが想定どおりの日は合いますが、悪化した日は同じ製品数をつくるのに投入量が増え、製品一つあたりの材料費が上がります。
そしてその差は、仕入額の集計には現れません。
買った金額は同じで、出来上がった数だけが減るからです。

ここが、仕入額を日割りする方法と、実際の消費量から積み上げる方法の分かれ目になります。
前者では歩留まりの悪化が原価に反映されず、月末に「使った量の割に製品が少なかった」という形でまとめて表面化します。
後者であれば、その日の投入量と仕上がり数を突き合わせた時点で気づけます。

菓子の主原料に当てはめる際の留意点

ここで一つ断っておくと、この出来高変動の説明が例として挙げているのは食肉や水産物で、菓子の原料そのものへの言及はありません2。
卵や生クリーム、乳製品のように水分を含む原料は同じ変動要因を持つと考えられますが、それは原典の考え方を編集上あてはめた見方です。
菓子の品目ごとの歩留まり率について確認できた実測データはないため、「この生地なら何%」といった数字を外から持ってくることはできません。

逆に言えば、数字は自店で取るしかありません。
やることは難しくなく、いまつくった出庫の記録に、その仕込みから何個取れたかを一列足すだけです。
投入量と仕上がり数が同じ行に並べば、製品一つあたりの材料費がその場で出ますし、同じ品目の過去の行と比べれば、今日が多く食ったのか少なく済んだのかが分かります。
数週間分たまった時点で、その店の標準的な歩留まりが自然に見えてきます。

菓子で数量が動く箇所は、大きく分けて仕込み前と仕込み後にあります。
仕込み前は、計量時のロスや原料の状態によるばらつき、開封後に使い切れなかった分です。
仕込み後は、生地の残り、抜き型の端材、焼成時の水分の飛び方、割れや焦げによる製品にならない分です。
どちらも「使ったのに売上にならなかった量」ですが、記録の取り方が違います。
前者は出庫の記録に、後者は仕上がり数の記録に現れます。

記録を始めた直後は、数字が日によって大きく振れることがあります。
そこですぐ発注量を動かすのではなく、まず振れ幅そのものを眺めてみてください。
同じ品目でいつも似た範囲に収まるなら、その範囲がその店の実力値です。
特定の曜日や特定の担当者の仕込みだけ外れるなら、原料の問題ではなく作業条件の問題である可能性が出てきます。
原価の記録は、そうした切り分けの材料にもなります。

入庫から製品までのあいだで数量が動く箇所
入庫量、投入量、仕上がり量、製品数へと縦に進む図

日次把握の手段(手書き・表計算・システム)は発注件数や作業時間でどう選ぶか

発注件数・品目数が少ない場合の目安

継続記録法は、日々の出庫を記録するという手作業を伴う方法です2。
つまり、どの手段を選んでも「その日に誰かが書く」工程は消えません。
ここから先は、費用や機能の優劣ではなく、記録の手間という一点から見た目安として整理します。
手段ごとの費用や機能を横並びに比べられる資料に基づく話ではなく、記録が続くかどうかという条件から考えた編集部の整理です。

品目数が少なく、発注先もほぼ固定で、仕込みの種類も日によって大きく変わらないなら、手書きで十分に回ります。
厨房の壁に出庫の記録用紙を貼り、計量したその場で品目と数量と仕込み名を書く。
締め作業のときに、その日の行を発注単価と掛け合わせる。
行数が一日に十数行までなら、この計算は数分で終わります。

手書きの利点は、記録する場所と作業する場所が同じことです。
厨房から事務所のパソコンまで歩く必要がないぶん、書き忘れが起きにくくなります。
弱点は、後から集計しようとしたときに手で拾い直す必要がある点と、書き忘れた日を復元できない点です。
日次で見る目的であれば前者はさほど問題になりませんが、月をまたいで傾向を見たくなった時点で手間が効いてきます。

手書きと表計算の中間として、用紙に書いた内容を一日一回だけ表計算に転記する形もあります。
厨房での記録は紙のまま、集計と比較だけを表計算に任せる形です。
転記という工程が増えるぶん、品目ごとの単価表を持てるようになり、単価が変わったときの反映が一箇所で済みます。

