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得意先の注文の二重入力をなくす方法|自社で変えられる範囲と得意先の協力が要る範囲

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 二重入力は、受信・登録・帳票・会計の4地点で入力回数を数えると、どこで重なっているかが分かる
  • 登録より後の帳票と会計での打ち直しは社内の再入力で、入力の起点を販売管理に一本化すれば自社だけで減らせる
  • 受信から登録への最初の転記をなくすEDIは、1社だけ導入しても効果が出ず、得意先の対応が前提になる
  • 得意先が送り方を変えない場合は、読み替え表や確認項目などの運用ルールで最初の入力の迷いを減らす
  • 入力回数の多い得意先1社か経路1つから試し、入力回数と修正・問い合わせの件数を前後で比べる

A businessman reviews documents with a leather bag in an office setting.
▽ 写真の出典元

得意先の注文の二重入力は、業務の流れのどこで生まれているか

得意先からFAXやメール、Excelで届いた注文を販売管理に打ち込み、同じ内容を納品書や請求書の帳票、さらに会計にも入れ直している。
残業や転記ミスの多くは、この繰り返しから生まれます。
得意先が送り方を変えてくれなくても、社内での打ち直しは自社だけで減らせます。
入力の起点を販売管理に一本化し、取り込みや連携で後工程へ渡す方法です。
一方、得意先との間でデータを直接やり取りするEDIは、1社だけ導入しても効果が出ません。
まず1週間分の注文で入力回数を数えて、どこで重なっているかを特定します。
そのうえで、自社で完結する範囲から小さく試すのが現実的です。

受信から会計までの4地点で入力回数を数える

一つの注文が社内を通る道筋を、4つの地点に分けてみます。
1つ目は受信で、FAX・メール・Excel・取引先のポータルなどから注文を受け取る地点です。
2つ目は登録で、注文の内容を販売管理システムに入れる地点です。
3つ目は帳票で、納品書・請求書などを作る地点です。
4つ目は会計で、売上を会計システムに計上する地点です。

二重入力という言葉は一つでも、実際の現場では打ち直しが起きる地点がいくつもあります。
たとえば、FAXで届いた注文をいったん手元のExcelの受注一覧に書き写し、そこから販売管理に入れている場合、登録の前にもう1回入力が挟まっています。
販売管理で登録した後に、別のソフトで納品書を作るために品名と数量を打ち直していれば、帳票の地点でも入力が発生します。
会計ソフトへ売上を手で入れていれば、同じ注文について合計3回か4回、同じ数字を打っていることになります。

電話やFAXでの受発注は、受け取った内容を手入力で転記する必要があり、ミスや書類の紛失の原因になると中小企業庁のミラサポplusは説明しています3。
転記の回数が増えれば、それだけ読み違いや打ち間違いが入り込む機会も増えます。
しかも、どこで間違えたかを後から探すには、地点ごとの入力内容を突き合わせなければなりません。

そこで、感覚ではなく回数で把握します。
ここからは編集部の提案ですが、1週間分の注文を対象に、注文ごとに4地点のどこで手入力したかを記録してみてください。
あわせて、入力後に数量や単価を直した件数、得意先へ内容を問い合わせた件数も書き留めておくと、後で効果を比べるときの材料になります。

数えてみると、重なりには性質の違う2種類があることが見えてきます。
受信から登録への最初の入力は、得意先が紙やFAXで送ってくる限り、どこかで誰かが行う必要があります。
これに対して、登録の後の帳票や会計での打ち直しは、すでに社内にあるデータをもう一度入れているだけです。
この違いが、次の節で扱う「自社で変えられる範囲」と「得意先の協力が要る範囲」の分かれ目になります。

注文書の手入力が悩みとして多い業種の例

手入力の負担がどれほど広く感じられているかについては、食品業の受注業務を対象にした調査があります。
食品の小売・卸売で受注業務を担当する106名に尋ねたところ、受注業務の課題として「注文書の手入力に手間がかかる」が60%で最も多く挙がりました2。
続いて、注文確認の連絡が41.1%、注文変更への対応が40%、業務の属人化が38.9%、注文書の管理が30%でした2。

