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電話受注のクレームを減らす方法|録音の効果と法的条件、確認できない対策の見極め方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 電話受注のクレームは、応対内容をあとから確認できないまま記憶が食い違った時点で、原因の切り分けも対策の選択も難しくなる。
  • 確認できた事例では、折り返しや引き継ぎの前に通話内容を確認する使い方で、月間クレーム件数が10〜20件程度から1〜2件程度へ減ったと報告されている(健康食品の相談窓口1社、2021年)。
  • 録音の導入で法律上必要なのは利用目的の通知または公表であり、録音していること自体を伝える義務までは負わないとされている。
  • 復唱確認・受注システム連携・研修は、クレーム減少効果を示す統計を確認できていないため、減る作業を仕組みで説明し、自社の件数で検証する扱いにする。
  • 検証は対策を入れる前から件数・内容の分類・発生場面を記録し、施策を一つずつ加えて受注件数あたりの割合でも比べる。

50代後半の日本人男性がコールセンターの全景をしている場面

電話受注でクレームにつながる場面と、まず変えられること

「注文した数量と違う」「納期は月末と聞いていた」──電話で受けた注文をめぐるクレームは、注文を受けた瞬間ではなく、あとから記憶が食い違ったときに表面化します。
このとき社内に残っているのが担当者のメモと記憶だけだと、どちらが正しいのかを確かめる材料がありません。
確認できた事例では、通話録音を折り返しや引き継ぎの前の内容確認と応対の振り返りに使うことで、月間クレーム件数が10〜20件程度から1〜2件程度まで減ったと報告されています1。
まず録音で応対を後から確認できる状態をつくり、個人情報保護法上の利用目的の扱いを整えたうえで、ほかの対策は自社のクレーム件数で効果を確かめていく進め方が現実的です。

電話受注のクレームが厄介なのは、起きてから時間が経った状態で持ち込まれることです。
商品が届いた、請求書が届いた、納期の当日になった──その時点で初めて「聞いていた話と違う」となります。
そこで社内を確認しても、残っているのは受注伝票に書かれた結果だけで、その数字にたどり着くまでにお客様と何をやり取りしたのかは誰も再現できません。

この「再現できない」状態が続くと、対策そのものが選べなくなります。
原因が担当者の聞き取りミスなのか、メモから伝票へ書き写す段階の取り違えなのか、引き継ぎの際に条件が落ちたのかを切り分けられないからです。
切り分けられないまま再発防止策を出そうとすると、「注意して確認する」「丁寧に聞く」といった、実行したかどうかも確かめられない対策に落ち着きます。
クレームが減らないのは担当者の努力が足りないからではなく、努力の当たり先がわからないまま続けているからだ、という場面は少なくありません。

電話受注の流れを分解すると、行き違いが生まれる場所は限られてきます。
お客様の話を聞き取る場面、聞いた内容をメモや画面に書き留める場面、それを受注伝票や基幹システムへ転記する場面、そして担当者が交代したり上位の担当へ引き継いだりする場面です。
どの場面でも、抜けた情報や解釈が入った情報はそのまま下流へ流れ、途中で誰かが気づく仕掛けがなければ最後まで運ばれます。

引き継ぎの場面でつまずいた例として、健康食品の相談窓口を運営するフィブロ製薬(赤坂ロハス)の導入事例があります。
同社では外部に委託していたコールセンターとの意思疎通が徐々に薄れ、上位の担当へ引き継ぐ際の申し送りが箇条書きになっていたため、そこに個人の解釈が入り込み、お客様の心情を正確に把握できないまま二次対応が遅れていたと説明されています1。
注文受付と健康相談では窓口の性質が違いますが、「一次で聞いた話が要約された形でしか次の人に渡らない」という構造は、注文内容の引き継ぎでもそのまま起こります。
要約する人に悪気があるわけではなく、箇条書きにした時点で「本人がどの条件を前提に話していたか」が落ちるだけのことです。

ここから見えてくるのは、まず変えられるのが担当者の聞き取り技術ではなく、「応対した内容をあとから確認できるかどうか」だという点です。
確認できる状態になっていれば、食い違いが起きたときに事実を確かめてから訂正や謝罪の判断ができますし、引き継ぎの時点でも元の会話に戻れます。
そして記録が残っていること自体が、どの対策がどこに効いたのかを後から検証する材料にもなります。
逆に記録がなければ、何を導入しても効果を測る手段が手に入りません。

行き違いが生まれやすい場面と、表面化する時点のずれ
聞き取り、記録、転記、引き継ぎの各場面で情報が欠けると、納品や請求の段階で初めて食い違いが表面化することを示した流れ図

