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伝票電子化、取引先への移行はどの順番で進める?発注側が確認すべき準備と対応

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 電子で伝票を送り始める前に、自社の保存場所と取り出し方を確定させる。基準期間の売上高が5,000万円以下なら検索要件は不要で、超える場合は取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる形が必要になる。
  • 取引先の対応可否の確認は自社の要件確定と並行して早期に始める。回答が揃うまでに時間がかかるうえ、対応できない相手が出ると必要な仕組みの条件そのものが変わるため。
  • 断られたときは理由を費用・人手・社内手順に切り分ける。費用が理由なら、受注側にアカウントを無償で発行・利用させられるクラウド型ソフトウェアが補助の対象になっている点を使える。
  • 移行期は取引先ごとの送付方法と切替日を台帳で管理し、電子で送った分と紙のままの分で保存を分ける。切替日の記録が、後から保存先をたどる手がかりになる。
  • 紙だけでやり取りしている取引分の扱いは本記事の資料では確認できていないため、自社の保存方法が要件を満たすかは公表資料や所轄税務署で確認する。

30代前半の日本人男性が町工場の事務での発注をしている場面

伝票電子化、社内準備と取引先への依頼はどちらが先か

取引先ごとに発注書を印刷して郵送やFAXで送っている作業を減らそうと電子化の話を進めると、たいてい「先に自社のシステムを整えるのか、先に取引先へ依頼するのか」で手が止まります。
順番としては、自社が電子データで送った伝票を保存し、後から取り出せる形を先に決めるのが基本です。
電子取引データ保存の義務化は2024年1月に始まっており1、電子で送り始めた時点から保存の責任は発注側に生じるためです。
ただし取引先の可否確認まで後回しにすると移行全体が遅れるので、自社の仕組みを固める作業と並行して着手します。
対応が難しい相手には、費用負担を抑えられる補助対象の仕組みや、紙と電子を併存させる期間という選択肢があります。

自社の保存準備と取引先確認を進める順番(模式図)
自社の保存と検索の形を確定させる工程と、取引先への確認を並行して進める位置を示した図

電子取引データ保存制度で自社に求められる検索・保存要件

電子化の検討を始めると、まず具体的に見えてくるのは「どうやって送るか」のほうです。
メールにPDFを添付するのか、取引先にログインしてもらって画面上で受け取ってもらうのか、という話から入る場合が多いと思います。
ところが送り方だけを決めて運用を始めると、後から詰まるのは受け渡しではなく保存のほうです。
発注側が電子データとして発注書や注文書を送った場合、そのデータは送った側でも保存の対象になります。
財務省の広報誌では、電子取引データ保存の義務化が令和6年、つまり2024年1月に始まったことが示されています1。

保存で求められる形のうち、実務に直結するのが検索の要件です。
検索要件は取引年月日・取引金額・取引先の3つから構成されている、と整理されています1。
言い換えると、保存したデータをこの3つの手がかりで取り出せる状態にしておく、ということです。
ここが後から効いてきます。
たとえば電子送付に切り替えたものの、送った記録が担当者のメール送信済みフォルダにしか残っていない状態を想像してみてください。
件名が「発注書の件」だけなら取引先名で確実に絞り込めるとは限りませんし、金額で探すことはまずできません。
送る仕組みは動いているのに、保存の要件は満たせていない、という状態が切替の翌月から続くことになります。

だからこそ、順番としては自社側の保存の形を先に確定させることになります。
保管場所をどこにするか、3項目で取り出せる状態をシステムの機能で担保するのか、ファイル名や台帳の付け方といった運用で担保するのか。
取引先へ「何月から電子に切り替えます」と案内を出す前に、自社で決めておくべきことがこれだけあります。
案内を出してしまうと切替日が先に動き出し、保存の設計を落ち着いて詰める時間が取りにくくなります。

検索要件が免除される条件を確認する

ただし、すべての事業者が同じ検索の仕組みを用意する必要はありません。
税務職員から求められた電子取引データのダウンロードに対応できることを前提に、基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下なら、検索要件の充足は不要になります。
売上高がこの基準を超えていても、データを出力した書面を日付と取引先ごとに整理し、提示・提出できるようにしている場合は、同じく検索要件が免除されます1。
売上高だけで判断せず、データの提出に対応できるか、書面の整理による条件に当てはまるかまで確認します。
検索要件の免除は、電子データの保存や改ざん防止など、ほかの保存要件まで免除するものではありません。該当しない場合は、適用される検索要件を満たす保存方法を整えます1。

