◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- LINEに替えるだけで見落としが減るとは限らず、注文の入り口・担当・返信期限を決める運用で変わる
- LINE公式アカウントでは、チャットでの注文の送受信は通数に数えられず、配信とPush等のAPIが数えられる
- 公式アカウントのチャット履歴は無料範囲で半年、チャットProで5年で、送信取消は24時間以内、個人LINEは標準1時間以内
- LINEの履歴に頼らず、届いた注文を受注表など1か所へ写して正本にすると、取消や保存期間の影響を受けにくい
- 取引先ごとに注文の送り先を1つに決めれば、LINEとメールを併用できる
目次

メールの注文が埋もれるとき、LINE受発注に替えると何が変わるのか
取引先からの注文メールが、見積もりの返信や案内メールの間に埋もれ、気づいたのは翌日だった。
そうした場面が続くと、LINEでの受発注に切り替えたくなります。
ただ、LINEに替えるだけで見落としが減るとは限りません。
減るかどうかは、誰がどの注文を受け持ち、いつまでに返信するかを決めた運用で決まります。
LINE公式アカウントなら、1対1のチャットは配信通数に数えられません1。
一方で、無料範囲で残る履歴は半年で、5年残すにはチャットProが要ります2。
取引先の使い方、担当の人数、保存の必要性から、LINE・メール・併用を選びます。
同じ1件の注文が届き、確認され、記録されるまで
たとえば、取引先の店舗担当者が毎週の補充分を注文してくる場面で考えます。
メールなら、取引先は品名と数量を本文に書くか、注文書を添付して送ります。
受けた側では、その1通が見積もりの返信、請求の連絡、各種の案内メールと同じ受信箱に並びます。
担当者が開いて内容を受注表へ写し、確認の返信を送るまでが1件の処理です。
この流れで困りごとが起きやすい場面は、主に三つあります。
件名や差出人だけでは注文かどうか分からず、ほかのメールに紛れる場面。
担当者個人の受信箱に届き、その人が不在だと誰も開かない場面。
本文や添付から受注表へ写すときに、数量や納期を読み違える場面です。
同じ注文をLINE公式アカウントで受けると、取引先は自社のアカウントを友だち追加し、チャットに注文を書いて送ります。
受けた側は、管理画面のチャットで取引先ごとのやり取りを開き、担当者欄で受け持ちを決められます2。
注文の連絡だけが集まる入り口を作れるので、ほかの連絡に紛れる場面は減らせる余地があります。
一方で、内容を受注表へ写す作業はLINEでも残ります。
返信の期限を誰も決めていなければ、チャットでも返信は遅れます。
注文を送る側から見ても、変わる点と変わらない点があります。
メールでもLINEでも、受けた側が確認の返信をしない限り、注文が受け付けられたかは分かりません。
送った後に電話で念押しする手間が続いているなら、原因は連絡手段よりも、受け付けたら返信するという取り決めがないことにあります。
見落としや返信の遅れに効くのは、注文の入り口を分けること、担当を決めること、返信の期限を決めることの組み合わせです。
LINE公式アカウントは入り口と担当の仕組みを持っていますが、期限と転記は自社の運用で決める部分です。
切り替えで見落としが実際に減るかは、資料で効果が確かめられているわけではありません。
一部の取引先で試し、メールのときと比べて確かめるのが確実です。
LINEの利用率が示すことと示さないこと
取引先がLINEを使えるかどうかは、切り替えを考えるときの最初の分かれ目です。
総務省情報通信政策研究所の調査では、全年代のLINE利用率は91.1%でした4。
ただし、これは13〜79歳の個人を対象にした令和6年度の調査で、仕事の連絡にLINEを使っているかを尋ねた数字ではありません。
この数字が示しているのは、取引先の担当者が私生活でLINEを使っている可能性が高い、というところまでです。
会社として注文の連絡をLINEで受けてよいと考えているか、社内の決まりで業務用のやり取りが限られていないかは、この数字からは分かりません。
同じ調査ページにはメールの利用率が載っていないため、LINEとメールのどちらが取引先に受け入れられやすいかも比べられません。
