まずは卸売ECを小規模でスタートしたい方へ。リーズナブルなSaaS(ASP)版『EC-Rider Primo(プリモ)』誕生! 詳しくはこちら

得意先が受発注の仕組みを使わない原因と、定着させる進め方:FAX・電話を残す場合との比べ方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 得意先が使わない原因は、新しい画面を覚える負担など得意先側の事情と、旧手段を以前と同じように受ける売り手側の運用に分けて見る。
  • 最初は注文頻度が高く、パソコンやメールで仕事をしている数社に頼み、利用状況と止まった理由を見て次へ広げる。
  • 伝える得は自社の入力削減ではなく、検索のしやすさや型番入りの確認メールなど得意先の作業で示し、得意先の声で画面を直す。
  • FAX・電話は、主要な得意先がWeb受注を使えてから期限を決めて絞るか、受けてOCRで取り込むかを得意先ごとに選べる。
  • 定着は、得意先別のWeb注文の割合と旧手段の残件数を同じ定義で毎月数えて確かめる。

30代後半の日本人男性が宅配便の受け取りをしている場面

仕組みを入れても注文がFAXで来る:原因を得意先側と売り手側に分けて見る

受注の仕組みを入れて得意先に案内したのに、注文は相変わらずFAXや電話で届いていませんか。
画面とFAXの両方を見て入力する二重対応が続いている状態です。
中小企業庁の資料は、受発注の電子化は自社だけが導入しても効果が出にくく、取引先と共通認識を持つ必要があると述べています1。
定着を進める手がかりは三つあります。
使われない原因を得意先側の事情と自社の運用に分けること、使われそうな得意先から頼むこと、得意先の声で使い勝手を直すことです。
FAX・電話は、期限を決めて絞るか、受け続けてOCRで取り込むかを得意先の事情に合わせて選べます。

得意先側の事情

得意先で注文を出す人から見ると、FAXや電話で特に困っていない場合があります。
手元の発注書に品名と数量を書いて送れば済み、電話なら聞きたいことをその場で確かめられます。
そこへ新しい注文画面の案内が届いても、先に見えるのは手間です。
ログインの手順を覚え、いつもの商品を画面で探し直さなければなりません。
売り手にとっての入力削減は、得意先の作業を何も軽くしません。

中小企業庁のミラサポplusは、取引の階層の下のほうにある企業ほど複数のシステムへの対応が難しいと説明しています。
そうした企業は電話やFAXでやり取りし、手入力の転記でミスや書類の紛失が起きるとされます1。
これは発注側が独自のシステムを使う取引構造についての説明で、売り手が用意する注文画面の話とは向きが逆です。
それでも、得意先が複数の仕入先から仕入れていれば、似た負担は生じえます。
仕入先ごとに別の仕組みを覚えなければならないという負担です。
一社の画面だけを特別に使う理由は、得意先からは見えにくいのです。

背景の数字もあります。
同じ資料は日本公庫総研の調査を紹介し、中小企業で電子文書での商取引や受発注情報管理のITツールを使っている割合を18.5%としています1。
2018年の数字で、導入された仕組みを得意先が使っているかを測ったものではありません。
ただ、電子的な受発注の道具をまだ使っていない取引先がいる前提で、案内の仕方を考える材料にはなります。

売り手側の運用

原因は得意先の側だけにあるとは限りません。
たとえば、すべての得意先に同じ案内メールを一度送り、その後もFAXと電話を以前と同じように受け付けている場合を考えてみてください。
得意先から見れば、新しい画面を使わなくても注文は届き、出荷もこれまでどおり行われます。
切り替える理由がどこにもないので、慣れた手段に戻るのは自然な流れです。

社内の受注担当者がFAXの注文を黙って打ち込み続けていると、二重対応の負担は社内で吸収され、得意先には伝わりません。
営業担当者が電話の注文をその場で受け、後から受注担当者に回す運用も同じです。
旧手段で注文しても何も困らない状態を、売り手自身が保っていることになります。