そのため、社内準備の最初の一手は、送付方法の選定ではなく、自社がこの基準のどちら側にいるかの確認になります。
売上高の判定は税務上の区分に沿うものなので、経理の担当や顧問の税理士と確認しておくほうが確実です。
なお、検索要件が不要な場合でも、電子でやり取りしたデータを保存すること自体が免除されるわけではありません。
免除されるのは検索の要件であって、保存の必要性ではない、という区別は押さえておきたいところです。

一方で、取引先への確認まで自社の要件が固まるのを待つ必要はありません。
むしろ待つと移行全体が遅れます。
取引先が10社なら回答が揃うまで数週間で済むかもしれませんが、30社50社となると、担当者不在や社内検討を挟んで見通しが立ちにくくなります。
さらに、「うちは電子では受けられない」という回答が出た時点で、自社が選ぶ仕組みに新しい条件が加わります。
取引先にアカウントを無償で使ってもらえる形が必要なのか、当面は紙の送付も続けられる体制が必要なのか、という条件です。
つまり、保存要件の確定を先行させつつ、取引先の意向確認は早い段階で並行して走らせる、という進め方になります。

検索要件の免除を判断するときの確認事項(模式図)
データ提出への対応、売上高または書面整理の条件、ほかの保存要件を順に確認する図

出典:財務省「ファイナンス」2024年8月号 電子取引データ保存の検索要件

取引先が電子化に対応できない場合の選択肢

取引先から電子化を断られたときの理由別の対応(模式図)
断られた理由を費用・人手・手順に分けてから対応を選ぶ流れを示した図

進んでいないのは取引先だけとは限らない

移行の相談では「うちは準備できているが、取引先がついてこない」という前提で話が始まることがあります。
ただ、2021年度の調査を引用した資料を見ると、電子受発注への対応は発注側のほうが低い割合で報告されています4。
受注側にも未対応の企業は残っていますが、発注する側も足並みが揃っていたわけではない、という状況です。
この数値の内訳と読むときの条件は、記事の後ろに整理しています。

この前提を持っておくと、取引先への依頼の立て方が変わります。
「業界ではもう当たり前なので合わせてください」という説明は、相手が同じ認識を持っていなければ反発を招くだけです。
それよりも、自社もこれから整える側であることを前提に、いつから何をどう変えるのか、先方に何をしてもらう必要があるのかを具体的に伝えるほうが話が進みます。
相手にとって知りたいのは、業界の趨勢ではなく、自社の担当者の作業がどう変わるかだからです。

コスト負担が障壁になりやすい理由

取引先から返ってくる反応は、大きく分けると「今のやり方で困っていない」「人手が足りない」「費用がかかる」のいずれかに寄ります。
このうち費用については、東京商工会議所の調査で、中小企業のデジタルシフト・DXの課題として「コスト負担」が31.9%で最多となっています2。
これはDX全般についての課題であって、伝票の電子化に限定した数値ではありません。
それでも、費用が上位に来やすいという傾向は、依頼の組み立てを考えるうえでの目安になります。

受注側から見た費用の中身は、ソフトの利用料だけではありません。
初期の設定作業、既存の受注処理の手順を変える手間、社内で使い方を教える時間も含まれます。
さらに、取引先が複数の発注元からそれぞれ別の仕組みを求められている場合、画面の使い分けが積み上がります。
こちらは「1社分増えるだけ」と考えていても、先方にとっては何社目かの仕組みです。
同じ依頼でも、相手が置かれている状況によって重さがまるで違います。

ですから、断られたときに聞き取るべきは、理由が費用なのか、人手なのか、社内の手順なのかという切り分けです。
費用が理由なら、次に触れる補助の仕組みが選択肢になります。
人手や手順が理由なら、移行時期を後ろにずらす、当面は紙の送付を続ける、先方の繁忙期を避けて切り替える、といった別の手当てになります。
理由を確かめないまま「補助金があります」と返しても、相手の困りごとには届きません。

