◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- トークの流れではなく、受注側が書き起こした復唱文を取引先が了承した時点で、1件の注文を確定させる。
- 送信取消された文面は受注側の画面からも消えて復元できないため、受け取ったら早いうちに復唱を返しておく。
- 訂正・追加・キャンセルは受付番号に結びつけ、変更後の注文全体を復唱し直す。
- LINE公式アカウントのチャットは担当者割り当てと3段階の対応ステータスが使えるが、無料の範囲ではタグが1ユーザー1個・保存が半年で、注文ごとの状態管理には限界がある。
- 外部の仕組みは、取引先の操作負担・記録の残り方・既存の受注処理への取り込みの3つの軸で比べる。
目次

LINE受発注のトークで取り違えが起きる場所:取消・削除・画像の仕様から見る
たとえば取引先からLINEで「やっぱり20で」と届き、どの注文の20なのか、箱なのか個なのか、画面をさかのぼって迷うことがあります。
LINE受発注のトークでは、注文・訂正・雑談が一本に連なるため、会話の流れからどれが最終の注文かを読み取ろうとすると取り違えが起きやすくなります。
しかも送信取消をされると、その文面は受注側の画面からも消え、復元できません2。
そこで、届いた注文を会話から切り出し、品名・数量・納期を復唱して取引先の了承を得た時点で1件を確定させる運用を提案します。
担当者が増えたら、LINE公式アカウントのチャット機能の限界を見て、仕組みを足すか判断します。
送信取消で本文が消えるとき
取り違えというと数字の読み間違いを思い浮かべがちですが、LINEでは判断の根拠になる文面そのものが画面から消えることがあります。
個人のLINEの送信取消は、送った側と受け取った側の両方のトークルームからメッセージを削除する機能で、受け取った側の画面には本文の代わりに「メッセージの送信を取り消しました」という表示が残ります2。
取り消されたメッセージは復元できません2。
たとえば取引先が「A品30ケース、金曜納品で」と送り、受注担当者がそれを見て出荷準備のメモに書き写したあと、取引先がそのメッセージを取り消したとします。
受注側に残るのは、手元のメモと取消の表示だけです。
後日「30個と書いたはず」と言われても、トークに戻って文面を確かめることはできません。
取消の表示からは、取引先が数量を直したかったのか、別の相手に送るつもりだったのかも分かりません。
取消は、注文の根拠を消すと同時に、取引先の意図が変わった可能性を知らせる出来事でもあります。
似た操作に削除があります。
削除は自分の画面だけからメッセージを消す操作で、相手の画面には残ります2。
取引先が自分の画面で注文文面を削除しても、受注側のトークには残ります。
反対に、受注側がうっかり削除した文面は取引先の画面に残っています。
削除も後から復元はできないため2、受注側で消してしまった場合は、取引先にその部分の画面を送ってもらうなど、相手側の記録で補うことになります。
取消は双方から消え、削除は操作した側からだけ消える、と押さえておくと、食い違いが起きたときに何が残っているかを判断しやすくなります。
個人アカウントと公式アカウントで違う取消の制限時間
送信取消ができる期間は、どのアカウントから送ったメッセージかで違います。
個人のLINE(標準ユーザー)では送信後1時間以内、LYPプレミアム会員は送信後7日以内まで取り消せます2。
LINE公式アカウントのチャットでは、アカウント側が送ったメッセージを送信から24時間以内なら取り消せます1。
この2つは別の機能の期限で、同じメッセージに両方が当てはまるわけではありません。
取引先が個人のLINEから、受注担当者の個人のLINEへ注文を送っている場合に関わるのは、個人アカウントの期限です。
取引先がLYPプレミアム会員なら、数日前の注文文面が取り消されることもありえます。
受注側がLINE公式アカウントで注文を受けている場合、24時間の期限が関わるのは、受注側が送った返信や確認のメッセージです。
