◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- EDIの方式を選ぶ前に、受注側か発注側か、取引先が方式を指定しているか、いまの回線が電話回線系かの3点を確かめる。
- INSネットのディジタル通信モードは2024年1月に終了済みで、補完策はNTT東日本の案内で2028年12月31日までの暫定策とされている。
- 回線の期限は電話回線から離れる理由であり、移行先がWeb-EDIに自動的に決まるわけではない。
- Web-EDIでは取引先ごとに画面が増える多画面問題と、自社システムへの転記が残る場合がある。
- 取引先が多い場合は、取引先側の対応を前提に、中小企業共通EDIで受けられないかを相談する。
目次

取引先からEDIを求められたら、最初に確認する3点
取引先から「今後はEDIで受発注したい」と言われ、昔からある電話回線のEDIと、ブラウザで使うWeb-EDIのどちらで応じればよいのか、判断材料が足りないまま返事を考えている方もいると思います。
最初に決めるのは、自社が注文を受ける側か出す側か、そして取引先が方式を指定しているかです。
指定があれば、それが出発点になります。
電話回線系の従来EDIは、INSネットのディジタル通信モードが2024年に終了し、いまは2028年末までの補完策で動いています2。
一方のWeb-EDIは取引先ごとに画面が増える点が課題になり、取引先が多い場合は共通仕様への対応も検討に入ります。
受注側か発注側か
EDI(企業間で注文書や納品書などのデータを、決められた形式で電子的にやり取りする仕組み)の話は、注文を出す側と受ける側で、悩みの中身が大きく違います。
発注側は、どの仕組みを用意して取引先に使ってもらうかを決める立場です。
受注側は、取引先が用意した仕組みに合わせて注文を受け取り、納期の回答や出荷の連絡を返す立場になります。
中小企業庁の解説では、従来のEDIは発注側企業が独自に構築したシステムを使うため、受注側は取引先ごとに別のシステムへ対応しなければならないと説明されています1。
そのため受注側にとっての問いは、「どの方式が優れているか」より先に「この取引先の仕組みにどう参加するか」になりやすいのです。
取引先から依頼を受けて調べ始めたのであれば、自社は受注側として考えるのが自然です。
ただし、自社が部品や資材を仕入れる立場でもある場合は、自社の仕入先に対しては発注側になります。
受ける注文と出す注文を分けて考えておくと、「取引先に合わせる話」と「仕入先に合わせてもらう話」が混ざらずに済みます。
取引先は方式を指定しているか
次に分かれ目になるのが、取引先がすでに方式を決めているかどうかです。
取引先が自社向けのWeb-EDIの画面を用意している、あるいは特定の方式で接続してほしいと言っている場合、受注側が自由に方式を選べる余地は小さくなります。
このとき検討するのは「どちらが良いか」ではなく、「その方式に自社の体制で無理なく対応できるか」です。
反対に「EDIにしたいが、方式は相談させてほしい」という段階であれば、自社の事情を伝えたうえで選択肢を話し合えます。
取引先が求める接続条件は会社ごとに違い、一般的な正解はありません。
依頼の文面や担当者との会話から、方式・開始時期・事前のテストが決まっているのかを最初に聞き取っておくと、その後の比較が自社の話として具体的になります。
いまの回線は電話回線系かインターネットか
三つ目は、自社がいまどんな回線で取引データをやり取りしているかです。
すでに一部の取引先と電話回線を使うEDIでつながっている会社もあれば、受発注はすべて電話・FAX・メールという会社もあります。
前者の場合は、取引先からの新しい依頼とは別に、回線そのものに期限があるという問題を抱えています。
電話回線系のEDIが使ってきたINSネットのデータ通信は、すでに通常の提供を終え、期限付きの補完策に移っています2。
社内に通信用の端末やソフトが置かれているのに、導入した担当者が異動していて経緯が分からないという場合は、その端末がどの回線につながり、どの取引先とやり取りしているのかを把握するところから始めることになります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 受注側か発注側か