案内の中身も見直しどころです。
全得意先へ同じ案内を送ると、毎週注文する得意先にも年に数回しか注文しない得意先にも同じ説明が届きます。
それぞれにとって何が楽になるのかは伝わりません。
ログインIDの受け取り方や、初回の操作で止まったときに誰へ聞けばよいかが書かれていないと、最初の一回で使うのをやめてしまう得意先も出てきます。

公的資料から言えることと言えないこと

ミラサポplusは、企業間のデータ連携は一社だけが導入しても効果が得られないと述べています。
そのうえで、取引先の状況を踏まえて導入の要否を判断し、共通認識を持つ必要があるとしています1。
この記事は2020年に公開されたEDI(企業間でデータをやり取りする仕組み)の解説です。
それでも、相手が使って初めて効果が出るという点は、Web受注でも同じ構図だと考えられます。
得意先が使わない問題を、自社の画面の出来だけの話として扱うと見誤ります。

一方で、この資料からは分からないこともあります。
得意先側と売り手側のどちらの原因が多いのか、Web受注を入れた売り手の得意先がどの程度使っているのかは示されていません。
原因の割合を示す資料がない以上、自社の得意先を一社ずつ見て、どちらの事情が効いているかを確かめることになります。
先月FAXや電話で注文してきた得意先を並べ、それぞれに理由の見当を書き添えてみてください。
「画面を知らない」「探しにくい」「FAXの方が早い」「切り替える理由がない」のどれに近いかを書くだけでも、次に打つ手が分かれて見えてきます。

注文がFAX・電話に残る原因の関係(模式図)
得意先側の事情と売り手側の運用が重なり、画面とFAXの両方を見る二重対応が続く関係を示す図
▼ 図の内容を文字で読む
  • 得意先側の事情
    • 新しい画面を覚える負担
    • 仕入先ごとに別の仕組み
    • 切り替える理由がない
  • 売り手側の運用
    • 全得意先へ同じ案内
    • FAXと電話を以前と同じように受け付ける
    • 社内で打ち込んで吸収する
  • 残る状態
    • 画面とFAXの両方を見る二重対応が続く

どの得意先から切り替えを頼むか:分け方と順序の考え方

得意先を分ける観点

原因の見当がついたら、次はどの得意先から頼むかです。
全得意先に一斉に頼むと、問い合わせや操作の説明が一度に集中します。
旧手段の受付も止められないまま、新しい画面の対応だけが増えます。
限られた手間で二重対応を減らしていくには、得意先をいくつかの観点で分け、順番を付けて頼む方が進めやすくなります。

・注文頻度:毎週のように注文する得意先ほど、移ってもらえれば自社の入力が減り、得意先も画面に慣れやすい
・品目数:扱う型番が多い得意先ほど、画面で探して選べることの効き目が大きい
・IT環境:発注担当者がパソコンで仕事をしているか、メールを日常的に読んでいるか
・自社の取引規模:売上に占める大きさと、取引が滞ったときの影響の大きさ

四つの観点は、同じ方向を向くとは限りません。
取引規模が大きい得意先でも、注文は月に一度で、担当者が一人で手書きの発注書を使っていることがあります。
逆に、取引額は小さくても毎日少量ずつ注文が来る得意先は、移ってもらえれば受注担当者の手が大きく空きます。
どの観点を重く見るかで並び順が変わるので、自社の受注の現場で何に一番時間を取られているかから考えると決めやすくなります。

最初に頼む先の選び方(提案)

得意先を並べる順番について、公的な基準や調査に基づく決まりは見当たりません。
ここでは考え方の一例として、ある進め方を示します。
注文頻度が高く、発注担当者がパソコンやメールで仕事をしている得意先を数社選び、そこから頼む方法です。
この組み合わせを選ぶのは、二つの条件が重なるからです。
使ってもらえる見込みが高いことと、移ってもらえれば自社のFAX入力が目に見えて減ることです。

