◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 当日出荷の受注締切は、配送業者から指定される集荷時刻から、締切後に入る注文を含めた出荷準備の所要時間を差し引いて決める。
- 締切を見直した2社はいずれも配送業者からの集荷時間の前倒しが引き金で、14時から12時(正午)へ、13時または14時から13時へと早い側にそろえていた。医療関連商材の事例であり、時刻そのものは他業種へ一般化できない。
- 地域や部署で締切がばらついている場合は一本化すると、案内文・受注システムの判定・問い合わせへの回答が同じ基準で済む。
- 締切で確保できるのは処理のための時間であって件数は減らないため、輸送網の集約や輸配送の共同化など、物流効率化法が支援対象とする取組を並行して検討する。
- 告知は変更の理由と実施日を明示し、受注分で区切って相手の発注サイクルが一巡する前に出す。契約に締切や納期が定められている場合は個別の協議になる。
目次

多頻度小口配送はなぜ配送側の負担になるのか
「14時までのご注文は当日出荷」と案内してきたのに、13時を過ぎても仕分けが終わらず、集荷便に間に合わない日が増えてきた——多頻度小口の注文が続くと、まずここで無理が出ます。
そこで変えられるのは、注文をどこで区切るかです。
当日出荷の受注締切時刻は、自社の都合ではなく、配送業者から求められる集荷時間と、庫内作業に実際かかる時間から逆算して決めます。
実際に締切を見直した企業では、配送業者からの集荷時間の前倒し要請が引き金になり、地域や部署でばらついていた締切を一本化する判断も併せて行われていました。
それでも件数の増加を吸収しきれない場合は、輸送網の集約や輸配送の共同化といった、物流効率化法が支援対象としている取組と組み合わせて考えます。
締切を動かすときは、変更の理由と実施日を明示して事前に伝えることが、取引先との調整の出発点になります。
トラック輸送能力の不足見通し
件数は増えているのに、出荷量の合計はさほど変わっていない——多頻度小口化が始まったとき、数字の上ではこう見えることがあります。
売上や出荷個数で物流を管理していると負担の増加が見えにくく、現場の残業や集荷待ちという形で先に表れます。
何が増えているのかを先に押さえておくと、締切をどう動かすべきかの判断もぶれません。
注文が細かくなっても、1件あたりに必ず発生する作業は減りません。
出荷指示の確認、棚からの取り出し、検品、梱包、送り状の発行、方面別の仕分け——この一連は、1件に10点入っていても1点しか入っていなくても、件数の数だけ繰り返されます。
つまり多頻度小口化は、出荷金額や出荷量が変わらなくても作業時間だけが伸びる形で効いてきます。
1日に数十件増えれば、その分の作業時間は締切から集荷までの限られた時間帯に上乗せされます。
さらに、注文の入り方には時間の偏りがあります。
取引先の発注業務も在庫確認や社内承認を挟むため、締切の直前に注文が寄ることがあります。
1日の合計件数が同じでも、締切前の1時間に大半が入るのと、午前中から分散して入るのとでは、庫内の作業の組み方はまったく違います。
当日中に全件を配送しきれないという詰まり方をしているとき、原因が総量なのか時間の偏りなのかは、分けて見る価値があります。
輸送の側でも同じ「件数の増加」が別の形で表れます。
小さな荷物が方面ばらばらに増えると、方面別にまとめても荷台が埋まりきらないまま便を出すことになり、便数だけが積み上がります。
庫内は作業時間、輸送は積載効率という二つの経路で負担が増えるため、片方だけを改善しても「回りきらない」感覚が残りやすくなります。
この負担が自社の段取りだけの問題ではないことは、輸送力の見通しからも読み取れます。
国土交通省関東運輸局は、2024年4月からの時間外労働上限規制の適用等を背景とした物流の2024年問題として、対策を行わなかった場合に営業用トラックの輸送能力が2024年時点で約14%、2030年時点で約34%不足するおそれがあるとしています1。
これは営業用トラック輸送全般を対象とした業種横断の見通しであり、この数字から自社の負担がどれだけ増えるかを読み取れるわけではありません。
ただし荷物を運んでもらう側として、集荷や配送の条件が今までどおり続く前提は置きにくい、という材料にはなります。
出典:国土交通省関東運輸局「物流の2024年問題に対する関東運輸局の取組」/営業用トラック輸送全般を対象とした業種横断の見通し、対策を行わなかった場合の推計
多頻度小口輸送の進展という制度上の位置づけ