利用率の高さは、切り替えを打診しやすい理由にはなっても、すべての取引先が応じる根拠にはなりません。
取引先には、LINEで注文を送ることに支障がないか、社内の誰が送るのかを個別に聞いて確かめることになります。
応じられない取引先が残る前提で考えると、LINEとメールの併用も現実的な選択肢に入ってきます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 注文がほかの連絡に紛れる
- 仕組み:注文だけが集まる入り口をチャットで作れる
- 運用:取引先に注文はチャットで送ってもらう
- 担当が曖昧になる
- 仕組み:チャットの担当者欄で受け持ちを決められる
個人のLINEとLINE公式アカウントでは、受発注に使える範囲がどう違うのか
公式アカウントの3プランとチャットの通数の扱い
LINEで受発注するといっても、担当者が自分のLINEで取引先とつながる方法と、事業者としてLINE公式アカウントを開設する方法では、できることが違います。
個人のLINEは担当者本人のアカウントなので、注文の履歴もその人の端末とアカウントにたまります。
公式アカウントは事業者のアカウントで、取引先が友だち追加し、社内のメンバーが管理画面からチャットに対応する形です。
注文の受付を個人に任せず会社の窓口にしたいなら、検討の中心は公式アカウントになります。
公式アカウントには3つのプランがあります。
2026年時点で、コミュニケーションプランは月額0円で無料メッセージ200通、ライトプランは月額5,000円(税別)で5,000通、スタンダードプランは月額15,000円(税別)で30,000通です1。
受発注で気になるのは、注文のやり取りがこの通数に含まれるかどうかです。
料金プランの案内では、チャットでの送受信、Reply API、自動応答、あいさつメッセージは通数に数えられません1。
数えられるのは、友だち全体や絞り込んだ相手への配信と、Push・Multicast・Broadcast・Narrowcastといった送信用のAPIです1。
Reply APIは届いたメッセージへ返信する仕組み、Push APIは相手からの連絡がなくても事業者側から送る仕組みを指します。
取引先から届いた注文にチャットで返信し、受付の確認を返すだけなら、通数は増えません。
通数が関わるのは、休業日や受付締め切りの変更を全取引先へ一斉に知らせる、といった配信を行う場合です。
無料通数を超えて追加で送れるのはスタンダードプランだけなので1、配信を受発注の連絡に組み込むなら、配信の回数と相手の数からプランを選ぶことになります。
注文の受付と確認の返信だけに使うなら、通数の面ではプランの差は小さくなります。
保存期間やタグを広げるチャットProオプションの料金は、契約前に公式の案内で確かめておく必要があります。
担当者の設定と複数人での対応
公式アカウントのチャットには担当者欄があり、担当者を選んで保存すると、そのチャットの担当として設定されます2。
担当者を設定していない場合は、最初にメッセージを送ったチームメンバーが担当者になります2。
この仕様は受注の割り当てに使える一方、決めずに運用すると担当がずれる原因にもなります。
担当者を決めていない取引先のチャットに、主担当ではないメンバーが先に「確認します」と返すと、その人が担当者になります。
取引先ごとに担当を先に設定してから返信を始めると、誰の注文なのか分からなくなる事態を避けやすくなります。
1つのチャットに複数の担当者を同時に設定できるかは、マニュアルに記載がありません。
そのため、取引先ごとに主担当を1人決め、不在のときに誰が代わりに返信し、その後どう担当者欄を扱うかを社内で決めておく形が無理のない前提です。

個人のLINEで同じことをしようとすると、注文は担当者のスマートフォンに届きます。
個人のアカウントには、ほかの社員が同じ画面で注文を確かめ、担当を振り分ける前提の仕組みがありません。
担当者が休みの日に届いた注文は、その人が見るまで止まります。
担当者が異動や退職をしたとき、それまでの注文履歴を会社として引き継げるかも、その人のアカウントに左右されます。
個人アカウントを業務の注文に使う場合の利用条件は、LINEの規約で確かめる必要があります。
| プラン | 月額固定費(円・税別) |