取引規模の最も大きい得意先から始める考え方もあります。
ただ、最初の数社では、画面の分かりにくさや案内の不足が見つかることがあります。
関係の重い得意先で手間取ると、立て直しに気を遣う場面が増えます。
大口の得意先には、最初の数社で直した後に頼む方が、整った状態で案内できます。

最初の数社に頼んだら、決めた期間の注文がどの手段で届いたかを得意先ごとに数えます。
Webで来た注文、まだFAXで来た注文、電話で操作の質問が来た注文を分けておくと、どの得意先がどこで止まっているかが見えます。
前提が当たっていれば、最初の数社でWebの注文が増え、次の数社にも同じ案内を使えます。
当たっていなければ、次に頼む前に直すべき点が手元に残ります。

外れたときの戻し方

見込みが外れて、頼んだ得意先がほとんど使わないこともあります。
そのときに避けたいのは、Webで注文するよう強く求めた結果、注文そのものが遅れたり漏れたりすることです。
試している間もFAXと電話の受付は止めず、得意先がいつでも慣れた手段に戻れるようにしておきます。
そうすれば、試すこと自体の危険は小さく抑えられます。

使われなかった得意先には、止まった理由を聞いて記録します。
理由が画面の探しにくさなら、直してから改めて頼みます。
発注担当者がパソコンを使わない事情なら、後で比べる旧手段で受け続ける案に回します。
このように理由ごとに戻し先を分けます。
一度で全得意先を移そうとせず、外れたら一段戻して直す前提で始める方が、順番の組み直しも小さく済みます。

切り替えを頼む順序と、結果ごとの次の手(提案の模式図)
得意先を観点で分け、最初の数社に頼み、手段別に数えたうえで、結果に応じて広げる・直す・受け続けるに分かれる流れを示す図1得意先を観点で分ける2最初の数社に頼む3注文の手段別に数える4結果で次の手を分ける

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 得意先を観点で分ける
    • 注文頻度
    • 品目数
    • IT環境
    • 自社の取引規模
  2. 最初の数社に頼む
    • 注文頻度が高い
    • パソコンやメールで仕事をしている
  3. 注文の手段別に数える
    • Webで来た注文
    • FAXで来た注文
    • 電話で操作の質問が来た注文
  4. 結果で次の手を分ける
    • 使われた:次の数社へ同じ案内
    • 画面の探しにくさで止まった:直してから改めて頼む
    • パソコンで発注しない事情:旧手段で受け続ける案へ

得意先に使ってもらう:伝える得と、使いやすさの直し方

得意先にとっての得

最初の数社に頼むとき、案内の中心に何を置くかで反応は変わります。
「当社の入力作業が減るので」という説明は売り手の事情で、得意先の発注担当者の作業は軽くなりません。
伝えるべきなのは、得意先が注文を出す場面で何が楽になるかです。

たとえば扱う型番が多い得意先なら、品名の記憶や手元の資料を頼りにFAXの発注書を書く必要がなくなります。
代わりに、画面で型番やキーワードから探して注文できることが得になります。
注文した内容を後から確かめたい得意先なら、型番の入った確認メールが手元に残ることが得になります。
どちらも、得意先が毎回行っている作業の一部を置き換えるものです。
そのため、注文の出し方を変える理由として伝わりやすくなります。

反対に、得として示した点が実際の画面で体験できないと、案内は逆効果になります。
検索で目当ての商品が出てこなければ、得意先はFAXの方が早いと判断して戻ります。
得を伝えることと使いやすさを直すことは、同じ作業の表と裏です。

