◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 品番の誤りは、聞き取り・書き留めと入力・品番の情報源の段階に分けると、止める確認を選べる
- 同じ音で読み返す復唱だけでは聞き間違いが止まりにくく、品番マスタで表示した品名を読み上げる確認が補いになる
- 電話を止めにくい事情があるため、電話の運用改善と、移せる取引先からの段階的な受付方法の移行を併用する
- Web受注やEDIに移しても、取引先の選び間違いや品番の対応表の誤りは残る
- 対策の効果は、受注件数あたりの誤受注件数を一定期間記録して確かめる
目次

品番の聞き間違いはどの場面で起き、出荷までのどこで止められるのか
電話で聞き取った品番を入力して出荷したのに、取引先から「違う品が届いた」と連絡が来る。
復唱はしていたはずなのに、どこで食い違ったのか分からない。
品番の誤りが入る段階を、聞き取り・入力・照合・出荷前確認に分けて見てみてください。
電話受注のままでも止められる所が見えてきます。
食品の小売・卸売の受注担当者への調査では、FAX・電話受注を止めると取引に支障が出ると想定する人が58.8%いました1。
まずは電話を残し、復唱・読み上げ方・品番マスタとの照合で誤りを止めます。
そのうえで、文字で注文を受け取れる取引先から別の受付方法へ移していくのが現実的です。
受注の流れと誤りが入る点
電話受注で品番が食い違うのは、受話器越しの一瞬だけとは限りません。
取引先が品番を読み上げ、担当者が聞き取ってメモし、復唱し、受注画面や伝票へ入力し、在庫を引き当てて出荷指示を出します。
この流れの途中で文字が一つ入れ替わると、後の工程は誤った品番を正しいものとして扱い続けます。
「違う品が届いた」という連絡は、誤りが出荷まで素通りした結果として届きます。
誤りが入り込む点は、次の三つに分けると整理しやすくなります。
- 聞き取りの段階:似た音の英字や数字を取り違える、桁が一つ抜ける、数字の順序が入れ替わる
- 書き留めと入力の段階:走り書きのメモを読み違える、キーを打ち間違える、隣の行の品番を写す
- 品番の情報源の段階:取引先が古いカタログを見て廃番や旧品番を伝える、自社の品番マスタの登録自体が誤っている
三つ目は、担当者が正確に聞き取っても防げない誤りです。
取引先が言った品番どおりに出荷しているため、電話のやり取りだけを振り返ると「聞き間違いではなかった」で終わりがちです。
どの型がどれだけ起きるかは、扱う品番の体系や取引先によって大きく変わります。
過去の誤出荷をこの三つの段階で分け直してみると、自社で手を打つべき段階が見えてきます。
止められる段階と止められない段階
誤りの入る段階が違えば、どの確認で止まるかも違ってきます。
聞き取りの誤りは、復唱で取引先が気付けば止まります。
ただし、復唱には弱点があります。
担当者が「ビー」を「ディー」と聞き取った場合、復唱でも「ディー」と読み上げるので、取引先の耳には再び同じ紛らわしい音が届きます。
音で生じた誤りを同じ音で確かめても、取引先が聞き流せば素通りします。
入力の誤りは、復唱が終わった後に起きるため、復唱では止まりません。
入力した品番をもう一度何かと照らし合わせる工程がなければ、伝票の品番がそのまま正しいものとして倉庫へ流れます。
出荷前の確認も、多くは伝票と現物が一致しているかを見るものです。
伝票の品番自体が誤っていれば、現物は伝票どおりにそろい、確認は通ってしまいます。
つまり、品番の聞き間違いを止めやすいのは、電話がつながっている間と、入力した直後です。
この時点なら取引先にその場で聞き直せますし、訂正も入力のやり直しだけで済みます。
出荷後に見つかれば、再出荷や返品の受け取り、請求の訂正まで工程が広がります。
電話のままの対策では、この「電話中と入力直後」の確認を、音だけに頼らない形で組み直します。
| 誤りが入る段階 | 止めやすい確認 | その確認で止まりにくい理由 |
|---|---|---|