|---|---|
| コミュニケーション | 0 |
| ライト | 5000 |
| スタンダード | 15000 |
注文の記録はどれだけ残るのか──保存期間・取消・共有の違い
チャット履歴の保存期間とチャットPro
注文で後から困るのは、数量や納期について取引先と言い分が食い違ったときです。
そのとき、元の注文をどこまでさかのぼって見られるかが、手段によって違います。
公式アカウントのチャットでは、テキスト・画像・動画・ファイルの保存期間は、無料範囲で半年、チャットProオプションで5年です2。
無料範囲のまま運用していると、半年より前の注文は管理画面から確かめられなくなります。
季節ごとに同じ商品を発注する取引で、去年の同じ時期の数量を見返したい場合、無料範囲の履歴だけでは足りません。
グループや複数人のチャットでは、画像・動画・ファイルの保存期間はさらに短く、チャットProを付けても変わりません2。
取引先側の担当者が複数いて、グループで注文書の写真やPDFを送ってもらう運用にするなら、届いた時点で自社の保管場所へ移す前提で考えます。
メールの保存期間は、使っているメールサービスと自社の設定で決まり、一律の期限はありません。
受信箱の容量や自動削除の設定によっては、メールでも古い注文が残っていないことがあります。
どちらの手段でも、履歴が残っていることと、必要なときにすぐ探し出せることは別の問題です。
送信取消と誤送信への備え
公式アカウントのチャットは、送信してから24時間以内なら、アカウント側からも利用者側からも送信を取り消せます2。
個人のLINEでは、標準で送信後1時間以内に取り消せて、取り消したメッセージは自分と相手の両方のトークルームから消えます3。
これとは別に削除という操作もあり、こちらは自分のトークルームから消えるだけで、相手の画面には残ります3。
誤送信を取り返しやすいのは利点ですが、受注の記録から見ると注意点にもなります。
取引先が数量を打ち間違えて送り、数時間後に取り消したとします。
受けた側がその間に受注表へ写していれば、受注表には取り消された数量が残り、チャットからは元の注文が消えています。
どの数量が正しいのかを、チャットの画面だけでは確かめられなくなります。
メールは、送った後に相手の受信箱から取り戻すことを前提にしにくい手段です。
誤りを直すには訂正のメールを送り直すことになり、元の注文と訂正の両方が残ります。
LINEで受発注するなら、取り消した後は「訂正」と分かる形で注文を送り直してもらい、受けた側は受注表の該当行を直して確認の返信をする、という流れを決めておくと、メールと同じように経緯をたどれます。
タグでの分類と、控えの保管先
公式アカウントでは、チャットの相手にタグを付けて分類できます。
1人に付けられるタグは無料範囲で1個、チャットProで最大30個、作成できるタグの種類は無料範囲で5個、チャットProで300個までです2。
タグは相手、つまり取引先の担当者に付けるもので、1件ずつの注文に付けるものではありません。
無料範囲では、「納品が月曜の取引先」のような分類を1人に1つ付けるのが限度です。
地域・納品曜日・取引条件を重ねて分けたいなら、チャットProが必要になる場合があります。
どちらの範囲でも、注文1件ごとの状態、たとえば受付済みか出荷済みかをタグで管理する形にはなりません。
注文単位で状態を追うには、チャットの外に受注表などの記録が要ります。
LINEの履歴に頼らず、届いた注文を自社の保管場所へ写す運用にしておけば、保存期間の上限や送信取消の影響を受けにくくなります。
写す項目は、受け付けた日、取引先、品名、数量、納期、注文番号、受け持った担当者が基本です。
取引先とデータでやり取りした注文を、どの形式で何年保存すべきかには、税法上の扱いが関わります。
これはLINEでもメールでも同じで、LINEに替えたかどうかで消える問題ではありません。
具体的な要件は、税理士や国税庁の資料で確認しておく必要があります。
| 観点 | LINE公式アカウント(無料範囲) | LINE公式アカウント(チャットPro) | 個人のLINE | メール |
|---|---|---|---|---|
| 履歴の保存期間 | 半年 | 5年 | — | 利用サービスと自社の設定による |