発注件数が多い・担当者の作業時間が限られる場合の目安

品目数が数十を超え、月の途中で仕入単価が改定され、仕込みの担当が複数人に分かれてくると、手書きの前提が崩れ始めます。
単価表の更新が追いつかない、人によって書き方が違う、締め作業が翌日に持ち越される、といった形で表面化します。
この段階では、記録の器を変えるより先に、記録の項目を減らせないかを見ます。
原価の動きに効くのは金額の大きい上位の品目で、少量の副材料まで毎日追っても判断はほとんど変わりません。

それでも記録の手間が担当者の作業時間を圧迫するようであれば、在庫や原価を扱うシステムへの移行を検討する段階です。
切り替えの効果が出るのは、出庫の入力がそのまま在庫数量と原価の両方に反映され、単価改定が全品目に一度で効く部分です。
逆に、導入すれば記録そのものがなくなるわけではありません。
品目の登録、単位の換算、レシピごとの配合の設定といった初期作業が先に発生し、日々の出庫入力は形を変えて残ります。

判断が分かれるのは、表計算とシステムのあいだです。
品目数だけで線を引くと迷いますが、「記録が翌日に持ち越されているか」「棚卸の数量と記録上の残量の差を説明できるか」を見ると、判断しやすくなります。
持ち越しが常態化していれば、その日のうちに原価を見るという目的自体がすでに達成できていません。
差を説明できない状態が続くなら、記録の抜けがどこかで起きているということです。
どちらも、器を変えて入力の場所を一本化することで改善が見込める症状です。

50代後半の日本人女性が小売店のバックヤードでの発注をしている場面

一方で、記録の粒度が定まっていないうちに器だけ変えると、設定のやり直しが発生します。
手書きでも表計算でも、まず数週間は同じ項目で記録を続けて、何を残せば判断できるかを確かめてから移すほうが、結果として早く落ち着きます。

発注件数と記録時間から見た手段の目安
三つの条件ごとに向きやすい記録手段とつまずきやすい点を並べた表

日次で見えた原価の変動を、発注量や仕入先の見直しにどうつなげるか

日次で材料費が出るようになると、次に来るのは「上がったのは分かったが、どこを触るか」という問いです。
製品一つあたりの材料費が上がる理由は、大きく三つに分けられます。
仕入単価が上がったのか、同じ製品数に対する投入量が増えたのか、同じ投入量からの仕上がり数が減ったのか。
記録の形が前の節までのとおりであれば、この三つは同じ行の中で見分けられます。
単価欄が動いていれば一つ目、投入量が動いていれば二つ目、仕上がり数だけが減っていれば三つ目です。

切り分けができると、打ち手の向き先が変わります。
単価要因なら、発注のまとめ方や仕入先との条件が検討対象になります。
投入量や仕上がり数の要因なら、仕入先を変えても解決しません。
ここを混同して仕入先の見直しに走ると、手間をかけた割に原価が戻らない、という結果になりがちです。
逆に、単価が上がっているのに厨房の作業を詰めようとするのも同じことです。

仕入先と条件を話すときにも、日次の記録は材料になります。
「最近高い気がする」ではなく、「この品目はこの時期からこの単価で、月にこれだけ使っている」と数量まで示せるかどうかで、話せる内容が変わります。
年間の使用量が読めていれば、まとめての引き取りと単価の条件を突き合わせて検討することもできます。
ただし、まとめ買いは在庫として抱える量が増えるということでもあります。
菓子の原料には使用期限があり、抱えた分を使い切れなければ、単価で得た分は廃棄で相殺されます。

この廃棄の部分は、業界全体でも小さくない規模で発生しています。
2024年度の推計では、食品製造業から発生する事業系食品ロス量は110万トンとされています1。
これは食品関連事業者全体の全国推計であり、個別の菓子製造業者の仕込みロスや歩留まりの実態を示すものではありません1。
ここでは、原料が製品にならずに失われることが業種をまたいだ共通の課題であるという背景として見てください。
自店の数字は、あくまで自店の記録から出すことになります。

