◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 指値は価格を守る代わりに約定を保証しない注文で、約定しなかったら困るかどうかが成行との分かれ目になる。
- 同じ値段では先に出した注文が優先されるため、株価が指値に届いても約定しないことがある。
- 発注前に価格・数量・有効期間を決め、期限には値直しか取り下げを選ぶ。
- 期限内でも余力不足や銘柄側の事情で失効することがあり、通知が来るとは限らないため注文照会で確かめる。
- 損失を限る目的には逆指値を使い、有効期間や訂正の可否は利用する証券会社の仕様で確かめる。
目次

成行で高く買ってしまったとき、指値注文は何を変えるのか
成行で買ったら、見ていた値段より高く約定していた。
あるいは、買いたい値段まで待ちたいのに、取引時間中ずっと相場を見てはいられない。
指値注文は、こうした場面で、買いなら上限、売りなら下限の値段を自分で決めておく注文です。
その代わり、値段が届かなければ約定しません。
使い始める前に決めるのは、価格・数量・有効期間の3つです。
期限が来ても約定しなければ、値を直すか取り下げるかを選びます。
値下がりしたら売って損失を限りたいときは、指値ではなく逆指値という別の注文を使います。
成行と指値の違い
成行注文は値段を指定しない注文です。
指値注文は「○○円より安ければ買いたい」「○○円より高ければ売りたい」と値段を指定する注文です1。
違いは、売買が成立する値段を誰が決めるかにあります。
成行では値段を自分で決めないので、約定する値段は発注した時点の相場次第になります。
見ていた値段より高く買えてしまったという経験は、画面で見ていた値段と、注文が成立したときの値段が一致しなかったことから起きます。
指値では、自分が受け入れられる値段の線を先に引きます。
買いの指値なら、指定した値段より高くは買いません。
売りの指値なら、指定した値段より安くは売りません。
成行で「思ったより高かった」と感じた場面に当てはめると、その「思った値段」を注文そのものに書き込んでおくことになります。
画面に張り付けないという悩みにも、同じ性質が役立ちます。
買いたい値段を指値として出しておけば、その値段以下で売買が成立するときに約定します。
そのため、値動きを見ながら発注のタイミングを計る必要がなくなります。
買いなら現在値より下に、売りなら現在値より上に値段を置くと、相場がその値段に来るのを待つ注文になります。
どの値段に置くかは相場の予想で決めるのではありません。
自分がいくらまでなら払えるか、いくら以上なら手放してよいかという基準で決めます。
価格を守る代わりに約定は保証されない
指値で値段を守れるのは、その値段に届かなければ売買しないからです。
裏を返すと、指値は約定を約束しません。
買い指値を出したあと、株価が指値の手前で上がり始めることがあります。
そうなると、注文は成立しないまま残るか、有効期間の終わりに消えます。
そのまま株価が上がり続ければ、成行なら買えていた銘柄を買えなかった、という結果になります。
成行と指値のどちらを選ぶかは、その注文で何を優先したいかで決まります。
今日のうちに必ず持ちたい、または必ず手放したい事情があるなら、値段より成立を優先する成行が合います。
この値段より高く払ってまで買う必要はない、この値段を下回るなら売らなくてよい、と言えるなら指値が合います。
迷ったときは「約定しなかったら困るか」を自分に問うと、どちらが自分の事情に合うかが見えやすくなります。
指値を使い始めると、成行では生じなかった仕事が一つ増えます。
約定しなかった注文をどうするか、という判断です。
発注前に価格・数量・有効期間の3つを決めておくのは、この後始末で迷わないためでもあります。
| 項目 | 成行注文 | 指値注文 |
|---|---|---|
| 値段の指定 | しない | 「この値段より安ければ買う」「この値段より高ければ売る」と指定する |
| 優先されるもの | 売買が成立すること | 指定した値段を守ること |
| 約定する値段 | 発注した時点の相場次第 | 指定した値段か、それより有利な値段 |
| 出したあとに残る判断 | 約定した値段の確認 | 約定しなかったときの値直し・取り下げ |
▼ 図の内容を文字で読む
- 成行注文
- 値段を指定しない
- 約定する値段は発注した時点の相場次第
- 今日のうちに必ず持ちたい・手放したいとき
- 指値注文
- 買いなら上限、売りなら下限を指定する
- 値段が届かなければ約定しない
- この値段より高く払ってまで買う必要はないとき