この結果で目を引くのは、手入力そのものに加えて、確認の連絡や変更への対応も4割前後を占めている点です。
調査はそれぞれの課題の関係までは示していませんが、業務の流れから考えると、注文の変更が入ったときには、最初に入力した地点だけでなく、同じ内容を打ち直したすべての地点を直す必要があります。
入力の地点が多いほど、変更1件あたりの修正箇所も増え、どこまで直したかを確認する手間も重なります。

ただし、この調査は2023年に食品の小売・卸売の担当者を対象に行われたインターネット調査です。
製造業やサービス業など、ほかの業種でも同じ割合になるとは限りません。
また、転記ミスがどのくらいの頻度で起きているかという数値は、この調査には含まれていません。
自社の状況を判断する材料としては、前の小見出しで提案した入力回数の記録のほうが確かです。

注文が社内を通る4つの地点で入力回数を数える
受信、登録、帳票、会計の順に、同じ注文の入力回数を地点ごとに数える流れ1受信FAX・メール・Excel・ポータル2登録販売管理システム3帳票納品書・請求書4会計売上の計上

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 受信(FAX・メール・Excel・ポータル)
  2. 登録(販売管理システム)
  3. 帳票(納品書・請求書)
  4. 会計(売上の計上)

二重入力を減らす方法は、自社で完結するものと得意先の協力が要るものに分かれる

自社内で完結する取り込み・連携・入力の一本化

前の節で数えた入力のうち、登録より後の帳票と会計での打ち直しは、社内にあるデータの再入力です。
得意先が何で注文を送ってきても、販売管理に一度入った後の流れは自社で決められます。
ここを減らす手段は、大きく3つあります。

<ul><li>入力の一本化:注文の内容を最初に入れる場所を販売管理に決め、帳票はそこから出力する</li><li>取り込み:販売管理から書き出したデータを、会計システムなどに読み込ませる</li><li>連携:システム同士を接続し、登録した内容を自動で後工程へ渡す</li></ul>

どれが使えるかは、いま使っている販売管理や会計システムに、帳票の出力機能や、データの書き出し・読み込みの機能があるかどうかで決まります。
同じ会社の製品でも、契約しているプランや版によって使える機能が違うことがあります。
そのため、方法を選ぶ前に、自社のシステムで何ができるかを確かめる必要があります。

この範囲の取り組みで減るのは、帳票と会計での打ち直しと、その打ち直しが正しいかを突き合わせる確認です。
一方で、受信から登録への最初の入力は残ります。
FAXで届いた注文の品名や数量を読み取り、販売管理に正しく入れる作業と、その内容の確認は引き続き必要です。

得意先の協力が要る電子受発注(中小企業共通EDI・流通BMS)

最初の入力まで減らしたい場合は、得意先から注文をデータのまま受け取る仕組みが必要になります。
これがEDI(電子データ交換)で、企業間で受発注などの情報を決められた形式の電子データとしてやり取りする方法です。

中小企業庁のミラサポplusは、EDIは1社だけが導入しても効果を得られないと説明しています3。
中小企業共通EDIでは、取引する双方がそれぞれ標準に対応したプロバイダーと契約すると、プロバイダーが情報を変換し、統一されたデータでやり取りできるようになるとしています3。
受注する側だけが仕組みを整えても、得意先がFAXで送り続ける限り、受信から登録への転記は残ります。
なお、この説明は中小企業共通EDIの紹介として書かれたもので、現在どの事業者が対応しているかは、検討する時点で改めて確かめる必要があります。

