◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 拠点からの要望台数は数え方が揃っていないことが多いため、業務、同時使用の最大人数、持ち歩きか据え置きか、予備や増員を含めたかを同じ書式で聞き直してから積み上げる。
- 専用で持つ人は人数で、共用で回す人は同時に使う最大人数で数え、拠点間の差の理由を一言残す。
- 予備機と増員分は役割が違うため本体と別枠にし、置き場所と追加発注の条件を分けて決める。
- Android のゼロタッチ登録は企業向け販売パートナーなどからの購入が条件のため、一括で設定済みの端末を送れるかは購入経路で決まる。
- 受け取り確認の担当と期限、台帳の項目、交換時の再登録の依頼先を発送前に決めておくと、配布後の追加作業を減らせる。
目次

拠点から台数の要望が届いたとき、合算の前に確かめること
各拠点からタブレットの台数の要望が届くと、足し上げればそのまま発注書が作れそうに見えます。
ただ、ある拠点は在籍人数で、別の拠点は予備込みで、また別の拠点は交代で使う前提で数えていることがあります。
この数を合算すると、配布後に足りない拠点と余る拠点が同時に出て、追加の手配や再設定に追われます。
台数は、業務と同時に使う人数、共用か専用かから拠点ごとに積み上げ、予備機と増員分は別枠にして理由を残します。
設定済みの端末を一括で各拠点へ送れるかどうかは、購入経路で決まります。
Android のゼロタッチ登録は、企業向け販売パートナーなどから購入することが条件です1。
要望数に混ざりやすい数え方
拠点からの回答は、それぞれの拠点が自分の事情で考えた数です。
在籍人数をそのまま書いた拠点、壊れたときのために一台足した拠点、交代勤務で回すつもりで少なめに書いた拠点が並ぶと、同じ「台数」という欄でも中身が違います。
本部の担当者から見ると数字の形は揃っているので、違いに気づきにくいところが厄介です。
混ざった数のまま合算すると、不足と余りが同時に起きます。
人数で数えた拠点には、同じ時間帯には使わない人の分まで端末が届き、棚に置かれたままになりがちです。
共用前提で少なく書いた拠点では、充電中の端末が空くのを待つ人が出て、追加発注が必要になります。
追加分は最初の発注とは別に手配するため、設定の準備、配送、台帳への登録をもう一度行うことになります。
予備を含めて書いた拠点とそうでない拠点が混在したまま本部で予備機を確保すると、同じ予備を二重に見込むことにもなります。
ここで必要なのは、届いた数字を本部の判断で削ったり足したりすることではありません。
同じ物差しで答え直してもらうことです。
数え方が揃えば、拠点ごとの差に業務上の理由があるのか、数え方の違いにすぎないのかを見分けられます。
拠点に同じ書式で聞き直す項目
聞き直すときは、台数そのものより、台数を決める材料を尋ねるほうが答えが揃います。
全拠点に次の項目を同じ書式で送ります。
- タブレットで行う業務と、その業務を行う場面(店頭、倉庫、訪問先など)
- 業務の担当者の数と、そのうち同じ時間帯に端末を使う人の最大数
- 一人が持ち歩く使い方か、拠点に置いて交代で使う使い方か
- 要望数に予備や今後の増員を含めているか、含めている場合はその内訳
最後の項目は見落とされやすいものの、合算のずれを減らすうえで効きます。
予備や増員を含めたかどうかが分かれば、次の段階で本体の台数と切り分けて扱えます。
拠点側の回答者は、日々の業務の段取りを知っている人にしてもらうのが無難です。
どの時間帯に何人が端末を手に取るかは、数字を受け取る本部からは見えず、現場を回している人でないと答えにくいためです。
| 聞く項目 | 分かること |
|---|---|
| 業務と利用場面 | 端末が必要な作業の範囲 |
| 担当者数と同時使用の最大数 | 共用で足りる台数の手掛かり |
| 持ち歩きか据え置きか | 専用と共用の区分 |
| 予備や増員を含めたか | 本体の台数と別枠との切り分け |
必要台数を拠点別に積み上げる手順
専用で持つ人と共用で回す人を分ける
回答が揃ったら、拠点ごとに利用者を二つに分けます。
一つは、一人一台を持つ必要がある人です。
外回りで端末を持ち出す、個人に結び付いた画面やデータを扱うといった事情がある人がここに入ります。
もう一つは、拠点に置いた端末を交代で使えば業務が回る人です。