- 迷ったとき
- 約定しなかったら困るかを自分に問う
指値で約定する順番:価格優先と時間優先
価格優先
指値を出したとき、同じ銘柄を買いたい人や売りたい人は自分のほかにもいます。
どの注文から売買が成立するかには順番の原則があります。
証券会社の投資家向け解説では、まず値段、次に時間で決まると説明されています1。
この順番を知っておくと、株価が指値の近くまで来たのに約定しなかった理由が分かるようになります。
一つめは価格優先です。
買い注文では高い値段の注文が、売り注文では安い値段の注文が優先されます1。
買う側から見れば、より高く買ってもよいという注文が先に相手を見つけます。
売る側から見れば、より安く売ってもよいという注文が先に相手を見つけます。
買い指値を現在値より低く置くほど、約定したときの値段は有利になります。
一方で、自分より高い値段で買おうとしている注文が先に処理されるので、順番は後ろになります。
価格を守ることと約定しやすさが反対向きに動くのは、この原則があるからです。
前の節で見た「価格を守る代わりに約定は保証されない」という性質は、順番の仕組みからも説明できます。
時間優先
二つめは時間優先です。
同じ値段の注文どうしでは、先に出された注文が優先されます1。
たとえば、ある値段に買い指値を出したとき、同じ値段の買い注文がすでにあれば、自分の注文はその後ろに並びます。
そのため、株価が自分の指値ちょうどまで下がったのに約定しない、ということが起こり得ます。
その値段で売買が成立していても、先に並んでいた注文で売り注文がなくなれば、後ろの注文までは回ってきません。
注文照会で「未約定」のまま残っているのを見て、値段は届いたのにと感じたら、この順番を思い出してください。
注文に問題があるわけではなく、同じ値段の列の後ろにいたという状態です。
時間優先は、指値を出すタイミングにも関係します。
買いたい値段が決まっているなら、相場がその値段に近づいてから出すより、先に出しておくほうが同じ値段の列で前に並べます。
画面に張り付けない人が指値を前もって出しておくと、待つ手間が減るだけでなく、順番の面でも有利になります。
ここで説明した順番は、証券会社が投資家向けに示している一般原則です。
取引開始時の値段の決まり方など、場面によって扱いが変わる部分もあります。
細かな例外まで知りたい場合は、利用する証券会社や取引所の説明を確認してください。
▼ 図の内容を文字で読む
- 同じ銘柄に複数の指値が出ている:自分の注文もその中の一つ
- 価格優先:買いは高い値段、売りは安い値段の注文が先
- 時間優先:同じ値段の中では先に出された注文が先
- 後ろの注文まで回らなければ未約定:値段が届いても約定しないことがある
指値注文の発注前に決める3項目:価格・数量・有効期間
価格の置き方
ここからは、発注画面に向かう前に決めておくことです。
指値の注文で決める主な項目は、価格・数量・有効期間の3つです。
どれかが曖昧なまま出すと、約定しなかったときや注文が消えたときに、何を直せばよいのか分からなくなります。
価格は、指値の定義から考えます。
買いの指値は「この値段より安ければ買う」、売りの指値は「この値段より高ければ売る」という注文です1。
そのため、買いなら現在値より下、売りなら現在値より上に置くと、相場が来るのを待つ注文になります。
現在値に近いほど届きやすくなります。
離れるほど、届いたときの値段は有利になりますが、届かない可能性も高まります。
では、どこに置けばよいのでしょうか。
相場の目安に頼る必要はありません。
成行で高く買ってしまったという悩みから始めたのなら、基準は「この値段を超えるなら今回は見送る」と言える上限です。
売りなら「この値段までは下げてもよい」という下限です。
その線を指値の値段にしておけば、約定してもしなくても、自分の基準からは外れません。
これは注文の考え方の提案です。
どの値段なら約定しやすいかを示すものではありません。
値段には刻みがあり、どんな端数でも指定できるわけではありません。
発注画面で受け付けられない値段が出たら、買いなら下へ、売りなら上へ寄せると、決めた上限・下限を超えずに済みます。
数量と余力
数量は、買いでは買付余力、売りでは売却可能残高の範囲で決めます。
買付余力は口座でいま買付に使える金額、売却可能残高はいま売りに出せる保有数量のことです。
注意したいのは、発注したあとで余力や残高が足りなくなる場合です。
大和証券は、期間指定注文が失効する事由として、買付余力の不足と売却可能残高の不足を挙げています2。