公式アカウント宛てに取引先が送ったメッセージを取引先側で取り消せるか、その期限はどうかは、上の2つの期限とは別の話なので、自社のアカウントの画面やヘルプで確かめておく必要があります。
どちらの場合も言えるのは、取引先が送った注文文面が、受注側の処理が終わるまで残っている保証はないということです。
そのため注文を確定させる手順は、受け取ってから早いうちに済ませる形にしておくと、取消による取り違えの余地を減らせます。
受注側が注文内容を文字にしてトークへ返しておけば、元の文面が取り消されても、受注側が送った文面は残ります。
公式アカウントで受けている場合は、逆向きの注意もあります。
受注側が送った確認のメッセージは24時間以内なら取り消せるため1、別の担当者が誤りに気づいて取り消すと、取引先が了承した根拠が消えてしまいます。
確定に使った受注側のメッセージは取り消さず、誤りは新しいメッセージで訂正する、と決めておくと記録が途切れません。
画像の注文で注意すること
LINE公式アカウントのチャットは画像の送受信に対応しており1、手書きの発注メモや注文書を撮影した画像で注文が届くこともあります。
画像は元の書類をそのまま見られる点で便利ですが、受注側には、数字や品名を目で読んで書き写す作業が必ず残ります。
手書きの「1」と「7」、単位の書かれていない「5」、矢印で書き足された追加分など、読み手の解釈がそのまま注文になってしまう箇所は、1枚の画像の中にいくつもありえます。
しかもその解釈は受注側の頭の中にしかなく、トークには画像だけが残ります。
あとで食い違いが分かっても、受注側がどう読んだかを示すものがありません。
画像の注文は、受注側が読み取った内容を文字にして返し、取引先の了承を得るまでは受け取っただけの状態として扱うと、解釈の違いを出荷前に表に出せます。
書き起こしの形は、次の節の復唱文と同じです。
| 操作 | 消える範囲 | 取り消せる期間 | 受注側への影響 |
|---|---|---|---|
| 送信取消(個人のLINE) | 送った側のメッセージが双方の画面から消える | 送信後1時間以内(LYPプレミアム会員は7日以内) | 本文の代わりに取消の表示が残り復元できない |
| 削除(個人のLINE) | 操作した人の画面からだけ消える | — | 相手の画面には残るが削除した側では復元できない |
| 送信取消(LINE公式アカウントのチャット) | アカウント側が送ったメッセージ | 送信から24時間以内 | 受注側が送った確認のメッセージが対象になる |
注文を会話から切り出して確定させる:確認返信と復唱の型
復唱文に入れる項目と順序
取引先が送った文面はトークに残り続けるとは限らず、画像の注文には受注側の解釈が入ります。
そこで、トークの流れを注文の正本にするのをやめ、受注側が注文内容を書き起こした復唱文のうち、取引先が了承したものを正本にする運用を提案します。
正本とは、あとで食い違いが出たときに「これが注文だった」と照らし合わせる基準の文面のことです。
会話から切り出すとは、あいさつや雑談、途中の相談を除いて、注文に当たる情報だけを1件ずつ抜き出し、番号を振って並べ直すことを指します。
復唱文は、毎回同じ項目を同じ順序で書きます。
順序を固定すると、受注側は書き漏れに気づきやすくなり、取引先も見慣れた形なのでどこを確かめればよいかが分かります。
項目の例は次のとおりです。
- 受付番号:受注側が1件ごとに振る番号
- 取引先名と発注者名
- 品名と規格(容量・色・サイズなど)
- 数量と単位(ケース・個・袋などを数量のすぐ後に書く)
- 納期と納品先(曜日だけでなく日付で書く)
- 前回の注文や途中の相談からの変更点
- 了承の返信のお願い
番号を先頭に置くのは、後から来る訂正や問い合わせで、どの注文の話かを番号で指せるようにするためです。
単位を数量から離さないのは、「30」が箱なのか個なのかという、トークで最も補われやすい部分を受注側が言い切るためです。
納期を日付で書くのは、「来週の月曜」のような言い方が、送った日と読んだ日によって指す日が変わるからです。