- 受注側は取引先の仕組みに参加する
- 発注側は仕組みを用意する
- 取引先は方式を指定しているか
- 指定があればその方式が出発点
- 相談の段階なら選択肢を話し合える
- いまの回線は電話回線系かインターネットか
- 電話回線系なら回線の期限への対応が別に必要
従来EDIとWeb-EDIは、回線と画面・端末で何が違うのか
従来EDI(電話回線系)の仕組み
「従来EDI」という言葉は人によって指す範囲が違いますが、ここでは電話回線、具体的にはINSネットのデータ通信を使って取引先とデータをやり取りする方式を指します。
インターネット経由で取引先と個別に接続するEDIは、この記事でいう従来EDIには含めていません。
NTT東日本の案内によると、INSネットのディジタル通信モードは、EDIやPOSなどの専用端末との通信に多く使われていたモードです2。
社内に通信用の端末やソフトを置き、決まった手順で取引先のコンピュータと接続して注文データを受け取る、というのが典型的な形です。
注文がデータとして届くため、社内の仕組みの組み方によっては、自社のシステムへ取り込む流れを作れるという面もあります。
ただし、この方式の前提だったディジタル通信モードは、2024年1月から段階的に終了しました2。
同じINSネットでも通話モードは続いているため2、電話がつながるからといって、データ通信も以前と同じ状態だとは限りません。
Web-EDI(ブラウザ)の仕組み
Web-EDIは、インターネットにつないだパソコンのブラウザで取引先が用意した画面にログインし、注文の確認や納期の回答などを行う方式として説明されるのが一般的です。
専用の通信端末を社内に置く必要がなく、インターネット回線とブラウザがあれば始められる点が、電話回線系との大きな違いです。
その代わり、画面は取引先ごとに用意されます。
A社の注文はA社の画面で、B社の注文はB社の画面で確認し、それぞれの操作方法を覚えることになります。
また、画面で見た注文を自社の販売管理や会計の仕組みへ移す作業が、担当者の手元に残る場合があります。
この負担は、後の節で具体的にたどります。
表のうち、判断が分かれるのは「回線」と「件数が増えたとき」の二つの行です。
回線の行は、電話回線系を使い続けられる期間に限りがあることを示しており、これは方式の好みではなく、移行を考えざるをえない理由になります。
一方で、件数の行が示すWeb-EDIの課題は、移した後の運用で表に出てくる問題です。
この二つは別々の判断だという点が大切です。
電話回線から離れる必要があるからといって、移行先が自動的にWeb-EDIに決まるわけではありません。
移行先は、取引先がどんな方式を用意しているか、自社が何社から注文を受けているかによって変わります。
次の節では、まず回線の期限がどうなっているのかを整理します。
| 比べる点 | 従来EDI(電話回線系) | Web-EDI(ブラウザ) |
|---|---|---|
| 回線 | INSネットのデータ通信(現在は補完策) | インターネット回線 |
| 画面・端末 | 社内に専用端末や通信ソフトを置く | ブラウザで取引先ごとの画面にログインする |
| 手入力と取引先対応 | 受け取ったデータの扱いは社内の仕組みによる | 画面ごとの操作と自社システムへの転記が残る場合がある |
| 件数が増えたとき | 回線に期限があり移行先の検討が必要 | 取引先ごとに画面と手順が増える |
▼ 図の内容を文字で読む
- 回線
- 従来EDI:INSネットのデータ通信
- Web-EDI:インターネット回線
- 画面と端末
- 従来EDI:社内に通信用の端末やソフトを置く
- Web-EDI:ブラウザで取引先ごとの画面にログインする
- 注文の取り扱い
- 従来EDI:社内の仕組みによってはデータを取り込む流れを作れる
- Web-EDI:画面で見た注文を自社の仕組みへ移す作業が残る場合がある
