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食材発注の衛生・表示チェック:確認項目から発注先選定・検収記録までの進め方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 衛生は自施設が行う管理、表示は製造者が付けた情報の読み取りと請求であり、確認する場面も残す記録も分けて組み立てる
  • 食品等の取扱いに従事する者が事業場で50人未満なら小規模営業者等として手引書に沿った運用、集団給食施設等の大量調理なら大量調理施設衛生管理マニュアルが基準になる
  • 自店で調理して提供する料理にアレルゲンの表示義務はないが、客に説明する根拠は仕入品の表示と規格書にしかないため、発注時に規格書と変更連絡を求めておく
  • 受入検収は点検項目をそろえる前に、「否」と判断したときの扱いを決めておくと、担当者が替わっても判断が揃う
  • 発注先の評価は、検査結果の提出と不適と判断したときの措置、規格書の提供可否まで含めて取引条件に落とし込む

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▽ 写真の出典元

食材発注で衛生・表示の両方を確認する理由

届いた鶏肉の品温を測るべきなのか、納品書にサインして受け取れば十分なのか。
仕入れ業者から新しい加工食品を提案されたとき、表示のどこを見て判断すればよいのか。
食材の発注と受け取りは毎日の作業なのに、こうした判断の基準が担当者ごとに違い、その都度迷いやすい部分です。
衛生面と表示面は、よりどころになる仕組みがそれぞれ別で、確認する相手も残す記録も変わります。
衛生は自分の施設が行う管理、表示は製造者が付けた情報の読み取りと請求にあたります。
まず自施設がどちらの衛生管理の枠組みに入るかを決め、そのうえで表示の確認項目、受入検収での点検と記録、発注先の選び方の順に組み立てていくと、毎回の判断が定型の作業に変わっていきます。

衛生と表示は、それぞれ別の仕組みで決まっている

食材を受け取るときに確かめたいことは、大きく二つに分かれます。
一つは、その食材が安全な状態で届いたのかという衛生の話です。
もう一つは、その食材に何が入っていて、どこで作られたものなのかという表示の話です。
現場では同じ「納品のチェック」としてひとまとめに扱われがちですが、根拠になる仕組みが違うため、誰に何を依頼できるのかも、手元に残すものも変わってきます。

衛生のほうは、自分の施設が行う管理です。
原則としてすべての食品等事業者に、HACCPに沿った衛生管理が求められています3。
届いた食材をどの温度で受け取り、どこに置き、何を確かめてから受領するのか。
これらは仕入れ業者が決めてくれるものではなく、自施設の衛生管理の一部として組み立てる必要があります。
逆にいえば、点検の項目も記録の様式も、自分たちの側で決めれば動き出せる領域です。

表示のほうは、自分では書き換えられない情報です。
食品表示基準は、容器包装された加工食品について特定原材料を含む旨の表示を義務付けています1。
表示を作るのは製造者であり、仕入れる側にできるのは、届いた品の表示を読み取ることと、発注の段階で必要な情報を出してもらうよう依頼することの二つです。
納品されてから「想定していた原材料と違った」と気づいても、その日の仕込みには間に合いません。
表示の確認が発注より前に寄っていくのは、このためです。

衛生と表示では、確認する相手と手元に残すものが異なる
衛生と表示では、確認する相手と手元に残すものが異なる

発注から検収までの、どこで何を確認するか

同じ「確認」という言葉でも、場面ごとに扱うものが違います。
業者を決める段階では、継続的に取引できる相手かどうかを見ます。
品目を決める段階では、その商品の原材料・アレルゲン・産地・保存温度といった中身を見ます。
毎回の発注では、数量と納品日時、届けてもらう温度帯や納品書への記載事項を指定します。
そして納品の瞬間に、届いた現物の状態を見ます。
最後に、確認した結果を記録として残します。

この並びで見ると、表示に関する確認は前半、衛生に関する確認は後半に寄ることが分かります。
ただし衛生が納品の瞬間だけで完結するわけではありません。
輸送中に温度が保たれていたかどうかは、納品時の品温という形で現れますが、その温度帯を決めるのは取引条件を取り決める段階です。
納品時にできるのは結果を確かめることであり、結果を良くするための約束は発注の前段で交わしておく必要があります。