期間指定の指値を出したまま、ほかの銘柄を買ったり、同じ株を別の注文で売ったりすると、余力や残高が減ります。
そうなると、期限の途中でも注文が消えることがあります。
指値は出したまま何日も置いておけます。
そのあいだに口座の状況が変わる点を、数量を決める段階で意識しておく必要があります。
数量を決めるときは、その注文が期限まで残る前提で、ほかの注文や口座の資金・保有株と両立するかを見ておきます。
そうすると、思わぬ失効を減らせます。
この扱いは大和証券の期間指定注文の規定です。
ほかの証券会社が同じ事由を定めているとは限りません。
有効期間の選び方
有効期間は、注文をいつまで出しておくかの設定です。
基本は、当日限りにするか、期日を決めて出しておく期間指定にするかを選びます。
大和証券の期間指定注文では、有効期間は指定した期日の取引終了時まで、またはその前に取消の受付が完了した時までとされています2。
期日が来ればその日の取引終了とともに注文は消えます。
それより前に自分で取り消すこともできます。
どちらを選ぶかは、注文の状況をどのくらいの頻度で見られるかで考えると決めやすくなります。
取引時間中に毎日一度は確認できるなら、当日限りで出し、翌日に値段を考え直すやり方が合います。
数日は確認できないと分かっているなら、期間指定にしておけば、そのあいだ同じ条件で待ち続けられます。
ただし期間を長くするほど、出した時点の判断とその後の状況とのずれは大きくなります。
前の項で見た余力や残高の変化もその一つです。
出した理由を覚えていない注文が期限まで残って約定すると、いまの自分の意図とは違う売買になることもあります。
期間指定を選ぶときは、期日に値直しか取り下げかを判断する前提で日付を決めておくと、注文を放置しにくくなります。
選べる期間の種類や上限は証券会社ごとに異なります。
ここで挙げた大和証券の扱いは一例として読んでください。
▼ 図の内容を文字で読む
- 価格
- 買いは払ってよい上限
- 売りは手放してよい下限
- 相場の予想ではなく自分の基準で決める
- 数量
- 買いは買付余力の範囲
- 売りは売却可能残高の範囲
- 期限まで他の注文や口座と両立するかを見る
- 有効期間
- 当日限りか期間指定かを選ぶ
- 注文を確認できる頻度で決める
- 期日に値直しか取り下げを判断する
指値注文を出したのに約定しない、または消えているとき
価格が届かない場合の選択肢
指値を出したのに約定しないとき、まず「注文がまだ有効なのか」「もう消えているのか」を見分けます。
注文照会の画面で未約定のまま残っているなら、たいていは値段が届いていないか、届いても同じ値段の列の後ろにいる状態です。
このときの選択肢は、期限まで待つ、値段を直す、取り下げる、の3つです。
待つのは、出したときの基準がいまも変わっていない場合です。
この値段より高くは買わないと決めて出したのなら、約定しないのはその基準が守られている結果でもあります。
値直しは、基準そのものを見直す判断です。
買い指値の値段を引き上げれば約定しやすくなりますが、それは上限を上げることでもあります。
引き上げを繰り返すと、時間をかけて、成行で高く買ってしまったときと同じ状況に近づいていきかねません。
値を直すときは、新しい値段がいまの自分の上限として納得できるかを先に決めてから操作すると、基準を保てます。
取り下げは、今回は見送るという判断です。
買う理由や売る理由そのものが変わったなら、値段を動かすより取り下げるほうが筋が通ります。
指値でいちばん避けたいのは、理由が変わったのに期間指定の注文がそのまま残っている状態です。
期限内でも失効する事由
注文照会で注文が見当たらない、または失効と表示されているときは、値段とは別の理由で消えている可能性があります。
大和証券は、期間指定注文が期限の途中でも失効する事由として、次のようなものを挙げています2。
- 制限値幅を超えたとき
- 権利落ち等
- 取引規制
- 売買単位の変更や上場廃止等
- 買付余力の不足
- 売却可能残高の不足
- 午後の立会終了間際で、発注が間に合わなかったとき
これらの理由は、大きく三つに分けられます。
一つめは銘柄の側の事情です。
制限値幅(一日の値動きの幅に設けられた制限)を超えた場合や、権利落ち、取引規制、売買単位の変更や上場廃止などがこれに当たります。
二つめは自分の口座の側の事情で、買付余力や売却可能残高の不足です。
三つめは時間の事情で、取引終了の間際に出した注文が間に合わなかった場合です。
どれに当たるかで、次の対応も変わります。
銘柄の側の事情で消えたなら、同じ条件で出し直す前に、その銘柄にいま何が起きているかを確かめる必要があります。