得意先が流通業の場合は、流通BMSという業界の標準があります。
流通BMS基本形は、発注・出荷・受領・返品・請求・支払の6業務を対象に、8種類の標準メッセージを定めています1。
2007年にVer.1.0が公開され、2018年には軽減税率への対応としてVer.2.0が公開されました1。
スーパーやグロサリーを中心に検討された標準で、アパレル、ドラッグストア、ホームセンターでの検討も反映されています1。

注文だけでなく、出荷や請求、支払までが標準の対象に入っていることは、受注する側にとって意味があります。
注文を受けた後の出荷や請求のやり取りも同じ形式でつながるため、手作業での転記が入り込む場面が少なくなる設計だからです。
ただし、流通BMSは流通業の取引のための標準で、得意先が製造業やサービス業であれば、そのまま当てはまるものではありません。

2つの資料を合わせると、取るべき道筋が見えてきます。
食品業の調査では手入力が最多の悩みでしたが2、それを根本から減らす標準への相乗りは、得意先の対応が前提です3。
これは編集部の整理ですが、得意先が動かない場合は、社内の再入力を一本化するほうが、自社の判断だけで着手できる分だけ現実的な選択になります。

範囲 主な方法 必要な相手 減る入力 残る作業
社内の再入力 入力の一本化・取り込み・連携 自社のみ 帳票と会計での打ち直し 最初の登録とその確認
得意先との受け渡し 中小企業共通EDI・流通BMSなどの電子受発注 得意先とプロバイダー 受信から登録への転記 受け取ったデータの確認と例外対応
自社で完結する範囲と得意先の協力が要る範囲の分け方(模式図)
自社で完結する範囲、得意先の協力が要る範囲、残る作業の3つに分けた図自社で完結する範囲、得意先の協力が要る範囲、残る作業の3つに分けた図自社で完結する範囲入力の一本化・取り込み・連携減るのは帳票と会計での打ち直し得意先の協力が要る範囲中小企業共通EDI・流通BMSなどの電子受発注減るのは受信から登録への転記残る作業最初の登録とその確認EDIで届いたデータの確認

▼ 図の内容を文字で読む
  • 自社で完結する範囲
    • 入力の一本化・取り込み・連携
    • 減るのは帳票と会計での打ち直し
  • 得意先の協力が要る範囲
    • 中小企業共通EDI・流通BMSなどの電子受発注
    • 減るのは受信から登録への転記
  • 残る作業
    • 最初の登録とその確認
    • EDIで届いたデータの確認
中小企業共通EDIで統一データが届くまでの流れ
得意先から標準対応のプロバイダー、情報の変換、自社のプロバイダーを経て統一データが届く流れ1得意先が標準対応のプロバイダー経由で注文を送る2プロバイダーが情報を変換する3自社の標準対応プロバイダーが受け取る4自社が統一されたデータを受け取る

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 得意先が標準対応のプロバイダー経由で注文を送る
  2. プロバイダーが情報を変換する
  3. 自社の標準対応プロバイダーが受け取る
  4. 自社が統一されたデータを受け取る

注文件数と得意先ごとの形式のばらつきで、選ぶ方法を決める

判断の4つの軸

自社で完結する方法と得意先の協力が要る方法のどちらから手を付けるかは、自社の状況によって変わります。
編集部では、次の4つの軸で考えることを提案します。

<ul><li>注文の件数:同じ得意先から、どのくらいの頻度で注文が届くか</li><li>得意先ごとの形式のばらつき:FAX・メール・Excel・ポータルがどう混ざっているか</li><li>既存システムの取り込み可否:販売管理や会計が、データの書き出し・読み込みや帳票の出力に対応しているか</li><li>導入の負担:新しい仕組みの契約、設定、社内の手順変更にどのくらいの手間がかかるか</li></ul>

件数の軸で見るべきなのは、全体の件数よりも、特定の得意先や経路に注文が偏っているかどうかです。
注文の多くが1社から届いているなら、その1社との受け渡しを変える効果は大きくなります。
反対に、少量の注文が多数の得意先から届いているなら、1社ずつ相手に合わせるより、社内の流れをそろえるほうが効きます。