変更点の欄は、定期的な注文や、やり取りの途中で数が変わった注文で、受注側がどの段階の内容を採ったかを取引先に見せる役目を持ちます。
文面にすると、たとえば次のようになります。
【ご注文確認 No.〇〇-03】〇〇商店 〇〇様/A品(500g)30ケース、B品10袋/納品:〇月〇日(〇)午前、本店/前回からの変更:B品を追加/この内容でよろしければ『OK』とご返信ください。
「確定」とみなす返信の決め方
復唱文を送っただけでは、注文はまだ確定していません。
取引先が内容を見て了承した、と受注側が判断できる返信が届いた時点を確定とします。
迷いやすいのは、何をもって了承とするかです。
「OK」「お願いします」のような文字の返信だけを了承とするのか、スタンプも含めるのか、既読がついて返信がない場合はどうするのかを、あらかじめ決めておきます。
既読は読んだことしか示さないので、既読だけで確定とすると、復唱文の誤りに気づかれないまま進む余地が残ります。
返信がないまま納期が近づく場合の扱いも決めておきます。
未確定の注文は未確定のまま扱い、出荷準備に入る前に電話などで確かめる、といった扱いです。
どの時点で確かめ直すかは、注文の性質や取引先との関係で変わり、決まった正解はありません。
大事なのは、担当者によって判断が変わらないよう、決めた扱いを受注側の中でそろえておくことです。
LINE公式アカウントのチャットはグループチャットにも対応しているため1、取引先の複数の人が同じトークにいる形で注文を受けることもあります。
その場合は、誰の了承をもって確定とするかも決めておく必要があります。
発注を担当する人以外が「OK」と返したとき、それを確定とするかどうかで、食い違いが起きたときに誰に確かめればよいかが変わるからです。
確定したら、受注台帳や受注処理の画面へ転記するときも、元の会話ではなく了承された復唱文から写します。
会話をさかのぼって注文を読み直す作業がなくなり、転記の元が1か所に決まります。
ただし、これは編集上の提案で、誤発注がどれだけ減るかを示す資料はありません。
自社で効果を確かめるなら、始める前と始めた後で、取引先へ内容を聞き直した回数や、出荷後に訂正が出た件数を数えて比べると、手順が自社の注文で効いているかが見えてきます。
この運用は、取引先が了承の返信に応じてくれることと、復唱文が記録として残ることが前提です。
訂正・追加・キャンセルをどう扱うか:最終の注文を決めるルール
どの注文への変更かを結びつける
1件ずつ確定させても、確定後に「やっぱり20で」「1つ追加して」「来週の分はなしで」といった連絡は届きます。
取り違えが起きやすいのは、この連絡がどの注文に向けたものかがトークの文脈に任されている場合です。
同じ取引先から確定済みの注文が2件あれば、「20で」はどちらの何を20にするのか、受注側が推測するしかありません。
そこで、変更は受付番号に結びつけて受けるルールを提案します。
取引先が番号を添えてくれればそのまま照合し、添えていなければ、受注側が「No.〇〇-03のA品を30ケースから20ケースに変更、でよろしいですか」と、番号と変更前後を書いて確かめます。
了承を得たら、変更した部分だけでなく、変更後の注文全体を復唱し直します。
差分だけを残すと、確定した内容を知るために複数のメッセージを組み合わせて読む必要が生まれ、会話から切り出した意味が薄れるからです。
新しい復唱文が了承された時点で、古い復唱文は差し替え済みとして扱います。
追加は、同じ納期・同じ納品先なら同じ番号の変更として扱い、条件が違えば新しい番号を振る、というように線を引いておくと迷いません。
キャンセルも番号で受け、「No.〇〇-03を取り消しました」と受注側から返して終わらせます。
変更をいつまで受け付けるかは、出荷準備や仕入れの都合で受注側ごとに違い、取引先との取り決めで決まります。
締切を決めたら、締切後の変更は受けられない場合があることを、取引先へのルールの案内に含めておきます。
取消があったときの再確認
トークに「メッセージの送信を取り消しました」と表示されたときの扱いは、復唱の前か後かで変わります。