この区分を先に行うのは、二つで数え方が違うからです。
専用で持つ人は、人数がそのまま台数になります。
共用で回す人は、人数ではなく同時に使う人数で台数が決まります。
全員を同時使用人数で数えると持ち歩く人の端末が足りなくなり、逆に全員を人数で数えると共用で済む分まで発注することになります。
区分は業務の性質で決まるため、同じ職種でも拠点によって答えが変わることがあります。
訪問業務が多い拠点では専用が多くなり、受付や棚卸しが中心の拠点では共用が多くなる、といった差です。
この差は数え方の誤りではないので、拠点間で無理に揃える必要はありません。
共用分は同時使用人数で数える
共用分は、一日のうちで最も多くの人が同時に端末を使う時間帯を基準にします。
朝の点検や締めの作業など、業務が集中する時間に何人が端末を手に取るかを拠点に聞き、その人数を共用分の台数にします。
共用で回すには、端末を充電し、保管し、いま誰が持っているかを把握する人が拠点にいることが前提です。
この役割を置けない拠点では、数え方の上では足りていても、充電切れの端末が残る、置き場所が分からなくなるといった形で、使える台数が実際には減ります。
その場合は専用に寄せて数えるか、充電と保管の担当を決めてから共用にするかを、拠点と話し合って決めます。
仮の例で考えます。
ある拠点では、外回りの担当者が専用で端末を持ち、事務所の担当者は朝と夕方に検品の記録を付けるときだけ端末を使うとします。
この拠点の台数は、外回りの担当者の人数に、検品の時間帯に同時に記録を付ける人の数を足したものになります。
事務所の担当者全員の人数を足すわけではない点が、人数で書かれた要望との違いです。
積み上げた結果、似た規模の拠点同士で台数が大きく違うことがあります。
そのときは、集計表に理由を一言残します。
「訪問業務があるため専用が多い」「交代勤務のため共用にしている」といった一言があれば、稟議で質問されたときにも、入れ替えを検討するときにも、同じ聞き取りをやり直さずに済みます。
この積み上げ方は、公的に定められた台数の算定基準ではなく、業務の実態から数えるための考え方の一つです。
組織内に端末の配備数を決めるルールがすでにある場合は、そのルールとの食い違いを先に整理しておくと、稟議の場で説明がぶれません。
予備機と増員分を、本体の台数と分けて扱う
予備機と増員分の役割の違い
本体の台数が決まると、予備機と増員分をどこまで見込むかが残ります。
どちらも「余分に買う端末」として一括りにされがちですが、使われる場面が違います。
予備機は、故障や紛失、修理に出している間の交換に使う端末です。
特定の誰かの分ではなく、困った拠点へ渡すために待機させておくものです。
増員分は、導入後に人が増えたときや、端末を使う業務が広がったときに、新しい利用者へ渡す端末です。
渡した後は本体の一台として使われ続けます。
性格が違うため、混ぜて見込むと後で困ります。
増員分を予備機と同じ棚に置いておくと、新しい担当者に渡したことで交換用の端末がなくなっていたことに、故障が起きてから気づきます。
逆に予備機の数で増員にも備えたつもりでいると、人が増えた時点で交換用が足りなくなります。
発注書や台帳で本体・予備機・増員分を別の行に分けておけば、稟議で「なぜこの台数なのか」と問われたときに、それぞれの理由を分けて説明できます。
予備機を何台にするかについて、どの組織にもそのまま当てはまる決まった割合を示すことはできません。
自組織で過去に使ってきた端末の故障や交換の件数が分かれば、それが手元の実情に最も近い材料になります。
記録がない場合は、予備機を少なめに始め、足りなくなったときに同じ機種を追加で発注できるようにしておくほうが、最初から多く抱えるより無駄が出にくくなります。
置き場所と追加発注の条件
予備機は、本部にまとめて置くか、各拠点に分けて置くかで運用が変わります。
本部にまとめれば、予備機の総数を抑えやすく、設定や台帳の管理も一か所で済みます。
その代わり、故障した拠点に交換機が届くまで配送の時間がかかり、その間は業務を止めるか、ほかの端末でしのぐことになります。
拠点に分けて置けば、壊れた端末をその場で交換できます。
一方で、拠点ごとに予備機を置くため総数は増えやすくなります。
予備機が誰かに日常的に使われて本体と区別がつかなくなる、充電されないまま放置されるといった管理の手間も、拠点側に移ります。
どちらを選ぶかは、端末が止まったときの影響の大きさで考えます。