| 送信取消 | 送信後24時間以内(双方から可) | 送信後24時間以内(双方から可) | 標準で送信後1時間以内(双方の画面から消える) | 送信後の取り戻しは前提にしにくい |
| 担当者の割り当て | チャットの担当者欄で設定 | チャットの担当者欄で設定 | — | 運用で決める |
| 1人に付けられるタグ | 1個(種類は5個まで) | 30個(種類は300個まで) | — | — |
| 1対1のやり取りの通数 | 数えない | 数えない | — | — |
▼ 図の内容を文字で読む
- 取引先が数量を打ち間違えて送る
- 受けた側が受注表へ写す
- 取引先が送信を取り消す
- 公式アカウントは送信後24時間以内
- チャットから元の注文が消え、受注表に取り消された数量が残る
取引量・取引先・社内体制で、LINE・メール・併用のどれを選ぶか
5つの判断軸で見る条件別の整理
ここまでの違いを、自社の状況に当てはめます。
判断を分けるのは、次の5つの軸です。
- 注文を受ける人数と担当の割り当て
- 保存の必要期間と保存先
- 取引先がLINEを使えるか
- 配信を行うか
- 誤送信と取消の扱い
注文を1人で受けて1人で処理しているなら、メールのままでも担当の曖昧さは起きにくく、切り替えで変わるのは主に注文の入り口の分け方です。
複数人で受け、不在時に代わる必要があるなら、担当者欄で割り当てられる公式アカウントの仕組みが生きます2。
個人のLINEは、担当者本人の端末に注文が集まるため、この軸では合いにくい手段です。
保存については、注文を半年より長くさかのぼる必要があるかで分かれます。
LINEの画面のまま見返したいなら、チャットProが前提になります2。
届いた注文を自社の受注表へ写すなら、LINEの保存期間は経緯を確かめるための猶予と考えられ、無料範囲でも運用できる余地があります。
取引先については、全取引先がLINEで送れるならLINEに寄せられます。
応じられない取引先が残るなら、その取引先とはメールを続けることになり、結果として併用になります。
配信については、注文の受付と返信だけなら通数は増えません1。
受付日程の案内などを一斉に配信するなら、回数と相手の数でプランの選び方が変わります。
取消については、誤送信をすぐ取り消せる仕組みが助かる場面と、取り消されて元の注文が見えなくなる不便が同時にあります。
受注表への写しと訂正の再送ルールを用意できるなら、取消の仕様は記録上の問題になりにくくなります。
用意できないまま始めると、取消のたびに取引先へ問い合わせ直すことになります。
併用するときの役割分担
取引先の一部がLINEに応じ、残りはメールのまま、という併用は、無理なく始められる着地点になりえます。
ただし、手段が2つになることで新しく起きる問題があります。
併用で起きやすいのは、同じ注文がLINEとメールの両方で届き、二重に受注表へ入る事態です。
取引先ごとに注文はどちらで送るかを1つに決め、もう一方は問い合わせや書類の送付に使う、と役割を分けると、この重複を防ぎやすくなります。
注文番号をそろえてもらえば、同じ注文が二度届いても受注表の上で気づけます。
どちらを正式な記録にするかも決めておきます。
たとえば、注文はLINEで受けて受注表を正本にし、見積書や契約に関わる書類はメールでやり取りする、という分け方があります。
反対に、取引先がメールで送る注文書を正式なものと考えている場合は、LINEは急ぎの連絡と確認に限り、注文書はメールで受ける形もあります。
どちらにしても、記録の正本が受注表など1か所に集まっていれば、手段が2つあっても後から探す場所は1つで済みます。

LINE受発注へ切り替える前に決めておくこと
取引先への依頼と試験運用
切り替えは、全取引先に一度に頼むより、注文の頻度が高く、担当者同士の連絡が取りやすい一部の取引先から試すほうが、問題が出たときに戻しやすくなります。
依頼するときは、友だち追加の方法、注文を送ってほしい窓口、受付時間、確認の返信をいつまでに返すかを伝えます。
取引先にとっては送り先が変わるだけでなく、社内の誰がLINEで注文を送るかを決める手間も生じるため、その点を相手に確かめてから始めます。
