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発注アプリの通知で発注忘れを防ぐ設定|リマインドの種類と、気づかない・不在への対策

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 発注忘れは「知らない」「気づかない」「決まっていない」に分けると、通知で防げる範囲と運用で補う範囲が分かれる。
  • 日付基準のリマインドは、発注日を基準に準備のための予告と送信のための当日通知の2段で組み、締切日を項目として登録しておくことが前提になる。
  • 代理者を通知先に加えるときは閲覧権限も合わせ、部署全体ではなく対応する人を決めて送る。
  • 通知は受け取った人の行動があるものだけ残し、今日中の対応か数日先の準備かで届け方を分ける。
  • 通知だけでは不在や見落としが残るため、締切一覧と未発注を確認する時刻を決め、締切超過などの件数で定期的に見直す。

30代前半の日本人女性が工場事務所での予定確認をしている場面

発注忘れの原因は「知らない」「気づかない」「決まっていない」のどれか

取引先の発注締めを過ぎてから、注文を出していなかったことに気づく。
担当者が休んだ日に、発注日がそのまま流れてしまう。
こうした送り忘れは、原因が「締切を知らなかった」「通知に気づかなかった」「誰が出すか決まっていなかった」のどれかによって、通知で防げる範囲が変わります。
発注日を基準にしたリマインドは、数日前の予告と当日の指定時刻の2段に分け、担当者と代理者へ送る形が組み立てやすい設定です。
ただし通知が直接防ぐのは「知らない」が中心です。
「気づかない」「決まっていない」は、通知の絞り込み、代理担当、確認する時刻のルールで補います。
どこまで設定できるかはアプリごとに違うため、自社アプリのヘルプと照らし合わせながら決めていきます。

締切を過ぎた場面を振り返る

発注忘れは、結果だけを見ればどれも「締切までに注文が取引先へ届かなかった」という同じ出来事です。
ところが、そこへ至る途中で何が起きていたかは、場面ごとにかなり違います。
通知の設定画面を開く前に、最近出し損ねた注文、あるいは出し損ねかけた注文を一つ取り上げ、締切の前後に何があったかを順にたどってみると、どの通知を足せばよいのかが見えてきます。

たとえば、毎週決まった曜日に資材を発注している担当者が、ある週に限って取引先の締め時刻を過ぎてしまったとします。
振り返ってみると、考えられる筋は一つではありません。
その週は連休の関係で取引先の締めが前倒しになっていて、担当者がその変更を知らなかったのかもしれません。
締めの日は分かっていて通知も届いていたのに、別の急ぎの対応に追われて画面を開かないまま時刻が過ぎたのかもしれません。
いつもの担当者がその日に休んでいて、代わりに誰が出すのかを決めていなかったのかもしれません。

どれも社内では「発注を忘れた」と一言でまとめられがちですが、手当ての仕方はまったく違います。
締めの変更を知らなかったのなら、日付を知らせる通知が効きます。
通知を見なかったのなら、通知をもう一つ増やしても同じことが起きる可能性があります。
担当が決まっていなかったのなら、通知をどれだけ丁寧に設定しても、受け取る人がいない限り注文は出ません。

振り返りは、誰かの不注意を責めるためのものではありません。
発注の履歴に残っている日時、通知が送られた記録、その日の勤務状況など、記録で確かめられることを並べると、記憶に頼った振り返りよりも原因を取り違えにくくなります。

3つの原因の見分け方

振り返った場面を、次の三つのどれに当たるかで分けてみます。
これは対策を選ぶための整理で、どの原因が多いかを示した統計に基づく分類ではありません。
どれが多いかは会社や取引先の数によって変わるので、自社の直近の例を当てはめるのがいちばん確かです。

  • 知らない:締切の日付や時刻を、担当者がそもそも把握していなかった状態です。取引先ごとに締めが違う、臨時で締めが変わった、担当になって間もない、といった場面で起きやすくなります。
    – 気づかない:締切の情報は届いていたのに、行動に結びつかなかった状態です。通知がほかの通知に埋もれた、メールを開く時間帯と通知の時刻が合っていなかった、届いた時点では「あとでやろう」と思ってそのままになった、などが当たります。
    – 決まっていない:その注文を誰が出すのかが曖昧だった状態です。不在時の代わりが決まっていない、複数人で担当していて互いに相手が出すと思っていた、という形で表れます。