もう一つ、立場によって義務の範囲が変わる点も押さえておきたいところです。
容器包装された加工食品への表示義務は、製造者や販売者といった食品関連事業者に課されるものです1。
仕入れた食材を自店で調理して提供する外食では、提供する料理そのものへのアレルゲン表示は義務の対象外で、任意表示にとどまります1。
とはいえ、客から「この料理に卵は使っていますか」と聞かれたときに答えられる材料は、仕入れた加工食品の表示や、業者から受け取った規格書しかありません。
表示義務があるかどうかと、現場で必要な情報が手元にあるかどうかは別の問題として扱ったほうが、発注時に何を求めるべきかがはっきりします。

表示の確認は発注より前、衛生の点検は納品時に寄るが、温度帯などの条件は発注前の取り決めで決まる
発注先を決める、品目を決める、発注する、納品を受ける、記録を残すの5つの場面を順に並べた図

自施設が対象となる衛生管理の枠組みを判定する(小規模飲食店等/給食施設等)

小規模飲食店等(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)の対象基準

点検項目や記録の細かさを決める前に、自施設がどの枠組みで衛生管理を組み立てるのかを先に確定させておくと、あとの作業が迷いにくくなります。
区分が決まらないまま他施設の様式を写してくると、必要のない項目を毎日記入し続けたり、逆に必要な情報が抜けたりしやすいからです。

小規模営業者等として「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の対象になるのは、食品等の取扱いに従事する者の数が50人未満である事業場です3。
この人数は事業場ごとに見るもので、会社全体の従業員数ではありません。
複数店舗を運営していても、店舗という事業場の単位で判断することになります。
また、数えるのは食品等の取扱いに従事する者であり、誰までを含めるのかの線引きに迷う場合は、管轄の保健所に確認するのが確実です。

対象となる事業者の種類も示されています。
菓子や豆腐の製造販売のように製造と小売を併設している事業者、飲食店営業や喫茶店営業などの食品を調理する営業者、容器包装に入った食品だけを扱う販売業者などが含まれます3。
この枠組みでは、業界団体が作成して厚生労働省が内容を確認した手引書に基づいて、衛生管理計画を作り、記録を残すことが求められます3。
つまり、自分の業種向けの手引書があるかどうかが、実務上の出発点になります。
手引書には点検表の様式まで示されているため、記録の形を一から考え直す必要はありません。

給食施設等(大量調理施設衛生管理マニュアル)の対象基準

もう一方の枠組みが、大量調理施設衛生管理マニュアルです。
これは集団給食施設等、大量調理を行う施設を対象としたもので、調理の各工程について具体的な手順が示されています5。
同じ献立を一度に多く作る施設では、一つの食材に問題があったときに影響が及ぶ範囲が広がるため、受入の段階から求められる点検や記録も詳しくなります。

自施設がここに当てはまるかどうかは、提供食数や調理の形態によって変わります。
具体的な規模の目安はマニュアル本文に示されているため、境界に近いと感じる場合は原典と管轄の保健所の案内で確かめてください。
今回参照した範囲で確実にいえるのは、対象が集団給食施設等の大量調理を行う施設だという点です5。

実務では、両方を見比べる場面も出てきます。
従事者が50人未満の飲食店であれば小規模営業者等として手引書に沿った運用が基本になりますが3、仕出しや施設給食の受託で同一献立を大量に調理する業務が加わると、見るべき基準はマニュアル側へ移ります。
この区分の違いは、次に扱う受入検収で残す情報の量にそのまま効いてきます。
どちらの様式を使うかを決めずに検収の手順だけ整えても、記録が過剰になるか不足するかのどちらかになりがちです。

他施設の様式を写す前に、自施設で参照する枠組みを確かめる
他施設の様式を写す前に、自施設で参照する枠組みを確かめる

表示面で押さえるべき原材料・アレルゲン・原料原産地表示

義務表示事項の全体像

衛生管理の枠組みが決まったら、次は届く品に付いている表示の読み方です。
一般消費者向けに販売される容器包装加工食品には、名称、原材料名、添加物、アレルゲン、原料原産地名、内容量、期限表示、保存方法、輸入品の場合の原産国名、食品関連事業者や製造者等が義務表示事項として定められており、これらは一括して表示されます6。
原材料名と添加物は明確に区分され、それぞれ重量順に表示されます6。

重量順という決まりは、発注側にとって実用的な手がかりになります。
原材料名の並びを見れば、その商品で何が主たる材料になっているかが読み取れるからです。
同じ商品名でも、製造者が配合を変更すれば並び順が入れ替わります。
継続して仕入れている品であっても、パッケージが変わったときや納入元が切り替わったときに表示欄を見直す理由は、ここにあります。