発注量の見直しは、原価の記録と在庫の残量を並べて考えます。
日次で出庫を記録していれば、品目ごとの一日あたりの平均使用量が自然に出ます。
そこに納品のリードタイムと、切らしたときの影響を掛け合わせて、発注点と発注量を決め直す形です。
需要が読みにくい品目ほど発注間隔を短くし、日持ちして単価差の大きい品目はまとめる、という方向に落ち着くことが多いはずです。
この判断は、いままで月末の試算表を見て月単位で行っていたものを、記録が出るたびに小さく修正できるようになる、という変化です。

一点だけ付け加えると、日次で見えるようになっても、日々の細かな上下にその都度反応する必要はありません。
歩留まりは条件によって振れるものなので、一日の数字だけで発注や仕入先を動かすと、振れに振り回されます。
数日から一週間の幅で見て、同じ方向に動き続けているかを確認してから手を打つほうが、判断として安定します。
日次で記録する価値は、毎日決めることではなく、動き始めた時点で気づけることにあります。

値付けと発注の判断を、同じ記録の上で行う

ここまでの記録が回り始めると、原価の話は発注だけで終わらなくなります。
製品一つあたりの材料費が日次で出ているということは、いまの売価に対してどれだけ残っているかも同時に分かるということです。
原料の単価上昇が続いていて、発注のまとめ方でも歩留まりの改善でも吸収できない、と記録の上で確認できたときに初めて、売価の見直しが検討の対象になります。
逆の順番、つまり感覚で値上げを決めてから根拠を探すと、どの商品をどれだけ動かすべきかが決まりません。

品目ごとの優先順位も、同じ記録から出てきます。
材料費の変動が大きい品目と、金額は動いていても製造数が少なく全体への影響が小さい品目では、手をかける価値が違います。
日次の記録を数週間ためて、品目ごとの製造数と材料費を掛け合わせれば、どこから手を付けるかは自然に絞られます。
すべての品目を同じ精度で管理しようとしないことが、記録を続けるうえでも効いてきます。

記録の運用として最後に決めておきたいのは、誰がいつ見るかです。
書く人と見る人が分かれていると、記録は残るのに判断に使われないという状態になりがちです。
締め作業のあとに数分、その日の材料費と仕上がり数だけ確認する時間を固定しておくと、異常な日がその場で目に入ります。
月末の試算表で気づいていたものを当日に気づけるようにするのが目的なので、見る工程まで含めて仕組みにしておく必要があります。

記録の形が決まれば、あとは続けられる粒度に落とすだけです。

20代後半の日本人男性が発注画面の操作をしている場面

記録の形そのものは決まっても、いま使っている発注の控えや納品書のどこまでが原価計算に転用できるかは、扱う品目数や既存の帳票の作りによって変わります。

手元の発注データと仕込みの記録を見ながら、どの項目を足せば日次で材料費が出る状態になるのか、どこまでは今のやり方のままで足りるのかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する

2024年度の事業系食品ロス量の業種別内訳

食品関連事業者を業種の区分で分け、2024年度の推計値を並べたものです。

  • 食品関連事業者全体:237万トン
  • 食品製造業:110万トン
  • 食品卸売業:9万トン
  • 食品小売業:48万トン
  • 外食産業:70万トン

自店の歩留まりや仕込みロスを示す数字ではなく、原料が製品にならずに失われることが業種をまたいで起きている背景として見ます。

要点の整理

軸 基準
日次で使う計算式 材料費=消費数量×消費単価。仕入額の日割りでは代用しない
消費数量の把握方法 棚卸計算法は締めを待つ構造。日次で見るなら日々の出庫を記録する継続記録法
記録する項目 日付・品目・出庫数量・仕込み名に、仕上がり数を一列加える
歩留まりの数値 外部の数値を当てはめず、自店の投入量と仕上がり数の記録から出す
手段の切り替え 締め作業の持ち越し、棚卸との差が説明できない状態が続くかで判断
原価が上がった理由の切り分け 単価・投入量・仕上がり数のどれが動いたかを同じ記録で見分ける
打ち手の向き先 単価要因は発注のまとめ方と仕入条件、数量要因は仕込みの作業条件
30代後半の日本人男性が食品スーパーの事務での発注をしている場面