見分けるときは、順番に問いを立てると迷いにくくなります。
まず、担当者はその締切を知っていたか。
知らなかったなら「知らない」です。
知っていたなら、次にその日その注文を出す人は決まっていたか。
決まっていなかったなら「決まっていない」です。
決まっていたのに出なかったなら、通知や予定は届いていたか、届いていたなら見られていたかを確かめると、「気づかない」のどの形かが分かります。

実際には二つ以上が重なることもあります。
新しく担当になった人が締めの変更を知らず、しかも不在時の代わりも決まっていなかった、という具合です。
その場合も、どれか一つを直せば済むと考えず、重なっている原因ごとに次の節以降の手当てを当てはめていきます。

発注忘れ防止に使える通知の種類と、防げる原因

日付基準のリマインド

発注アプリの通知でまず思い浮かぶのが、発注日や締切日を基準に、その前後の決めた時点で知らせるリマインドです。
具体的にどこまで指定できるかの例として、汎用の業務アプリ基盤であるkintoneのリマインダー通知を見ると、基準にする日として日付・日時・作成日時・更新日時を選び、その何日前か何日後か、何時に通知するかを指定できます1。
kintoneは発注専用のアプリではないので、ほかの発注アプリが同じ設定を持っているとは限りません。
ここでは「日付を基準にした通知では、何を決める必要があるのか」を知る手掛かりとして見ています。

この種類の通知が最も効くのは、前の節の「知らない」です。
担当者が締切を覚えていなくても、アプリが日付を覚えていて、決めた時点で知らせてくれます。
ただし前提があります。
通知の基準になる発注日や締切日が、注文ごとにデータとして登録されていなければなりません。
締切を担当者の頭の中や紙のメモにだけ持っていて、アプリの項目に入れていなければ、通知は鳴りようがありません。

もう一つ押さえておきたいのが、通知の対象を条件で絞れる点です。
kintoneでは、通知は設定した条件を一つ以上満たすレコードに送られます1。
注文の記録に「発注済みかどうか」を表す項目を持たせているなら、その値を条件に含めて、まだ出していない注文にだけ通知が届くように組み立てることが考えられます。
こうしておくと、すでに送った注文について通知が届き、受け取った人が「これはもう済んでいる」と読み流す場面を減らせます。
この絞り込みは、あとの通知の量を整える話にもつながります。

通知がどこに表示されるかも、気づけるかどうかに関わります。
サイボウズのヘルプでは、リマインダー通知はトップページの最新情報や未読一覧にも表示されると説明されています2。
アプリの画面を日常的に開く人には目に入りやすい一方、画面を開かない日には気づく機会がありません。
この点はあとで、手段の分け方として扱います。

通知先の指定

日付が正しくても、届く相手が適切でなければ注文は出ません。
通知先の指定は、前の節の「決まっていない」の一部を補う設定です。
kintoneでは、通知先にユーザー・グループ・組織を追加できるほか、作成者・更新者・ユーザー選択などの項目や、プロセス管理を使っている場合はその作業者でも指定できます1。

項目で通知先を指定できると、注文ごとに担当者欄へ入れた人へ通知が届きます。
取引先によって担当が分かれている会社では、全員に同じ通知を送るより、その注文の担当者にだけ届くほうが、受け取った人が「自分の仕事だ」と分かりやすくなります。
反対に、担当者欄が空のまま注文が登録されると、誰にも届かない注文が生まれます。
担当者欄を入力必須にしておけるなら、登録の時点で「誰が出すか」を決める習慣にもなります。

ただし通知先の設定は、担当を決めるという判断そのものの代わりにはなりません。
また、閲覧権限のないユーザーには通知されません1。
代理者を通知先に加えても、その人が注文の記録を見る権限を持っていなければ、通知は届かないままです。
代理者を決めたら、権限まで合わせて設定しておく必要があります。

未発注の検知(機能がある場合)