形式のばらつきの軸は、得意先の協力がどこまで期待できるかと結び付いています。
形式がばらばらな状態は、得意先ごとに事情が違うことの表れでもあります。
全員に同じ送り方を頼むのは難しいことが多く、まずは受け取った後の社内の扱いをそろえることになります。

取り込み可否と導入負担の2つの軸は、方法が使えるかどうかと、使い始めるまでの重さを決めます。
既存のシステムに書き出しや読み込みの機能があれば、新しい仕組みを入れずに会計への打ち直しを減らせる可能性があります。
機能がなければ、システムの入れ替えや追加が必要になり、そのぶん負担が大きくなります。
件数の目安などの数値の基準は、業種や扱う商品によって変わるため、ここでは示しません。

得意先が大手小売の場合と形式がばらばらな場合

得意先がスーパーなどの小売チェーンで、流通BMSでの取引を求めてくる場合は、選ぶ余地はあまりありません。
標準に合わせて対応することが取引の条件になるからです。
このとき確かめたいのは、受け取った注文データを自社の販売管理にどう入れるかです。
データで届いても、それを画面で見ながら販売管理に打ち直していれば、受信から登録への入力は残ってしまいます。

一方、得意先ごとにFAX・メール・Excelとばらばらに届く場合、仮に1社がEDIに対応しても、残りの得意先からの注文は従来どおり手で入れることになります。
その1社の件数が全体の大半を占めていない限り、現場の負担はあまり変わったように感じられないかもしれません。
この場合は、どの経路で届いた注文も販売管理を起点にそろえ、帳票と会計への打ち直しを先になくすほうが、すべての注文に効果が及びます。

両方が混ざっている会社も少なくないはずです。
主要な小売チェーンとは流通BMSでつながり、それ以外の得意先とはFAXやメールでやり取りしているような場合です。
そのときも、社内の起点を販売管理に一本化しておけば、EDIで届いた注文とFAXで届いた注文が同じ場所に集まり、後工程の流れを一つにできます。
次の節では、得意先の送り方が変わらない前提で、この一本化をどう進めるかを具体的に見ていきます。

判断の軸 自社内の一本化を先にする状況 電子受発注を検討する状況
注文の件数 少量の注文が多くの得意先から届く 注文が特定の得意先に集中している
形式のばらつき FAX・メール・Excelが混在している 得意先が標準のデータ形式で送れる
既存システムの取り込み可否 帳票出力や書き出し・読み込みに対応している 受け取ったデータを販売管理に入れる手段がある
導入の負担 社内の手順変更だけで始めたい 得意先と足並みをそろえて準備できる
得意先の状況ごとの進め方(模式図)
流通BMSを求める場合、形式がばらばらな場合、両方が混在する場合の進め方を分けた図流通BMSを求める場合、形式がばらばらな場合、両方が混在する場合の進め方を分けた図流通BMSでの取引を求める場合標準に合わせて対応することが条件になる受け取ったデータを販売管理にどう入れるかを確かめる形式がばらばらな場合1社がEDIに対応しても、残りは手入力のまま販売管理を起点にそろえ、帳票と会計の打ち直しを先になくす両方が混在する場合起点を販売管理に一本化するEDIの注文もFAXの注文も同じ場所に集める

▼ 図の内容を文字で読む
  • 流通BMSでの取引を求める場合
    • 標準に合わせて対応することが条件になる
    • 受け取ったデータを販売管理にどう入れるかを確かめる
  • 形式がばらばらな場合
    • 1社がEDIに対応しても、残りは手入力のまま
    • 販売管理を起点にそろえ、帳票と会計の打ち直しを先になくす
  • 両方が混在する場合
    • 起点を販売管理に一本化する
    • EDIの注文もFAXの注文も同じ場所に集める