復唱の前に取り消された場合、取り消された文面は復元できないので2、その注文の内容は受注側の記憶やメモにしか残っていません。
記憶を頼りに復唱文を作ると、取消の理由が数量の訂正だった場合に、古い数のまま確定させてしまうおそれがあります。
この場合は、「先ほど取り消されたご注文の内容を、改めてお送りいただけますか」と取引先に確かめるところから始めます。
復唱の後に取引先の元の文面が取り消された場合は、受注側の復唱文と取引先の了承が残っているので、確定した内容は分かります。
それでも、取消は取引先の意図が変わった合図かもしれません。
確定済みの注文に関わる取消を見つけたら、「No.〇〇-03の内容に変更はありませんか」と一言確かめておくと、取引先が訂正のつもりで取り消し、新しい内容を送り忘れているような食い違いを出荷前に拾えます。
個人のLINEでは、LYPプレミアム会員なら送信後7日以内まで取り消せるため2、確定から数日たってから取消の表示が現れることもありえます。
確定済みの注文は復唱文を基準にし、取消の表示は確認のきっかけとして扱う、と役割を分けておくと判断がぶれません。
担当者が複数いるとき、トーク画面の運用はどこまで持つか
担当者設定と対応ステータスでできること
ここまでの手順は、受注担当者が1人でも複数でも変わりません。
担当者が増えると、誰がどの取引先の注文を見ているか、どの注文がまだ確定していないかをチームで共有する必要が新たに出てきます。
以下の機能はLINE公式アカウントのチャットのもので、2026年時点のマニュアルの記載に基づきます。
個人のLINEで受注している場合は、同じことができる前提にはせず、担当者間の共有はトークの外で行うと考えておきます。
LINE公式アカウントのチャットでは、担当者を割り当てられ、要対応・対応済み・スパムの3段階の対応ステータスを使えます1。
マニュアルでも、複数の管理者がいる場合に活用できる機能として説明されています1。
取引先ごとに担当者を決めて割り当てておけば、新しい注文が届いたときに誰が復唱を返すかで迷いません。
担当者が休む日には割り当てを付け替える、という受け渡しの仕方も考えられます。
迷うのは、3段階のステータスを注文の状態にどう当てはめるかです。
注文の確定手順には、受け取った、復唱を返した、了承を得た、という段階がありますが、注文の管理に使えるのは要対応と対応済みの実質2つです。
復唱を返して了承を待っているトークを対応済みにすると、了承が来ないまま忘れられるおそれがあります。
要対応のまま残すと、受注側がすぐ動く必要のあるトークと、取引先の返事を待っているだけのトークが同じ一覧に並びます。
どちらを選ぶかは取引先の数や返信の早さで変わりますが、了承を得るまでは要対応に置き、確定して転記した時点で対応済みにするほうが、未確定の注文を見落としにくい組み方です。
また、ステータスは注文1件ごとに付けるものではないため、1つの取引先に確定済みの注文と未確定の注文が並んでいる状態までは表せません。
タグ・メモ・保存期間の限界
タグは、チャットの相手であるユーザーに付ける目印です。
無料の範囲では1ユーザーに付けられるタグは1個、作れるタグの種類は5個で、チャットProオプションでは1ユーザーに最大30個、種類は300個まで広がります1。
タグがユーザー単位で付くということは、取引先1社に目印を付けることはできても、その取引先の注文1件ずつに「確定済み」「変更待ち」を付け分けることはできないということです。
無料の1個は「定期発注」「画像で注文が来る」のような取引先の性質を示すのに使い、注文の状態は別に管理するほうが無理がありません。
チャットProで30個に増やしても、付く先がユーザーである点は変わりません。
メモは、無料の範囲では各チャットルームに1件、チャットProでは最大1000件まで残せます1。
無料の1件は、その取引先との取り決め、たとえば変更の締切、了承とみなす返信、よく使う単位といった、担当者が替わっても知っておくべき事柄に充てると、引き継ぎの助けになります。
注文ごとの記録をメモに積み上げていくには、無料の1件では足りません。
後日の確認で効いてくるのが保存期間です。