| 聞き取り | 復唱、品名での確認 | 同じ紛らわしい音で読み返すと取引先も聞き流しやすい |
| 書き留め・入力 | 入力直後の品番マスタ照合 | 復唱の後に起きるため復唱では止まらない |
| 品番の情報源 | 品名・規格・前回注文との照合 | 取引先が言ったとおりに入力しているため誤りに見えない |
| 出荷前確認 | 普段と違う品番・数量への違和感 | 伝票と現物の一致を見る確認では伝票の誤りが通る |
電話のまま減らす:復唱・読み上げ方・入力時の照合をどう組むか
復唱の対象と手順
電話をやめて文字で注文を受けられれば話は早いのですが、そうもいかない事情があります。
食品の小売・卸売の受注担当者106名への調査(2023年)では、受注方法として電話を使う人が50%でした。
また、FAX・電話で受注する担当者80名のうち58.8%が、FAX・電話受注を止めると取引に支障が出ると想定していました1。
食品業に限った小規模なインターネット調査なので、部品や資材のように品番が多い業種へそのまま当てはめることはできません。
それでも、取引先の都合で電話を残さざるを得ない受注担当者が少なくないことはうかがえます。
電話を残す対策の利点は、取引先に新しい操作を頼まずに、自社の手順だけで始められることです。
復唱は、対象を品番と数量(単位を含む)に絞ると機能しやすくなります。
届け先や納期まで一度に読み上げると確認が長くなり、取引先は途中から聞き流しがちです。
品番と数量は、誤ると別の品や別の量が届く項目です。
他の項目と分けて、はっきり区切って確かめます。
数量は「12」と「2」のような桁の誤りに加え、ケースとバラの取り違えも起きるので、単位まで声に出します。
手順にすると、次の四つです。
- 聞き取りながら、品番を区切りごとにそのままメモする
- 品番を区切って、社内で決めた言い換えを使い一文字ずつ読み返す
- 入力して画面や一覧に表示された品名と数量を、取引先に伝える
- 取引先の了承を得てから確定し、メモに確認済みの印を付ける
三つ目の品名の確認が、前の節で見た復唱の弱点を補います。
たとえば品番を音で読み返す代わりに「◯◯用の△△、24個入りのケースですね」と意味で返すと、取引先は自分が頼みたかった品かどうかで判断できます。
取引先が急いでいる場合は、受け始めに「品番は最後にまとめて品名で確認します」と伝えておくと、確認の時間を取りやすくなります。
紛らわしい文字・数字の言い換えの決め方
電話で取り違えやすいのは、音の似た組です。
数字では「イチ」と「シチ」、「シ」と「シチ」が紛らわしいため、4は「ヨン」、7は「ナナ」と読むと決めておく方法があります。
英字では、B・D・E・G・P・T・Vのように語尾が「イー」と伸びる文字や、「エム」と「エヌ」が聞き分けにくい組です。
英字のOと数字の0、英字のIと数字の1のように、読み方が近く、文字の形も似ている組もあります。
言い換えは、組ごとに一つの言い方を社内で決め、一覧にして電話の横に置きます。
担当者ごとに「ボールのB」「ブラボーのB」と言い方が違うと、取引先は毎回別の言葉を聞くことになり、かえって確認に手間がかかります。
言い換えに使う語は、取引先が一度聞けば分かる身近な語にします。
よく電話をくれる取引先には、自社の読み方を一度伝えておきましょう。
取引先が品番を読み上げるときにも、同じ言い方を使ってもらえることがあります。
どの組を一覧に載せるかは、過去の誤出荷やヒヤリの記録から、実際に取り違えた組を拾うのが確実です。
自社の品番に使われていない文字の組まで並べると一覧が長くなり、肝心の組が埋もれます。
言い換えでどれだけ誤りが減るかを示す外部の資料はないため、導入後は誤受注の記録で効き目を確かめていくことになります。
入力時の品番マスタ照合と品名確認
品番マスタは、自社が扱う品番ごとに品名・規格・入数・単位などを登録した一覧です。
入力した品番をこの一覧と照らし合わせると、二つのことが分かります。
一つは、入力した品番がそもそも一覧に存在しない場合で、その場で聞き間違いか打ち間違いだと分かります。
