◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
目次

従来のJCA手順・全銀手順はいつまで使える?移行が必要になる理由
JCA手順のEDIは今日も動いているし、取引先からは流通BMSの案内が来ている。
それでも「いつまでに、何から」が決まらないまま先送りになっている——この状況でまず変えられるのは、期限を自社の数字として持つことです。
NTT東日本エリアでは、INSネットの新規申込受付が2024年に終了し、サービス提供そのものも2028年度末をもって終了する予定と公表されています6。
一方で切替は取引先1社ずつ日程を合わせる作業で、事前調整から利用開始まで1社あたり1カ月ほどかかるという実務の報告があります4。
つまり期限は回線の側で決まり、必要な期間は取引先の数で決まります。
この二つを掛け合わせて逆算することが、最初の一歩です。
新規申込受付は2024年8月31日で終了済み
押さえておきたいのは、移行の期限を決めているのが流通BMSという標準の側ではなく、いま使っている回線の側だということです。
NTT東日本は、INSネットについて2024年までに新規申込受付を終了すると公表しました6。
新規の申し込みが受け付けられないということは、物流センターを増やす、事務所を移転する、予備としてもう一本同じ回線を引く、といった場面で、これまでと同じ仕組みを前提にできなくなるということです。
既存の契約がすぐ止まるわけではありませんが、広げる余地はすでに残っていません。
自社がこの話に該当するかどうかは、EDIの操作画面ではなく回線の契約内容で決まります。
JCA手順は固定電話回線と専用のモデムを使う通信手順で5、現場では長年、通信装置の設定に触らないまま運用が続いていることも珍しくありません。
日経BPの記事は、ISDNからIP網への移行にあたって、JCA手順・全銀手順・全銀TCP/IP手順といった通信手順の変更が求められると伝えています4。
受発注のデータがどの回線を通って届いているのか、契約書と現物の両方で確かめておくと、ここから先の話が自社の話として読めるようになります。
取引先からまだ何の案内も来ていない場合でも、期限の性質は変わりません。
案内が来るかどうかは相手の事情であって、回線が止まる日は相手の都合とは無関係に決まっているからです。
むしろ案内が来ていない相手ほど、相手側の準備も進んでいない可能性があり、こちらから日程を切り出す必要が出てきます。
サービス提供終了は2028年12月31日予定
終了の日付は2028年度末までと示されています6。
理由として挙げられているのは、2029年以降のサービス提供に必要な設備の維持管理が困難になることです6。
利用者が多いか少ないかではなく、設備側の事情が理由として説明されている以上、利用者の準備が遅れているから期日が延びる、という前提で計画を立てるのは避けたほうが安全です。
そして実務上の期限は、この日付よりかなり手前に来ます。
切替が終わっていなければならないのは自社の設備だけではなく、その回線でつながっている取引先との通信すべてだからです。
年末は多くの流通業にとって繁忙期で、受発注の仕組みを触りたくない時期でもあります。
最終日の直前に全社分の切替を寄せる計画は、現実には成立しにくいと考えておくほうがよいでしょう。
西日本エリアは別途確認が必要
ここまでの日付は、NTT東日本が自社エリアの契約について公表したものです6。
西日本エリアの拠点については、この発表に終了時期が含まれていないため、該当する事業者の案内を別に確かめる必要があります。
支店や物流センターが東西にまたがっている企業では、同じ社内でも拠点ごとに契約エリアが違い、期限の感覚がずれます。
この違いは、後からスケジュールを組み直す原因になりやすい部分です。
本社の回線を基準に全体の計画を立てたあとで、別エリアの拠点だけ条件が違うと分かると、取引先との調整まで引き直すことになります。
取引先の棚卸しを作るとき、最初の列に「どのエリアの契約か」を入れておくと、この手戻りを避けられます。
流通BMSとは何か―JCA手順と比べて何が変わるのか
流通BMSの定義と対象6業務
期限が決まっていると分かったら、次は切替先の中身です。
流通BMSは、GS1 Japan(流通システム開発センター)の説明では、メッセージ(電子取引文書)と通信プロトコル/セキュリティに関するEDIの標準仕様で、製・配・販の流通三層の間のビジネスプロセスをシームレスに接続することを目的としています3。