チャットの保存期間は無料の範囲で半年、チャットProオプションでは5年で、5年の対象は2024年1月1日以降の履歴です1。
無料のままだと、半年より前の注文をトークでさかのぼって確かめることはできません。
年に一度の季節品の注文で「去年と同じで」と言われても、去年の内容はトークでは確かめられないということです。
ここで、前の節までの手順が効いてきます。
了承された復唱文を確定のたびに受注台帳などトークの外へ転記していれば、注文の記録はチャットの保存期間に左右されません。
反対に、トークを台帳代わりにしている運用は、保存期間とタグ・ステータスの仕組みの両方で限界に当たります。
どの時点で限界に当たるかは取引先の数と注文の量で変わるため、一律の目安は置けません。
チャットProを付けるかどうかは、延びる保存期間と増えるタグ・メモが自社の困り事に効くかと、契約画面で示される費用とを比べて判断することになります。
| 機能 | 無料の範囲 | チャットProオプション | 注文の運用で起きること |
|---|---|---|---|
| チャットの保存期間 | 半年 | 5年(2024年1月1日以降の履歴) | 無料では半年より前の注文をトークで確かめられない |
| 1ユーザーに付けられるタグ | 1個 | 最大30個 | ユーザー単位なので注文1件ごとの状態は付け分けられない |
| 作成できるタグの種類 | 5個 | 300個 | 無料では取引先の性質を示す目印に絞る |
| メモ | 各チャットルーム1件 | 最大1000件 | 無料では取引先との取り決めの記録に充てる |
仕組みを足す判断:注文フォームや受発注ツールに切り替える条件
切り替えを検討する目安
復唱と確認返信の手順は、トークの上でも、トークの外の台帳と組み合わせても続けられます。
それでも、手順を守るための手作業が重くなってきたら、注文フォームや受発注ツールのような外部の仕組みを検討する段階です。
前の節で見た限界を踏まえると、次のような状態が目安になります。
- 1つの取引先に確定済み・了承待ち・変更受付中の注文が同時に並び、タグと対応ステータスでは区別できない
- 半年より前の注文を確かめる場面が繰り返し出て、トークの外の台帳を探す手間がかかっている
- 画像で届く注文が多く、復唱文への書き起こしが受注担当者の作業の大きな部分を占めている
- 取引先が増え、担当者の割り当てや引き継ぎが頻繁に起きる
- 了承された復唱文を受注台帳や受注処理の画面へ写す作業が、毎日まとまった量になっている
どれか1つに当てはまったからといって、すぐに切り替える必要があるわけではありません。
保存期間だけが問題なら、トークの外へ転記する運用を徹底するか、チャットProで保存期間を延ばすかで足りる場合があります。
一方、注文ごとの状態が管理できないことが問題なら、ユーザー単位のタグを増やしても解決しません。
何に困っているかによって、手順を見直す、オプションを付ける、外部の仕組みに移す、のどれが合うかが変わります。
比較軸:取引先の負担・記録・受注処理への取り込み
外部の仕組みを比べるときは、機能の多さより、いまのLINE受注で困っていることがどう変わるかで見ると判断しやすくなります。
ここでは3つの軸を挙げます。
費用は製品と契約条件で違うため、候補ごとの見積もりで比べます。
1つ目は取引先の操作負担です。
LINEで受注する利点の一つは、取引先が一文を送るだけで注文できる手軽さです。
フォームや専用の画面に切り替えると、品名や数量を項目ごとに入れてもらえるため、受注側が書き起こす手間は小さくなりえます。
その代わり、取引先には入力の手間が増えます。
取引先がその手間を受け入れてくれるか、受け入れてもらえない取引先はLINEのまま残すのかを、候補を比べる前に考えておく必要があります。
2つ目は記録の残り方です。
トークでの困り事は、注文1件ごとの記録がなく、変更の経緯が会話の中に散らばり、保存期間を過ぎると見られなくなることでした。
候補を見るときは、注文が1件ずつ記録されるか、変更したときに変更前の内容が残るか、記録をどれだけの期間見られるかを確かめます。