得意先が送り方を変えない場合に、自社側でできること

入力の起点を一つに決める

EDIは1社だけでは効果が出ない以上3、得意先の協力が得られないときは、社内の再入力を削る方向に切り替えます。
中心になるのは、注文の内容を最初に入れる場所を一つに決めることです。

起点には、販売管理を置くのが自然です。
注文の内容が販売管理に一度入れば、納品書や請求書はそこから出力し、会計へは販売管理のデータを渡す形にします。
こうすると、品名・数量・単価を打つのは最初の1回だけになり、帳票と会計での打ち直しがなくなります。

見落としやすいのが、担当者が個人的に作っているExcelの受注一覧です。
販売管理とは別に注文を書き写していれば、それも二重入力の一つです。
一覧が担っている役割、たとえば納期の確認や得意先ごとの集計が販売管理の画面や出力で代わりにできるなら、一覧への書き写しはやめられます。
代わりがない場合は、販売管理から一覧を書き出す形に変えれば、手で写す作業はなくなります。

この一本化で減るのは、後工程での打ち直しと、帳票や会計の数字が販売管理と合っているかを突き合わせる確認です。
注文の変更があったときも、直すのは販売管理の1か所だけになり、どこまで直したかを地点ごとに追う必要がなくなります。
ただし、最初の登録で入力を誤れば、その誤りは帳票にも会計にもそのまま流れます。
だからこそ、確認の重点を最初の登録に集めることが大切です。

形式がそろわない注文の運用ルール

起点を決めても、得意先ごとに違う形で届く注文を販売管理に入れる作業そのものは残ります。
この作業で迷いやミスが起きやすいのは、注文書の見た目や項目名が得意先ごとに違い、どの欄の何を入れればよいかを毎回読み解いているからです。
そこで、受け取ってから入力するまでの扱いを決めておきます。

<ul><li>受け取る場所をまとめる:FAX・メール・ポータルの注文が、決まった担当者や共有の受信先に集まるようにする</li><li>得意先ごとの読み替え表を作る:得意先が使う品名やコードと、自社の品番の対応を一覧にしておく</li><li>入力前の確認項目を決める:納期・届け先・数量の単位など、抜けやすい項目を得意先ごとに書き出す</li><li>変更の受け方を決める:変更の連絡は起点の販売管理だけを直し、誰がいつ直したかを残す</li></ul>

読み替え表は、属人化を減らすうえでも役に立ちます。
食品業の調査でも、属人化を課題に挙げた担当者は38.9%いました2。
特定の担当者しか得意先ごとの書き方の癖を知らない状態では、休みや異動のたびに確認の問い合わせが増えます。
表にしておけば、別の担当者でも同じように入力できます。

得意先に大きな仕組みの変更は頼めなくても、小さなお願いなら通ることがあります。
たとえば、Excelで注文を送ってくる得意先に、毎回同じ書式を使ってもらうといった依頼です。
書式がそろえば、販売管理に読み込める形へ変換できる可能性も出てきます。

FAXの注文書を自動で読み取るOCRなどの仕組みを検討する会社もあるでしょう。
読み取りの精度は注文書の書式や印字の状態に左右されるため、ここで効果を断定することはできません。
使う場合も、読み取った内容を人が確認する工程は残る前提で、自社の実際の注文書で試してから判断するのが安全です。

販売管理を起点にした注文データの流れ
注文の受け取り、販売管理への1回の入力、帳票の出力、会計への受け渡しを上から下へ示した流れ1FAX・メール・Excel・ポータルで注文を受け取る2販売管理に1回だけ入力し、内容を確認する3販売管理から納品書・請求書を出力する4販売管理のデータを会計へ渡す

▼ 図の内容を文字で読む
  1. FAX・メール・Excel・ポータルで注文を受け取る
  2. 販売管理に1回だけ入力し、内容を確認する
  3. 販売管理から納品書・請求書を出力する
  4. 販売管理のデータを会計へ渡す