多頻度小口化そのものも、制度の側では前提として扱われています。
国土交通省は、荷主や消費者ニーズの高度化・多様化による多頻度小口輸送の進展等に対応するため、流通業務の効率化に向けた取組を支援しています2。
取引先の発注が細かくなること自体は、支援の枠組みが想定している変化であり、受注担当や庫内の頑張りだけで押し返す前提では設計されていません。
この位置づけから、対策の考え方が一つ決まります。
締切時刻の見直しは、増えた件数を限られた時間へ押し込まないための時間配分の調整であって、件数そのものを減らす手段ではありません。
時間配分の調整で足りるのか、輸送の組み方まで変える必要があるのかを分けて考えると、次に何へ手を付けるかが決めやすくなります。
まずは手持ちの選択肢を並べ、どれが自社の判断だけで動かせるのかを確かめるところからです。
負担を抑える対策にはどのような選択肢があるか
対策を探すときは、注文の入り方に手を入れるものと、輸送の組み方に手を入れるものを分けると整理できます。
前者の代表が、当日出荷の受注締切時刻の設定や統一です。
自社の庫内作業と集荷時間の関係で決められ、取引先へ告知すれば実施日以降の受注分から運用が変わります。
後者は、拠点や経路をまとめる輸送網の集約、輸送手段を切り替えるモーダルシフト、他社と積み合わせる輸配送の共同化などで、いずれも社外の相手や拠点・設備の条件がそろって初めて動き出します。
後者の取組は、物流効率化法が流通業務の効率化の手段として位置づけ、計画の認定を受けた事業者に税制特例や補助、資金の貸付等の支援を用意しています2。
ただし支援を受けるには法に基づく計画認定等の手続きが必要で、どの取組がどの条件で対象になるかは個別に確認することになります。
公表資料から分かるのは対策の区分と支援の枠組みまでで、どの取組が自社でどれだけ効くかは、扱う商材や配送先の分布によって変わります。
どちらから手を付けるかは、いま何が足りていないかで変わります。
締切の直前に注文が集中し、その処理が集荷時刻を越えてしまうなら、詰まっているのは時間配分です。
一方、荷台が埋まらないまま便数だけが増えているのであれば、注文を受ける時刻をずらしても積載の問題は残ります。
前者は締切の設定で扱える範囲ですが、後者は輸送の組み方そのものを変えないと動きません。
この二つが同時に起きていることもあります。
その場合でも、自社の判断だけで決められる締切の見直しは先に着手でき、相手先との調整が必要な取組はその間に検討を進められます。
どちらを選ぶかという二者択一ではなく、効き始めるまでの時間が違う対策を重ねていく、という見方のほうが実態に合います。
そこで次は、その締切をどこに置くのかを根拠を持って決める話に進みます。
締切時刻はどのような基準で設定すればよいか
集荷時間の前倒し要請という制約
締切時刻は、自社の都合だけでは決められません。
出口にあたる集荷時刻が先に決まっていて、そこから逆算した残り時間の中に、受注処理から出荷準備、積み込みまでを収める必要があるためです。
決める順序は、配送業者から指定されている集荷時刻を確認する、締切後に入る注文まで含めた出荷準備に何分かかるかを把握する、その差から締切を置く、という流れになります。
実際に、この集荷時刻の側が動いたことをきっかけに締切を見直した例があります。
医療用包帯・ギプス材料等を国内自社工場で製造・販売する日本衛材は、物流業界のドライバー不足により配送業者から集荷時間の前倒しを強く要請されたこと、出荷量の増加で円滑な出荷対応の継続が難しくなったことを理由に、当日出荷の受注締切を14時から12時(正午)へ、2024年4月1日受注分より早めています3。
2時間の前倒しは受注の現場から見れば小さくない変更ですが、集荷が早まった分をそのまま締切へ反映した形です。
集荷条件が変わったときに締切が動くのは、自社の作業が遅いからではなく、逆算の起点が動いたからだと整理できます。
ここで自社が把握しておきたいのは、平均ではなく混み合う日の実態です。
締切の直前と直後にどれだけ件数が入るか、その山を処理し終えるまでに何分かかるかで、置ける締切は変わります。
締切を遅くするほど当日出荷に載せられる注文は増えますが、載せた分の作業が集荷時刻を越えれば、結局その日のうちには出ません。
締切を早めることで確保できるのは、この「越えない」ための余裕です。
逆算に使う数字は、出荷指示を出してから積み込みが終わるまでの実測で足ります。
特別な調査をしなくても、繁忙日に出荷指示の時刻と積み込み完了の時刻を数日分並べれば、必要な余裕の幅は見えてきます。