注意したいのは、この義務表示が向けられている相手です。
対象は一般消費者向けに販売される容器包装加工食品であり6、自店で調理して皿に盛って提供する料理は、この一括表示の対象ではありません。
仕入れる側としては、義務があるから確認するのではなく、自分たちが客に説明したり、アレルギー対応を判断したりするための情報源として表示欄を使う、という位置づけになります。

アレルゲン(特定原材料)表示

食品表示基準は、容器包装された加工食品について、特定原材料を含む旨の表示を義務付けています1。
どの品目が特定原材料に当たるかは改正によって見直されることがあるため、品目の一覧は消費者庁のページで最新のものを確かめるのが確実です。
手元の古い社内資料をそのまま使い続けると、新しく追加された品目を見落とす可能性があります。

一方で、外食や中食は事情が違います。
量り売りや注文のたびに調理して提供する形態は義務表示の対象外で、アレルゲンの情報提供は任意表示にとどまります1。
自店の料理に表示義務がないからといって、問い合わせが来ないわけではありません。
客から特定の原材料について尋ねられたとき、答えるための根拠は、使っている加工食品の表示欄か、業者から受け取った規格書のどちらかになります。

そう考えると、アレルゲンに関して発注時にやるべきことは、はっきりしてきます。
継続して使う加工食品については規格書を取り寄せて手元に置き、原材料が変更される場合には事前に連絡してもらうよう取引条件に含めておくことです。
納品のたびにパッケージの表示を読み直すやり方は、確認漏れが起きやすいうえ、開封後に容器を捨ててしまうと後から遡れません。
表示欄は納品時の最終確認に使い、判断の土台は規格書に置く、と分けておくと、担当者が替わっても対応が揃います。

客への説明に使う情報は、発注前の規格書と納品時の表示をつなぐ
客への説明に使う情報は、発注前の規格書と納品時の表示をつなぐ

原料原産地表示

産地の確認については、原料原産地表示制度が手がかりになります。
国内で製造・加工された加工食品には、対象原材料の原産地を国別重量順で表示する制度が適用されます2。
原産国が3か国以上にわたる場合には、上位の国を表示したうえで3か国目以降を「その他」とまとめて表示できます2。

この「その他」の扱いは、発注側にとって意味のある制約です。
表示欄を見ても、実際に使われているすべての原産国が読み取れるとは限らないからです。
産地について客や取引先に説明する必要がある品目では、表示だけに頼らず、規格書や仕様書の形で原産地の情報を出してもらう必要が出てきます。
どこまで求めるかは、その品目の説明責任の重さで判断することになります。

対象外の範囲も押さえておきます。
輸入品、外食、その場で調理して販売する食品、容器包装に入れずに販売する食品は、この制度の対象外です2。
輸入品については、原料原産地名ではなく原産国名の表示で製造国を確かめる形になります6。
また、対象外だから産地が分からないということではなく、制度として表示欄に書かれないというだけです。
必要であれば、発注の条件として産地情報の提供を依頼する余地は残っています。

表示事項 発注・検収で使える場面
原材料名・添加物(重量順) 主たる材料の入れ替わりや添加物の有無を確かめる
アレルゲン 客への説明やメニュー表示の裏づけにする
原料原産地名 対象原材料の産地を国別重量順で確かめる
期限表示・保存方法 納品後の在庫の回し方と保管温度を決める
内容量 発注単位と納品数量を突き合わせる
原産国名(輸入品の場合) 輸入品の製造国を確かめる
食品関連事業者・製造者等 問い合わせ先や規格書の請求先を特定する

受入検収での衛生点検と記録の残し方(施設規模別)

給食施設等の検収項目と記録事項

表示の確認は発注の前段で終えられますが、衛生の点検は現物が届いてからでなければできません。
集団給食施設等では、原材料の納入に際して調理従事者等が検収場で立ち会い、品質、鮮度、品温、異物混入の有無を点検し、その結果を記録することが求められています5。
品温には、輸送中の温度管理が保たれていたかという観点が含まれます5。
立ち会いが前提になっている点が重要で、荷物を置いていってもらって後から確認する運用では、この形を満たせません。