ここで効いてくるのは、流通BMSが「通信のやり方」と「やり取りする書類の中身」の両方を決めている点です。
通信手順を取り替えるだけの話ではないため、自社システム側で用意する項目や、取引先と合わせる取り決めの範囲も変わります。
対象となる業務も具体的に決まっています。
基本形Ver.1.0は、発注、出荷、受領、返品、請求、支払の6業務について、8種の標準メッセージとして2007年4月に公開されました2。
発注データだけを電子化する話ではなく、出荷の連絡から受領の確認、返品、請求と支払の照合までが同じ標準の中に並んでいます。
ただし、並んでいるものを全部使い始めるわけではありません。
実際にどのメッセージを使うかは取引先との取り決めで決まります。
いまファクスや紙でやり取りしている帳票のうち、どれが電子のメッセージに置き換わり、どれが当面そのまま残るのかは、相手ごとに違う形で決まっていきます。
通信速度・機器・データ形式の違い
技術面の違いは、TISI株式会社が自社のコラムで整理しています。
JCA手順は2400bpsまたは9600bpsの固定電話回線を使うのに対し、流通BMSはインターネット回線を使い、数Mbpsから数百Mbpsの速度を実現するとされています5。
同社はあわせて、JCA手順には専用モデムが必要だが流通BMSの普及に伴って専用モデムを生産する企業も減ってきていること、JCA手順では英数カナのテキストデータしか送受信できなかったのに対し流通BMSでは画像や漢字も送受信できることを挙げています5。
これはベンダーによる一般的な技術比較であり、個別の製品の性能を保証するものではありません。
速度の差は、まず夜間の受信にかかる時間として表れます。
同じ件数の発注データであれば、回線が速いほど受信そのものに要する時間は短くなります。
ただし、翌朝のピッキング開始を早められるかどうかは別の話です。
取引先がデータを送信してくる時刻や、受信後に自社の基幹システムが取り込み処理を終える時間にも左右されるため、通信が速くなった分がそのまま前倒しになるとは限りません。
文字の種類が変わることは、受け取ったデータの読み方に影響します。
英数カナしか送れない前提では、商品名や取引先名を自社のマスタ側で引き当てて画面に出す運用になりがちです。
漢字がそのまま送れるようになると、届いたデータの文字を読んで判断できる場面は増えます。
一方で、取引先ごとに表記が揺れたときにどちらを正とするかは、あらかじめ決めておかないと、照合のやり直しが別の形で残ります。
機器の話も、期限を考えるうえでは見落とせません。
専用モデムを生産する企業が減ってきているという指摘5は、回線が止まる日より前に、故障時の交換や保守の都合で動かせなくなる可能性があることを意味します。
回線の終了日だけを見て「まだ数年ある」と考えると、手元の機器の寿命のほうが先に来ることもあります。
| 比べる点 | JCA手順 | 流通BMS |
|---|---|---|
| 使う回線 | 固定電話回線 | インターネット回線 |
| 通信速度 | 2400bpsまたは9600bps | 数Mbps〜数百Mbps |
| 必要な機器 | 専用モデムが必要 | 専用モデムは不要 |
| 送受信できるデータ | 英数カナのテキストのみ | 画像や漢字も送受信できる |
流通BMSへの移行はどんな手順で進めるのか―取引先との調整がカギ
取引先1社あたりの調整期間の目安
ここからが段取りの話です。
日経BPの取材記事では、EDIの切り替えは取引先の小売店1社ずつスケジュールを合わせて取り組む必要があり、事前調整から利用開始までは1カ月ほどかかるとされています4。
これは2016年時点の取材で、取引先の小売店が約500社弱という規模の企業の例に基づく目安です4。
業種や取引先の数、使っているシステムによって前後しますが、「1社あたり、ひと月単位の段取りが要る」という感覚は、計画を立てる出発点になります。
その1カ月に何が入るのかを考えると、短縮しにくい理由が見えてきます。
どのメッセージを使うか、送受信の時刻をいつにするか、テストデータをいつ流すか、本番の切替日をどこに置くか——どれも相手の都合と重ねて初めて決まることばかりです。
自社が今日動く気になっても、相手の担当者が別の取引先の切替で手一杯であれば、その月は進みません。