日付基準のリマインドは、注文の記録がすでにあって、その日付を基準に知らせる仕組みです。
では、発注予定があるのに注文の記録自体が作られていない場合はどうなるでしょうか。
記録がなければ、通知の対象にもなりません。
「毎週出すはずの注文が今週はまだ作られていない」ことを知らせる機能が発注アプリにあるかどうかは、製品ごとに違い、一般的には言えません。

この機能がアプリにない場合は、発注予定を先に記録として登録しておき、その予定の日付を基準に通知する形が考えられます。
定期的に同じ取引先へ発注しているなら、予定の記録を先に作っておくことで、注文の作り忘れも通知の対象に入れられます。
アプリに定期発注や未発注の知らせに当たる機能があるなら、そちらを使うほうが手間は少なくなります。
どちらが使えるかは、自社アプリのヘルプで確かめる部分です。

通知の種類 主に補える原因 前提になること
日付基準のリマインド 知らない 発注日や締切日が注文ごとの項目として登録されている
通知先の指定(担当者欄・代理者の追加) 決まっていないの一部 担当者が決まって入力され、通知先が閲覧権限を持っている
未発注の検知・発注予定の登録 知らない(注文の作り忘れ) アプリに機能があるか、予定を記録として先に登録している
発注忘れの原因を切り分ける問いの順番
締切を知っていたか、出す人が決まっていたか、通知が届き見られていたかを順に確かめて原因を分ける順序
原因ごとに、通知で防ぐ範囲と補う手立て(本文の整理)
知らない・気づかない・決まっていないの原因ごとに、通知と運用の手立てを分けた図

最初に設定する通知とタイミング・通知先の決め方

予告と当日の2段

使える通知の種類が分かったら、何を、いつ、誰に送るかを決めます。
最初の設定として組み立てやすいのは、発注日を基準にした「数日前の予告」と「当日の指定時刻」の2段です。
これは仕様を組み合わせた設定案で、この形にすれば発注漏れが減ると確かめられたものではありません。
出発点として置き、あとで見直す前提で考えます。

2段に分けるのは、それぞれの通知で受け取った人がやることが違うからです。
予告は「この取引先への発注が近い」と知らせ、在庫の確認や数量の決定、必要なら社内の承認といった準備を始めてもらうための通知です。
当日の通知は「今日が締め」と知らせ、実際に注文を送ってもらうための通知です。
予告だけだと、準備はしたのに送信を後回しにして時刻を過ぎることがあります。
当日だけだと、通知を見た時点で在庫確認や承認が間に合わないことがあります。

予告を何日前に置くかは、取引先の受付締めから逆算して、社内の準備に必要な日数を見込んで決めます。
準備が始められないほど早く届くと、受け取った人はその場でやることがなく、通知を閉じたまま忘れてしまいます。
当日の時刻は、担当者の始業時刻と取引先の締め時刻の間で、送信の作業に取りかかれる時間帯に置きます。
kintoneでは時刻を10分単位で指定でき、日時の項目を基準にする場合は基準時刻の何時間前・何時間後かも指定できます1。

時刻を決めるときに見落としやすいのが、通知のずれです。
kintoneでは、通知が指定時刻から数分ずれることがあるとされています1。
締め時刻の直前に当日の通知を置くと、少し遅れて届いただけで間に合わなくなります。
送信の作業にかかる時間も含めて、締めまで余裕のある時刻を選ぶほうが安全です。

通知先と代理者

通知先は、その注文の担当者を基本にし、当日の通知には代理者も加える形が考えられます。
予告の段階で担当者が休んでいても、当日までに戻ってくれば準備は間に合うことが多い一方、当日に不在だと注文が止まります。
代理者に予告まで送ると、自分の仕事ではない通知を毎回受け取ることになり、肝心の当日の通知も読み流されやすくなります。
通知の段ごとに通知先を分けられるかどうかはアプリの設定画面で確かめる部分ですが、分けられるなら代理者には当日の通知だけを送るのが一つの案です。