通話録音でクレームがどう減るのか―事例と導入条件

応対前の内容確認でクレームを未然に防ぐ

通話録音というと、トラブルが起きたあとに「言った・言わない」を確かめるための保険という印象があるかもしれません。
先ほどの事例で効果として説明されているのは、それよりも手前の使い方です。
お客様から健康相談を受けて折り返す際に、録りためた通話内容を確認してから電話をかけることで、悩みを抱えたお客様に安心感を持ってもらえるようになったと報告されています1。

同社では、上位の担当へ引き継がれた通話の内容を、対応に入る前に実際の音声で確認できるようになったことが、クレーム件数が減った主な理由として説明されています1。
月間のクレーム件数は、導入前が10件から20件程度だったのに対し、導入後は1〜2件程度まで減ったとされています1。

数字の幅が大きいので、自社に当てはめる前に前提を確認しておく必要があります。
これは2021年に公開された1社の実績で、健康食品の相談窓口という、同じお客様と継続的にやり取りする性質の窓口での話です。
単発の注文受付が中心の窓口で同じ削減率になるとは限りませんし、録音以外の運用変更が同時に行われていれば、その影響も混ざります。
ここから持ち帰れるのは「折り返しや引き継ぎの前に元の会話へ戻れるようにしたところ、二次対応の食い違いが大きく減った例がある」という事実であって、削減率そのものではありません。

仕組みとして考えると、この使い方が効くのは、二次対応に入る人が「要約された情報」ではなく「お客様が実際に言った言葉」から始められるからです。
注文受付に置き換えると、品番や数量、納期、届け先といった項目だけでなく、お客様がどこを気にしていたのか、どの条件を前提に話していたのかまで戻って確認できます。
これで減るのは、引き継いだ側がもう一度同じことを聞き直す手間と、要約の段階で落ちた条件が原因の行き違いです。
一方で、聞き取りそのものの正確さが自動的に上がるわけではありません。
最初の応対で数量を聞き違えていれば、その音声を聞き返しても聞き違えた会話がそのまま残っているだけです。
録音が効くのは「伝達の途中で失われる情報」に対してであって、「入口で取り違えた情報」に対してではない、と分けておくと、次に何を足すべきかも見えやすくなります。

応対の振り返り・研修に使う

もうひとつの使い方は、録音を応対品質の振り返りに回すことです。
先の事例では、月に5〜6件をランダムに抽出し、その応対内容を社内の研修に活用していると説明されています1。
全件を聞き返すのではなく抽出である点が現実的で、日々の受注業務を止めずに続けられる分量に収まっています。

ランダムに選ぶことには、クレームになった通話だけを見るのとは違う意味があります。
クレーム化した通話ばかりを集めると、どうしても「対応が難しかった例」に寄っていき、日常の受注応対のどこに癖があるのかは見えません。
無作為に選んだ通話であれば、復唱を省いている場面、確認の順番が人によって違う場面、社内用語をそのまま使っている場面といった、普段どおりの応対に含まれる差が出てきます。
研修の題材が「特別な事故」ではなく「いつもの応対」になることで、聞く側も自分の応対に引き寄せて考えられます。

ただし、この事例でクレーム件数の減少の主な理由として説明されているのは、引き継がれた通話内容を事前に確認できるようになったことです1。
研修としての活用がそのうちどれだけを担ったのかは、事例の中で分けて示されていません。
社内説明の材料にする際も、「録音を研修に使うと件数が何件減る」という書き方ではなく、「録音を残すことで、応対を振り返る材料が定期的に手に入る」という範囲にとどめておくほうが、あとで根拠を問われたときに耐えられます。

導入する際に必要な法的な手続き(利用目的の通知義務)

録音を始めるときに必ず確認が要るのが、個人情報の扱いです。
個人情報保護委員会は、通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合にはその通話内容は個人情報に該当し、個人情報取扱事業者は利用目的を通知または公表する義務を負うとしています2。
電話受注では、氏名や住所、電話番号、過去の注文内容を聞き取るのが通常ですから、多くの場合これに当てはまると考えて準備するのが安全です。

一方で、同じ説明の中で、録音していること自体について伝える義務までは負わないとされています2。
「毎回のアナウンスを入れないと違法になるのではないか」という理由で導入をためらう例がありますが、法律が求めているのは録音の告知そのものではなく、取得した個人情報を何に使うのかを知らせることです。
ここを取り違えると、必要な手当て(利用目的の整理)を後回しにしたまま、不要な心配で導入が止まります。