口座の側の事情なら、余力や残高を整えてから出し直せば済みます。
時間の事情なら、翌営業日に改めて出すかどうかを決めます。
ここに挙げた事由は大和証券の規定です。
他社が同じ事由を同じ形で定めているとは限りません。
失効の通知がない場合の確認
注文が消えたとき、証券会社から知らせが届くとは限りません。
野村證券は逆指値注文について、余力不足などで注文が自動的に取り消されても、メール等による通知は行わないとしています3。
これは野村證券の逆指値についての記述で、指値注文や他社の扱いを直接述べたものではありません。
それでも、通知がないまま注文が消えることがあると知っていれば、確認の仕方が変わります。
期間指定の指値を出したら、通知を待つより、自分から注文照会を見る日を決めておくほうが確実です。
たとえば、ほかの銘柄を買った日や出金した日など、余力が動いた日に指値が残っているかを確かめるようにします。
口座の状況が変わったタイミングと結び付けておくと、確認する理由がはっきりします。
利用している証券会社が失効をどう知らせるかは、ヘルプの注文に関するページで確かめられます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 未約定のまま残っている
- 待つ(出したときの基準が変わっていない場合)
- 値直し(新しい値段が上限として納得できるか先に決める)
- 取り下げ(買う理由や売る理由が変わった場合)
- 失効している・見当たらない
- 値段とは別の理由で消えている可能性
- 事由を確かめてから出し直す
- 通知が来ない場合
- 自分から注文照会を見る日を決める
- 余力が動いた日に指値が残っているか確かめる
▼ 図の内容を文字で読む
- 銘柄の側の事情
- 制限値幅を超えたとき
- 権利落ち等・取引規制
- 売買単位の変更や上場廃止等
- 出し直す前に銘柄に何が起きているか確かめる
- 口座の側の事情
- 買付余力の不足
- 売却可能残高の不足
- 余力や残高を整えてから出し直す
- 時間の事情
- 午後の立会終了間際で発注が間に合わなかったとき
- 翌営業日に改めて出すか決める
損失を限りたいなら指値ではなく逆指値
指値と逆指値の使い分け
ここまでの指値は、どれも「有利な値段を待つ」注文でした。
一方で、持っている株が値下がりしたら売って損失を限りたい、という目的もあります。
この目的には、指値ではなく逆指値という別の注文を使います。
指値では足りない理由は、定義から分かります。
売りの指値は「この値段より高ければ売る」注文です1。
現在値より下の値段で売り指値を出しても、「この値段以上なら売る」という意味になるだけで、値下がりを待って売る注文にはなりません。
現在値はすでにその値段を上回っているので、下がるのを待たずに売買の条件を満たしてしまいます。
逆指値は、株価が指定した値段(トリガー価格)に達した時点で、自動的に注文を出す仕組みです3。
野村證券の説明では、売りはトリガー価格以下、買いはトリガー価格以上になったときに発注されます。
そのとき出す注文は、指値か成行かを指定できます3。
つまり逆指値は、指値や成行に「この値段まで来たら、この注文を出す」という条件を付けたものと考えると分かりやすくなります。
使い分けをまとめると、売りの目的が「より高く売りたい」なら指値、「これ以上の値下がりに付き合わない」なら逆指値です。
買いでも、株価がある値段以上になったら買いたい場面では、逆指値を使う考え方があります。
目的を取り違えて、損失を限るつもりで指値を出すと、意図しない値段ですぐに売れてしまうか、売りたい場面で何も起きないことになります。
逆指値の制約
逆指値は自動で注文を出してくれる分、指値以上に仕様を知っておく必要があります。
野村證券の逆指値には、次のような制約があります3。
- 条件に合ったかどうかは、取引所での約定値段で判定される
- 取引所へ発注されたあとは、トリガー価格を訂正できない
- 寄付・引けなど、執行する時点を指定する注文には使えない(不成を除く)
- 余力不足などで自動的に取り消されても、メール等の通知は行われない
一つめは、気配(売り買いの注文として出ている値段)が動いただけでは条件に合わない、という意味です。
実際にその値段で売買が成立したときに初めて、トリガー価格に達したと扱われます。
二つめは、発動したあとの注文は自動的に出ていく、ということです。
トリガー価格に達して注文が取引所に出たあとは、その条件を直せません。
また、発動後の注文を指値にしていれば、ここまで見てきた指値の性質がそのまま当てはまります。