無償アカウント提供が可能な補助金の活用

費用が理由の場合に使える制度があります。
デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠(電子取引類型)では、取引関係における発注側の事業者がITツールを導入し、受注側の事業者にアカウントを無償で発行・利用させることのできる機能を有するクラウド型ソフトウェアが補助の対象とされています3。
取引先に費用を求めずに使ってもらう形が、制度の側であらかじめ想定されている、ということです。

補助の水準は、中小企業・小規模事業者等で補助率2/3以内3、補助額は下限なしから350万円以下とされています3。
これは2026年8月28日時点の公募要領に基づく内容で、対象となる事業者や枠の要件を満たす場合に限られます。
公募は回次で区切られ、要件も改定されることがあるため、申請を前提に動くなら最新の公募要領で確認するのが前提になります。

この仕組みを押さえておくと、取引先への打診の文面が変わります。
「御社でシステムをご用意ください」ではなく、「こちらで用意した画面を無償で使っていただけます」と伝えられるからです。
ただし、無償になるのはアカウントの費用であって、先方の社内で発生する作業まで消えるわけではありません。
受け取った発注データを確認し、自社の受注管理や基幹システムに取り込む部分は残ります。
そこを「タダで使えますから」の一言で流してしまうと、切替後に先方の担当者が詰まります。
費用の手当てと、作業の変わり方の説明は、分けて伝えたほうが話が通ります。

項目 内容
対象となるソフトウェア 発注側が導入し、受注側にアカウントを無償で発行・利用させられる機能を持つクラウド型
補助率(中小企業・小規模事業者等) 2/3以内
補助額 下限なし~350万円以下
無償アカウント提供が可能な補助金を検討する流れ(模式図)
費用面の課題を確認し、公募要領と対象条件を調べて利用条件を取引先へ伝える流れ

紙と電子の伝票が混在する移行期間はどう運用するか

紙と電子の伝票が混在する移行期間の段階(模式図)
移行前・移行期・移行後で伝票の送付方法と保存方法がどう変わるかを示した図

取引先ごとの電子化状況を管理する台帳

移行は一斉には終わりません。
取引先が30社あれば、ある月は12社が電子、18社が紙、という状態が数か月単位で続きます。
このとき発注担当が困るのは、発注のたびに「この取引先は電子だったか、紙だったか」を思い出さなければならない状況です。
思い出せなければ過去の送信履歴やメールを遡ることになり、1件あたりは短時間でも、月の発注件数の分だけ積み上がります。
しかも判断を間違えると、紙のままの取引先にデータだけ送って気づかれない、逆に切替済みの相手に紙を送って二重になる、といった行き違いにつながります。

ここは編集部としての提案になりますが、取引先ごとの状況を一箇所にまとめた台帳を用意しておくと、この確認の起点が一つに定まります。
持っておきたいのは、取引先名、現在の送付方法、切替予定日または切替日、先方の担当者と連絡先、受領をどう確認するかといった欄です。
発注の出し方や取引先の数によって必要な欄は変わるので、自社の流れに合わせて足し引きする前提で考えてください。

台帳で減らせるのは、発注のたびに履歴を遡って送付方法を確かめる作業です。
残るのは、切替日をまたぐ時期の個別のやり取りと、先方の担当者が交代したときの情報の更新です。
つまり作って終わりにはならず、誰がいつ更新するのかを決めておかないと、数か月で実態とずれた一覧になります。
更新の担当を決められないなら、欄を増やしすぎないほうが続きます。

欄 何のために持つか
取引先名 発注時にどの相手の情報かを特定する
現在の送付方法(紙・電子) 発注前にどちらで送るかを判断する
切替予定日・切替日 併存期間の運用と、後から保存先をたどる手がかりにする
先方の担当者と連絡先 切替の案内や、届かないときの問い合わせに使う
受領の確認方法 送った後に届いたかどうかを確かめる手順を決めておく

電子化済み分と紙のまま分の保存方法の切り分け

移行期は、保存の面でも二系統になります。
電子で送った取引先の分は、検索要件が必要な場合は取引年月日・取引金額・取引先で取り出せる形でシステムに保存し1、紙のままの取引先の分は従来どおりの書面保存を続ける、という分け方です。
台帳で送付方法を管理しているなら、その区分がそのまま保存先の区分と重なります。