もう一つは、存在はするが別の品だった場合です。
画面に出た品名を取引先に読み上げれば、取引先が「それではない」と気付けます。
この照合は、聞き取りの誤りと入力の誤りの両方を、電話がつながっているうちに見つけられます。
この点で、復唱だけの確認とは性質が違います。
そのためには、電話を切る前に入力を済ませる手順が前提になります。
メモだけ取って後でまとめて入力する運用では、照合で誤りが見つかっても取引先にかけ直す手間が生じます。
相手がつかまらなければ、確認は後回しになります。
受注システムがない場合でも、表計算ソフトの品番一覧で品番を検索し、品名を読み上げれば同じ確認ができます。
取引先ごとに過去に注文された品番の一覧があれば、いつもと違う品番が出たときだけ念入りに確かめる、という使い方もできます。
ただし、一覧が古いままだと照合自体が誤りの元になります。
新しい品番の追加や廃番の反映を、誰がいつ行うか。
そこまで決めておくことが、この確認を続ける条件になります。
| 紛らわしい組 | 起きやすい取り違え | 社内で決める読み方の例 |
|---|---|---|
| 1と7 | イチとシチ | 7は「ナナ」と読む |
| 4と7 | シとシチ | 4は「ヨン」と読む |
| BとD(E・G・P・T・Vも) | 語尾の「イー」が同じ | 「ボールのB」のように語を添える |
| MとN | エムとエヌ | 「マッチのM」「ノートのN」と読む |
| Oと0 | オーとゼロ | 0は「ゼロ」、Oは「オレンジのO」と読む |
電話以外へ移す:FAX・Web・EDIで何が減り、何が残るか
受付方法別に誤りが入る段階
取引先が品番を文字で送ってくれれば、聞き取りの段階の誤りは起きません。
ただし、どの受付方法でも誤りがなくなるわけではなく、残る段階が受付方法ごとに変わります。
FAXやメールでは、届いた注文書を担当者が受注画面へ手で入力する工程が残ります。
手書きの注文書がFAXで届けば、文字の判読という新しい読み違いも加わります。
先の食品業の調査でも、FAX・メール・電話の受注業務で煩雑な作業として、注文書の手入力が挙がっています1。
電話からFAXへ切り替えても、聞き取りの誤りが読み取りと入力の誤りに置き換わる面があります。
Web受注は、取引先が自社の受注画面で品番を選んだり入力したりする方法です。
注文がデータとして届くため自社側の手入力はなくなりますが、取引先が画面で品を選び間違える余地は残ります。
EDIは、企業間で受発注のデータを決まった形式でやり取りする仕組みで、取引先のシステムから注文データが直接届きます。
自社の入力はなくなる一方、取引先が使う品番と自社の品番を対応させる表に誤りがあると、同じ誤りが注文のたびに繰り返されます。
受付方法をどう変えても、取引先が誤った品番を選ぶ・送るという情報源の段階の誤りは残ります。
移行した後も、品名や前回注文との照合はそのまま役に立ちます。
受付方法の違いで誤りが何割減るかを示す資料はありません。
移行の判断は、どの段階の確認が不要になり、どの確認が残るかで考えます。
取引先と自社に残る負担
受付方法の切り替えは、自社だけでは完結しません。
FAXなら取引先に注文書を書いてもらい、Web受注なら画面の操作を覚えてもらい、EDIなら取引先側のシステムの設定が必要になります。
電話で注文してくる取引先にとって、電話は思い立ったときに話すだけで済む方法です。
その手軽さを手放してもらうには、取引先にとっての理由が要ります。
自社の側にも負担があります。
東京商工会議所が主に東京23区内の中小企業を対象に行った調査(2024年10〜11月、1,218社回答)では、デジタルシフト・DXの課題として、コスト負担を挙げた企業が31.9%で最多でした。
続いて「旗振り役が務まるような人材がいない」が31.0%、「従業員がITを使いこなせない」が26.4%です2。
DX全般についての調査で、受注の受付方法に絞った結果ではありません。