小さく試して効果と手戻りを確かめる進め方、注文書の保存で守る点

対象の選び方と比較する指標

すべての得意先と経路を一度に変えようとすると、どの変更が効いたのか、どこで新しい問題が起きたのかが分からなくなります。
ここからは編集部の提案ですが、最初の節で記録した1週間分の入力回数を見て、最も入力回数が多い得意先1社か、経路1つを試す対象に選びます。

比べる指標は、記録を始めたときと同じものを使います。
4地点それぞれの入力回数、入力後に修正した件数、得意先へ内容を問い合わせた件数です。
変更前と変更後で同じ期間を記録し、数字を並べて比べます。
作業時間も測れるなら参考になりますが、人や日によってばらつきやすいため、回数と件数を主な指標にするほうが比べやすくなります。

比べるときは、減った数字だけでなく、新しく生じた手戻りにも目を向けます。
たとえば、帳票を販売管理から出力するように変えたところ、これまで手で書き足していた備考が抜けてしまう、といったことが起こりえます。
そうした手戻りは、変更を他の得意先へ広げる前に直しておくべき点です。

効果が確かめられたら、次に入力回数の多い対象へ広げていきます。
対象を一つずつ増やしていけば、得意先ごとの事情に合わせた調整がしやすく、現場の手順も少しずつ変えられます。
どの段階でも、効果は自社の記録で確かめるもので、どの会社でも同じだけ減ると決まっているわけではありません。

電子で受けた注文書の保存で確認すること

二重入力を減らす取り組みを進めると、注文書の受け取り方や持ち方も変わることがあります。
FAXの紙で受けていた注文をメールやPDF、データで受けるようになったり、得意先のポータルから注文データを取り込むようになったりする場合です。

電子で受け取った注文書の保存の扱いは、電子帳簿保存法の電子取引にかかわります。
受け取ったデータを紙に印刷して保管すれば済むのか、どのような形で保存する必要があるのかは、運用を決める前に国税庁が公開している一問一答で確かめてください。
保存の方法を後から変えるのは手間がかかるため、受け取り方を変える段階で一緒に決めておくほうが確実です。

法令上の要件とは別に、社内の扱いとして決めておきたいこともあります。
販売管理に登録した注文と、元の注文書やデータをどう結び付けておくかです。
受注番号などで元の注文書をすぐに探せるようにしておけば、得意先から問い合わせがあったときや、入力内容を確かめ直すときに、紙の束やメールの受信箱を探し回らずに済みます。
食品業の調査で注文書の管理を課題に挙げた担当者が30%いたことを考えても2、入力を減らすことと、元の注文書を探しやすくすることは、同じ取り組みの中で進める価値があります。

二重入力の削減を小さく試す進め方(編集部の提案)
入力回数の記録、対象の選定、対象だけへの適用、前後の比較の順に進める流れ11週間分の入力回数と修正・問い合わせの件数を記録する2入力回数が最も多い得意先1社か経路1つを選ぶ3一本化や運用ルールをその対象だけに適用する4同じ期間の回数と件数を比べ、新しい手戻りも書き出す

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 1週間分の入力回数と修正・問い合わせの件数を記録する
  2. 入力回数が最も多い得意先1社か経路1つを選ぶ
  3. 一本化や運用ルールをその対象だけに適用する
  4. 同じ期間の回数と件数を比べ、新しい手戻りも書き出す

入力回数を数えて重なりの場所が分かっても、いまの販売管理や会計で帳票の出力やデータの受け渡しができるかは、製品や契約の条件によって違い、担当者だけでは判断しにくいためです。

自社の注文の流れと使っているシステムをもとに、社内の打ち直しのうちどこを自社だけで減らせそうか、確かめるべき機能は何かを整理できます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