ここで一つ、断定を避けておきたい点があります。
電子取引データ保存の制度が電子的にやり取りしたデータを対象として整理されている、という理解は一般的ですが、本記事で確認できた資料の範囲では、紙だけでやり取りしている取引分の扱いまで逐語で確認できていません1。
自社の保存方法が要件を満たしているかどうかは、国税庁が公表している資料や所轄の税務署で確認したうえで判断してください。
この部分を曖昧にしたまま運用を組むと、後から保存し直しが発生します。

もう一つ実務で効くのが、切替日の記録です。
同じ取引先でも期の途中で電子に切り替えれば、一つの年度の中に紙の分と電子の分が混ざります。
台帳に切替日が残っていれば、後から「この時期の発注書はどちらの方法で保存されているか」をたどれます。
社内の照会でも、取引先からの問い合わせでも、最初に必要になるのはこの日付です。
逆に切替日が誰の記憶にしかない状態だと、紙のファイルとシステムの両方を探すことになります。

移行時のトラブルを防ぐ確認ポイント

発注前の対応状況確認の工程

行き違いが起きやすい場面は、ある程度絞れます。
一つは切替日の直前と直後で、案内は出したが先方の準備が間に合っていない時期です。
もう一つは先方の担当者が交代したときで、前任者との間で決めた受け取り方が引き継がれていないことがあります。
さらに、同じ取引先でも拠点や部署によって受け取り方が違う場合も考えられます。
本社宛の発注は電子で受けられるが、工場宛の分は紙でないと現場に回らない、といった状態です。
取引先単位で「電子に切り替え済み」と記録していると、こうした内部の事情が見えません。

そこで、発注を出す前に台帳で送付方法を確認する工程を一つ挟む、という運用が考えられます。
これを裏づける調査資料は見つからなかったため、効果を保証するものとしては書けません。
減らせると考えられるのは、送付方法の思い違いによる二重送付や、「届いていない」という問い合わせの往復です。
一方で、先方の社内で受領されてから担当者に回付されるまでの部分は、発注側からは見えないままです。
ここは確認工程を増やしても把握できないので、受領を知らせてもらう方法を先方と決めておくしかありません。

この工程をどこに置けるかは、自社の発注の出し方によって変わります。
基幹システムから自動で発注書が出る流れなら、送付方法を持つ場所はシステム側になり、台帳との突き合わせをどう保つかが課題になります。
担当者が都度作成している流れなら、作成画面の手前に確認を置けます。
どちらにしても、確認の工程が発注件数に比例して重くなるようだと続かないので、台帳を見に行く回数を減らす方向で設計したほうが現実的です。

最後に、切替の案内を出す時点で決めておくと後の確認が減ることを挙げておきます。
いつから電子に切り替えるのか、切替後も一定期間は紙を併送するのか、併送するなら何月までか、届かないときの連絡先と連絡手段、受領をどう返してもらうか。
この辺りが案内の時点で空白のままだと、切替後に一件ずつ電話で確認する時間が発生します。
案内文を作る作業は移行の事務作業に見えますが、実際には移行期の問い合わせ量を決める工程です。

取引先の数や発注の出し方によって、どこから切り替えるか、併存期間をどれだけ取るかの判断は変わります。

進める順番が決まっても、取引先の数や発注の出し方によって、どこから切り替えると併存期間が短く済むかの判断は社内の流れを見ないと決めにくいためです。

現在の伝票の送り方と取引先の構成を持ち込んでいただければ、どの範囲から電子に切り替えると紙との併存期間を短くできるか、どの取引先を先に打診すべきかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する

発注側・受注側の電子受発注への対応状況(2021年度)

2021年度時点で電子受発注に対応済みと回答した企業の割合を、発注側・受注側という立場の違いで並べた。

  • 受注側で電子受発注に2021年までに対応と回答した企業は48.5%
  • 発注側企業の電子受発注システム導入率は40.9%
  • 受注側は回答が得られた22,757社が母数、発注側の母数は原典に記載がなく不明
  • 全国・全業種を合わせた数値で、業種別・企業規模別の内訳は示されていない
  • 2021年度時点の調査であり、現在の対応状況を示すものではない