取引先が単位を選び間違えたような入力の誤りに対して、受注側の確認がどこに入るかも見ておきます。
仕組みを変えても、受注側が内容の妥当性を見る確認がなくなるわけではないからです。
3つ目は既存の受注処理への取り込みです。
いま了承された復唱文を受注台帳や販売管理の画面へ手で写しているなら、その転記がなくなるかどうかが大きな違いになります。
注文の内容をそのまま受注処理へ取り込めれば、写す作業と写し間違いの確認が減ります。
取り込めず、新しい画面から台帳へまた写すことになれば、LINEから写していたときと手間が変わらないこともあります。
LINEとつながるとうたう製品でも、どこまで自動で受け渡せるかは製品ごとに違うため、自社の受注処理のどの画面まで注文が届くかを具体的に確かめることが判断の中心になります。
取引先にLINE受発注のルールを伝え、誤認が起きたときに記録して対応する
取引先への伝え方
復唱と確認返信の手順は、取引先が了承の返信に応じてくれて初めて成り立ちます。
取引先から見ると、これまで送るだけで済んでいた注文に、返信の手間が1つ増えることになります。
そのため案内では、受注側の都合よりも、注文どおりの品が届くことを取引先自身が確かめられる手順だという点を先に伝えるほうが、受け入れてもらいやすくなります。
伝える内容は多くせず、取引先にお願いすることを絞ります。
文面にすると、たとえば次のようになります。
「ご注文の取り違えを防ぐため、今後はご注文をいただいた後、当方から番号付きの確認メッセージをお送りします。
内容に間違いがなければ『OK』とご返信ください。
変更やキャンセルの際は、確認メッセージの番号を添えてお送りください。
変更は〇〇までに承ります。」
一度にすべての取引先へ切り替えるか、注文の多い取引先から始めるかは、受注側の手が回るかで決めます。
案内を送った後も、了承の返信が来ない取引先には、案内を読んでいない可能性を考えて、電話などで手順を改めて伝える補いが必要になることがあります。
誤認が起きたときの記録項目
手順を決めても、取り違えがなくなると保証できるわけではありません。
起きたときに何を残すかを決めておくと、原因が手順のどこにあったかを後から振り返れます。
特に注意したいのは、取り消された文面は復元できない点です2。
食い違いに気づいたら、取消の表示も含めて、その時点のトークの画面を保存しておきます。
時間がたってから記録しようとしても、取引先の取消やチャットの保存期間によって、根拠が残っていないことがあります。
記録する項目は、どこで食い違いが生まれたかを分けられるように選びます。
復唱をしていなかったのか、復唱したのに取引先が誤りに気づかなかったのか、変更の連絡を別の注文に結びつけてしまったのかで、直すべき手順が違うからです。
記録がたまれば、復唱の手順を始める前後で比べる訂正件数の数え方にもそのまま使え、手順が自社の注文で効いているかを確かめる材料になります。
注文の画面には、取引先の担当者名や納品先の住所など、個人に関わる情報が含まれることがあります。
画面を保存して社内で共有する場合は、保存先や見られる人の範囲を、社内の情報の取り扱いルールに照らして決めます。
記録の残し方が法令上問題ないかは扱う情報の内容によって変わるため、迷う場合は社内の担当部署に確かめておくと安心です。
| 項目 | 残す内容 | 振り返りでの使い道 |
|---|---|---|
| 発生日時と取引先 | 気づいた日時・受付番号・取引先名 | 同じ取引先や時期に偏りがないかを見る |
| 元の文面 | トークの画面の保存(取消の表示があればその表示も) | 取引先が何を送ったかの根拠にする |
| 復唱と了承 | 復唱文を送ったか・了承の返信があったか | 確定の手順を通っていたかを分ける |
| ずれた箇所 | 品名・規格・数量・単位・納期・変更の結び付けのどれか | 復唱文の項目や順序を見直す |
| 対応と見直し | 取引先への連絡内容・手順の変更点 | 同じずれを繰り返さないための記録にする |