入力の重なりを見つける 受信・登録・帳票・会計の4地点で、1週間分の入力回数を数える
自社で変えられる範囲 登録より後の帳票・会計での打ち直しと、個人の受注一覧への書き写し
得意先の協力が要る範囲 受信から登録への最初の転記。EDIは双方の対応が前提
方法を選ぶ軸 注文の件数、形式のばらつき、既存システムの取り込み可否、導入の負担
得意先が変わらないとき 販売管理を入力の起点にし、得意先ごとの読み替え表と確認項目を整える
効果の確かめ方 入力回数・修正件数・問い合わせ件数を前後で比べ、新しい手戻りも記録する
注文書の保存 電子で受ける場合の扱いを国税庁の一問一答で確かめてから運用を決める

得意先ごとに送り方が違い、どの得意先や経路から試すか、得意先にどこまで協力を頼むかは、取引の事情を踏まえないと決めにくいためです。 1週間分の入力回数の記録をもとに、最初に試す対象と前後で比べる指標、得意先に相談したほうがよい点を一緒に整理できます。

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よくある質問

得意先がFAXでしか注文を送ってこない場合、何から手を付ければよいですか。

まず、FAXを受け取ってから会計に計上するまでに、同じ注文を何回手で入力しているかを1週間分数えます。
FAXの内容を販売管理に入れる最初の入力は残りますが、帳票や会計での打ち直し、個人で作っている受注一覧への書き写しは、入力の起点を販売管理に一本化することで減らせます。
あわせて、得意先ごとの品名と自社品番の読み替え表を作っておくと、最初の入力での迷いや確認の問い合わせを減らす助けになります。

中小企業共通EDIと流通BMSは、どちらを見ればよいですか。

得意先の業種と、得意先が何を求めているかで決まります。
流通BMSはスーパーやグロサリーを中心とする流通業の取引のための標準で、得意先の小売チェーンが採用している場合は、それに合わせることになります。
中小企業共通EDIは、取引する双方が標準対応のプロバイダーと契約してデータをやり取りする仕組みとして紹介されています。
どちらも得意先の対応が前提になるため、まず主要な得意先がどの仕組みに対応しているか、または対応する予定があるかを尋ねることが出発点になります。

自社の販売管理システムに取り込み機能があるかは、どう確かめればよいですか。

製品のマニュアルや契約している提供元の案内で、データの書き出し・読み込み、帳票の出力、会計システムとの連携に関する項目を探します。
契約しているプランや版によって使える機能が違う場合があるため、自社の契約で使えるかを提供元に確かめるのが確実です。
機能があると分かったら、実際の注文数件分のデータで書き出しと読み込みを試し、項目が欠けたり桁が崩れたりしないかを見ておくと、本格的に使い始めてからの手戻りを避けられます。

電子で受け取った注文書の保存で、まず確認することは何ですか。

メールやPDF、ポータルで受け取った注文書をどのような形で保存する必要があるかを、国税庁が公開している電子帳簿保存法の一問一答で確かめることです。
紙に印刷して保管すれば済むと思い込まず、受け取り方を変える段階で保存の方法も決めておくと、後から運用を直す手間を避けられます。

二重入力の削減効果は、何を指標にして測ればよいですか。

受信・登録・帳票・会計の4地点それぞれの入力回数、入力後に修正した件数、得意先へ内容を問い合わせた件数を、変更前と変更後で同じ期間記録して比べる方法を提案します。
作業時間は人や日によってばらつきやすいため、補助的な指標にとどめるほうが比べやすくなります。
あわせて、変更によって新しく生じた手戻りも書き出しておくと、他の得意先へ広げる前に直すべき点が分かります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:流通BMS協議会(GS1 Japan)「流通BMS標準仕様 基本形」(2007年 Ver.1.0公開)
  2. 2 出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」(2023年)
  3. 3 出典:経済産業省 中小企業庁 ミラサポplus「中小企業共通EDIの紹介」

画像の出典元

  1. A businessman reviews documents with a leather bag in an office setting./Photo by Thijs van der Weide on Pexels

Photos provided by Pexels

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

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