記録する情報も具体的に示されています。
原材料については、品名、仕入元の名称と所在地、生産者の名称と所在地、ロットが確認できる情報、仕入れ年月日を記録し、1年間保管することとされています5。
これだけの項目を求める理由は、後から遡るためです。
ある日の提供分に問題が起きたとき、同じ生産者・同じロットの原材料をどの日にどれだけ使ったのかを特定できなければ、影響の範囲を切り分けられません。
裏返せば、記録は納品時の確認の証拠であると同時に、遡って探すための索引でもあります。

実務で詰まりやすいのは、生産者名やロット情報が納品書に書かれていない場合です。
仕入元の名称と仕入れ年月日は納品書に載っていても、生産者やロットは箱の表示を見に行かないと分からない、という状態はよくあります。
ここを毎回現物から転記していると検収に時間がかかり、忙しい時間帯には省略されやすくなります。
納品書へのロット記載を業者に依頼する、あるいは定番品については生産者情報をあらかじめ台帳に持っておくといった形で、検収の場で書き写す量を減らしておくと続けやすくなります。
納品の時間帯そのものを調理のピークから外してもらう調整も、立ち会いを成り立たせるうえでは有効です。

小規模飲食店等の簡易な確認・記録

小規模な一般飲食店事業者向けの手引書では、受入時の確認はもっと簡潔な形で示されています。
原材料受入検査表という様式があり、輸送中のダメージの有無や、決められた保存温度で保管されていたかを確認し、その結果を「良」「否」で記録して確認者がサインする運用です4。
品名ごとに温度を測って数値を書き込むのではなく、確認したという事実と、その判断をした人が残る形になっています。

この簡潔さをどう受け止めるかで、運用の続き方が変わります。
項目が少ないぶん記入の負担は軽いのですが、「良」に丸を付ける作業だけが習慣になると、実質的な点検が抜け落ちていきます。
そこで効いてくるのが、「否」と判断したときに何をするかをあらかじめ決めておくことです。
その場で受け取らずに返すのか、いったん受け取って隔離し業者に連絡するのか、代替の食材をどう手配するのか。
ここが決まっていれば、判断に迷う場面が減り、担当者が替わっても対応が揃います。

もう一つ決めておきたいのが、誰がいつ立ち会うかです。
調理の合間に納品が重なると、荷物を受け取るだけになりがちです。
納品時間を業者と調整する、あるいは受入担当をシフトの中で決めておくと、確認の形が保たれます。
手引書の様式は最低限の枠組みなので、自店で扱う食材の性質に応じて、冷蔵・冷凍品については温度計で測って数値を残すといった上乗せをしても構いません。
大事なのは様式の見た目をそろえることではなく、届いた状態を誰かが確かめ、その結果が後から分かるようにしておくことです。

項目 小規模飲食店等 集団給食施設等
よりどころ 業界団体が作成し厚生労働省が確認した手引書 大量調理施設衛生管理マニュアル
納品時に見るもの 輸送中のダメージの有無と決められた保存温度での保管 品質・鮮度・品温(輸送中の温度管理を含む)・異物混入の有無
記録の形 原材料受入検査表に良・否で記録し確認者がサインする 点検した結果を記録する
記録する情報 品名と確認の結果 品名・仕入元の名称と所在地・生産者の名称と所在地・ロットが確認できる情報・仕入れ年月日(1年間保管)
受入で「否」となる前に、対応を取り決めておく
受入で「否」となる前に、対応を取り決めておく

発注先(仕入れ業者)の選定・評価基準への落とし込み

衛生面の選定基準

ここまでは、届いた食材をどう受け止めるかの話でした。
受入検収を整えても、そもそも状態の悪い食材が届き続けるなら、現場の負担は減りません。
そこで、確認した内容を発注先の選び方へ返していきます。

大量調理施設衛生管理マニュアルでは、施設の責任者は日頃から納入業者の情報収集に努め、品質管理の確かな業者から購入すること、納入業者が定期的に実施する微生物・理化学検査の結果を提出させること、そして不適と判断した場合には納入業者の変更等の措置を講じることが求められています5。
これは集団給食施設等における納入業者の選定・管理の場面を対象とした考え方です5。
注目したいのは、検査結果を受け取るところで終わらせず、不適と判断したときの措置までが一続きになっている点です。
検査結果を集めても、その結果をどう扱うかが決まっていなければ、書類が溜まるだけになります。