急に値下がりした場面では、指値の値段まで戻らずに売れ残ることもあり得ます。
確実に売ることを優先するなら成行、値段の下限を守ることを優先するなら指値という、最初の節と同じ判断がここでも必要です。
これらは野村證券の逆指値の仕様です。
他社が同じ条件で逆指値を提供しているとは限りません。
逆指値を使う前に、利用する証券会社で同じ項目がどうなっているかを確かめておく必要があります。
| 項目 | 指値 | 逆指値 |
|---|---|---|
| 目的 | 有利な値段を待って売買する | 一定の値段に達したら売買する(売りでは損失を限る) |
| 注文の条件 | 「この値段より安ければ買う」「この値段より高ければ売る」 | 株価がトリガー価格に達したとき(買いは以上・売りは以下) |
| 条件を満たしたあとの注文 | 指定した値段の指値として扱われる | 指値か成行かを指定して発注される |
| 注意点 | 値段が届かなければ約定しない | 判定は約定値段で行われ、発注後はトリガー価格を訂正できない |
▼ 図の内容を文字で読む
- より高く売りたい
- 指値を使う
- この値段より高ければ売る注文
- これ以上の値下がりに付き合わない
- 逆指値を使う
- 株価がトリガー価格に達したとき自動で注文を出す
- 売りはトリガー価格以下で発注される
- 逆指値が発動したあとの注文
- 指値か成行かを指定できる
- 確実に売るなら成行
- 値段の下限を守るなら指値
指値・逆指値の証券会社ごとの違いを、発注前にどう確かめるか
確認する4項目
指値と逆指値の基本は共通していても、有効期間や失効の扱いは証券会社ごとに決められています。
ここまでに見た大和証券と野村證券の説明も、同じ項目について書いている範囲が違います。
二社を並べると、自分の証券会社で何を確かめればよいかが見えてきます。
見るのは、逆指値の有効期間、期間指定の扱い、失効事由、失効の通知の4項目です。
表で「ヘルプで確認」とした欄は、ここで取り上げた説明には書かれていない項目です。
その会社に該当する扱いがないという意味ではありません。
判断が分かれやすいのは、期間指定の扱いです。
大和証券の期間指定注文は、指定した期日の取引終了時まで有効です2。
野村證券の逆指値は、注文受付後の有効期間に営業日単位の上限があり、受付後最初の営業日も日数に含まれます3。
また野村證券では、逆指値で期間指定を選ぶと、不成(指値で出した注文が取引終了までに約定しなかった場合に成行へ切り替える条件)を指定できません3。
同じ「期間指定」という言葉でも、どこまで出しておけるのか、ほかの条件と組み合わせられるのかは会社ごとに違います。
失効事由と通知も、どちらか一社の説明にしか書かれていない項目があります。
大和証券は失効事由を細かく挙げていますが、失効したときの知らせ方はここで見た説明には書かれていません。
野村證券は逆指値の自動取消に通知がないと明記していますが、取り消される事由は「余力不足など」として示されています。
自分の証券会社の説明で両方がそろっているとは限りません。
片方しか見つからなければ、もう片方は窓口に尋ねる項目として残しておきます。
最初の発注前チェック
最初の指値を出す前に、ここまでの内容を確認の手順にまとめます。
順番は、発注画面で入力する順と、出したあとに起きることの順に合わせています。
- 買いなら払ってよい上限、売りなら手放してよい下限を決め、それを指値の値段にする
- 数量が買付余力・売却可能残高の範囲に収まり、期限までにほかの注文で余力や残高が動かないかを見る
- 当日限りか期間指定かを選ぶ。
期間指定なら、期日の取引終了時に消えることと、期日にどう判断するかを決めておく - 利用する証券会社のヘルプで、期限内に失効する事由を確かめる
- 失効したときに通知が来るかを確かめ、来ないなら注文照会を見る日を決める
- 損失を限るのが目的なら逆指値を選び、有効期間・期間指定の扱い・トリガー価格の訂正の可否を確かめる
このうち、値段・数量・有効期間は自分で決めることです。
失効事由・通知・逆指値の仕様は、証券会社の規定を読んで確かめることです。
前者は注文のたびに考え直します。
後者は、使う証券会社について一度確かめておけば、注文ごとに読み直す必要はありません。
ただし、証券会社を変えたときや初めて逆指値を使うときは、改めて読み直します。
| 確認する項目 | 野村證券 | 大和証券 |
|---|---|---|
| 逆指値の有効期間 | 注文受付後、営業日単位の上限あり(受付後最初の営業日を含む) | ヘルプで確認 |