それでも、仕組みを入れる費用、進める人、使いこなす人という三つの壁は、Web受注やEDIを取引先に頼む場面でも、自社と取引先の両方に現れえます。
取引先に依頼する前に、自社の側で決めておくことがあります。
Web受注で届いた注文を誰が確認して出荷指示へつなぐのか、品番マスタを誰が更新するのか、操作に迷った取引先からの問い合わせを誰が受けるのか。
ここが決まらないまま切り替えると、取引先は結局電話で問い合わせてきます。
電話とWebの両方を見る手間だけが増えることになります。
電話は完全には止めにくく、移行にも費用と人の負担がかかります。
電話の運用を改善しながら、移せる取引先から段階的に移すという併用が、現実的な進め方と考えられます。
| 受付方法 | 聞き取りの誤り | 自社の手入力・転記 | 残る主な誤り | 取引先に頼むこと |
|---|---|---|---|---|
| 電話 | 起きる | 残る | 聞き取り・入力・情報源 | 特になし |
| FAX | 起きない | 残る | 手書きの読み違い・入力・情報源 | 注文書の記入と送信 |
| メール | 起きない | 残る | 転記・情報源 | 注文内容の作成と送信 |
| Web受注 | 起きない | なくなる | 取引先の選び間違い・情報源 | 受注画面での操作 |
| EDI | 起きない | なくなる | 品番の対応表の誤り・情報源 | システムの接続と設定 |
自社の状況別に、どこから着手するか
品番体系・受注件数・システム別の着手点
ここまでの対策は、全部を一度に始める必要はありません。
自社の条件によって、先に効く対策が変わります。
品番の体系が似通っていて桁が多い場合は、読み上げと確認の負担そのものが大きくなります。
まず品名を併せて確認する運用を入れ、そのうえで品番の設計を見直す余地があるかを考えます。
見直しの方向は、紛らわしい文字(Oと0、Iと1など)を使わない、桁数をそろえる、読み上げやすい区切りを入れる、といったものです。
既存の品番を変えると、カタログや取引先側の登録、ラベルまで変更が及びます。
現実的には、新しく採番する品番から適用することになります。
設計を見直すときの検討項目として、チェックデジットがあります。
JANコードなどの標準の商品コードには、他の桁から計算で求めるチェックデジットという桁があり、GS1 Japanはその計算ツールを公開しています3。
自社の品番に同じ考え方の桁を設ければ、入力した品番が計算と合うかをシステムで照合できる余地が生まれます。
ただし、自社独自の品番に設けた場合の効果を示す資料はなく、桁が一つ増えて読み上げが長くなる負担もあります。
入力時に検算できるシステムがあるかどうかと合わせて、採否を判断する項目です。
受注システムがある場合は、入力時の品番マスタ照合と品名表示を最初に整えるのが近道です。
すでにある画面と一覧を使うので、取引先に新たに頼むことがありません。
システムがない場合は、表計算ソフトの品番一覧での検索と、言い換えの一覧から始めます。
どちらの場合も、誤受注の記録を同時に始めておくと、次の手を選ぶ材料になります。
受注件数が少なく担当者が一人なら、手作業の照合でも回ります。
件数が増えて複数の担当者が電話を受けるようになると、言い換えの読み方や確認の順序が人によって違うことが、誤りの元になります。
件数が多いほど、手順を一覧や画面に固定しておく意味が大きくなります。
取引先別の使い分け
受付方法の切り替えは、取引先ごとに判断します。
注文の回数が多く、品番の数も多い取引先は、一件の聞き間違いの影響が繰り返し出やすい相手です。
こうした取引先がパソコンで日常業務をしていて、すでに他の仕入先へWebやEDIで発注しているなら、Web受注やEDIへ誘導する候補になります。
反対に、注文がたまにしかない取引先や、現場から携帯電話で注文してくる取引先に新しい操作を頼んでも、使い方を忘れて電話に戻ることがあります。
こうした取引先は、電話の運用改善の対象として残します。