得意先の声を直しに反映する

得意先の声を受けて画面を直した例に、ポディウムの事例があります3。
同社は、ヨーロッパ製のスポーツ自転車部品を専門店や販売代理店に卸しています。
2025年に公開されたこの事例では、得意先から検索性が悪いとの声があり、検索キーワードや検索の対象を調整したとされています3。
あわせて、注文後の確認メールに商品型番を表示するようにしました3。
そのうえで、FAXも減り、かなりの得意先がECでの注文に移行したと述べています3。

この事例は受発注の仕組みを提供する会社が公開したもので、卸一社の経験です。
移行した得意先の割合などの数値は示されていません。
同じ直し方でどの卸でも同じ結果が出ることを示すものでもありません。
読み取れるのは、使われない理由が得意先の具体的な操作の中にあったことです。
そして、それを聞いて直したことが、移行が進んだ話と並んで語られています。

声を集める相手は、前の節で選んだ最初の数社が中心になります。
Webに移ったはずの得意先からまたFAXが届いたときは、どこで止まったかを聞く機会です。
「探した商品が出てこなかった」「注文が通ったか分からなかった」のように、画面のどの操作で止まったかまで聞けると、直し方に結び付けられます。
前者なら検索の対象を広げる、後者なら確認メールの表示項目を増やす、という具合です。
声を受けて直した点は、次に頼む得意先への案内でそのまま得として示せます。

ID費用など負担の確認点

得意先に使ってもらう段階で見落としやすいのが、得意先ごとのログインIDにかかる費用です。
製品によっては、得意先の数に応じて月額が増える料金体系になっています。

一例として、JFEテクノスのらくうけーるの料金ページでは、基本料金が月額20,000円です4。
この中に、得意先向けの機能、管理者ID1個、得意先・店舗ID1個が含まれています4。
得意先・店舗IDは、99個までの場合は1IDあたり月額600円、100個以上の場合は1IDあたり100円とされています4。
これは同製品の当該プランの条件で、ページには生鮮品向けの基本機能の表記もあります。
他の製品の料金や一般的な相場として読むものではありません。

同じページでは料金は契約者に請求されるとされていますが、追加したIDの費用を売り手と得意先のどちらが持つかは書かれていません4。
費用を得意先に求めると、得意先にとっては注文の出し方を変えるうえに支払いも増えることになります。
切り替えを渋る理由が一つ増えるわけです。
検討している製品では、案内を始める前に次の点を確かめておきます。
IDを得意先単位で数えるのか店舗単位で数えるのか、複数の店舗から発注する得意先に何個必要になるのか、費用は誰が負担する前提の契約かです。
そうしておけば、案内の段階で負担の話に詰まらずに済みます。

50代後半の日本人女性が小会議室での打ち合わせをしている場面

FAX・電話はいつ絞るか:受け続ける案と絞る案を比べる

旧手段を受け続けてOCRで取り込む案

得と使いやすさを整えても、すべての得意先が移るとは限りません。
残ったFAXと電話の扱い方は、二つの案に分けて考えられます。
一つは、得意先に切り替えてもらい、旧手段を段階的に絞る案です。
もう一つは、旧手段を残したまま、届いた帳票をOCR(紙や画像の文字を読み取ってデータにする技術)で取り込む案です。
二つは目的が違います。
前者は注文の入口を一つに寄せること、後者は入口を変えずに社内の入力作業を減らすことを狙います。

後者の例として、PFUが公開している建材商社F社の事例があります2。
F社は従業員約400名の建材商社です。
FAXやメールで届く帳票をOCRで入力データにし、従来の業務の流れを変えずに導入したとされています2。
導入にあたっては、営業スタッフ向けの勉強会、管理者向けのトレーニング、稼働後の質問への対応を行いました2。
導入決定から1か月後に暫定稼働、2か月後に本稼働を始めています2。