試す期間を区切っておくと、評価がしやすくなります。
その間、メールのときと比べて、注文の見落とし、確認の返信までの時間、受注表へ写すときの読み違えがどう変わったかを社内で書き留めておきます。
厳密に数字で比べる準備がなくても、どの注文で何が起きたかが残っていれば、続けるか戻すかの判断材料になります。
注文の書式・返信期限・記録の写し先
チャットは気軽に書ける分、「いつもの分を10」のような短い注文が届くこともあります。
メールの注文書にあった項目をチャットでもそろえてもらうと、受注表へ写すときに問い合わせ直す手間が減ります。
そろえてもらう項目は、たとえば次のとおりです。
- 品名(取引先と自社で同じ呼び方)
- 数量(箱・個などの単位まで)
- 納期
- 注文番号
- 送った人の名前
受けた側は、受け付けたら当日中に確認の返信をする、といった期限を決めます。
期限は自社の処理の実態に合わせて決めるもので、決まった目安があるわけではありません。
確認の返信に品名と数量を書き添えると、送った側もその場で読み違いに気づけます。
写し先は、受注表や販売管理の仕組みなど、社内で注文を管理している場所に1つにまとめます。
LINEの履歴は保存期間に上限があり、取り消されると消えるため、写し先を正本にし、チャットは届いた経緯を確かめる場所として扱います。
誤送信や取消があったときは、訂正版を受け取ってから受注表を直し、直したことを返信で伝える流れまで決めておきます。
メールへ戻す条件
試験運用の前に、どうなったらメールに戻すかを決めておくと、始めたものをやめにくくなる事態を避けられます。
たとえば、次のような状態が続く場合です。
- 取引先から、LINEでは注文を送りにくいと言われた
- 担当者欄の割り当てが守られず、見落としがメールのときより減らない
- 受注表への写し漏れや、取消後の数量の食い違いが続く
- 半年より前の履歴を見返す必要が出たが、チャットProの費用に見合わない
戻すことは失敗ではなく、試した結果として自社にはメールが合っていたという判断です。
取引先によってはLINEを続け、ほかはメールに戻す、という部分的な戻し方もあります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 注文はLINE、書類はメール
- 注文はLINEで受ける
- 見積書や契約に関わる書類はメールでやり取りする
- 注文書はメール、LINEは急ぎの連絡
- 取引先がメールで送る注文書を正式なものとする
見落としや転記の手間がどこで起きているかは、取引先ごとの注文の届き方と社内の受け渡しを並べてみないと見えにくく、手段を替える前に整理しておくと判断がぶれません。
今の注文の流れのどこで見落としや読み違えが起きているか、LINE・メール・併用のどれから試すのが自社に合うかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
条件ごとのLINE・メール・併用の当てはめ
注文を受ける人数、保存の必要期間、取引先のLINE利用、配信の有無の組み合わせごとに当てはまる手段を並べた
- 注文を1人で受け、取引先の多くがメールに慣れていて、過去の注文は自社の受注表で見返せる:メールを続け、件名や注文書の書式をそろえる
- 複数人で注文を受け、不在時の引き継ぎに困っている:LINE公式アカウントの担当者欄を使い、一部の取引先から試す
- 半年より前の注文をLINEの画面で見返す必要がある:チャットProを前提にするか、受注表への写しを正本にする
- LINEに応じる取引先と応じない取引先がいる:取引先ごとに注文の送り先を1つに決めて併用する
- 取引先へ案内を一斉配信したい:配信の回数と相手の数からプランを選ぶ(チャットでの注文受付は通数に数えない)
条件が複数当てはまる場合は、取引先ごとに手段を分ける併用から検討する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 注文を受ける人数 | 複数人で受けるなら公式アカウントの担当者欄を使う |
| 保存期間 | 公式アカウントは無料範囲で半年、チャットProで5年。長期は受注表への写しも検討 |
| 取引先のLINE利用 | 個別に聞き、応じられない取引先はメールを続けて併用 |