そこに締切後の受注を止める時間を足したものが、集荷時刻から差し引くべき所要時間になります。
地域・部署ごとの締切のばらつきを解消する判断
締切の水準と同じくらい効いてくるのが、社内で締切がそろっているかどうかです。
末梢血管インターベンション等の医療機器を販売するセンチュリーメディカルは、出荷地域または担当部署により13時または14時となっていた受注締切を、2024年より13時へ統一しました4。
理由として挙げられているのは、物流業界の労務管理とサービスの安定供給維持のため、配送業者の集荷締め切り時間が早まっていることです4。
締切がばらついていると、負担は受注の現場に出ます。
取引先や地域ごとに締切が違えば、受注担当は相手ごとの時刻を確かめてから当日出荷の可否を答えることになり、締切をまたいだ注文の扱いも判断する人によって揺れやすくなります。
取引先の側も、自社に適用される締切を取り違えたまま発注してしまうことがあります。
一本化すれば、案内文も、受注システムの当日出荷判定も、電話での回答も同じ基準で済みます。
2社に共通しているのは、見直しの引き金が自社の作業効率ではなく、配送業者からの集荷時間の前倒しだったことです。
締切を検討するとき、最初に確認したいのが集荷条件の変更通知である、という順序はここから読み取れます。
一方で、いずれも医療関連商材を扱う製造・販売の企業であり、12時や13時という時刻がそのまま他の業種の適正値になるわけではありません。
参考にできるのは決め方であって、時刻そのものではない、という線引きで見るのが安全です。
| 企業 | 変更前 | 変更後 | 適用開始 | 告知された理由 |
|---|---|---|---|---|
| 日本衛材(医療用包帯・ギプス材料等の製造販売) | 14時 | 12時(正午) | 2024年4月1日受注分 | 配送業者からの集荷時間前倒しの要請と出荷量の増加 |
| センチュリーメディカル(末梢血管インターベンション等の医療機器販売) | 13時または14時(出荷地域・担当部署により異なる) | 13時に統一 | 2024年5月1日受注分 | 配送業者の集荷締め切り時間の前倒し |
2社とも、ばらついていた締切や従来の締切を早い側へ寄せています。
ただし早い側へそろえれば、取引先が当日出荷を受けられる発注可能時間はその分短くなります。
どこまで早めるかは、集荷時刻という動かしにくい条件と、取引先の発注業務の実情との間で決める話になります。
自社の作業時間に余裕がある地域まで一律に早めるのか、集荷が早い地域の水準に合わせて統一するのかは、案内と運用のわかりやすさをどれだけ優先するかで判断が分かれます。
締切設定だけで対応しきれない場合、他の対策とどう組み合わせるか
締切を早めても、入ってくる注文の件数そのものは変わりません。
確保できるのは処理のための時間であって、処理できる量が増えるわけではないためです。
件数が増え続ければ、前倒しでつくった余裕はいずれ埋まります。
また、当日出荷に載らなかった注文は翌日へ回るため、取引先の発注が締切の直前に寄りやすくなる面もあります。
そこで並行して検討するのが、輸送の組み方を変える取組です。
輸送網の集約は出荷拠点や経路をまとめることを、輸配送の共同化は他社の荷物と積み合わせることを、モーダルシフトはトラック以外の輸送手段へ一部を移すことを狙う取組で、いずれも物流効率化法が流通業務の効率化の手段として位置づけ、認定を受けた計画に税制特例や補助、資金の貸付等の支援があります2。
どれも、相手先や拠点、設備の条件がそろって初めて成立するという共通点があります。
組み合わせ方は、効き始めるまでの時間で考えると整理できます。
締切の見直しは告知した実施日以降の受注から効きますが、共同化や集約は相手の選定、荷姿や納品条件の擦り合わせ、必要に応じた計画認定の手続きを挟みます。
先に締切で当面の当日出荷を成立させ、その間に社外と組む取組の検討を進める順序であれば、どちらかの結論を待って立ち止まる必要がなくなります。
ただし、これらの取組でどれだけ負担が下がるかは、扱う商材、配送先の分布、拠点の配置によって変わります。
制度資料から確認できるのは、こうした取組が効率化の手段として位置づけられ、認定を受けた計画に支援があるところまでです2。
共同配送を検討する段階では、同じ方面へ出荷している相手がいるか、荷姿や納品条件、伝票の運用が合うかといった前提の確認が先に来ます。
検討を始める前に、どの方面の便がどれだけ埋まっていないのかを自社で説明できる状態にしておくと、相手先との話も進めやすくなります。