回線の切り替えはいつまでに必要か:補完策と2028年12月31日
ディジタル通信モードは2024年1月に終了済み
電話回線の終了は、これから来る話だと受け止められがちです。
しかしデータ通信に関しては、すでに区切りを過ぎています。
NTT東日本は、INSネットのディジタル通信モードの提供終了を2024年1月中に地域ごとに段階的に行い、対象地域のすべてで切り替えが完了したと公表しています3。
同じ発表では、通話モードについて利用者側の手続きは不要とされています3。
ここで誤解しやすいのは、「手続き不要」が通話の話だという点です。
電話機がいつも通り使えていても、EDIのデータ通信がどの状態で動いているかは、別に確かめなければ分かりません。
補完策は暫定策
ディジタル通信モードの終了後も、INSネット上でデータ通信を続けられるように用意されたのが補完策です。
NTT東日本の案内では、補完策は伝送遅延が生じる場合があり、2028年末までの措置とされています2。
あわせて、INSネット64、INSネット64・ライト、INSネット1500は2024年に新規販売を終了し、2028年末にサービス提供を終了すると案内されています2。
同じ案内は、データ通信を利用している場合は新しいネットワーク回線への移行を検討する必要があるとしています2。
補完策は、移行の準備期間を確保するための暫定的な仕組みであり、使い続けることを前提にしたものではありません。
遅延がどの程度業務に影響するかは、使っている端末や取引先側の仕組みによって変わるため、一律には言えません。
なお、ここで挙げた期限や条件はNTT東日本の案内に基づいています。
NTT西日本の地域で契約している場合は、契約先の案内で同じ点を確かめてください。
移行前に確認すること
期限が決まっている以上、回線の移行は取引先からの依頼とは切り離して進める必要があります。
ただ、いつまでに何を終えるべきかは会社ごとに違います。
取引先側が先に新しい接続方式を用意する予定なのか、自社から相談を持ちかける必要があるのかで、段取りが大きく変わるからです。
まず確かめたいのは、自社の端末がいま補完策の上で動いているのかどうかです。
次に、その接続で注文をやり取りしている取引先はどこか、取引先は移行後の方式をどう考えているのか、通信ソフトや端末を納めたベンダーはどんな移行先を案内しているのかを聞き取ります。
取引先が複数あれば、移行の時期や方式がそろわないこともありえます。
ここでも、回線の移行先がそのままWeb-EDIに決まるわけではありません。
回線の期限は「電話回線から離れる理由」であり、移った先でどの方式を使うかは、取引先の指定と自社の件数を見て決める問題です。
その判断材料として、次の節ではWeb-EDIに移った後の担当者の作業を見ていきます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 2024年1月:ディジタル通信モードが段階的に終了し、補完策へ移行
- 2024年8月:INSネット64・64・ライト・1500の新規販売終了
- 2028年12月:補完策の期限。INSネット64・64・ライト・1500の提供終了
導入・運用の負担:Web-EDIの多画面問題と手入力
多画面問題
電話回線の問題を抜けてWeb-EDIに移ると、専用端末の管理はなくなります。
その代わりに、別の種類の負担が出てきます。
中小企業庁の解説は、受注側が複数の企業から注文を受けるために多数の画面を開く状態を「多画面問題」と呼び、これがコスト面の負担になっていると指摘しています1。
この解説はWeb-EDIという言葉で説明しているわけではなく、発注側がそれぞれ独自に作った仕組みに受注側が合わせる構図を問題にしています1。
ブラウザで取引先ごとの画面に入るWeb-EDIは、この構図にそのまま当てはまりやすい方式です。
たとえば受注担当者が、朝にA社、B社、C社の画面へ順にログインし、それぞれの新しい注文を確認する場面を考えてみます。
画面の配置も、納期回答の入れ方も、ダウンロードできるファイルの形も取引先ごとに違えば、担当者は三通りの操作を覚えることになります。