自社の取引先がこの割合に近いとは限らないため、依頼の進め方を決める前に、実際に取引先から対応可否の回答を集めて判断する。

発注側と受注側の電子受発注への対応状況の比較(2021年度・模式図)
発注側と受注側で電子受発注システムへの対応率が異なることを示した図

要点の整理

着手の順序 自社の保存と検索の形を確定させてから電子送付を始め、取引先の可否確認は並行して早期に始める
検索要件の要否 データのダウンロードに対応できることが前提。売上高5,000万円以下、または所定の書面整理・提示の条件を確認する。ほかの保存要件は別に満たす
断られたときの切り分け 理由が費用か人手か社内手順かを聞き取り、費用なら受注側に無償でアカウントを使ってもらえる補助対象の仕組みを検討する
移行期の運用 取引先ごとの送付方法と切替日を台帳で管理し、電子分はシステム保存、紙分は書面保存に分ける
確認が必要な点 紙のみでやり取りしている取引分の扱いは、国税庁の公表資料や所轄税務署で確認する

台帳の欄立てや発注前の確認工程は、いまある受発注の流れに無理なく組み込めなければ更新されなくなり、移行期の確認が増えてしまうためです。 発注書の作成から送付までの手順を伺いながら、どこに確認の工程を挟めば担当者の手戻りが減るか、切替の案内文に何を書いておけば後の問い合わせを抑えられるかを具体化できます。

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よくある質問

電子取引データ保存の検索要件は、自社が満たせば十分ですか。取引先側にも同じ保存義務が生じますか。

検索要件の要否は保存義務者ごとに判定され、基準期間の売上高が5,000万円以下の保存義務者は検索要件が不要とされています1。
つまり、自社が要件を満たしたからといって、相手方の保存が自動的に整うわけではありません。
一方で、取引先側にどの範囲の義務が生じるかは、本記事で確認した資料では逐語で確認できていないため断定できません。
発注側としては自社の保存を確実に整えたうえで、先方から相談があれば国税庁の公表資料や所轄税務署での確認を案内する、という立て付けが現実的です。

デジタル化・AI導入補助金2026の公募スケジュールはどう確認すればよいですか。

本記事で確認したのは、対象となるソフトウェアの要件と、中小企業・小規模事業者等の補助率2/3以内、補助額が下限なしから350万円以下であることまでで3、公募の回次や締切は確認していません。
これらは2026年8月28日時点の公募要領に基づく内容であり、公募は回次ごとに区切られ要件も改定されることがあります。
申請を前提に動くなら、制度の公式サイトで最新の公募要領と受付期間を確認したうえで、社内の稟議と切替日の計画を逆算してください。

取引先が個人事業主やごく小規模な事業者の場合も、同じ順番で進めてよいですか。

自社側の順番、つまり保存と検索の形を確定させてから依頼に入る点は変わりません。
ここは相手の規模ではなく、自社が電子で送るかどうかで決まる話だからです。
変えたほうがよいのは打診の内容です。
小規模な相手ほど、ソフトの費用も設定の手間も相対的に重くなります。
受注側にアカウントを無償で発行・利用させられるクラウド型ソフトウェアが補助の対象になっている点3を踏まえ、先方に費用が発生しない形を用意できるかを確かめてから声をかけると、話が費用の問答で止まりにくくなります。
併せて、紙を併送する期間をどれだけ取れるかも先に決めておくと、断られた場合の次の一手を出せます。

紙の伝票だけでやり取りしている取引先の分にも、検索要件は及びますか。

電子取引データ保存の制度が電子的に授受したデータを対象として整理されている、という理解は一般的ですが、本記事で確認した資料の範囲では紙のみの取引分の扱いまで逐語で確認できていないため、ここでは断定しません1。
自社の保存方法が要件を満たすかどうかは、国税庁の公表資料や所轄の税務署で確認してください。
確実に言えるのは、自社が電子データとして送った分については、検索要件が必要な場合に取引年月日・取引金額・取引先で取り出せる形が求められるという点です1。
移行期は同じ年度に紙と電子が混ざるため、取引先ごとの切替日を記録しておくと、どちらの方法で保存されているかを後からたどれます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:財務省「ファイナンス 令和6年8月号 特集 令和6年1月スタート 令和5年度の税制改正により見直された電子帳簿等保存制度の内容と中小企業の対応策」(2024年)
  2. 2 出典:東京商工会議所「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査 集計結果」(2025年)
  3. 3 出典:中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(電子取引類型)」(2026年)
  4. 4 出典:オリックス・レンテック株式会社「受発注のデジタル化は製造業にどんなメリットをもたらすか(中小企業庁『令和3年度取引条件改善状況調査』を引用)」(2021年度)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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