この案の強みは、得意先に何も頼まなくてよい点です。
パソコンで発注する習慣のない得意先や、手書きの発注書を使う得意先とも、今の関係のまま取引を続けられます。
一方で、取り込めるのはFAXやメールで届く帳票で、電話の注文は聞き取って入力する作業が残ります。
また、F社の事例は建材商社一社のもので、得意先に注文手段を切り替えてもらう施策ではありません。
1か月、2か月という期間も、この会社が取り込みの仕組みを立ち上げるまでの期間です。
Web受注への移行にかかる期間とは別物です。

期限を決めて絞る案の前提

旧手段を絞る時期や、期限を示すときの例外の扱いについて、根拠になる公的な資料や事例は確認できていません。
前の節のポディウムの事例も、FAXが減ったとは述べていますが、期限を設けて受付を止めたとは書いていません3。
ここからは、本記事の考え方としての提案です。

絞る前提は、注文の多い主要な得意先がWeb受注を問題なく使えていることです。
主要な得意先がまだFAXで注文している段階で期限を示すと、得意先には「慣れていない画面へ移ってほしい」という要求だけが届きます。
確かめ方は単純です。
得意先ごとにFAXと電話で届いた注文の残件数を月ごとに数え、主要な得意先の残件数が少なくなってから期限を検討します。

期限を伝えるときは、日付だけを示すのではなく、次の三つを添えます。
得意先が移ることで何が楽になるか、操作で困ったときの連絡先、急ぎの注文や不具合のときに電話を受ける例外です。
例外を残すのは、Webで注文できない状況になっても取引が止まらないための備えです。
期限の前に、残件数の多い得意先へ個別に連絡して止まっている理由を聞いておくと、期限の直前に問い合わせが集中する事態も避けやすくなります。

二案の比較表

比べると、判断が分かれるのは得意先の負担と自社の二重対応の手間の釣り合いです。
受けて取り込む案は、得意先の負担を増やさない代わりに、入口が複数のまま残ります。
期限を決めて絞る案は、入口を一つに寄せられる代わりに、得意先に新しい操作を覚えてもらう必要があります。
両案は目的が違います。
そのため、取り込みによる入力の削減とWeb受注への移行を同じ物差しで並べて、どちらが優れていると言うことはできません。

実際には、どちらか一方に決める必要もありません。
ミラサポplusは、取引先の状況を踏まえて導入の要否を判断するよう求めています1。
この考え方に沿えば、得意先ごとに扱いを変えることもできます。
パソコンで発注する得意先には期限を決めて移ってもらい、移るのが難しい得意先からのFAXは取り込んで受ける、という組み合わせです。
どちらの扱いに入れるかは、切り替えを頼む順番を決めたときの観点がそのまま使えます。

観点 受けてOCRで取り込む案 期限を決めて絞る案
得意先の負担 注文の出し方を変えずに済む 新しい注文画面を覚える必要がある
自社の二重対応の手間 FAX・メールの帳票の入力を減らせる。電話の入力は残る 移った得意先の分だけ旧手段の受付が減る
立ち上げまでの期間 F社は導入決定から1か月で暫定稼働、2か月で本稼働 確認できず
得意先との関係への影響 注文方法の変更を求めない 期限の伝え方で受け止めが変わる(程度は確認できず)
FAX・電話の扱い方の二案と組み合わせ(提案の模式図。期間は建材商社1社の事例)
旧手段を受けて取り込む案、期限を決めて絞る案、得意先ごとに組み合わせる扱いを、それぞれの条件とともに並べた図
▼ 図の内容を文字で読む
  • 受け続けてOCRで取り込む案
    • 得意先に注文の出し方の変更を頼まずに済む
    • FAXやメールの帳票の入力を減らせる。電話は聞き取り入力が残る
    • 建材商社1社の事例では導入決定から1か月で暫定稼働、2か月で本稼働
  • 期限を決めて絞る案
    • 注文の入口を一つに寄せられる
    • 得意先が新しい操作を覚える必要がある
    • 主要な得意先がWeb受注を使えてから期限を検討する
  • 得意先ごとに組み合わせる
    • パソコンで発注する得意先は期限を決めて移ってもらう
    • 移るのが難しい得意先のFAXは取り込んで受ける