実務としては、この2つを別々に扱うより、まとめて片付けるほうが手間が少なくて済みます。
入電時のアナウンスやプライバシーポリシーの記載に「注文内容の確認と応対品質の向上のために通話を録音します」といった利用目的を書いておけば、通知・公表の要件に対応しながら、録音していることもお客様に伝わります。
ここで決めた利用目的は、あとで録音データを別の用途に回すときの制約にもなりますから、研修に使う予定があるなら最初から目的に含めておくほうが後から動きやすくなります。

なお、ここで扱っているのは個人情報保護法上の一般的な取り扱いです。
業種によっては、相談対応や広告表現について固有の規制が上乗せされることがあり、その有無まではこの記事では確認していません。
自社の業種に個別の決まりがあるかどうかは、社内の法務担当や所管の窓口で確かめたうえで、録音の範囲と保存期間を決めてください。

事例で報告された月間クレーム件数の変化(1社の実績)
導入前は月10〜20件程度、導入後は月1〜2件程度と報告された月間クレーム件数の変化を示した図

出典:株式会社リンク(BIZTELコールセンター)「導入事例:フィブロ製薬株式会社」2021年/フィブロ製薬(赤坂ロハス)の健康食品相談窓口1社の実績

事例で報告されている、録音を研修に回す運用の回り方
応対の録音、月5〜6件の無作為抽出、社内研修での共有、次の応対への反映が循環する様子を示した図

出典:株式会社リンク(BIZTELコールセンター)「導入事例:フィブロ製薬株式会社」2021年/抽出件数はフィブロ製薬(赤坂ロハス)での運用

録音導入で押さえる法的な条件と、実務での整え方
利用目的の通知または公表は必要である一方、録音の事実そのものを伝える義務までは負わないことを対比した図

出典:個人情報保護委員会「よくある質問(FAQ)|顧客との電話の通話内容は個人情報に該当しますか」/個人情報保護法上の一般的な取り扱い

復唱確認・受注システム連携・研修に効果はあるか―確認できる範囲と言えない範囲

公的・業界統計で確認できたこと・できなかったこと

電話受注のクレーム対策として挙がるのは録音だけではありません。
注文内容の復唱確認を徹底する、受注システムやCRMと電話をつないで応対中に顧客情報と注文履歴を画面に出す、オペレーター向けの研修や応対スクリプトを整える、といった施策が並びます。
どれも現場の感覚としては効きそうですし、実際に取り組んでいる会社も多いでしょう。
問題は、稟議に載せる段になると「それでクレームは何件減るのか」と聞かれることです。

率直に書くと、この記事で数値の裏づけまで確認できたのは、録音を含むコールセンターシステムを導入した1社の事例だけです1。
復唱確認の徹底、受注システムやCRMとの連携、オペレーター教育のそれぞれについて、電話受注のクレームがどれだけ減ったかを、対象・時点・条件のわかる形で示した官公庁や業界団体の統計は確認できていません。
これは「効果がない」という意味ではなく、「効果の大きさを他社の数字で説明できない」という意味です。
両者を混同すると、やるべき施策を捨てるか、根拠のない数字を資料に書くかのどちらかに振れてしまいます。

この違いは、社内での説明のしかたに直接効いてきます。
出どころの曖昧な削減率を提案資料に書くと、あとで根拠を問われたときに提案全体の信頼が落ちます。
代わりに、その施策が何の作業や確認を減らすのかを仕組みとして説明し、効果の確認は自社のデータで行う、という組み立てにしておけば、他社の数字がなくても筋は通ります。
決裁する側が知りたいのも、多くの場合は「どれだけ減るか」より「なぜ減ると言えるのか」と「効いたかどうかをどう確かめるのか」です。

例えば受注システムとの連携で期待できるのは、「応対中に聞き取った内容を、通話後にもう一度別の画面へ打ち直す作業が減る」ことです。
転記の回数が減れば、書き写す際の桁違いや品番の取り違えはその分だけ起きようがなくなります。
ただし、聞き取りの時点で数量を取り違えていれば、それはそのままシステムに入りますし、連携が入っても出荷先の住所が正しいかどうかの確認作業は残ります。
復唱確認についても同じで、減らせるのは聞き取り内容の取り違えであって、引き継ぎの途中で条件が落ちる問題には届きません。
このように「減るもの」と「減らないもの」を分けて説明できれば、効果を保証しなくても検討の材料としては十分に使えます。

自社で効果を確かめる方法

自社で確かめると決めたとき、最初に必要なのは、対策そのものより先に記録を始めることです。
導入後の数字しかない状態では比べる相手がいないため、変化があったのかどうかを誰にも説明できません。
録音を先に入れておくと、クレームが起きた通話を事後に確認できるようになり、この記録の精度も上がります。