記録が続くかどうかは、器の性能よりも、誰がどの工程で何行書くことになるかで決まります。 日々の作業の流れを聞いたうえで、記録の粒度を今のまま続けられるか、入力の場所を一本化したほうがよい段階かを確かめられます。

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よくある質問

発注量を据え置いても歩留まりが悪化する場合、何を見直せばよいか

発注量が同じで歩留まりだけが下がっているなら、原因は仕入先ではなく、入庫から製品までのあいだにあります。
食品は水分などによって出来高が変わるとされており2、原料の状態が前回と違えば同じ配合でも仕上がりは動きます。
まず、出庫の記録で投入量が増えているのか、投入量は同じで仕上がり数だけが減っているのかを分けてください。
投入量が増えているなら計量や配合の運用、仕上がり数が減っているなら焼成や成形の条件が見る先になります。
特定の曜日や特定の担当の仕込みだけ外れる場合は、原料側の問題ではない可能性が高くなります。
なお、菓子の品目ごとの標準的な歩留まり率について確認できた実測データはないため、外部の数値と比べるのではなく、自店の過去の記録と比べて判断することになります。

手書き記録から表計算・専用システムに切り替える目安はいつか

品目数だけで線を引くと迷いやすいので、記録の状態を見ます。
締め作業が翌日に持ち越されている、棚卸の数量と記録上の残量の差を説明できない、担当者によって書き方が違う、という三つのうちどれかが常態化していれば、切り替えを考える段階です。
持ち越しが起きている時点で、その日のうちに原価を見るという目的が達成できていません。
ただし、記録の項目が定まらないうちに器だけ変えると設定のやり直しが発生します。
数週間は同じ項目で記録を続け、何を残せば判断できるかを確かめてから移すほうが早く落ち着きます。

仕入単価が変動した場合、消費単価はどのタイミングで更新すべきか

材料費は消費数量×消費単価で計算するため2、単価をどの値で置くかで日次の金額は動きます。
直近の仕入単価に都度合わせる方法と、一定期間の平均で置く方法があり、どちらを選ぶかよりも、期の途中で置き方を変えないことのほうが重要です。
基準が途中で変わると、原価が動いた理由が単価なのか使用量なのか分からなくなり、切り分けができなくなります。
改定があった場合は、改定の日付と改定前後の単価を記録に残しておくと、あとから変動の要因を説明できます。
更新の頻度は、単価改定の頻度と記録にかけられる時間から決めてかまいません。

複数の菓子を同時に仕込む場合、材料費はどう按分するか

まず、どの製品に使ったかが特定できる材料と、複数の製品に共通して使う材料を分けます。
原価計算では材料費を直接費と間接費に分けて記録する枠組みが示されており3、特定できるものは製品に直接ひも付け、共通のものは配賦の対象になります。
共通の生地を分割して複数の製品にする場合は、生地の総量に対する使用割合で分けるのが素直です。
配賦の基準は製品数、重量、使用時間などが考えられますが、どれを選ぶかより、品目ごとに基準を固定して使い続けるほうが比較に使えます。
基準が毎回変わると、原価が動いた理由が実態なのか計算方法なのか判別できなくなります。

労務費や経費も日次で記録する必要があるか

原価は材料費・労務費・経費の三要素に分けて記録するのが基本の枠組みですが、この枠組みは月次の原価計算として示されているもので、日単位での計算方法が示されているわけではありません3。
実務としては、発注と仕込みに直結して日々動くのは材料費なので、日次で追うのは材料費に絞り、労務費と経費は月次の枠組みのまま置く切り分けが現実的です。
毎日すべての要素を出そうとすると記録が続かず、続かない記録は判断に使えません。
売価の見直しを検討する段階では、月次で出した労務費・経費と合わせて全体を見ます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:農林水産省「事業系食品ロス量(2024年度推計値)を公表」(2024年度)
  2. 2 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「食品ビジネス経営課題解決メニュー『原価計算』第4回 材料費の計算方法」(公開年不明)
  3. 3 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「食品ビジネス経営課題解決メニュー『原価計算』最終回 原価計算の手順」(公開年不明)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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