◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 電話受注の誤配は注意力よりも、聞き取り・転記・引き渡しの各工程に他者の確認が入らないことで通過してしまう
- 調査ではFAX・Eメール・電話を併用する受注担当者の38.9%が属人化、60%が手入力の手間、41.1%が注文確認の煩雑さを挙げており、手間が集中する工程は省略も起きやすい
- 復唱の順序を固定し、通話中に書き切れる注文票にする工夫は費用がかからない一方、効果を示す定量データはないため、自店の記録で確かめる
- 一人体制でそのまま使えるのは通話録音で、モニタリングとささやきは聞く側の人手を前提とする
- 公表されている月10〜20件から1〜2件へのクレーム減は複数名体制での電話応対全般の品質改善によるもので、誤配の減少を示した数値ではない
目次

電話受注の誤配は一人担当のどこで起きやすいか
「頼んだものと違うものが届いた」という電話が入り、控えを見返すと自分が書き取った品番が一つずれていた。
電話注文を受けるのが自分ひとりだと、こうしたずれは受けた瞬間から出荷まで誰の目にも触れないまま進みます。
ここで最初に変えられるのは、注意の量ではなく、聞き取り・転記・引き渡しのどこでずれたのかを切り分ける仕組みのほうです。
食品の小売・卸売業の受注担当者への調査では、FAX・Eメール・電話を組み合わせて受注する担当者の38.9%が業務の属人化を、41.1%が注文確認の連絡の煩雑さを挙げています1。
原因の場所を見極めたうえで、復唱の順序を決める、注文票の欄を固定するといった費用のかからない工夫から着手し、それでも残る誤配に対して録音などの体制強化を考える。
この順序が、一人担当を続けたまま取れる現実的な進め方です。
業務が一人に偏ることで生まれる属人化のリスク
誤配のクレームが続くと、まず自分の注意力を疑いたくなります。
ただ、一人で電話を受けている体制では、注意力とは別の理由でミスが表に出にくくなっています。
電話で聞き取った内容は、受けた本人の記憶と手元のメモにしか存在しません。
その内容が本当に注文どおりかを、荷物が出るまで誰も見ていない状態が続きます。
進め方や情報が特定の担当者だけに閉じている状態を、属人化と呼びます。
食品の小売・卸売業で受注業務を担当する106名への調査では、FAX・Eメール・電話を組み合わせて受注している担当者(n=90)の38.9%が「オペレーションの属人化が発生している」と回答しました1。
この調査は2023年3月に実施されたもので、電話だけを取り出した設問は設けられておらず、誤配の発生率そのものを測った数値でもありません。
それでも、複数の受注手段を扱う現場ですでに4割近くが属人化を自覚していることは、受注手段が電話ひとつに絞られ、担当者も一人という体制がさらにその状態に近いことを示す手がかりになります。
属人化が誤配につながる筋道は、ミスが「起きる」側よりも「そのまま通ってしまう」側にあります。
二人以上で受けていれば、メモの書き方が普段と違うときに隣の人が声をかける、出荷指示を出す前にもう一人が読む、といった通過点が自然に生まれます。
一人担当ではその通過点がないので、聞き間違いが一度起きると、そのまま伝票になり、そのまま荷物になります。
誤配が「ときどき、しかし大きく外れる」形で現れやすいのは、この構造が理由です。
では電話受注そのものをやめればよいかというと、それも簡単ではありません。
同じ調査で、受注手段として電話を使っている担当者は106名中50%にのぼり、FAXか電話で受注している担当者(n=80)の58.8%が「FAX・電話での受注を廃止すると取引に支障が出る」と答えています1。
注文する側の都合で電話が残る以上、電話を受け続ける前提のままミスを減らす方法を組み立てることになります。
注文確認・入力・管理、どこで手間とミスが生まれやすいか
誤配を減らす作業は、「次から気をつける」と決めた時点では一歩も進んでいません。
進むのは、どの動作でずれたのかを場面ごとに分けたときです。
電話注文は、受話器を取ってから荷物が出るまでに、少なくとも三つの動作を通ります。
相手の言葉を聞き取る動作、聞き取った内容を伝票や画面へ書き写す動作、その伝票を出荷や配送へ渡す動作です。
調査では、この三つの動作に対応する負担がそれぞれ数値で出ています。