記録するのは件数だけでは足りません。
月ごとのクレーム件数に加えて、内容の分類と、どの場面で生まれたのかを残しておくと、どの対策がどこに効いたのかを後から結び付けられます。
逆にこの2つがないと、件数が減ったときに「録音のおかげなのか、たまたま難しい案件が少なかったのか」を区別できません。

比べるときの注意もいくつかあります。
クレーム件数は受注件数に連動しますから、繁忙期と閑散期をそのまま並べると、対策の効果と季節変動が混ざります。
件数そのものに加えて受注件数あたりの割合でも見ておけば、この混同は避けられます。
また、複数の施策を同じ月にまとめて入れると、どれが効いたのかを切り分けられなくなります。
一つずつ、少なくとも数か月の幅を取って入れていくほうが、次の判断に使える材料が残ります。

記録の運用自体が負担になって続かないのが一番もったいないので、最初は既存の対応記録に分類欄を1つ足す程度から始めるのが現実的です。
集計結果を月次の会議に載せる形にしておくと、記録を続ける理由が社内にでき、担当者が替わっても途切れにくくなります。

効果を後から検証するために記録しておきたい項目
件数、内容の分類、生まれた場面の三つに分けて、クレーム対応記録に残す項目を整理した図

自社の受注体制からどれに着手するか

ここまでで確かな根拠として示せたのは、折り返しや引き継ぎの前に元の会話へ戻れるようにした窓口でクレーム件数が大きく減った実績があること1と、録音を始めるなら利用目的の通知または公表が必要だということ2の2点です。
ほかの施策は、効果の大きさを他社の数字で示せない状態にあります。
この前提から着手順を決めるなら、まず「効果を確かめられる状態」をつくる施策から入るのが無理のない順番になります。

具体的には、録音で応対の記録を残し、利用目的を決めて通知・公表の形を整え、クレーム件数と内容の記録を始めるところまでが土台です。
そのあとに復唱確認の徹底や受注システムとの連携、研修の整備を一つずつ加え、件数の推移で確かめていきます。
この順番であれば、あとから入れた施策について「効いたかどうか」を自社のデータで説明できるようになりますし、効かなかった施策を止める判断もできます。

電話を受ける人数や体制によって、現実的な最初の一手は変わります。
受注担当が数名で、出荷や請求といった他の業務と兼務しながら電話を取っている場合、研修の時間を確保すること自体が難しいので、録音を残して折り返し前の確認に使うところから入ると、日々の手順をほとんど変えずに済みます。
専任の窓口があって応対件数が多い場合は、録音に加えて抽出した通話を振り返る余力があるため、事例で紹介されていたような応対の癖を見つける使い方まで進められます1。
体制が違えば、同じ施策でも運用に乗るかどうかが変わる、という前提で順番を決めてください。

外部にコールセンターを委託している場合は、事例と同じ論点がそのまま出てきます。
委託先の一次応対から自社の二次対応へ引き継がれるとき、渡されるのが要約された申し送りだけだと、そこに解釈が入ります1。
録音の範囲や共有の方法を契約や運用の取り決めに含めておかないと、あとになって「確認したい通話が自社の手元にない」という状態になりがちです。
委託先が録音を保有していても、自社がそれを聞ける条件になっているかは別の話ですから、既存の契約内容にさかのぼって確認しておく必要があります。

最後に、この進め方はクレーム件数の減少を約束するものではありません。
約束できるのは、応対の内容をあとから確認できる状態にし、効果を測る記録を持つことで、次に何を変えるかを自社のデータで決められるようになることです。
「気をつける」で終わっていた対策が、確かめられる対策に変わる。
そこが、最初の一歩で得られるいちばん大きな変化です。

対策ごとに、いま何が根拠として使えるのかを一覧にしておくと、社内での説明と着手順の検討がしやすくなります。

記録を土台にして、効果を自社で検証しながら進める順番
録音の導入、利用目的の通知、記録の開始、施策の追加、効果の検証という順序を示した流れ図

録音で応対の記録が残るようになっても、その内容を受注データとしてどこまで使うか、どの工程の転記を減らすかは、自社の受注の流れを見ないと決まりません。

電話・メール・EC経由の注文が現在どの画面をどの順に通っているかを一緒に洗い出し、どこの確認作業が残るのか、どの工程から手を付けると効果を測りやすいのかを整理できます。無料相談で要件を整理する