取引先が一社増えるたびに、確認する画面とログイン情報と手順が一組ずつ増えていきます。
担当者が休んだ日に誰がどの画面を見るのか、という引き継ぎも必要になります。
利用料や導入費は取引先やサービスによって異なるため、ここでは金額ではなく、担当者の手元に残る作業の量で比べています。
取引先が一社なら気にならない負担でも、件数が増えると効いてくる、というのがこの問題の特徴です。
電話・FAXの手入力
では、電話やFAXで注文を受けている場合と比べるとどうでしょうか。
中小企業庁の解説では、Tier3以下(発注元から数えて3次以下の取引先)の企業では電話やFAXでのやり取りが多く、経理システムへの手入力がミスや書類紛失の原因になっていると説明されています1。
FAXで届いた注文書を見て品番や数量を販売管理に打ち込み、月末には請求の根拠として経理の仕組みにも数字を入れる。
同じ注文の内容を書き写すたびに、読み違いや打ち間違いが入り込む余地が生まれ、紙の注文書そのものが見つからなくなることもあります。
Web-EDIに切り替えれば、少なくとも注文が紙で届くことはなくなり、電話の聞き取りによる行き違いも減らせます。
ただし、画面に表示された注文を自社の販売管理や会計へ打ち直すのであれば、手入力そのものは残ります。
Web-EDIへの切り替えで減るのは紙の受け取りと聞き取りの手間であり、自社システムへの転記まで消えるとは限りません。
注文が届いてから請求するまでの流れに沿って、どの転記が減り、どの転記が残るのかを書き出してみると、切り替えの効果を過大にも過小にも見積もらずに済みます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 取引先ごとの画面:A社・B社・C社の画面に個別にログインする
- 注文を確認:取引先ごとに異なる操作で内容を読む
- 販売管理へ転記:品番や数量を自社の仕組みに入力する
- 経理へ入力:請求の根拠として数字を入れる
取引先・件数が増えたら:共通仕様と連携型という選択肢
中小企業共通EDIとは
取引先が一社だけなら、その会社の画面に慣れれば済みます。
しかし二社、三社と増えると、前の節で見た画面と手順の増加が、そのまま担当者の負担として積み上がります。
この問題に対して、取引先ごとにばらばらな仕組みを共通の約束事でそろえようとするのが、中小企業共通EDIです。
中小企業庁の解説によると、中小企業共通EDIは2018年4月に初版が公開された共通の標準仕様です1。
受注側は、対応したプロバイダー(EDIの通信を仲介するサービス事業者)と業務アプリケーションを利用すればよく、大きな費用はかからないとされています1。
取引先ごとの画面に入りに行くのではなく、共通の形式で届いた注文を自社が使う業務アプリの側で扱う、という考え方です。
ここで欠かせない条件は、取引先の側も共通EDIに対応している必要があるという点です。
自社だけが対応したサービスを使い始めても、取引先が独自のWeb-EDIしか用意していなければ、その取引先の注文はこれまでどおりその画面で受けることになります。
共通EDIは、取引先が多く、そのうちいくつかが対応している、または対応を検討している場合に検討する価値が大きい選択肢だといえます。
連携型を検討するときの見方
もう一つの方向は、受け取った注文データを自社の販売管理や会計の仕組みへ取り込む、いわゆる連携型の考え方です。
前の節で見たとおり、画面から注文を読み取って打ち直している限り、転記の手間は残ります。
注文をデータとして受け取り、自社側の仕組みへ取り込めれば、その打ち直しを減らせる可能性があります。
ただし、取引先のWeb-EDIから注文データを取り出せるか、取り出したデータを自社の販売管理や会計ソフトで読み込めるかは、製品や取引先の設定によって異なります。
「データが画面に表示されている」ことと「自社の仕組みに入る」ことは別の話です。
検討するときは、実際の注文を一件取り上げ、データの形式、取り込みの操作、取り込んだ後に人が確かめる項目を順にたどってみると、どの転記が減り、何の確認が残るのかが見えてきます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発注側(共通EDIに対応):共通の標準仕様で注文を送る