端末がないと受付や出荷が進まない拠点には予備機を置き、しばらく紙や別の端末で代替できる拠点は本部からの送付で補う、という組み合わせも取れます。
増員分は、増員が見込まれる拠点がはっきりしていればその拠点に、はっきりしなければ本部に置いて必要が出た拠点へ回すと、余った端末を拠点間で移し替える手間が減ります。
予備機を小さく始める考え方は、追加で発注できることが前提です。
同じ機種が後から手に入るか、少ない台数でも追加の注文を受けてもらえるかは購入先によって違います。
追加分で機種が変わると、設定や操作の案内を作り直すことになり、拠点ごとに使い方が違う状態も生まれます。
そのため、追加発注の条件は最初の発注先を決める段階で聞いておくことになります。
| 区分 | 使う場面 | 渡した後 | 置き場所の考え方 |
|---|---|---|---|
| 本体 | 決まった利用者や業務 | そのまま使い続ける | 各拠点 |
| 予備機 | 故障・紛失・修理中の交換 | 交換用を補充して待機を保つ | 本部にまとめるか拠点に分ける |
| 増員分 | 人員増や業務の拡大 | 本体の一台になる | 増える拠点か本部 |
一括発注と拠点別発注は、購入経路の条件で決まる
ゼロタッチ登録と購入先の条件
台数が見えてくると、本部でまとめて発注するか、拠点ごとに発注してもらうかを決める段階になります。
この選択は価格や事務の手間の好みだけでは決まりません。
設定済みの状態で各拠点へ送れるかどうかが、どこから買うかによって変わるからです。
Android のタブレットであれば、ゼロタッチ登録という仕組みがあります。
会社が所有する端末をオンラインで事前に設定し、管理のルールが自動で適用された状態で配布できるもので、大規模な導入を効率化するための仕組みです2。
ただし対象となる端末は、企業向けの販売パートナーか Google のパートナーから購入する必要があり、一般向けの店舗では購入できません1。
ゼロタッチ登録に対応しない端末は任意の提供元から購入できますが2、その場合は事前設定の自動化を前提にできません。
つまり、各拠点が近くの店舗や一般の通販で個別に買う方法を選ぶと、この仕組みは使えなくなります。
拠点別発注にする場合でもゼロタッチ登録を使いたいなら、各拠点に同じ企業向けの購入先から買ってもらう必要があり、本部がその購入先を指定することになります。
端末の側にも条件があります。
対応する Android のバージョンであること、Google モバイル サービス(GMS、Google のアプリやサービスを端末で使うための基盤)に対応していることが求められます1。
業務用と個人用の領域を分ける仕事用プロファイル機能を使う場合は、一定以上のメモリ(RAM)を備えた端末が必要です2。
機種の候補がこれらの条件を満たすかを購入先と一緒に確かめておくと、届いてから登録できない端末が混ざる事態を避けられます。
iPad など Android 以外のタブレットを選ぶ場合も、事前設定の自動化が購入経路に左右されるかどうかは同じように問題になります。
その仕組みや条件はこの記事では扱いませんが、端末管理サービスへの自動登録が使えるか、そのためにどの購入経路が必要かを、購入先への質問に加えておくと、機種が違っても同じ観点で比べられます。
購入先に確認する事項
購入先の比較は、台数が固まる前から始められます。
最低発注台数、納期、価格は購入先ごとに異なり、一般的な条件として示せるものではありません。
候補ごとに次の点を聞いて、答えを並べます。
- ゼロタッチ登録(または採用する端末の自動登録の仕組み)に対応した購入経路かどうか
- 納品先を拠点ごとに分けて指定できるか
- 分納、つまり拠点や時期を分けて複数回で届けてもらえるか
- 後から同じ機種を追加で発注できるか、少ない台数でも受けてもらえるか
- 故障時の交換や修理を、どの窓口がどう受け付けるか
ゼロタッチ登録を使う場合は、購入前に用意しておくものもあります。
会社のメールアドレスに関連付けた Google アカウントを販売パートナーに提供すると、販売パートナーがゼロタッチ登録のアカウントを設定します1。
個人の Gmail アカウントは推奨されていないため1、担当者が異動しても引き継げる会社のアカウントを先に決めておくと、購入先とのやり取りが途中で止まりません。
拠点数と拠点のIT対応力による選び方