「注文書の手入力に手間がかかる」が60%、「注文確認の連絡に手間がかかる」が41.1%、「注文書の管理(保管義務)」が煩雑であるが30%でした(いずれもFAX・Eメール・電話を組み合わせて受注する担当者n=90)1。
これは手間の感じ方を尋ねた数値であって、誤配率ではありません。
ただ、手間が集中している場所は、急いでいるときに省略されやすい場所でもあります。
手入力に6割が手間を感じているという結果は、書き写す動作が現場でいちばん重い工程になっていることを示しています。
聞き取りの場面でずれるのは、多くの場合、言い回しが揃っていない注文です。
たとえば同じ商品を先方が通称で呼んでいる、サイズ違いが二種類あって片方だけ品番が近い、といった条件が重なると、耳で受けた情報は一つでも、手元で選べる候補は二つになります。
届け先が本社と倉庫の二か所ある取引先や、いつもと違う数量の注文も同じです。
これらは「注意深さ」の問題ではなく、確認すべき項目が通話のたびに変わることの問題です。
転記の場面は、同じ内容を二度書くところで生まれます。
通話中の走り書きを、あとから注文票や受注画面へ写す形になると、走り書きの読み違いがそのまま確定してしまいます。
引き渡しの場面は、出荷担当や配送業者へ渡す時点です。
品番と数量は合っているのに届け先だけが前回の注文のままだった、という誤配はここで生まれます。
自分のクレームがどの場面から来ているかで、次に打つ手はまったく変わります。
復唱の徹底・注文票の様式化でどこまで防げるか
今日から始められる工夫の内容
場面が分かれば、費用をかけずに手を入れられる余地が見えてきます。
ここで扱うのは、一人担当のまま、今日の注文から変えられる範囲の工夫です。
先にお伝えしておくと、復唱の徹底や注文票の様式化が誤配を何割減らすかを示す定量的な資料は確認できていません。
ですから「これで防げます」という言い方はできません。
できるのは、確認が抜ける余地を構造として減らし、その効果を自分の店の記録で確かめることです。
復唱で効くのは、回数よりも順序です。
思い出した順に読み上げると、そのとき意識していた項目だけが二度確認され、意識していなかった項目は一度も確認されません。
順序を固定すると、意識していなかった項目も必ず口に出ることになります。
届け先、品番と商品名、数量、希望日、この四つを毎回同じ順で読み上げると決めるだけで、届け先だけ前回のまま、という抜け方はしにくくなります。
注文票は、通話が終わってから清書するのではなく、通話中に書き切れる様式にします。
欄が空白のまま埋まっていないと、自分でその場で気づけるからです。
「商品名」という自由記入欄だけの用紙だと、聞いたことを聞いた順に書くしかありませんが、届け先・品番・数量・希望日・備考と欄を分けておけば、順序を固定した復唱とそのまま対応します。
復唱しながら欄を指でたどる形になり、読み上げと記入が別々の作業でなくなります。
もう一段の工夫が、締め時間前の読み返しです。
受けた直後は自分の記憶が補ってしまうため、書き間違いに気づきにくくなります。
出荷の締め時間の前に、その日の注文票をまとめて見ると、記憶が薄れている分だけ紙に書かれた情報だけで読むことになり、「この数量はこの取引先にしては多い」といった違和感が働きます。
一人担当で失われている第三者の目を、時間をずらすことで一部だけ取り戻す考え方です。
効果を自分で確かめる記録の取り方
これらの工夫に外部の効果データがない以上、効いたかどうかは自分の記録で判断するしかありません。
逆に言えば、自分の店の記録は、どんな調査結果よりも自分の条件に合った根拠になります。
ここで大事なのは、クレームの件数だけを数えないことです。
件数だけでは、注文そのものが減った月と、ミスが減った月を区別できません。
記録に残すのは、いつ、どの取引先で、どの場面のずれだったか、という三点です。
「品番違い」「数量違い」「届け先違い」「希望日違い」のどれかに分類できれば、次に手を入れる場所がそのまま決まります。
品番違いが続いているなら復唱の順序と商品名の呼び方の問題、届け先違いが続いているなら転記と伝票作成の問題、というふうに切り分けられるからです。
比較の期間は、少なくとも工夫を始める前の数か月分と、始めた後の同じ長さの期間を揃えます。