| 期間指定の扱い | 逆指値で期間指定を選ぶと不成は指定できない | 指定した期日の取引終了時または取消の受付完了時まで有効 |
| 失効事由 | 余力不足などで自動的に取り消される | 制限値幅の超過・権利落ち等・取引規制・余力や残高の不足などを列挙 |
| 失効の通知 | 自動取消でもメール等の通知は行われない | ヘルプで確認 |
失効の事由や通知の扱いは証券会社ごとの規定で、自分の口座でどんなときに注文が消えるかは、一般的な説明だけでは判断しきれないためです。
利用中の証券会社の窓口で、期間指定の指値が期限内に失効する場合と、そのとき通知が届くかを尋ねれば、注文照会を見るタイミングを決められます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 成行と指値 | 約定しなかったら困るなら成行、値段の上限・下限を守りたいなら指値 |
| 価格 | 相場の予想ではなく、払ってよい上限・手放してよい下限 |
| 数量 | 期限まで買付余力・売却可能残高と両立するか |
| 有効期間 | 注文を確認できる頻度と、期日に値直しか取り下げを判断できるか |
| 約定しないとき | 未約定なら待つ・値直し・取り下げ、失効なら事由を確認 |
| 損失を限る | 指値ではなく逆指値。有効期間や訂正の可否は各社の仕様で確認 |
逆指値の有効期間や期間指定との組み合わせは会社ごとに違い、初めて使う前にヘルプだけでは読み切れないことがあるためです。 窓口では、逆指値の有効期間の上限、期間指定で選べる執行条件、発注後にトリガー価格を直せるかを確かめられます。
よくある質問
指値を出したのに約定しないとき、値直しと取り下げはどう選べばよいですか。
出したときの基準が変わったかどうかで決めます。
売買したい理由は変わらず、上限(売りなら下限)を見直してもよいと納得できるなら値直しです。
売買の理由そのものが変わった、またはその値段で買う意味がなくなったなら取り下げです。
値直しは上限を引き上げることでもあるので、繰り返すと成行に近い結果になります。
なお、株価が指値に届いていても、同じ値段で先に出された注文が優先されるため、約定していないことがあります1。
期間指定にした指値が、期限前に消えるのはどんなときですか。
大和証券の期間指定注文では、制限値幅の超過、権利落ち等、取引規制、売買単位の変更や上場廃止等、買付余力の不足、売却可能残高の不足、午後の立会終了間際で発注が間に合わなかったときなどに、期限の途中でも失効します2。
銘柄の事情、口座の余力や残高、取引終了間際の受付のどれに当たるかで、出し直す前に確かめることが変わります。
これは大和証券の規定で、他社の事由は各社のヘルプで確かめる必要があります。
逆指値は指値と併用できますか。トリガー価格は後から変えられますか。
野村證券の逆指値では、トリガー価格に達したときに出す注文を指値か成行で指定できます3。
つまり、逆指値の中で指値を使うことができます。
トリガー価格は、取引所へ発注されたあとは訂正できません3。
発注される前に訂正できるか、同じ保有株に指値と逆指値を別々に出せるかは、ここで取り上げた説明には書かれていません。
利用する証券会社のヘルプで確かめてください。
余力が足りずに注文が取り消されたら、通知は来ますか。
野村證券は逆指値について、余力不足などで自動的に取り消されても、メール等による通知は行わないとしています3。
指値注文や他社の扱いは、この記述からは分かりません。
通知が来る前提にせず、ほかの銘柄を買った日など余力が動いた日に、注文照会で注文が残っているかを確かめると安心です。
証券会社を変えると、指値・逆指値の有効期間は変わりますか。
変わることがあります。
大和証券の期間指定注文は指定した期日の取引終了時まで有効です2。
一方、野村證券の逆指値は注文受付後の営業日数に上限があり、期間指定を選ぶと不成を指定できません3。
同じ「期間指定」でも、出しておける長さや組み合わせられる条件は会社ごとに違うため、乗り換えたら最初の発注前に読み直してください。
- 1 出典:松井証券株式会社「株式取引の基礎:売買のルール」(2026年)
- 2 出典:大和証券株式会社「期間指定注文の有効期間・失効に関する説明」(2026年)
- 3 出典:野村證券株式会社「逆指値注文のご案内」(2026年)
画像の出典元
- Close-up of hands typing on a laptop keyboard, working from home setting./Photo by PNW Production on Pexels