- 対応プロバイダー:EDIの通信を仲介する
- 受注側の業務アプリ:取引先ごとの画面ではなく、自社側で注文を扱う
状況別の選び方と、切り替えの進め方
状況別の整理
ここまでの内容を、自社の状況に当てはめてみます。
以下は、回線に期限があること、取引先ごとに画面が違うこと、共通仕様があることという事実を踏まえた、この記事としての整理です。
実際の効果を測った結果ではないため、自社の取引先と件数に照らして読んでください。
<ul><li>取引先が1社で、方式を指定している:まずその指定方式に合わせます。
画面が一つなら、多画面問題は起きにくい状態です。</li>
<li>取引先が複数で、それぞれ別のWeb-EDIを求めている:画面と転記の負担を見積もり、共通EDIに対応している取引先があれば、その方式で受けられないか相談します。</li>
<li>電話回線系の従来EDIがまだ動いている:取引先からの新しい依頼とは別に、補完策の期限までの移行計画を立てます。
移行先は取引先の指定と件数で決めます。</li>
<li>電話・FAX中心で、取引先からの依頼はまだない:注文が届いてから請求するまでの転記の流れを書き出し、紙と手入力のどこで困っているかを把握しておきます。</li></ul>
どの場合でも、方式の優劣を一般論で決めるより、自社の注文がどこから届き、どこへ書き写されているかで判断が分かれます。
同じWeb-EDIでも、取引先が一社なら手軽な方式になり、五社に増えれば負担の大きい方式になりえます。
自社が発注側として仕入先にEDIを求める立場になる場合は、相手が多画面を抱えることになる点も考えに入れると、共通仕様を選ぶ理由が見えやすくなります。
進め方の順序
切り替えを進める順序は、期限が動かないものから先に確かめるのが基本です。
回線の期限は自社の都合では動かせないため、最初に現状を把握します。
次に取引先の意向を確かめ、方式を決めてから、社内の手順と取引先とのテストへ進みます。
テストは自社だけでは完結しません。
取引先の担当者と日程を合わせて試しの注文を送ってもらい、受け取りや納期の回答が正しく返るかを双方で確かめる必要があります。
取引先が複数の受注先と順番に切り替えを進めている場合、希望する時期にテストを組めないこともありえます。
2028年12月31日の直前に慌てないためには、回線の現状と取引先の意向が分かった段階で、テストの時期だけでも早めに相談しておくのが現実的です。
社内では、導入を判断する人と、実際に画面を操作する担当者が別の場合もあります。
判断する人には回線の期限と取引先の意向を、操作する担当者には画面ごとの手順と転記の流れを、それぞれ必要な形で伝えておくと、切り替えた後に「聞いていなかった作業」が出てきにくくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 取引先が1社で、方式を指定している
- まずその指定方式に合わせる
- 取引先が複数で、それぞれ別のWeb-EDIを求めている
- 画面と転記の負担を見積もる
- 共通EDIに対応した取引先に相談する
- 電話回線系の従来EDIがまだ動いている
- 補完策の期限までの移行計画を立てる
- 移行先は取引先の指定と件数で決める
- 電話・FAX中心で、取引先からの依頼はまだない
- 注文から請求までの転記の流れを書き出す
回線の期限と取引先からの依頼が同時に来ていると、どちらを先に決めるべきか、社内だけでは整理しにくいものです。
相談では、自社の受発注の流れと取引先ごとの方式を並べ、回線の移行と方式の選択をどの順で進めるかを整理できます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 立場 | 受注側は取引先の仕組みに参加し、発注側は仕組みを用意する |
| 取引先の指定 | 指定があればその方式が出発点になる |
| 回線 | 電話回線系なら補完策の期限までに移行先を決める |