定着したかをどう見るか:指標と、使われない得意先への手の打ち方

見る指標と定義

旧手段の扱いを決めたら、進み具合を同じ物差しで見続けることになります。
定着の度合いを測る標準的な指標は決まっていません。
だからこそ、自社で定義を決めて毎月同じ数え方を続けることが大切です。
二重対応が減っているかを確かめるために、次の三つを提案します。

・得意先別のWeb注文の割合:その月の注文件数のうち、Web受注から届いた件数の割合
・FAX・電話の残件数:その月に旧手段で届いた注文の件数(得意先別に数える)
・注文に関する問い合わせの件数:操作の質問や「注文が通ったか」の確認など、注文の出し方にまつわる連絡の件数

数え方で迷いやすいのは、一件の注文が複数の手段にまたがる場合です。
Webで注文した後に電話で数量を変えた、FAXで送った後にWebで同じ注文を入れ直した、といった例です。
これをどう数えるかを先に決めておかないと、月によって数字の意味が変わります。
注文書一枚を一件とする、最初に届いた手段で数えるなど、決め方を一つ選び、担当者の間でそろえておきます。

全体の割合だけを見ていると、注文の多い数社が移っただけで数字が良く見え、残っている得意先が埋もれます。
得意先別に見るのはそのためです。
目標値を置く根拠になる資料はありません。
まずは自社の数字を数か月分並べ、増えているか、横ばいかを見るところから始めるのが現実的です。

使われない得意先への対応

数字を並べると、Web注文の割合が上がらない得意先や、一度移った後にFAXへ戻った得意先が見えてきます。
こうした得意先に同じ案内を繰り返しても、反応は変わりにくいものです。
まず止まっている理由を聞きます。
そのうえで、理由が画面の使いにくさなのか、案内の不足なのか、そもそもパソコンで発注しない事情なのかを分けます。

理由が画面や案内にあるなら、直したうえで翌月の数字で効き目を見ます。
検索の対象を見直す、確認メールの表示項目を足す、問い合わせ先を案内に書き加えるといった直しです。
理由が得意先の業務の事情にあるなら、無理に移ってもらうより、受けて取り込む案に回す方が得意先との関係を損ねずに済みます。
取引先の状況を踏まえて導入の要否を判断するという考え方1に立てば、使わない得意先を例外として残すことを後ろめたく思う必要はありません。

数える、理由を聞く、直すか受け方を変える、また数える、という繰り返しを毎月続けます。
そうすると、得意先を「移ってもらう得意先」と「受けて取り込む得意先」に分けて扱えるようになります。
全得意先を移すことを終点にせず、得意先ごとの扱いが決まった状態を目指すと、旧手段の受付をどこまで残すかも決めやすくなります。

定着を見直す毎月の繰り返し(模式図)
得意先別に数え、使われない得意先の理由を聞き、画面や案内を直すか受け方を変え、翌月にまた数える繰り返しを示す図
▼ 図の内容を文字で読む
  1. 得意先別にWeb注文の割合と残件数を数える
  2. 使われない得意先の止まっている理由を聞く
  3. 画面や案内を直すか、受けて取り込む案に回す
  4. 翌月の数字で効き目を見て、また数える