代理者を通知先に入れる方法は、注文ごとに担当者欄と代理者欄を持たせて項目で指定するか、代理を務める人を固定で通知先に加えるかのどちらかになります。
取引先ごとに代理が違うなら項目で、チームで代理が一人に決まっているなら固定で、という分け方がしやすいでしょう。
どちらの場合も、代理者が注文の記録を見る権限を持っていることが条件です。

グループや部署全体を通知先にすると、設定は簡単ですが、受け取った全員が「誰かが対応するだろう」と考える状態に戻りやすくなります。
前の節の「決まっていない」を通知の設定で作り直してしまう形です。
グループ宛てにする場合でも、その中で誰が対応するのかを決めておかないと、通知の数が増えるだけになります。

取引先ごとの締切差

取引先によって、前日の夕方に締める先もあれば、当日の午前に締める先もある、という会社は少なくないでしょう。
発注日だけを基準に全取引先へ同じ時刻の通知を送ると、締めの早い取引先では当日の通知が届いたときにはもう間に合わない、ということが起きます。

対応の仕方は二つ考えられます。
一つは、注文ごとに「締切日時」の項目を持たせ、その日時を基準に何時間前と指定する方法です。
取引先ごとに締め時刻が違っても、項目の値が違うだけで、通知の設定は一つで済みます。
もう一つは、条件で取引先を分け、取引先のまとまりごとに別の通知を設定する方法です。
取引先が少なく締めのパターンも少ないなら、こちらのほうが設定の見通しは立てやすくなります。

締切日時を項目として持つ方法には、臨時の変更に追随しやすいという利点もあります。
連休前に締めが前倒しになった場合、その注文の締切日時を書き換えれば、基準にする時刻もそれに合わせて変わります。
一方で、締めの変更を項目に反映する人がいなければ、通知は古い締めのまま届きます。
取引先から締め変更の連絡を受けた人が、誰に伝え、誰が項目を直すのかまで決めておくと、「知らない」を通知で防ぐ仕組みが途中で切れずに済みます。

通知が多すぎて見なくなるのを防ぐ調整

行動が要る通知だけ残す

予告と当日の2段に代理者を加え、取引先ごとに設定を分けていくと、通知の数は思ったより増えます。
届いても何もしなくてよい通知が混ざるようになると、受け取る人は通知を開く前に「たぶん関係ない」と判断する癖がつき、本当に必要な通知まで読み流すようになります。
前の節の「気づかない」は、通知が少なすぎるときだけでなく、多すぎるときにも起きます。

通知を絞る基準として参考になるのが、システム監視のアラート設計の考え方です。
監視運用の資料では、通知を受け取った人が取るべき行動があるかどうかを基準にすることが勧められています3。
この資料はシステム監視を対象にしたもので、発注業務を調べたものではありません。
それでも、受け取った人が「何かすべきか」をその場で判断するという点は発注の通知も同じなので、考え方として当てはめることはできます。

発注の通知に置き換えると、予告を受け取った担当者は在庫を確認する、当日の通知を受け取った担当者は注文を送る、と行動が決まっています。
一方で、すでに送った注文について届く通知や、自分の担当ではない注文の通知は、受け取った人がやることがありません。
こうした通知は削る候補です。
前に触れたように、「発注済みかどうか」の項目を条件に入れて未発注の注文だけに絞れれば、発注済みの注文に通知が届くことはなくなります。

通知を一つ残すか迷ったときは、その通知を受け取った人が何をするのかを一文で書いてみると判断しやすくなります。
書けない通知は、誰かに状況を知らせたいだけで、受け取った人の行動にはつながっていないことが多いものです。
状況を共有したいだけなら、通知ではなく一覧や記録で見られるようにしておけば足ります。

緊急度で手段を分ける

残した通知も、すべてを同じ手段で送る必要はありません。
監視運用の資料では、重要度ではなく、対応すべき時間軸で通知を段階分けすることが示されています3。
発注で考えると、「重要な取引先だから」という理由で強い通知にするのではなく、「今日中に送らないと間に合わない」のか「今週中に準備すればよい」のかで手段を変える、ということになります。