購入経路の条件が分かれば、一括発注と拠点別発注のどちらが合うかを、拠点の数、拠点側でどこまで設定を担えるか、本部が設定にかけられる工数の三つで考えられます。
拠点が多く、端末の設定を任せられる人が拠点に少ないなら、一括発注にして本部で設定を用意し、各拠点へ送る形が向いています。
拠点ごとに設定の手順を説明し、問い合わせに答える負担が、本部での一度の準備に置き換わるためです。
拠点が少なく、それぞれに IT に慣れた担当者がいるなら、拠点別発注でも設定のばらつきは抑えやすくなります。
ただしその場合も、機種、購入先、設定の内容を本部が指定しないと、拠点ごとに違う端末が届き、台帳や交換の扱いが揃わなくなります。
拠点別発注は発注の事務を拠点に分けることであり、機種の選定や設定の判断まで拠点に任せることとは分けて考えるほうが安全です。
下の表は、二つの方式の違いを並べたものです。
納期と費用は購入先の条件で変わるため、方式ごとの優劣としてではなく、購入先に聞く内容として置いています。
| 比べる点 | 一括発注 | 拠点別発注 |
|---|---|---|
| 設定の手間 | 本部で一度用意して各拠点へ配る | 拠点ごとに設定するか本部指定の手順で設定する |
| 納期 | 納品先の分割や分納ができるかを購入先に確認 | 拠点ごとの注文で届く時期がずれないかを確認 |
| 拠点側の負担 | 受け取りと動作の確認が中心 | 発注の事務と設定作業が加わる |
| 費用 | 台数をまとめた場合の条件を購入先に確認 | 拠点ごとに注文した場合の条件を確認 |
本部で設定してから送る場合と、拠点で設定する場合の違い
事前設定でできること
本部で設定を済ませてから送るか、拠点で設定するかは、配布前の初期設定作業(キッティングと呼ばれます)をどこで誰が行うかの選択です。
ゼロタッチ登録を使えるなら、本部の担当者が行うのは端末一台ずつの操作ではなく、設定の用意と、どの端末にどの設定を使うかの指定になります。
ゼロタッチ登録のポータルでは複数の設定を作成でき、各設定には EMM の DPC、EMM のポリシー、ユーザー向けのサポート情報を含めます1。
EMM は企業が端末をまとめて管理するためのサービスで、MDM と呼ばれることもあります。
DPC は、その管理を端末の側で受け持つアプリです。
ポリシーは使えるアプリや画面ロックなど端末に適用するルールで、サポート情報は、困ったときの問い合わせ先などを利用者に示すためのものです。
設定を複数作れることは、拠点が複数ある組織にとって意味があります。
店頭で使う拠点と倉庫で使う拠点で入れるアプリが違う、問い合わせ先を地域ごとに分けたい、といった違いを、設定を分けることで反映できます。
設定の中身をどこまで細かく分けられるかは、使う EMM の機能によります。
ゼロタッチ登録では管理ポリシーが自動で適用された状態で配布できるため2、拠点の受け取り担当者が管理アプリを入れたりルールを一つずつ設定したりする場面は大きく減ります。
拠点に残るのは、端末を起動して画面の案内に沿って進め、業務に使える状態になったかを確かめる作業が中心です。
拠点で設定する場合の負担
ゼロタッチ登録が使えない購入経路や端末では、本部で一台ずつ手作業で設定してから送るか、拠点で設定してもらうかのどちらかになります。
本部で手作業する場合、設定の内容は揃えやすい一方、作業量は台数に応じて増えます。
届いた端末をいったん本部に集め、設定してから拠点へ送り直すため、拠点に届くまでの期間も延びます。
購入先から各拠点へ直接届けてもらう段取りも取りにくくなります。
拠点で設定する場合、本部の作業は手順書づくりと問い合わせ対応に移りますが、設定の作業者が拠点の数だけいることになります。
手順を一つ飛ばした、別のアカウントで登録したといったずれは、作業者が多いほど起きやすく、後から本部が一台ずつ直すことになりかねません。
拠点の担当者にとっても、本来の業務の合間に慣れない設定を進める負担になります。
どちらを選ぶかは、拠点側の負担と本部の工数を並べて比べることになります。
拠点が少なく台数も限られるなら、本部の手作業でも収まります。
拠点が多いほど、購入経路をゼロタッチ登録に対応したものに揃える意味が大きくなります。
これは仕組みから導いた考え方であり、何拠点を超えたら切り替えるべきという線を示すものではありません。