得意先がどの画面のどの操作で止まっているかは、社内の受注記録だけでは見えにくく、直す順番も決めにくいものです。

相談では、自社の得意先構成と注文の届き方を前提に、最初に頼む得意先の選び方や、検索・確認メールなど得意先の声を受けて直せる点を確かめられます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
原因の切り分け 得意先側の事情(負担・必要性)と自社の運用(一律の案内・旧手段の受け方)を分けて見る
最初に頼む得意先 注文頻度が高く、パソコンやメールで仕事をしている数社から始め、利用状況を見て広げる
伝える得 自社の入力削減ではなく、検索のしやすさや型番入りの確認メールなど得意先の作業で示す
ID費用 数え方(得意先単位か店舗単位か)と、誰が負担する前提の契約かを案内の前に確かめる
旧手段の扱い 主要な得意先がWeb受注を使えてから絞る。移れない得意先はOCRで受けて取り込む案と組み合わせる
定着の見方 得意先別のWeb注文の割合とFAX・電話の残件数を、同じ定義で毎月数える
50代後半の日本人女性が倉庫事務所での受注対応をしている場面

FAX・電話を絞るか受け続けるかは、得意先の構成やIDの費用負担で答えが変わり、一般論だけでは決めにくい判断です。 相談では、移ってもらう得意先と旧手段で受け続ける得意先の分け方や、運用を始めてから毎月見る数字の決め方を一緒に整理できます。

BtoB通販システムのご相談

貴社の商習慣に合わせたご提案をいたします。

無料相談はこちら

よくある質問

得意先がITに不慣れなときは、Web受注を無理に勧めずFAXをOCRで取り込む方が合いますか。

発注担当者がパソコンを使わない、手書きの発注書で回しているといった事情がはっきりしているなら、受けて取り込む案の方が得意先の負担を増やさずに済みます。
建材商社F社は、FAXやメールで届く帳票をOCRで取り込み、従来の業務の流れを変えずに導入しています2。
ただし電話の注文は取り込めず、入力の手間が残ります。
不慣れに見えても、検索のしやすさや型番入りの確認メールなど、得意先の作業が楽になる点を示すと移る場合もあります。
まず止まっている理由を聞いてから決めるのが順序です。

旧手段を絞るとき、得意先にはいつ、何を伝えればよいですか。

時期の目安を示す公的な資料は確認できていないため、考え方としての提案になります。
注文の多い主要な得意先がWeb受注を使えていて、FAX・電話の残件数が少なくなってから期限を検討します。
伝える内容は、期限の日付に加えて三つです。
移ることで得意先の作業がどう楽になるか、操作で困ったときの連絡先、急ぎの注文や不具合のときに電話を受ける例外です。

得意先ごとのIDや利用料は、誰が負担することが多いのですか。

誰が負担することが多いかを示す資料は確認できていません。
例として、らくうけーるの料金ページでは料金は契約者に請求されるとされ、追加したIDの費用を誰が持つかは明示されていません4。
製品ごとに、IDを得意先単位で数えるのか店舗単位で数えるのか、費用を誰が負担する前提の契約かを確かめます。
得意先に負担を求めると切り替えを渋る理由が増える点も、あわせて判断に入れます。

注文の量が少ない得意先は、切り替えの依頼を後回しにしてよいですか。

後回しにする考え方は取れます。
注文の少ない得意先が移っても自社の入力が減る量は小さく、得意先にとっても画面に慣れる機会が少ないためです。
ただ、一回の量は少なくても頻繁に注文する得意先は、移ってもらえれば効き目が大きくなります。
注文の量だけでなく回数でも見ると、順番を誤りにくくなります。
後回しにした得意先のFAXは、受けて取り込む案で扱う選択もあります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:中小企業庁(ミラサポplus)「企業間のデータ連携で、受発注の業務コストを削減する!」(2020年)
  2. 2 出典:株式会社PFU(リコーグループ)「導入事例 建材商社F社(PFU ワークスタイル)」(公開年不明)
  3. 3 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B Ⅱ 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年)
  4. 4 出典:JFEテクノス株式会社「らくうけーる ご利用料金」(2026年)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

記事内容に関するお問い合わせ:お問い合わせフォーム

BtoB EC(受発注)サイト構築システム「EC-Rider B2B Ⅱ」への
各種お問い合わせ

ページTOPへ戻る
無料相談を予約 お見積
平日10:00~18:00
page
top