今日の締めに関わる当日の通知は、受け取った人がすぐに気づける手段が向いています。
チャットやスマートフォンへの通知が使えるなら、こちらに当てる候補です。
数日前の予告は、すぐに動く必要はないので、メールやアプリ内の一覧で十分なことが多いでしょう。
アプリ内の最新情報や未読一覧に表示される通知2は、始業時などにまとめて確認する用途に向いていますが、画面を開かなければ目に入りません。
当日の通知をアプリ内の表示だけにすると、その日に画面を開かなかった人は気づけないままになります。

チャットツールとの連携やスマートフォンへの通知があるかどうかは、アプリごとに違います。
アプリにない場合でも、当日の分だけはチャットで別途知らせる、といった組み合わせで補う余地があります。
どの手段にするにしても、当日の通知を最も目に入る手段に置き、予告をそれより静かな手段に置く、という順序を崩さないことが要点です。

対応の時間軸 発注での例 届け方の例
今日中に対応が必要 当日の指定時刻に届く送信の通知 チャットやスマートフォンなど、すぐ気づける手段
数日のうちに準備すればよい 数日前に届く予告の通知 メールやアプリ内の未読一覧など、まとめて確認する手段
受け取った人の行動がない 発注済みの注文や他人の担当分の知らせ 通知せず、一覧や記録で見られるようにする
発注日を基準にした予告と当日の2段の通知(設定案の模式図)
数日前の予告で準備を始め、当日の指定時刻の通知で注文を送り、取引先の締め時刻を迎える流れ

通知だけでは漏れる場面と、補う運用ルール

代理担当と締切一覧

通知の内容と手段を整えても、通知は「届ける」ところまでしか担えません。
受け取った人が休んでいる、外出している、会議が長引いている、といった場面では、通知は届いていても注文は止まります。
代理者を通知先に加えていても、代理者が「本人が出すはずだ」と考えていれば、結果は同じです。
通知の設定だけでは、「決まっていない」は完全には解消しません。

そこで、代理者がいつ動くのかを運用のルールとして決めておきます。
たとえば「当日の決めた時刻に本人が未発注なら、代理者が本人に確認し、連絡がつかなければ代理者が送る」といった形です。
このルールが働くには、代理者がその取引先への発注方法を知っていて、注文の記録を見る権限を持っていることが条件になります。
権限がなければ通知も届かない1ので、代理者を決める作業と、権限を合わせる作業はセットで行います。

もう一つ用意しておきたいのが、締切一覧です。
取引先ごとに、締め時刻、発注日、担当者、代理者を一覧にしておきます。
この一覧は、通知の設定を作るときの元のデータになり、締めが変わったときに何を直すべきかの手掛かりにもなります。
新しく担当になった人や、急に代理を頼まれた人が、どの取引先にいつまでに出せばよいかを一目で確かめられる点も、通知では代わりにくい役割です。

通知の対象が漏れていないかも、一度は確かめておきたいところです。
kintoneでは、一度に処理される対象はレコード番号の降順で最大500件で、関連レコードの項目は通知の条件に使えません1。
注文の記録が長く溜まっていくアプリや、取引先の情報を関連レコードで参照している作り方では、意図した注文が通知の対象に入っているかを確かめておく必要があります。
ほかのアプリでも、対象件数や条件に使える項目に制約がないかは、ヘルプで確かめておくと安心です。

確認する時刻を決める

通知は、アプリの側から人へ知らせる仕組みです。
これに対して、決まった時刻に人の側から未発注の注文がないかを見に行く仕組みを足しておくと、通知が届かなかった、見られなかった、という漏れに気づく機会が増えます。
締めの時刻より前に「この時刻に未発注の一覧を見る」と決めておく、という運用です。

確認する時刻は、当日の通知より後で、締めまでに送信が間に合う時刻に置きます。
当日の通知で送信してもらい、確認の時刻にまだ未発注のものが残っていれば、本人に声をかけるか代理者が送る、という順で動きます。
誰が確認するかも決めておきます。
担当者本人が確認するのでは、通知を見落とした人がそのまま確認も忘れることがあるため、チームのまとめ役や代理者が確認する形のほうが、通知とは別の目が入ります。