品番を覚えておらず品名で注文してくる取引先には、担当者が品名から品番を引き、品番と品名の両方で確かめる運用が合います。
FAXは、電話とWebの中間に置ける方法です。
取引先が使い慣れていて、品番を文字で残せる利点がある一方、手書きの読み違いと手入力は残ります。
FAXへ切り替えてもらう場合は、品番欄を一文字ずつ枠で区切った注文書の様式を自社で用意するなど、読み取りやすさもあわせて整えます。
誤受注が起きた後の発見・訂正と、効果の確かめ方
発見経路と訂正の流れ
対策を重ねても、出荷前に止められない誤りは残ります。
そのときに大切なのは、訂正を早く済ませることと、同じ誤りを繰り返さないための手掛かりを残すことです。
誤りが見つかる経路は、入力時の照合、出荷前の確認、取引先からの連絡のいずれかです。
取引先からの連絡で見つかった場合は、正しい品の手配、誤って届いた品の回収や返品の受け取り、在庫と請求の訂正まで工程が広がります。
このとき、受付時のメモと入力の記録が残っていれば、取引先の言った品番、担当者が書き留めた品番、入力された品番を並べられます。
どの段階で食い違ったかをたどれます。
メモを電話のたびに捨てていると、原因は「聞き間違いだったのだろう」という推測で終わります。
受付メモは、少なくとも出荷後に誤りの連絡が来うる期間は保管しておくと、原因の段階を切り分けられます。
取引先の言った品番そのものが誤っていたと分かれば、取引先と相談して別の手を打てます。
品名で注文してもらう、最新のカタログを届けるといった方法です。
記録項目と導入前後の比べ方
対策が効いたかを確かめるには、誤受注を同じ項目で記録し続けることが欠かせません。
記録する項目の例は次のとおりです。
- 受注日と取引先
- 受付方法(電話・FAX・メール・Web受注など)
- 正しい品番と、誤って処理された品番
- 発見の経路(入力時の照合・出荷前の確認・取引先からの連絡)
- 誤りの段階(聞き取り・書き留めと入力・品番の情報源・不明)
- 訂正に要した工程(再出荷、返品の受け取り、取引先への連絡、請求の訂正など)
正しい品番と誤った品番を並べて残すと、どの文字の組で取り違えたかが分かり、言い換えの一覧に加えるべき組が見えてきます。
訂正に要した工程を数えておけば、誤受注一件が社内でどれだけの作業を生んでいるかを、自社の実績として説明できます。
受付方法の切り替えを取引先や社内に提案するときも、この記録が根拠になります。
導入の前後を比べるときは、誤受注の件数ではなく、受注件数あたりの件数で見ます。
繁忙期に注文が増えれば、対策が効いていても誤りの件数そのものは増えることがあるためです。
もともと誤受注が月に数件程度なら、ひと月ゼロだったことを効果と言い切るのは早すぎます。
数か月から半年ほど同じ項目で記録を続け、入力時の照合で止めた件数も合わせて数えましょう。
出荷前に止まる誤りが増えているかどうかで、対策の働きを確かめやすくなります。
品番の誤りがどの段階で入っているかは、日々の受注の流れと誤出荷の記録を並べて見ないと切り分けにくく、社内だけでは手順の見直しが後回しになりがちです。
現在の受注の手順と誤出荷の記録をもとに、電話のまま止められる段階と、受付方法を移すと確認が減る取引先を一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 誤りが入る段階 | 聞き取り・書き留めと入力・品番の情報源のどこで起きたかを分けて、止める確認を選ぶ |
| 電話中の確認 | 品番と数量を区切って言い換えで読み返し、表示された品名で取引先に確かめる |
| 入力直後の照合 | 電話を切る前に品番マスタや品番一覧と照らし、存在しない品番や別の品を見つける |
| 受付方法の切り替え | 注文が多くWebやEDIに慣れた取引先から段階的に移し、自社の受け手と問い合わせ先を先に決める |
| 効果の確かめ方 | 受注件数あたりの誤受注件数を、数か月以上同じ項目で記録して比べる |