取引先が多い企業ほど通信手順の変更に時間がかかるとされるのは4、作業量そのものよりも、この日程の重なりが効いてくるためです。
取引先が使う仕様の版を確かめる
事前調整で最初に食い違いやすいのが、どの仕様で接続するかです。
流通BMSは一つの固定された仕様ではなく、基本形に加えて業界ごとの体系が段階的に公開されてきました2。
百貨店業界の取引に必要な標準メッセージ26種は2010年10月に公開され、1メッセージを追加した百貨店版Ver2.1が2014年10月に公開されています2。
基本形についても、2018年11月に消費税軽減税率(区分記載請求書等保存方式)に対応したVer.2.0が公開されました3。
基本形の最新の訂正版はVer2.2.2で、2025年に公開されています1。
つまり、取引先から「流通BMSで」と言われただけでは、接続の条件はまだ決まっていません。
基本形か業界別の体系か、どの版か、そのうちどのメッセージを使うかまで合わせて、ようやく自社システム側の改修範囲が見えます。
複数の小売本部と接続する卸・メーカーの側は、この組み合わせが相手ごとに違う前提で、どこまでを共通の仕組みで受け、どこを個別対応にするかを決めることになります。
ここを曖昧にしたまま改修を先に発注すると、後から来た取引先の指定に合わず、作り直しになります。
逆に、最初の数社で仕様の幅が見えてくると、その後の相手は同じ型に当てはめて進められることも増えます。
どの相手から当たるかを考えるとき、取引量だけでなく「仕様の幅が早く分かる相手か」も材料になるのはこのためです。
取引先数からスケジュールを逆算する考え方
ここまでの二つ、つまり回線の終了日6と、1社あたりの調整に1カ月程度という目安4を重ねると、着手時期のあたりが付けられます。
仮に1社ずつ順番に進める前提で数えれば、取引先が20社なら20カ月分の枠が要るという計算になります。
実際には複数社を並行して進められますし、同じ仕様で接続する相手がまとまっていれば改修は一度で足ります。
それでも、相手の都合で日程がずれること、年度末や繁忙期には切替を入れられないことを織り込むと、余裕は思ったより早く消えます。
なお、この逆算は、2016年時点の取材で示された期間の目安と、2024年に公表された回線の期日という、時点の異なる情報を重ねた編集部の整理です。
自社の体制や取引先の対応状況によって、必要な期間は変わります。
数字をそのまま当てはめるというより、「取引先の数×ひと月単位」で枠を押さえてから、並行できる分を削っていく使い方が現実的です。
逆算の対象は、取引先との調整だけではありません。
基幹システム側の改修、予算の承認、担当者の確保といった社内の工程は、取引先との事前調整が始まるより前に片づいている必要があります。
稟議に半年かかる会社であれば、その半年は1社目の事前調整の手前に積む時間です。
期限から並べていくと、いつ社内の話を始めなければならないかが、取引先の数に応じて自動的に決まります。
どのくらいの企業がすでに移行しているのか―自社の対応の急ぎ度を測る
導入企業数の推移
自社が遅れているのかどうかを測る材料として、業界全体の数字も見ておきます。
流通システム開発センターの推計では、流通BMSを導入した卸・メーカーは2025年6月時点で21,600社以上とされ、直近の半年間で700社以上増えています1。
これは流通システム標準普及推進協議会による推計値で、対象は卸売業・メーカーです1。
母数となる全事業者数が示されているわけではないため、「何割が済んでいる」という読み方はできません。
取引先の側から見た数字もあります。
2016年時点の取材では、ある企業の取引先の小売店約500社弱のうち、IP網に対応した流通BMSやWeb-EDIなどへ移行済みだったのは10%強と報じられています4。
これは1社の状況であり、時点も古いため、いまの比率を表すものではありません。
ただ、回線が止まるという話が出たあとも、取引先の大半が旧来の手順のまま残っていた時期があったという事実のほうは、計画を立てるときに意味があります。
業界全体の推計と、1社から見た取引先の比率——この二つの見え方から言えるのは、導入企業は着実に増えているものの、自社が急ぐべきかどうかは平均値では決まらない、ということです。
判断を分けるのは、自社の主要な取引先がいつ切替を求めてくるかです。
取引量の大きい相手が先に切替日を指定してくれば、その日程に自社の改修を合わせるしかありません。
先に準備を終えていれば、相手の指定が来た順に日程を埋めていけます。