この確認には、「未発注の注文だけを一覧で見られる」ことが前提になります。
発注済みかどうかの項目を持たせておけば、通知の絞り込みと確認の一覧の両方に使えます。
こうした運用ルールで発注漏れがどれだけ減るかを示した調査は見当たらないため、効果は自社で確かめていくことになります。
その確かめ方が、次の節の振り返りです。

対応の時間軸で分けた発注通知の届け方(本文の整理)
今日中に対応が必要な通知、数日のうちに準備すればよい通知、行動がない通知に分けた届け方の例

設定後に発注漏れが減ったかの確認と見直し

見る指標

通知と運用ルールを整えたら、それが効いているかを確かめます。
見る指標として、次の三つを提案します。
いずれも編集部としての提案で、どの値になれば十分という基準があるわけではありません。
自社の以前の状態と比べて、増えたか減ったかを見るためのものです。

  • 締切を過ぎてから注文を出した件数、または出せなかった件数
    – 締めに間に合わせるために、取引先へ電話して受付を延ばしてもらうなどの急ぎ対応をした件数
    – 通知は送られていたのに、見られずに行動につながらなかった件数

件数を数えるときは、最初の節で整理した「知らない」「気づかない」「決まっていない」のどれに当たったかも一緒に記録しておくと、次にどこを直せばよいかが分かります。
「知らない」が残っているなら、締切の項目の入力や締め変更の反映に穴があります。
「気づかない」が残っているなら、通知の時刻や手段、数の問題です。
「決まっていない」が残っているなら、代理のルールか担当者欄の入力が機能していません。

通知ごとに、行動につながったかどうかも見ておきます。
一度も行動につながっていない通知は、削る候補です。
毎回のように見られていない通知は、時刻か手段が受け取る人の動きに合っていない可能性があります。
通知の履歴やレポートをアプリで見られるかどうかは製品によって違うので、見られない場合は、締切超過や急ぎ対応があったときに簡単な記録表へ書き残すだけでも振り返りはできます。

見直しの頻度

通知は一度設定すれば終わり、というものではありません。
監視運用の資料でも、アラートは設計した後も、運用の経験をもとに定期的に見直すものとされています3。
発注の通知でも、取引先が増える、締めが変わる、担当が交代する、といった変化があるたびに、設定と実際の業務の間にずれが生まれます。

見直しの頻度は、発注の頻度に合わせて決めるのが自然です。
毎週のように発注が続くなら週ごとに、月単位の発注が中心なら月ごとに、指標を振り返る機会を持ちます。
それとは別に、取引先の追加、担当の交代、取引先からの締め変更の連絡があったときには、締切一覧と通知の設定をその場で見直します。

見直しでは、通知を足すことよりも、行動につながっていない通知を削ること、届く相手と時刻を受け取る人の動きに合わせることを先に考えます。
通知を足すのは、振り返りで「知らない」による漏れが見つかったときです。
この順で直していくと、通知の数が増え続けて見られなくなる状態を避けやすくなります。

当日の確認時刻に未発注の注文を拾う流れ(運用の案)
当日の通知のあと、確認時刻に未発注の一覧を見て、残っていれば本人に確認し、連絡がつかなければ代理者が送る流れ

取引先ごとの締めや代理担当の決め方は、自社の発注の流れを一つずつ並べてみないと、通知で補うべきか運用で補うべきかを判断しにくい部分です。

現在の発注の流れのどこで送り忘れが起きているかを整理し、通知の設定と運用ルールのどちらで補うのが合っているかを確かめられます。無料相談で要件を整理する

通知の設定前に自社アプリのヘルプで確かめること

本文で扱った、通知の設定に必要な機能と制約の項目を並べた。

  • 発注日や締切日を項目として持ち、その日付を基準に通知できるか
  • 何日前・何時間前、何時に通知するかをどの単位で指定できるか
  • 注文ごとの担当者欄や代理者欄を通知先に指定できるか
  • 発注済みかどうかなどの項目で、通知の対象を絞れるか
  • 閲覧権限のない人への通知や、通知の時刻のずれについて制約があるか
  • 一度に処理される件数や、条件に使えない項目などの制約があるか
  • 通知がどこに表示され、チャットやスマートフォンへ送れるか
発注通知の設定と見直しの繰り返し(進め方の模式図)
通知と運用ルールを設定し、運用して記録し、指標を振り返り、不要な通知を削って見直し、再び設定へ戻る繰り返し