小規模な飲食店が同じ水準の検査結果提出を求めるのは、相手の負担も含めて現実的でない場合があります。
その場合でも、取り決めとして残せることはあります。
納品時の温度帯、納品の時間帯、欠品や品質に問題があったときの連絡経路と代替手配の扱い、といった項目です。
これらは検収での「否」が出たときに、その場で誰に何を言えばよいかを決めることでもあります。
また、この考え方は継続的な取引関係を前提にしたものなので、単発のスポット発注にはそのまま当てはめにくい面があります。
スポットで仕入れる場合は、受入時の点検を厚めにするなど、確認の重心を後ろに置く形で補うことになります。

表示面の選定基準

表示については、義務が食品関連事業者に課されている点1を踏まえて、取引条件に落とし込むのが実際的です。
納品される容器包装加工食品に義務表示事項が揃っているか、規格書を出してもらえるか、原材料や配合が変更されるときに事前に連絡が来るか。
この三つが揃っていれば、客からアレルゲンや産地について尋ねられたときに、手元の資料で答えられる状態を保てます。

逆に、規格書が出てこない、あるいは商品の仕様変更が事後にしか分からない取引先が混じっていると、その品目だけ毎回パッケージを確認する運用が残ります。
件数が少ないうちは回りますが、取扱品目が増えるほど確認漏れの入り口になります。
新規の取引を始めるときに規格書の提供可否を条件として確かめておくと、後から個別対応を積み上げずに済みます。

衛生と表示の両方を取引条件として書き出してみると、発注先を評価する軸が自然に定まってきます。
検査結果を出せるか、温度管理の約束を守れるか、規格書と変更連絡を出せるか。
これらは価格とは別の軸であり、価格だけで選んだ結果として検収と問い合わせ対応の手間が増えていないかを見直す材料にもなります。
発注先を変更する判断そのものは、代替の確保や供給量の事情を含めて総合的に決めることになりますが、判断の材料を検査結果や記録の形で持っておくことが出発点になります。

区分の判定、表示の確認、検収の記録、発注先の条件と見てきた内容を、現場で迷いやすい問いの形でもう一度たどっておきます。

発注先は価格に加え、検収と問い合わせに必要な条件で見る
発注先は価格に加え、検収と問い合わせに必要な条件で見る

制度が求める記録の項目までは資料で確かめられても、いまの発注と検収の流れのどこで同じ内容を書き写しているかは、実際の伝票と画面を見ないと切り分けられません。

発注書・納品書・検収記録がどの単位で分かれているかを一緒に洗い出し、記録として残すべき情報が途中で落ちていないかを確認できます。無料相談で要件を整理する

自施設に適用される衛生管理の枠組みを見分ける観点

規模、業種、調理の形態、参照できる手引書の有無という、枠組みの判定に関わる観点で並べています。

  • 食品等の取扱いに従事する者の数が、その事業場で50人未満かどうか
  • 業種が飲食店営業・喫茶店営業などの食品を調理する営業に当たるか、容器包装済み食品のみを販売しているか
  • 集団給食施設等として、同一の献立を大量に調理しているか
  • 業界団体が作成し厚生労働省が内容を確認した手引書が、自分の業種向けに用意されているか
  • 受入時の記録を、品名と良否で足りる形にするか、仕入元・生産者・ロットまで残す形にするか

同じ店舗でも、仕出しや施設給食の受託で同一献立を大量に調理する業務が加わると、見るべき基準は手引書から大量調理施設衛生管理マニュアルへ移ります。

要点の整理

軸 基準
適用される衛生管理の枠組み 食品等の取扱いに従事する者が事業場で50人未満なら小規模営業者等として手引書に沿った計画と記録、集団給食施設等の大量調理なら大量調理施設衛生管理マニュアル
表示の確認範囲 一般消費者向けに販売される容器包装加工食品が義務表示の対象。外食での提供は対象外で任意表示
納品時に見るもの 集団給食施設等は品質・鮮度・品温・異物混入、小規模飲食店等は輸送中のダメージと保存温度
記録に残す情報 集団給食施設等は品名・仕入元・生産者・ロット・仕入れ年月日を1年間保管、小規模飲食店等は受入検査表に良否と確認者
発注先の評価 微生物・理化学検査結果の提出と、不適と判断したときの業者変更等の措置。表示面は規格書の提供と原材料変更時の事前連絡