| 画面と転記 | 取引先ごとの画面と、自社システムへの転記がどこに残るかを見る |
| 件数の増加 | 取引先が多いなら共通仕様への対応を相談する |
Web-EDIへ移った後に、取引先ごとの画面や自社システムへの転記がどれだけ残るかは、注文一件ずつの流れを追わないと見えにくい部分です。 相談では、注文が届いてから請求するまでの転記の箇所を書き出し、どこが減り、どの確認が残るのかを一緒に確かめられます。
よくある質問
受注側と発注側では、EDIの選び方はどう違うのか
受注側は、取引先が用意した仕組みに合わせて参加する立場です。
取引先が方式を指定していれば、それに自社の体制で対応できるかが中心の問いになり、取引先が増えるほど画面や手順の違いが負担になります。
発注側は仕組みを用意する立場で、自社独自の仕組みを作ると、仕入先に取引先ごとの対応を求めることになります1。
仕入先の負担も考えるなら、共通仕様に対応した方式を選ぶことが選択肢に入ります。
補完策を使っている場合、2028年12月31日より前に何をすべきか
まず、自社のEDI端末が補完策の上で動いているかを確かめます。
そのうえで、その接続を使っている取引先、取引先が考えている移行後の方式、端末や通信ソフトを納めたベンダーが案内する移行先を聞き取ります。
NTT東日本の案内では、補完策もINSネット64・64・ライト・1500の提供も2028年12月31日までとされており、データ通信の利用者は新しい回線への移行を検討する必要があるとされています2。
取引先とのテストには日程調整が必要なため、方式が決まる前でも時期の相談は早めに始めておくと安心です。
NTT西日本の地域では、契約先の案内で条件を確かめてください。
Web-EDIの画面が取引先ごとに違うとき、担当者の作業を減らす方法はあるか
一つは、取引先に共通EDIで受けられないか相談することです。
取引先とプロバイダーが共通EDIに対応していれば、受注側は対応した業務アプリで注文を扱えるとされています1。
もう一つは、取引先の画面から注文データを取り出し、自社の販売管理や会計へ取り込めるかを確かめることです。
ただし取り込めるかどうかは製品や設定によって異なります。
すぐに仕組みを変えられない場合でも、画面ごとの手順を書き出して担当を決めておけば、担当者が休んだ日の確認漏れは防ぎやすくなります。
中小企業共通EDIは、取引先が対応していなくても使えるのか
取引先が対応していなければ、その取引先との受発注には使えません。
共通EDIは、発注側と受注側が同じ標準仕様に対応したプロバイダーや業務アプリを使うことを前提にした仕組みです1。
取引先の一部だけが対応している場合は、対応している取引先とは共通EDIで、それ以外はこれまでの方式で受けるという形になります。
電話・FAX受発注からWeb-EDIへ移すとき、経理システムへの手入力はどう変わるのか
注文が紙で届かなくなるため、FAXの読み違いや書類の紛失は起きにくくなります。
一方、画面に表示された注文を販売管理や経理の仕組みへ打ち直す運用であれば、手入力そのものは残ります。
手入力が減るかどうかは、注文データを自社の仕組みへ取り込めるかで変わるため、注文が届いてから請求するまでのどの転記が残るかを、切り替え前に書き出しておくと判断しやすくなります。
- 1 出典:中小企業庁(ミラサポplus)「企業間のデータ連携で、受発注の業務コストを削減する!」(2020年)
- 2 出典:NTT東日本「固定電話(加入電話・INSネット)が廃止?IP網移行の時期と注意点について解説」(2024年)
- 3 出典:NTT東日本「固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行を2024年1月1日から順次開始」(2023年)
画像の出典元
- Office meeting with graphs on laptop screen, data analysis papers, collaborative discussion./Photo by Kampus Production on Pexels