配布後に詰まらないための受け取り確認・台帳・交換の決め方
受け取り確認の担当と期限
配布で詰まりやすいのは、端末が届いた後です。
本部から見ると発送した時点で手を離れたように感じます。
しかし拠点で箱が開けられないまま置かれていたり、起動したものの設定が適用されていないことに誰も気づかなかったりすると、利用開始の日になって問題が表に出ます。
これを避けるため、拠点ごとに受け取り確認の担当者と期限を発送前に決めておきます。
確認してもらう内容は、届いた台数が台帳と合っているか、起動して管理の設定が適用されているか、利用者に渡したかの三点で足ります。
期限までに報告がない拠点には本部から声をかけると決めておけば、届いたまま放置されている端末を早く見つけられます。
分納にした場合は、届いた回ごとに確認を返してもらいます。
最後にまとめて確認すると、どの回の荷物に不足があったのかが分からなくなり、購入先への問い合わせも曖昧になります。
台帳でひも付ける項目
台帳は、端末ごとにシリアル番号と、配った拠点、利用者を結び付けるのが基本です。
共用の端末は、利用者の欄に個人名ではなく拠点の共用であることを書き、管理する担当者を記しておくと、紛失したときに誰に聞けばよいかが分かります。
加えて、本体・予備機・増員分のどの枠で発注したか、購入先、ゼロタッチ登録で使っている設定の名前を残しておくと、交換や回収のときに台帳だけで状況を追えます。
台数を積み上げたときに残した拠点ごとの理由も同じ台帳か集計表に置いておけば、入れ替えの時期に聞き取りを一からやり直さずに済みます。
ここに挙げた項目は、配布と交換で困らないための組み合わせの一例です。
資産管理の様式がすでに組織にあるなら、その様式に足りない欄を加える形で取り入れられます。
故障・回収時の再登録
故障したときの交換を、予備機から出すのか、購入先の保守を使うのかも、発注前に決めておきます。
予備機から出すなら、壊れた端末の回収、修理から戻った後の扱い、使った予備機をどう補充するかまで決める必要があります。
保守を使うなら、どの窓口に、誰が、どの情報を伝えて依頼するかを拠点に示しておきます。
ゼロタッチ登録を使っている場合、回収や交換には注意したい点があります。
登録済みの端末はゼロタッチ登録から解除できますが、再び登録するには販売パートナーへの連絡が必要になります1。
解除した端末を別の拠点に回したり、修理から戻った端末を使い直したりするときに、この連絡の手間が生じます。
解除をどの場面で行うか、再登録の依頼を誰が販売パートナーに出すかを決めておけば、回収した端末が登録されないまま本部の棚に残る状態を防ぎやすくなります。
台帳に解除した日と再登録の依頼状況を書く欄を設けると、どの端末が再配布できる状態にあるかを一覧で追えます。
発注から全拠点への配布完了までの順序
並行して進められる作業
ここまでの判断を作業の順に並べ直すと、次のようになります。
- 拠点に同じ書式で聞き直し、台数を積み上げる
- 購入経路と、一括発注か拠点別発注かを決める
- ゼロタッチ登録などの設定を用意する
- 一部の拠点へ先行して配布する
- 残りの拠点へ展開する
- 受け取り確認の報告を受けて台帳を更新する
この順番を一つずつ終わらせてから次へ進むと、購入先の回答を待つ時間がそのまま全体の遅れになります。
購入先への問い合わせは、台数が固まる前から並行して始められます。
ゼロタッチ登録に対応した購入経路か、納品先を分けられるか、分納や追加発注ができるかは、台数が決まっていなくても聞ける内容だからです。
反対に、設定の準備は購入経路が決まってから始めるほうが手戻りが少なくなります。
購入先の答えによって方式が変わるため、方式を決めないまま設定を作り込むと、作り直しになることがあるためです。
会社のアカウントの用意や台帳の様式づくりは方式に左右されにくいので、台数の聞き取りと並行して進められます。
先行配布の置き方
先行配布は、全拠点に送る前に、少数の拠点で受け取りから利用開始までを一通り試す段取りです。
設定に入れ忘れたアプリ、拠点で分かりにくかった案内、受け取り確認の報告の流れなど、実際に配って初めて気づく点を、ほかの拠点に広がる前に直せます。
先行する拠点は、業務の種類が代表的な拠点を選ぶと、見つかった問題がほかの拠点にも当てはまるかを判断しやすくなります。
設定を拠点や用途ごとに分けている場合は、それぞれの設定を使う拠点を一つずつ含めると、設定ごとの不備を拾えます。