そのうえで、クレーム件数をその期間の電話注文件数で割った値を見ます。
注文が増えている時期にクレーム件数が横ばいなら、件数あたりでは減っています。
この計算をしておくと、「気のせいかもしれない」で終わらず、体制を変えるべきかどうかの判断材料にもなります。
記録を数か月続けても、同じ種類のずれが同じ頻度で出続ける場合があります。
そのときは、工夫の実行度が足りないのか、そもそも一人で受けきれない量なのかが分かれ目になります。
受けた時間帯も記録しておくと、この判断がしやすくなります。
特定の時間帯に集中しているなら、対策の焦点は個人の手順ではなく、その時間帯の受け方そのものへ移ります。
| 記録する項目 | 記入の例 | その項目から分かること |
|---|---|---|
| 発生日と受注日 | 受注は月内、発覚は翌週 | 発覚までの遅れが大きい場合は出荷後の確認手段が不足している |
| ずれの種類 | 品番違い・数量違い・届け先違い・希望日違い | 手を入れるべき場面(聞き取りか転記か引き渡しか) |
| 受けた時間帯 | 昼前の混雑時 | 忙しさとミスの重なり方 |
| その月の電話注文件数 | 月あたりの総件数 | 件数あたりで見たときに実際に減ったかどうか |
録音・モニタリングなど体制を変える対策にはどんな効果と条件があるか
録音・モニタリング・ささやき機能とは何か
手順の工夫で残ってしまう誤配に対して、次に候補になるのが電話まわりの機能です。
電話対応の品質向上でよく挙がるのが、通話録音、モニタリング、ささやきの三つです。
名前が並んで紹介されることが多いのですが、一人担当の現場で使えるかどうかは、この三つでまったく違います。
通話録音は、通話の音声をそのまま保存しておく機能です。
あとから聞き直せるので、注文の内容が食い違ったときに、聞き間違いだったのか、伝えられた内容自体が違ったのかを事実として確かめられます。
モニタリングは、管理者などの別の人が、進行中の通話を横から聞く機能です。
ささやきは、その聞いている人が、通話相手には聞こえない形で担当者へ助言を伝える機能を指します。
この整理で分かるのは、モニタリングとささやきが「聞く側の人がいる」ことを前提にした機能だという点です。
一人で受けている限り、この二つは導入しても働きません。
逆に録音は、聞き直す相手が自分自身でも成立します。
誤配が起きたときに、自分の書き取りと実際の通話を突き合わせられるようになり、前節で作った記録の「ずれの種類」を推測ではなく音声で確認できるようになります。
事例が示す効果と、誤配対策へ当てはめる際の注意点
これらの機能を導入してクレームが減った事例は公表されています。
医薬品や健康食品などを製造販売するフィブロ製薬では、通話録音・モニタリング・ささやき機能を2018年に導入し、それ以前は月に10件から20件程度あったクレームが、1〜2件程度まで減ったと報告されています2。
数字だけを見ると大きな変化ですが、この事例を自分の誤配対策の根拠にする前に、確かめておくべき条件が二つあります。
一つめは、減ったクレームの中身です。
この事例でクレーム減少の理由として挙げられているのは、健康相談を受ける際にお客さまとのやり取りを事前に音声で確認できるようになり、相手に寄り添う会話ができるようになったことです2。
つまり、対応の質が上がったことによる減少であり、公表されている内容の中に誤配や配送ミスに関する記述はありません。
誤配が何割減ったのかを示す数値ではない、ということです。
二つめは、体制の違いです。
この事例の受注体制は、コールセンターへ委託した4席(約10名)に自社の1席を加えたもので、自社側は健康相談や引き継がれた対応を担当しています2。
導入された機能のうちモニタリングとささやきは、この複数名の体制があって初めて働きます。
一人で受けている現場に同じ機能を入れても、同じ働き方にはなりません。
では一人担当にとって意味がないかというと、そうではありません。
ただし、期待できることの中身を置き換えて考える必要があります。
一人体制で録音を入れて変わるのは、クレームが起きたあとの作業です。
これまでは「自分はこう聞いた」という記憶しか手元になく、相手の主張と食い違ったときに原因を確かめようがありませんでした。
録音があると、聞き取りの段階でずれたのか、書き写す段階でずれたのかを事実として特定できます。