対策ごとに、いま何が根拠として使えるか

いま手元で使える根拠の種類(1社の導入事例で報告されている/法令上の一般的な取り扱いとして示されている/数値の裏づけを確認できていない)で並べています。

  • 通話録音(折り返し・引き継ぎ前の内容確認):1社の導入事例で、月間クレーム件数が10〜20件程度から1〜2件程度へ変化したと報告されている。件数減少の主な理由として説明されているのもこの使い方
  • 通話録音(応対の振り返り・研修):同じ事例で、月5〜6件をランダム抽出して社内研修に使う運用が報告されている。件数減少への寄与分は事例の中で分けて示されていない
  • 録音導入時の利用目的の通知・公表:個人情報保護委員会が示す一般的な取り扱いとして確認できる。録音していること自体を伝える義務までは負わないとされている
  • 復唱確認の徹底:聞き取り内容の取り違えを減らす狙いは仕組みで説明できるが、電話受注のクレーム減少効果を数値で示した公的・業界統計は確認できていない
  • 受注システム・CRMとの連携:通話後の転記作業が減る点は仕組みで説明できる。聞き取り自体の取り違えには届かず、クレーム件数への効果は数値で確認できていない
  • オペレーター教育・応対スクリプト:録音の抽出と組み合わせると題材を確保できるが、クレーム減少効果を示す統計は確認できていない

自社で効果を測れるかどうかを軸に並べ替えると、記録が先に整う施策から着手する検討に使えます。

要点の整理

確かめること この記事で確認できた基準
録音の効果として報告されている内容 折り返し・引き継ぎ前の通話内容の確認と応対の振り返り。月間クレーム件数は導入前10〜20件程度、導入後1〜2件程度(健康食品の相談窓口1社、2021年)
録音導入時の法的な条件 通話内容が個人情報に当たる場合は利用目的の通知または公表が必要。録音していること自体を伝える義務までは負わない
録音が減らすもの・減らさないもの 引き継ぎの途中で条件が落ちる行き違いは減る。聞き取り時点での取り違えはそのまま残る
ほかの対策の扱い方 効果の数値は確認できていないため、減る作業を仕組みで説明し、自社のクレーム件数で検証する
効果を測る単位 月次のクレーム件数、内容の分類、発生した場面、受注件数あたりの割合

ほかの対策は自社のクレーム件数で確かめるしかないぶん、何をどの単位で記録するかの設計が、その後の判断の質を左右します。 現在の受注件数と対応記録の取り方を踏まえて、比較に耐える記録項目と、先に着手する工程の候補を具体化できます。

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よくある質問

通話録音をしていることを顧客に毎回口頭で伝えないと法律違反になりますか

個人情報保護委員会は、通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合にはその通話内容は個人情報に該当し、利用目的を通知または公表する義務を負うとしたうえで、録音していること自体について伝える義務までは負わないとしています2。
つまり法律上求められているのは録音の告知ではなく、取得した個人情報を何に使うのかを知らせることです。
実務では入電時のアナウンスやプライバシーポリシーに利用目的を記載しておけば、通知・公表の要件に対応しながら、録音していることもお客様に伝わります。

録音したデータをクレーム対応以外の目的にも使ってよいですか

判断の起点は、最初に通知または公表した利用目的にその使い方が含まれているかどうかです2。
応対品質の向上や社内研修に使う予定があるなら、導入時点の利用目的にその旨を入れておくのが素直な進め方になります。
あとから用途を広げる場合に必要となる手続きまではこの記事では扱っていないため、社内の法務担当に確認したうえで判断してください。

復唱確認や受注システム連携でクレームが減った、という数値データはありますか

この記事の調査では、対象・時点・条件のわかる形でそれを示した公的・業界統計は確認できませんでした。
そのため本文でも、これらの施策について効果の大きさは断定していません。
検討する際は、その施策が減らす作業(受注システム連携なら通話後の転記)と、減らない部分(聞き取り時点での取り違え)を分けて説明し、導入前後の自社のクレーム件数で確かめる進め方が現実的です。

事例のようなクレーム件数の削減は、自社でも同じように起きますか

同じ削減率になるとは限りません。
この実績は健康食品の相談窓口を持つ1社のもので、同じお客様と継続的にやり取りする性質の窓口である点、2021年に公開された内容である点が前提にあります1。
自社に当てはめられるのは「引き継ぎや折り返しの前に元の会話へ戻れるようにすると、二次対応の食い違いが減る」という仕組みの部分で、件数がどう動くかは導入前後の自社の記録で確かめることになります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:株式会社リンク(BIZTELコールセンター)「導入事例:フィブロ製薬株式会社」(2021年)
  2. 2 出典:個人情報保護委員会「よくある質問(FAQ)|顧客との電話の通話内容は個人情報に該当しますか」

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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