世の中の進み具合は、自社の順番を決める材料にはなっても、着手するかどうかの材料にはなりません。
| 時点 | 項目 | 数 |
|---|---|---|
| 2025年6月 | 流通BMSを導入した卸・メーカー | 21,600社以上 |
| 直近の半年間 | 導入企業数の増加分 | 700社以上 |
結局、何から着手すればよいか
取引先の棚卸しから始める
最初の一歩は、新しい仕組みを選ぶことではなく、いまつながっている相手を一覧にすることです。
取引先の名前、使っている通信手順、回線の契約エリア、やり取りしている帳票の種類、受信したデータを取り込んでいる自社システム——この並びが埋まると、どこが期限に引っかかるかが見えます。
一覧がすぐに作れないこと自体が、課題の在りかを示している場合もあります。
担当者の記憶の中にしかない接続や、退職した担当が組んだ変換処理が残っていると、取引先と話を始める前に調べる時間が要ります。
この調査にかかる時間は、1社あたり1カ月という調整期間4とは別に積む必要があります。
優先順位は取引量と相手の予定で決める
次に、どの相手から当たるかを決めます。
判断材料は、取引量の大きさ、相手がすでに切替日を提示してきているか、同じ仕様でまとめられる相手がいるか、の三つです。
取引量の大きい相手を後回しにすると、不具合が出たときの影響が大きい時期と重なりがちです。
一方で、最初の1社には手順を確かめる意味もあるため、連絡が取りやすく、仕様の指定がはっきりしている相手から入るという組み立て方もあります。
順番を決めるときは、相手の担当者の都合も計算に入れることになります。
切替を求めてきている相手は、こちらが動けばすぐ日程を押さえられます。
まだ何も言ってきていない相手は、そもそも相手側の計画を聞くところから始まるため、同じ1カ月でも立ち上がりが遅くなります。
期限から日付を置いてスケジュールを固める
最後に、期限から逆に日付を置いていきます。
NTT東日本エリアであれば2028年度末が回線側の期限です6。
そこから繁忙期と年度末を除き、取引先ごとの調整に要する期間4を並べ、社内の改修と予算承認の工程を手前に積む——この順で置くと、いつ稟議を出さなければならないかが自然に決まります。
先送りになってきた理由の多くは、期限が遠く感じることと、全体像が見えないことにあります。
取引先の一覧と、逆算した日付が手元に出た時点で、その二つは片づきます。
残るのは、取引先ごとに違う仕様をどこまで自社側で吸収するか、6業務のうちどこまで電子化を広げるかという判断です。
ここは公開資料の数字だけでは決められず、自社の受注処理の実情と照らす必要があります。
最後に、取引先の棚卸しで記録しておきたい項目を並べておきます。
回線の期限や1社あたりの調整期間は公開資料で確かめられますが、どの取引先から着手し、相手ごとに違う仕様をどこまで自社側で吸収するかは、自社の受注処理の実情を見ないと決まりません。
取引先ごとの通信手順と帳票の一覧を持ち寄れば、どの接続が期限に引っかかるのか、どこを共通の仕組みでまとめられるのかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
取引先の棚卸しで記録しておく項目
着手の優先度ではなく、一覧を左から埋めていく順で並べた項目です。
- 取引先名と、その取引先との取引量の目安
- 現在使っている通信手順(JCA手順・全銀手順・全銀TCP/IP手順など)
- 回線の契約エリア(東日本か西日本か)と契約の種類
- やり取りしている帳票の種類(発注・出荷・受領・返品・請求・支払のどれか)
- 受信データを取り込んでいる自社システムと、担当している部署
- 取引先から切替の案内や希望日が来ているか
拠点が複数ある場合は、取引先単位ではなく拠点と取引先の組み合わせで数えます。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 回線側の期限 | NTT東日本エリアはINSネットの新規申込受付が2024年に終了、サービス提供終了は2028年度末の予定 |
| エリアの違い | 西日本エリアの拠点は、同じ発表に終了時期が含まれないため別途確認する |
| 1社あたりの段取り | 事前調整から利用開始まで1カ月程度(2016年の取材に基づく目安、条件により前後する) |
| 接続条件の確認 | 基本形か業界別の体系か、どの版か、どのメッセージを使うかまで取引先と合わせる |