締切の見直しと並べて決めておきたいのが、締切後に入った注文をどう扱うかという運用です。
翌日出荷へ回すのか、条件付きで当日扱いにするのかを決めていないと、締切を早めた効果が例外対応で薄まります。
ここは制度や他社の事例ではなく、自社が取引先に約束している納期条件から決まる部分です。
例外を認める場合も、誰が判断するのか、集荷時刻までに間に合う件数の上限をどう見るのかまで決めておかないと、締切を動かした意味が残りません。
取引先への周知・調整はどう進めればよいか
締切を動かすとき、取引先から見れば自分の発注業務の段取りが変わります。
発注担当の社内承認のタイミングや、発注システムの送信時刻を合わせ直す必要が出てくるためです。
だからこそ告知は、決まったことの報告ではなく、相手が準備するための材料として出すことになります。
先に挙げた2社の告知は、いずれも変更の理由と実施日を明示した形をとっていました。
日本衛材は集荷時間の前倒し要請と出荷量の増加を理由として示し、2024年4月1日受注分からの適用としています3。
センチュリーメディカルも、配送業者の集荷締め切り時間の前倒しを理由に挙げ、2024年5月1日受注分からの適用としています4。
確認できるのはこの2社の告知に共通する形までですが、理由と実施日の二つが書かれていれば、受け取る側は「なぜ」と「いつから」を問い合わせずに済みます。
実施日を受注分で区切っているのは、境界の扱いを一つに定めるためです。
出荷日で区切ると、実施日の前日に受けた注文が新しい締切の対象になるのかどうかで解釈が割れます。
受注日で区切れば、取引先が発注した時点でどちらのルールが適用されるかが決まります。
告知文の一行の書き方ですが、実施直後の問い合わせの量はここで変わります。
出典:日本衛材株式会社「受注締切時間変更の御案内」、センチュリーメディカル株式会社「当日出荷受注締め切り時間変更のお知らせ」に共通していた告知の組み立てによる
告知の後に来る問い合わせは、ある程度予想できます。
締切を過ぎた注文は翌日出荷になるのか、急ぎの場合に例外はあるのか、実施日をまたぐ定期の発注はどちらの締切で扱うのか、といった内容です。
これらの答えを受注担当の間で先にそろえておくと、回答が人によって変わることを避けられます。
統一した締切を案内した直後に担当者ごとの例外運用が出てしまうと、一本化した基準が形だけになります。
出すタイミングは、相手の発注サイクルが一巡する前が目安になります。
週に一度まとめて発注している取引先であれば、次の発注日が来る前に手元へ届いている必要があります。
告知から実施日までの間隔をどれだけ取るかに決まった正解はありませんが、相手が発注の時刻を直す作業を挟むことを前提に逆算すると、直前の通知では足りないことがわかります。
なお、告知だけで足りるかは契約の形によります。
取引基本契約や個別の取引条件に受注締切や納期が書かれている場合、変更は一方的な告知ではなく個別の協議になります。
2社の例から言えるのは告知文の組み立て方であって、どの取引先にも一斉の案内で足りるという話ではありません。
主要な取引先については、告知を出す前に担当営業から事情を伝えておくかどうかも、関係の深さに応じて判断が分かれるところです。
社内では、受注、庫内、配送手配の担当が同じ締切を見ている状態にしておく必要があります。
受注システムの当日出荷判定、注文書や案内文の記載、電話で答える時刻がずれていると、統一したはずの締切が運用上はばらついたままになります。
締切の変更は、案内を出して終わりではなく、社内の設定と案内物をどこまで直したかを確かめて完了します。
締切の置き方と伝え方が決まったら、残るのは手元の対策をどの順で進めるかです。
締切を何時に置くかは、集荷時刻と庫内作業の実態がそろって初めて決まりますが、受注から出荷指示までのどこで時間が溶けているかは、日々の運用の中では見えにくいところです。
受注の入り方と出荷準備の流れを一緒に洗い出せば、締切を前倒しすべきなのか、受注処理の手順を変えれば足りるのかを切り分けられます。無料相談で要件を整理する
負担を抑える対策を、自社だけで決められるかどうかで並べる
自社の運用だけで決められるか、社外の相手や制度の手続きを挟むかという実行主体の違いで並べています。
- 当日出荷の受注締切時刻の設定・統一:集荷時刻と庫内作業の所要時間から自社で決められ、告知した実施日以降の受注分から運用が変わる
- 輸送網の集約:拠点や経路をまとめる取組で、物流効率化法が流通業務効率化の手段として位置づけ、認定を受けた計画に支援がある