| 配信の有無 | チャットの受付は通数外、一斉配信は通数に数える |
| 誤送信と取消 | 公式アカウントは24時間以内、個人LINEは標準1時間以内。訂正版の再送ルールを決める |
| 試験運用 | 一部の取引先から始め、メールへ戻す条件を先に決める |

試験運用を始める前に、注文の書式、返信期限、記録の写し先、メールへ戻す条件を決めておくと、取引先に依頼した後で運用を組み直す手間を減らせます。 取引先への依頼内容、受注表を正本にする記録の流れ、取消や訂正のときの扱いを、自社の取引条件に合わせて確かめられます。
よくある質問
LINE公式アカウントでチャットの注文を受けると、配信通数に数えられますか
数えられません。
チャットでの送受信、Reply API、自動応答、あいさつメッセージは通数の対象外で、数えられるのは配信とPush等の送信用APIです1。
注文の受付と確認の返信だけなら通数は増えませんが、受付日程の案内などを一斉配信すると通数に数えられます。
LINEで送った注文を取り消すと、相手にも消えますか
送信取消なら相手の画面からも消えます。
公式アカウントのチャットは送信後24時間以内なら、アカウント側からも利用者側からも取り消せます2。
個人のLINEは標準で送信後1時間以内に取り消せて、自分と相手の両方のトークルームから消えます3。
削除は自分の画面から消えるだけで、相手には残ります3。
取り消された注文を受注表へ写していた場合に備え、訂正版を送り直すルールを決めておくと経緯をたどれます。
取引先がLINEを使えない場合は、メールと併用できますか
併用できます。
その場合は、取引先ごとに注文をLINEとメールのどちらで送るかを1つに決め、同じ注文が両方から届いて二重に受注表へ入らないようにします。
記録の正本を受注表など1か所にまとめておけば、手段が2つでも後から探す場所は1つで済みます。
注文の履歴を半年より長く残したいとき、LINE側で何ができますか
公式アカウントでは、チャットProオプションを付けると保存期間が半年から5年に延びます2。
ただし、グループや複数人のチャットの画像・動画・ファイルは、チャットProでも保存期間が変わりません2。
チャットProの料金は公式の案内で確かめ、届いた注文を自社の受注表へ写す運用と比べて選びます。
税法上の保存要件は、税理士や国税庁の資料で確認してください。
個人のLINEで取引先と注文をやり取りして問題ありませんか
業務利用の可否は、LINEの規約で確かめる必要があります。
運用面では、注文が担当者本人の端末とアカウントに集まり、休みの日に届いた注文をほかの社員が確かめにくい点や、異動・退職時の引き継ぎが本人のアカウントに左右される点が課題です。
会社の窓口として注文を受けたいなら、担当者を割り当てられる公式アカウントを検討の中心にします。
- 1 出典:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント 料金プラン」(2026年)
- 2 出典:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント マニュアル(チャット)」(2026年)
- 3 出典:LINEヤフー株式会社「LINEヘルプセンター:メッセージの取り消し(送信取消)と削除」(2026年)
- 4 出典:総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年)
画像の出典元
- Serious multiethnic colleagues gathering around table with laptop and documents and discussing details of business project while working together in light modern office/Photo by Andrea Piacquadio on Pexels
- A notebook featuring a checklist with a marked ‘Yes’ box, captured in a close-up shot./Photo by Pixabay on Pexels