| 対象になる業務 | 発注・出荷・受領・返品・請求・支払の6業務・8種のメッセージ(基本形Ver.1.0) |
| 業界の進み具合 | 卸・メーカーの導入は2025年6月時点で21,600社以上(推計、母数は示されていない) |
棚卸しまで進めても、社内の改修範囲と必要な期間の見積もりが自社だけでは固まらず、稟議を出す時期を決められないことがあります。 現在の受注データが社内のどこを通っているかを確認しながら、切替の順番と、社内で先に決めておくべきことを洗い出せます。
よくある質問
全銀手順を使っている場合も、JCA手順と同じように移行が必要ですか
分かれ目は手順の名前ではなく、その手順をどの回線の上で使っているかです。
日経BPの記事では、ISDNからIP網への移行にあたってJCA手順・全銀手順・全銀TCP/IP手順などの通信手順の変更が求められるとされています4。
INSネットを使っているのであれば、NTT東日本エリアでは2028年12月31日のサービス提供終了6が期限になります。
まず回線の契約内容を確認し、そのうえで取引先がどの仕様での接続を求めているかを確かめてください。
取引先ごとに時期をずらして、段階的に進めることはできますか
段階的になるのが前提です。
EDIの切り替えは取引先1社ずつスケジュールを合わせる作業で、事前調整から利用開始までに1社あたり1カ月ほどかかるとされています4。
全社を同じ日に切り替える進め方は現実的ではありません。
ただし回線の終了日はすべての取引先に共通の期限なので、最後の1社が終わる日から逆に並べて、どこまで後ろ倒しできるかを見ておく必要があります。
ISDN回線の終了後も、電話としての利用は続けられますか
本記事で参照したNTT東日本の発表は、INSネットについて2024年8月31日までの新規申込受付終了と、2028年12月31日のサービス提供終了を示したものです6。
終了後に音声の通話をどの契約で続けるかは、契約の種類や拠点の設備によって変わるため、この発表だけでは判断できません。
EDIの移行計画とは別に、電話回線側の契約について通信事業者の案内を確認してください。
まだ流通BMSに対応していない取引先とは、当面どう取引を続ければよいですか
まず確認すべきは、相手がいつ、どの方式に切り替える予定かです。
日経BPの記事では、IP網に対応したEDIとして流通BMSのほかWeb-EDIなども挙げられています4。
相手がどちらを選ぶかで、自社に必要な準備は変わります。
相手の対応時期が自社の回線の期限より後になりそうな場合は、その間の受発注をどう扱うかを早めに相談しておいてください。
紙やファクスに一時的に戻す選択を含めて決めておかないと、期限の直前に手作業が集中します。
流通BMSにすると、6業務すべてを一度に電子化することになりますか
基本形は発注・出荷・受領・返品・請求・支払の6業務について、8種の標準メッセージとして公開されました2。
ただし、標準に含まれていることと、その取引で使うことは別です。
実際に使うメッセージは取引先との取り決めで決まるため、いまやり取りしている帳票のうち何が置き換わるのかを、事前調整の段階で確認します。
請求や支払まで広げるかどうかは、自社の会計側の処理と合わせて判断することになります。
- 1 出典:一般財団法人流通システム開発センター(流通システム標準普及推進協議会)「第28回 卸・メーカーの流通BMS導入企業数推計」(2025年)
- 2 出典:GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)流通BMS協議会「流通BMS標準仕様」(2025年)
- 3 出典:GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)「流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)」(2018年)
- 4 出典:日経BP「ISDN移行のハードルは業界によって様々、EDIなどは早期対応が必要」(2016年)
- 5 出典:TISI株式会社「流通BMSとは?JCA手順との違いや導入メリット、導入のポイントを解説」(2026年)
- 6 出典:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)「INSネットの新規申込受付・提供終了について」(2024年)