チャット機能の範囲で続けるか、仕組みを足すかは、取引先の数や注文の量、担当者の体制、確定した注文をどこへ転記しているかで答えが変わり、一般的な目安だけでは決めにくいためです。
いまの受注の流れを整理し、どの確認や転記が負担になっているか、トーク運用のままで足りる部分と仕組みを足す候補になる部分を確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 注文の正本 | 取引先が了承した、受注側の復唱文 |
| 確定の時点 | あらかじめ決めた了承の返信が届いた時点 |
| 訂正・追加・キャンセル | 受付番号に結びつけ、変更後の全体を復唱し直す |
| 取消の表示 | 復唱前なら送り直しを頼み、復唱後なら変更の意図を確かめる |
| 仕組みを足す目安 | 注文ごとの状態管理や半年より前の確認が、チャット機能と手作業で賄えなくなったとき |
| 外部の仕組みの比較 | 取引先の操作負担・記録の残り方・受注処理への取り込み |
取引先へのルールの案内や誤認の記録項目は、自社の受注処理や社内ルールと合わせて決める必要があり、運用を始める前に条件をそろえておきたいためです。 復唱文の項目、変更の締切、誤認が起きたときの記録項目を、自社の受注処理にどう組み込むかを相談の中で確かめられます。
よくある質問
取引先が送信取消をした場合、受注側はどうすればよいですか
取り消された文面は受注側の画面からも消え、復元できません2。
まだ復唱を返していない注文なら、記憶で補わず、取引先に内容を送り直してもらってから復唱します。
復唱と了承が済んだ注文なら、残っている復唱文を基準にしつつ、取消が変更の意図でないかを受付番号を添えて一言確かめます。
LINE公式アカウントのチャットで、半年より前の注文は確認できますか
無料の範囲ではチャットの保存期間が半年なので、それより前のやり取りはトークで確かめられません1。
チャットProオプションでは保存期間が5年になり、対象は2024年1月1日以降の履歴です1。
保存期間に頼らずに確かめたい場合は、了承された復唱文を確定のたびにトークの外の台帳へ転記しておく方法があります。
画像だけで届いた注文は、どう復唱して確定させればよいですか
画像から読み取った品名・規格・数量・単位・納期を、通常の注文と同じ項目と順序で文字に書き起こして返し、了承を得て確定とします。
読み取れない文字や単位の書かれていない数字は推測で埋めず、「A品の数量が読み取れません」のように、どこが分からないかを示して尋ねます。
書き起こした文面が了承されれば、受注側がどう読んだかがトークに残ります。
担当者が入れ替わるとき、確定済みと未確定の注文をどう引き継げばよいですか
受付番号ごとに、確定済み・了承待ち・変更受付中のどれかを書いた一覧を渡すと、引き継いだ担当者がトークを最初から読み直さずに済みます。
LINE公式アカウントで受けている場合は、担当者の割り当てを付け替え、要対応のトークを一緒に確かめます1。
対応ステータスは要対応・対応済み・スパムの3段階で、注文1件ごとの状態までは表せないため1、一覧と組み合わせて使います。
取引先ごとの取り決めをチャットのメモに残しておくと、引き継ぎでの伝え漏れも防ぎやすくなります。
個人のLINEで受けている注文を公式アカウントに移すとき、取引先にどう伝えればよいですか
切り替える日、新しい窓口、確認メッセージと了承の返信の手順はこれまでと同じであることを、短くまとめて伝えます。
切り替え前に受けて、まだ確定していない注文や変更を受け付けている注文は、どちらのトークで最後まで扱うかを受付番号ごとに決めて伝えておくと、同じ注文の変更が2つのトークに分かれるのを防げます。
公式アカウントのチャットの保存期間は無料の範囲では半年なので1、移した後も確定した注文はトークの外へ転記しておきます。
- 1 出典:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント マニュアル(チャット)」(2026年)
- 2 出典:LINEヤフー株式会社「LINEヘルプセンター メッセージの送信取消と削除の違い」(2026年)