受付方法の切り替えは取引先ごとに条件が違い、費用や社内の担当者の負担も絡むため、一度に決めにくい判断です。 取引先の注文の仕方と自社の体制を踏まえ、どの取引先から移行を相談するか、電話の運用で何を先に整えるかを確かめられます。
よくある質問
電話で品番を復唱するとき、何を復唱すべきですか。
品番と数量(ケース・バラなどの単位を含む)に絞って、ほかの項目と分けて復唱します。
品番は区切って、社内で決めた言い換えを使い一文字ずつ読み返します。
そのうえで、入力して表示された品名を伝えると、音ではなく品物の中身で取引先に確かめてもらえます。
届け先や納期も誤ると困る項目ですが、品番と同時に読み上げると確認が長くなるため、別に一度確かめるほうが聞き流されにくくなります。
似た音の英数字は、社内でどう言い換えを決めればよいですか。
過去の誤出荷やヒヤリの記録から実際に取り違えた組を拾い、自社の品番に使われている文字の組に絞って一覧にします。
一つの組には一つの言い方だけを決め、担当者ごとに言い方が変わらないようにします。
言い換えの語は、取引先が一度聞けば分かる身近な語にし、よく電話をくれる取引先には読み方を伝えておくと、双方で同じ言い方を使えます。
受注システムがない場合、品番の照合はどこまでできますか。
表計算ソフトの品番一覧で品番を検索し、品名を読み上げて確かめる方法なら、電話中に照合できます。
取引先ごとに過去の注文品番を一覧にしておけば、いつもと違う品番のときだけ念入りに確かめる使い方もできます。
ただし、検索を飛ばしても気付けない、一覧が古いと照合自体が誤る、という限界があります。
一覧の更新担当を決め、電話を切る前に照合する手順を固定しておくことが前提です。
取引先にFAXやWebでの発注を頼むときは、どう伝えればよいですか。
まず、誤出荷が減れば取引先側の受け取り確認や返品の手間も減る、という取引先にとっての理由を伝えます。
全取引先へ一度に頼むのではなく、注文が多く、すでに他社へWebやEDIで発注している取引先から相談します。
当面は電話も受けると伝え、操作に迷ったときの問い合わせ先や、届いた注文の確認の流れを自社で決めてから依頼すると、取引先が電話に戻りにくくなります。
誤出荷が出たとき、再発防止のために何を記録すべきですか。
受注日と取引先、受付方法、正しい品番と誤って処理された品番、発見の経路、誤りの段階(聞き取り・書き留めと入力・品番の情報源)、訂正に要した工程を、毎回同じ項目で残します。
受付時のメモを一定期間保管しておくと、どの段階で食い違ったかをたどれます。
対策の前後は、受注件数あたりの件数で比べます。
品番の桁数や文字の選び方を見直すと、聞き間違いは減りますか。
紛らわしい文字(Oと0、Iと1など)を使わない、桁数をそろえる、読み上げやすい区切りを入れるといった見直しは、読み上げと確認をしやすくする方向の変更です。
ただし、どれだけ減るかを示す資料はなく、効果は自社の記録で確かめることになります。
既存の品番を変えるとカタログや取引先の登録まで変更が及ぶため、新しく採番する品番から適用するのが現実的です。
他の桁から計算で求めるチェックデジットを設けるかどうかも、読み上げが長くなる負担と、入力時に検算できるシステムの有無を合わせて検討する項目です。
- 1 出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」(2023年)
- 2 出典:東京商工会議所「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」(2025年)
- 3 出典:GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)「チェックデジットの計算方法」(2026年閲覧)
画像の出典元
- Hands typing on a keyboard in an office environment, viewed from above./Photo by Yan Krukau on Pexels