要点の整理

軸 基準
原因の切り分け 知らない・気づかない・決まっていないのどれかを、直近の例で確かめる
通知の段階 発注日を基準に、準備のための予告と送信のための当日通知の2段
通知先 注文の担当者を基本に、当日分は閲覧権限のある代理者を加える
絞り込み 受け取った人の行動がある通知だけ残し、未発注の注文に絞る
手段 今日中の対応は気づきやすい手段、数日先の準備はまとめて見る手段
補う運用 代理者が動く条件、締切一覧、未発注を確認する時刻を決める
見直し 締切超過・急ぎ対応・見られなかった通知を、発注の頻度に合わせて振り返る

通知を設定した後は、どの通知が行動につながり、どこで漏れが残っているかを、自社の記録をもとに見直す必要があります。 振り返りの記録から、削る通知、見直す通知先や時刻、足りない運用ルールを一緒に洗い出せます。

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よくある質問

発注アプリに通知機能がない場合は、カレンダーやチャットで代用できますか。

代用はできます。
カレンダーの繰り返し予定やチャットのリマインド機能で、予告と当日の2段を組むことは可能です。
ただし、発注のデータと連動していないため、締めが変わったときは予定を手で直す必要があり、注文を送った後も通知は止まりません。
取引先ごとの締切一覧を元にして予定を作り、締め変更の連絡を受けたら誰が予定を直すのかまで決めておくと、ずれが起きにくくなります。

取引先ごとに締切時刻が違う場合、通知はどう設定すればよいですか。

注文ごとに締切日時の項目を持たせ、その日時を基準に何時間前と指定できれば、締めが違っても一つの設定で済みます。
取引先が少なく締めのパターンも少ないなら、条件で取引先を分けて通知を別々に設定する方法もあります。
どちらの場合も、締め変更を項目や設定に反映する担当を決めておくことが前提です。

担当者が休みの日の発注通知は、誰に送るのがよいですか。

当日の通知に、あらかじめ決めた代理者を加える形が考えられます。
部署全体に送ると、誰かが対応するだろうと全員が考えやすくなるため、対応する人を一人に決めるほうが動きが明確です。
代理者が注文の記録を見る権限と、その取引先への発注方法を知っていることも確かめておきます。

通知を何日前に出すと、早すぎて見なくなりますか。

一律の日数はありません。
目安になるのは、通知を受け取った時点でやることがあるかどうかです。
在庫確認や承認などの準備を始められる日より前に予告が届くと、受け取った人はその場で何もできず、通知を閉じたまま忘れやすくなります。
取引先の締めから、社内の準備にかかる日数を逆算して置くのが考え方の基本です。

メール通知とチャット通知は、どう使い分ければよいですか。

重要度ではなく、いつまでに対応が必要かで分けます。
今日の締めに関わる当日の通知は、すぐ気づけるチャットやスマートフォンへの通知に、数日前の予告はメールやアプリ内の一覧に、という分け方が一例です。
どの手段が使えるかはアプリによって違うため、足りない分はほかのツールで補います。

通知を設定したのに発注漏れが起きたときは、何から確認すればよいですか。

通知の流れに沿って順に確かめます。
まず、その注文に基準となる日付が入っていたか。
次に、通知の条件に合っていたか、件数の上限や条件に使えない項目などで対象から外れていなかったか。
そのうえで、通知先が正しく、閲覧権限があったか、届いた通知が見られていたかを見ます。
最後に、その日に注文を出す人が決まっていたかを確かめると、知らない・気づかない・決まっていないのどれだったかが分かります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:サイボウズ株式会社「kintone ヘルプ:リマインダー通知(日時条件による通知の設定)」(2026年閲覧)
  2. 2 出典:サイボウズ株式会社「kintone ヘルプ:アプリのリマインダー通知の設定」(2026年閲覧)
  3. 3 出典:アイレット株式会社(iret.media)「アラートの質を劇的に改善する5つのヒント」

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

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