これは誤配そのものを止める仕組みではなく、原因を特定できるようにする仕組みです。
ただ、前節で作った記録の精度は確実に上がります。
「たぶん聞き間違いだと思う」という自己申告の分類が、「この通話ではこう言われている」という確認済みの分類に変わるからです。
どの場面に手を入れるべきかを外さなくなる、という点で、手順の工夫と組み合わせたときに意味を持ちます。
| 機能 | 何をするものか | 一人で受けている体制での扱い |
|---|---|---|
| 通話録音 | 通話の音声を保存し、あとから聞き直す | 一人でも成立する。原因の切り分けと記録の裏取りに使える |
| モニタリング | 別の人が進行中の通話を聞く | 聞く側の人手が要る。一人体制ではそのままでは使えない |
| ささやき | 聞いている人が相手に聞こえない形で助言する | モニタリングが前提。助言する人がいて初めて機能する |
出典:本文に記載された一事例(2018年導入)に関する記述
自分の注文量・体制では何から着手すべきか
個人の工夫から始めてよいケース
ここまでで、手を入れられる場所は二層あることが見えました。
復唱の順序と注文票の様式という、今日から始められる層と、録音のように費用と設定が必要な層です。
どちらから着手するかは、受注量と、誤配が起きている時間帯の偏りで判断できます。
一日の電話注文が数件から十数件程度で、誤配が特定の取引先や特定の商品に集中している場合は、個人の工夫から始めて十分に見込みがあります。
集中しているということは、原因が量ではなく、その取引先や商品に固有の条件にあるからです。
呼び方が紛らわしい商品を注文票の欄に先に印刷しておく、届け先が複数ある取引先だけ欄を分ける、といった対処で、その条件だけを潰せます。
ここに録音を入れても、確認できることは増えますが、ずれる条件そのものは残ります。
もう一つ、個人の工夫から始めてよいのは、記録がまだ取れていない場合です。
どの場面でずれているかを把握しないまま機能を導入すると、導入後に改善したかどうかを判断する基準がありません。
前節の記録を一〜二か月分でも先に取っておくと、導入の要否も、導入後の効き方も、同じものさしで見られるようになります。
体制変更を検討すべきサイン
一方で、手順を固定しても件数あたりのクレームが下がらない状態が数か月続くなら、それは実行度の問題ではなく容量の問題である可能性が高くなります。
分かりやすいサインが、誤配が特定の時間帯に集中していることです。
昼前や夕方の締め間際に偏っているなら、その時間帯は復唱を省略せざるを得ない状況が生まれていることになります。
手順を増やすほど守れなくなるので、同じ工夫を繰り返しても改善しません。
もう一つのサインは、電話を受けながら別の作業をしている時間が常態化していることです。
接客や出荷作業の途中で受話器を取ると、注文票へ書き切る前に手が離れ、あとから記憶で清書することになります。
この状態が続いているなら、注文票の様式を変えても、書き切る時間そのものがありません。
受ける時間帯を絞る、留守番応答で折り返す運用に変える、受注の一部を電話以外へ移す、といった受け方の変更が先になります。
体制を変える方向へ進む場合も、事例の数字をそのまま自分の期待値にしないことが大事です。
公表されている大きなクレーム減は、複数名の体制で電話応対全般の質を上げた結果として報告されているものでした2。
一人体制で録音を入れて得られるのは、原因を特定できるようになることと、記録の裏付けが取れるようになることです。
この違いを踏まえておくと、導入後に「思ったほど減らない」と感じる事態を避けられます。
費用については、録音や受注の仕組みの導入、あるいは受注時間帯だけの増員のいずれも、注文量・回線数・保存期間・委託範囲によって金額の考え方が変わります。
一般的な相場としてお伝えできる確認済みの数字はないため、必要な条件を整理したうえで個別に見積もりを取るのが確実です。
その際、ここまでに取った記録があると、何席分が必要か、録音をどれだけ保存するか、といった前提を数字で伝えられます。
見積もりの精度は、そのまま判断の精度になります。
最後に、着手の前によく出てくる疑問をまとめておきます。
誤配の原因が聞き取りにあるのか、書き写す工程にあるのかは、受注から出荷までの流れを一度外から見てもらうと切り分けが早くなります。