拠点が少ない場合は、先行配布を省いて最初から全拠点へ送っても段取りは崩れません。
先行配布にどれだけの期間を取るかは、購入先から示される納期の見通しと拠点の事情によって変わるため、納期の回答が届いてから決めることになります。
拠点ごとの回答を同じ物差しに揃え、購入経路の条件と発注方式を突き合わせる作業は、手元の拠点構成や業務の事情によって答えが変わり、記事の一般的な説明だけでは決めきれない部分が残ります。
拠点への聞き取り項目と購入先への質問を自組織の状況に当てはめ、台数と方式のうちどこがまだ決まっていないかを整理できます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 台数の数え方 | 専用は人数、共用は同時使用の最大人数で拠点ごとに積み上げる |
| 予備機と増員分 | 本体と別枠にし、置き場所と理由を分けて残す |
| 発注方式 | 事前設定を使える購入経路かを確かめてから、一括か拠点別かを選ぶ |
| 設定の場所 | 拠点の数、拠点の対応力、本部の工数を並べて比べる |
| 配布後 | 受け取り確認の担当と期限、台帳の項目、交換と再登録の手順を発送前に決める |
配布後の受け取り確認、台帳、交換と再登録の段取りは、発注前に決めておかないと、回収や追加のたびに本部の作業が増えます。 予備機の置き場所、交換の窓口、再登録の依頼の流れを、自組織の拠点数と体制に合わせてどう決めるかを一緒に確かめられます。
よくある質問
拠点が少人数のとき、共用の端末は何台から考えるのか。
決まった台数の基準はなく、少人数の拠点でも、専用で持つ人は人数で、共用で回す人は同時に使う最大人数で数える考え方は変わりません。
少人数の拠点で気をつけたいのは、共用の端末を誰かが持ち出すと、拠点に使える端末がなくなりやすい点です。
外回りで持ち出す使い方があるか、端末が使えないときに紙や別の手段で業務を続けられるかを拠点に聞き、代替が難しければ専用に寄せるか、予備機を拠点に置くかを検討します。
購入先に最初に確認することは何か。
Android のタブレットで事前設定を自動にしたい場合は、ゼロタッチ登録に対応した購入経路かどうかを最初に聞きます。
対象の端末は企業向けの販売パートナーか Google のパートナーから購入する必要があり1、ここが合わなければ、納期や価格の条件が良くても事前設定の自動化は前提にできないためです。
そのうえで、納品先を拠点ごとに分けられるか、分納や追加発注ができるかを続けて聞きます。
追加発注や分納に対応してもらえるかを、どう確かめるのか。
条件は購入先ごとに異なるため、候補ごとに同じ質問を出して答えを並べます。
聞く内容は、後から同じ機種を注文できる期間の見通し、少ない台数でも追加の注文を受けてもらえるか、拠点や時期を分けて届けてもらえるか、追加分にも同じ設定を使えるかです。
機種が途中で変わると、設定や操作の案内を作り直すことになるため、機種の継続についての答えは特に記録しておきます。
回収した端末を別の拠点で再利用するときに必要な手続きは何か。
台帳の拠点と利用者を書き換え、移す先の拠点で使う設定に合わせます。
ゼロタッチ登録から解除していた場合は、再び登録するために販売パートナーへの連絡が必要です1。
前の利用者の業務データの扱いは、使っている EMM と組織の情報管理のルールに沿って決めます。
誰が解除し、誰が再登録を依頼するかを決めておくと、回収した端末が未登録のまま残る状態を防ぎやすくなります。
拠点にITの担当者がいない場合、設定はどこまで本部で済ませられるか。
ゼロタッチ登録を使える場合は、管理アプリやポリシーを含む設定を本部で用意し、管理ポリシーが自動で適用された状態で配布できます2。
設定には利用者向けのサポート情報も含められるため1、困ったときの問い合わせ先を端末側で示せます。
拠点に残るのは、受け取り、起動、使える状態になったかの確認が中心です。
ゼロタッチ登録を使えない購入経路の場合は、本部で一台ずつ設定してから送る方法が、拠点の負担を減らす選択肢になります。
- 1 出典:Google(Android Enterprise ヘルプ)「ゼロタッチ登録: IT 管理者向け」(2026年)
- 2 出典:Google(Android Enterprise ヘルプ)「Android デバイスを入手する」(2026年)