仕入れ先ごとに納品書の書式も、ロットや産地の記載の有無も違うため、自社で記録の様式を決めても運用が揃わないことがあります。 取引先ごとの納品書の違いを前提に、受入検収で書き写す項目をどこまで減らせるか、業者へ何を依頼すれば記録が揃うかを具体的に相談できます。

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よくある質問

仕入れ業者を変更した場合、表示内容や衛生証明はどこまで再確認すべきか

商品名や見た目が同じでも、製造者が変われば原材料の配合も、アレルゲンの有無も、原料原産地も別の内容になり得ます。
容器包装加工食品の表示は製造者が作るものなので6、新しい取引先から入る品目は初回納品ではなく発注前に規格書を取り寄せ、原材料名の並び、アレルゲン、原料原産地名を突き合わせるのが確実です。
衛生面では、継続取引を前提に微生物・理化学検査の結果を提出してもらう考え方が示されているため5、切り替えのタイミングで最新の結果を受け取り、あわせて納品温度帯や納品時間の取り決めもし直しておくと、検収の基準が前の業者のままになる事態を避けられます。

小規模飲食店が将来的に集団給食施設のような大量調理を始める場合、基準はどう変わるか

食品等の取扱いに従事する者が事業場で50人未満であれば小規模営業者等として手引書に基づく衛生管理計画と記録が求められますが3、集団給食施設等として大量調理を行う施設は大量調理施設衛生管理マニュアルの対象になります5。
受入の場面で最も変わるのは記録の細かさで、品名と良否の確認から4、品名・仕入元の名称と所在地・生産者の名称と所在地・ロットが確認できる情報・仕入れ年月日を残す形へ移ります5。
どの規模から対象になるかの具体的な目安はマニュアル本文に示されているため、事業を始める前に原典と管轄の保健所の案内で確かめてください。

受入検収の記録は紙ではなく電子データで保存してもよいか

今回参照した資料の範囲では、記録の媒体を紙に限る、あるいは電子で差し支えないという記述までは確認できていません。
確認できているのは、集団給食施設等では品名・仕入元・生産者・ロット情報・仕入れ年月日を記録して1年間保管すること5、小規模な一般飲食店事業者向けの手引書では原材料受入検査表に良・否で記録して確認者がサインする運用が示されていること4です。
つまり求められているのは項目と保管であり、媒体の可否は自分の業種向けの手引書と管轄の保健所に確認するのが確実です。
電子で残す場合は、確認者が誰かが後から分かる形と、1年間さかのぼって探し出せる形を保てるかを判断の軸にしてください。

原材料に複数の原産国が混在する場合、原料原産地表示はどう扱われるか

国内で製造・加工された加工食品では、対象原材料の原産地が国別重量順で表示され、原産国が3か国以上になる場合は上位の国を表示して3か国目以降を「その他」とまとめることができます2。
そのため、表示欄を読むだけでは実際に使われているすべての原産国が分からない場合があります。
産地について客や取引先に説明する必要がある品目では、表示欄ではなく規格書の形で原産地の情報を出してもらうことになります。
なお、輸入品はこの制度の対象外で2、原産国名の表示で製造国を確かめる形になります6。

納入業者の微生物検査結果に問題があった場合、発注側はどう対応すべきか

大量調理施設衛生管理マニュアルでは、納入業者が定期的に実施する微生物・理化学検査の結果を提出させ、不適と判断した場合には納入業者の変更等の措置を講じることが求められています5。
実務としては、まず該当する品目とロットが自施設の在庫や仕込みに含まれていないかを切り分け、使用の可否を決めるところから始まります。
ここで受入検収の記録に仕入元・生産者・ロット・仕入れ年月日が残っていれば5、どの日の納品分までさかのぼるかを判断できます。
そのうえで、業者から原因と再発防止の説明を受け、改善が見込めるのか、取引そのものを見直すのかを判断する流れになります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」(2026年)
  2. 2 出典:消費者庁「新たな加工食品の原料原産地表示制度に関する情報」(2021年)
  3. 3 出典:厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(2021年)
  4. 4 出典:公益社団法人日本食品衛生協会「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」(2024年)
  5. 5 出典:厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」(2017年)
  6. 6 出典:消費者庁「食品表示ガイド早わかり」(2025年)

画像の出典元

  1. vegetables, market, fruit, healthy, food, potatoes, close-up, meal, purchasing, tomatoes, carrot, radish, yellow/moritz320 on Pixabay

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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