現在の受注の受け方と出荷までの手順を伺えば、手順の固定で減らせる部分と、仕組みを変えないと残る部分の境目をその場で整理できます。無料相談で要件を整理する
受注担当者が感じる業務負担の内訳(属人化・入力・確認・管理)
食品の小売・卸売業でFAX・Eメール・電話を組み合わせて受注する担当者(n=90、2023年3月調査)の回答割合の高い順に並べた一覧で、電話単独の設問や誤配の発生率は含まれません。
- 注文書の手入力に手間がかかる:60%
- 注文確認の連絡に手間がかかる:41.1%
- オペレーションの属人化が発生している:38.9%
- 注文書の管理(保管義務)が煩雑である:30%
自分の現場で時間を取られている場面と見比べ、どの動作から手を入れるかを決める
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 原因の切り分け | 品番・数量・届け先・希望日のどれがずれたかで、聞き取り・転記・引き渡しのどの場面かを特定する |
| まず着手する対策 | 復唱の順序を固定し、通話中に書き切れる注文票にする(費用はかからない) |
| 効果の測り方 | 着手前後を同じ長さの期間で、クレーム件数÷電話注文件数で比べる |
| 一人体制で使える機能 | 通話録音は成立する。モニタリングとささやきは聞く側の人手が前提 |
| 事例の読み方 | 公表されている月10〜20件から1〜2件への減少は、複数名体制での電話応対全般の品質改善によるもので、誤配の減少を示す数値ではない |
| 体制変更を考える目安 | 件数あたりで下がらず、誤配が締め間際など特定の時間帯に集中している状態が続くとき |
記録を取ったうえで体制を変える段になると、必要な機能の範囲と、どこまでを今の体制で続けるかの線引きが判断の中心になります。 注文件数や時間帯の偏り、残っている誤配の種類を共有いただければ、受け方の見直しで足りるのか、仕組みの導入が要るのかを条件ごとに確かめられます。
よくある質問
電話注文の内容を録音する場合、法律上の注意点はあるか
録音の可否や通知の要否は、業種や取引の形態、保存する情報の中身によって扱いが変わるため、導入前に利用する事業者と自社の顧問へ確認するのが確実です。
実務としては、通話の冒頭で録音している旨を案内するか、保存した音声を誰が聞けるか、どれだけの期間で消すかを先に決めておくと、社内の運用が固まります。
一人担当の場合は聞くのも管理するのも自分になりますが、だからこそ保存期間と保存場所を決めておかないと、聞き直したい通話を探せなくなります。
注文票のフォーマットはどのように設計すればよいか
通話中に書き切れることを基準にすると、設計は絞れます。
届け先、品番と商品名、数量、希望日、備考というように欄を分け、復唱する順序と同じ並びにします。
欄が空白のまま残っていれば通話を切る前に気づけるので、あとから記憶で埋める作業がなくなります。
紛らわしい商品名や、届け先が複数ある取引先については、選択式にして丸を付ける形にすると、書き取り自体をなくせます。
一人体制のままでも録音・モニタリング機能は導入できるか
通話録音は一人でも成立します。
聞き直す相手が自分自身でも、書き取りと実際の通話を突き合わせられるからです。
一方、モニタリングは進行中の通話を別の人が聞く機能、ささやきはその人が通話相手に聞こえない形で助言する機能なので、聞く側の人手がいなければ働きません。
一人体制で検討する価値があるのは、まず録音です。
復唱や注文票の工夫を試しても改善しない場合、次に何を検討すべきか
まず、クレーム件数をその期間の電話注文件数で割った値で比べ直してください。
注文が増えている時期は、件数が横ばいでも実質は減っています。
そのうえで件数あたりでも下がらず、誤配が締め間際など特定の時間帯に偏っているなら、手順ではなく受け方の問題です。
受ける時間帯を絞る、折り返す運用にする、録音で原因を特定できるようにする、といった順で検討することになります。
画像の出典元
- Businessman talking on phone while writing notes and using a laptop at desk./Photo by Andrea Piacquadio on Pexels