- 輸配送の共同化:他社の荷物と積み合わせる取組で、同じく支援の対象に位置づけられ、相手先との条件の擦り合わせが前提になる
- モーダルシフト:トラック以外の輸送手段へ一部を移す取組で、同じく支援の対象に位置づけられている
効き始めるまでの時間で見ると、締切の見直しは次の受注分から、集約や共同化は相手先の選定と条件調整、必要に応じた計画認定を挟む分だけ先になります。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 締切を決める起点 | 配送業者から指定される集荷時刻から逆算する |
| 締切の幅 | 締切後に入る注文まで含めた出荷準備の実所要時間で決める |
| 社内のばらつき | 地域・部署で締切が違う場合は、早い側の集荷条件に合わせた一本化を検討する |
| 締切で足りない場合 | 輸送網の集約・輸配送の共同化・モーダルシフトを並行して検討する(計画認定で支援あり) |
| 取引先への告知 | 変更の理由と実施日を明示し、受注分で区切って事前に伝える |
締切を統一しても、受注システムの当日出荷判定、案内文、電話での回答がそろっていなければ、運用上はばらついたままになります。 現在の受注の流れと出荷までの手順を共有いただければ、締切の変更に合わせてどの設定と案内を直す必要があるかを整理できます。
よくある質問
締切時刻を早めると欠品や在庫リスクは増えないか
締切を早めても、取引先がその日に必要とする量が変わるわけではありません。
変わるのは、締切を過ぎた注文が当日出荷に載らず翌日以降の到着になる点です。
そのため取引先の側では、これまでと同じタイミングで発注すると手元に届くのが1日遅れることになり、発注を早めるか、手元の在庫を少し厚く持つかの調整が必要になります。
だからこそ告知では理由と実施日を明示し、相手が発注時刻を直すための時間を残すことが実務上の要になります。
緊急時に例外を設けるかどうかは、自社が取引先に約束している納期条件から判断する部分です。
取引先ごとに異なる締切時刻を設定してもよいか
取引条件や出荷元の違いから、結果的に締切が分かれること自体はあり得ます。
ただし運用の負担は確実に増えます。
センチュリーメディカルは、出荷地域または担当部署により13時または14時となっていた締切を、配送業者の集荷締め切り時間が早まっていることを理由に13時へ統一しました4。
分けたままにするなら、受注担当が相手ごとの締切を確実に参照できる状態と、締切をまたいだ注文の扱いを誰が判断するかを決めておく必要があります。
それを維持できないなら、早い側の集荷条件に合わせて一本化したほうが、案内も回答もそろいます。
締切変更後も配送遅延が解消しない場合はどうすればよいか
締切は時間配分の調整なので、件数の多さや積載効率の低さには直接効きません。
まず、庫内の作業が集荷時刻を越えているのか、便が埋まらないまま本数が増えているのかを分けて見ます。
前者であれば、締切後に入る注文の処理時間を含めて逆算し直せているか、集荷時刻がさらに前倒しされていないかを確認する余地があります。
後者であれば、輸送網の集約や輸配送の共同化といった、輸送の組み方を変える取組の検討に移る段階です2。
どちらの取組も効果の大きさは自社の配送先分布や荷姿によって変わるため、前提の確認から始まります。
共同配送を検討する際、社内でどの部署が窓口になるか
どの部署が担当すべきかを定めた決まりはありません。
公表資料から確認できるのは、物流効率化法の支援を受けるには法に基づく計画の認定等の手続きが必要だという点です2。
実務としては、配送業者との契約条件や便ごとの積載の実態を把握している部署と、拠点や設備への投資判断と申請を扱う部署の双方が関わることになります。
着手の起点になりやすいのは、どの方面の便がどれだけ埋まっていないかを数字で出せる担当です。
その材料がないまま相手先を探しても、積み合わせられるかどうかの判断ができません。
- 1 出典:国土交通省関東運輸局「物流の2024年問題に対する関東運輸局の取組」(2026年時点公開)
- 2 出典:国土交通省「物流効率化法に基づく支援」(2026年時点公開)
- 3 出典:日本衛材株式会社「受注締切時間変更の御案内」(2024年)
- 4 出典:センチュリーメディカル株式会社「当日出荷受注締め切り時間変更のお知らせ」(2024年)
画像の出典元
- A delivery worker efficiently loads cardboard boxes into a vehicle for shipment./Photo by Norma Mortenson on Pexels