◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- BtoB ECの商品マスタ整備は、識別する単位・コード体系・項目・表記を決め直し、既存データをその基準にそろえる作業です。
- GS1 Japanの「GTIN設定ガイドライン」には、単品とケースの区別や、コードを分ける要素、改廃の基準など、判断に使える公的な原則がまとまっています。
- 整備の手順は5つの工程に分けられ、各工程で決めること・作る成果物・確認することが異なります。
目次
BtoB ECの商品マスタ整備とは — 識別単位とコードを決め直す実務
BtoB ECの商品マスタ整備とは、取引先が正しい単位で発注できるように、商品を識別する単位・コード体系・項目・表記を決め直し、既存データをその基準にそろえる作業です。GS1 Japanは商品識別コードの基本原則を「1つの取引単位に対して1つのGTIN(商品識別コード)を設定する」と定めています*1。
商品マスタ整備とは「識別の単位・コード体系・項目・表記を決め直し、既存データをそろえる作業」である
商品マスタ整備は、社内に散らばった商品データを1つの基準でそろえ直すところから始まります。基準になるのが、GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)が公開する「GTIN設定ガイドライン」*1です。GTIN(Global Trade Item Number、GS1が管理する商品識別コードの総称)は標準の識別コードです。いわゆるJANコード(国内で広く使われる商品識別コードの通称)もこれに含まれます。GS1(世界の110を超える国と地域の代表で構成される国際的な非営利の標準化団体*1)が定める考え方は、自社コードを設計するときの判断材料としても使えます。
整備の手順は5工程に分けられます。①現行データの棚卸と正本の決定、②識別の単位とコード体系の設計、③項目の設計、④データの整備と名寄せ、⑤登録・検証と改廃運用のルール化です。図1のとおり、各工程は前の工程の決定を前提にします。順番を飛ばして項目設計から着手すると、手戻りが起きやすくなる点に注意が必要です。
BtoC ECの商品登録と何が違うのか
BtoC ECの商品登録は、1商品につき1つの販売ページを作れば足りる場合が中心です。一方でBtoB ECでは、取引単位そのものが商流の核です。同じ商品でも、バラで発注する取引先とケース単位で発注する取引先が併存し、最小発注単位や入数の違いをマスタ側で区別できないと、誤発注や検品差異につながります。この違いを最初に押さえておくと、以降の工程で「何を1件と数えるか」を迷いにくくなります。
商品マスタの乱れは業界共通の課題である
商品マスタの整備が後回しになりやすいのは、個社の怠慢ではなく業界共通の事情があります。経済産業省は2025年3月14日、「商品情報連携標準に関する検討会」の第3回を開催しました。メーカー・卸・小売事業者を中心に36者が参加し、商品情報プラットフォームの実現に向けた方針を取りまとめています*2。同省は現状について、「取り扱う商品の情報について、登録・管理に当たり各社専用フォームに個別入力する等、『手作業によるバケツリレー』に依存しています」と課題を明言しています*2。商品に付されるJANコード(GTIN)についても、新商品の開発サイクルが速い商慣習を背景にルールが徹底されていない*2と指摘しています。同省はこの取りまとめで、商品情報の連携方法や連携項目に関する実効性のあるガイドラインの策定に向け、2025年5月までに「商品情報連携会議」を設置する方針を示しました*2, *3。本記事は2026年8月時点の公表情報に基づくため、その後の検討状況は最新の公表資料をご確認ください。日本のBtoB-EC市場規模は2024年時点で514.4兆円、EC化率は43.1%に達しています*7。市場が拡大するほど、個社ごとにばらついた商品マスタの整備コストも積み上がっていきます。
商品マスタ整備に着手する前に確認する5つの優先事項/順位根拠:手順(実施順序)
- 商品データが基幹・Excel・紙カタログのどこに散らばっているかを洗い出し、正本をどこに置くか決めます。
- 「1つの取引単位に対して1つのコード」という原則*1に沿って、バラ・ケース・入数違いをどう識別するか決めます。
- BtoB受発注に固有の販売単位・入数・最小発注単位・代替品コードを含めて、必要な項目を洗い出します。
- 表記ゆれと重複を、識別基準に立ち戻って名寄せします。
- 登録前の検証観点と、新規採番・廃番の承認ルールを文書化します。
工程1:現行データの棚卸と「正本」の決定
商品データはどこに散らばっているか
整備の第一歩は、商品データがどこに存在するかを洗い出すことです。実務では、基幹システムの商品テーブル、営業部門が個別に管理するExcel、紙のカタログ、担当者個人の管理表に分散していることが一般的です。どのデータが最新で、どのデータが更新されていないかを、この段階で見極める必要があります。
正本を1つに決める
複数の場所にデータがある状態のままでは、どれを信じればよいか判断できません。基幹システム側を正本にするか、EC側を正本にするかを、この工程で決め切ることが重要です。正本をどちらに置くかは、基幹システムとECの連携方式にも関わります。連携方式の詳細な設計は、正本の所在を決めたうえで別途検討する領域です。
棚卸で出す3つの数字
棚卸の成果物として、次の3つの数字を出しておくと、後工程の見積もりがしやすくなります。対象件数(マスタに載せる商品の総数)、廃番件数(すでに販売終了しているのに残っている件数)、重複候補件数(同一商品が複数コードで登録されている疑いのある件数)です。この3つが把握できていないと、項目設計や名寄せの作業量を見通せません。
商品マスタに入れないものを先に決める
商品マスタを設計する際は、何を入れないかも同時に決めておく必要があります。在庫数は基幹システム側が正であることが多く、商品マスタに持たせると数値がずれたときの原因切り分けが難しくなります。取引先別の価格や掛率、数量割引の階段価格も、商品を識別する情報とは性質が異なるため、別マスタに置くのが実務的です。
工程2:識別の単位とコード体系の設計
基本原則は「1つの取引単位に対して1つのコード」である
GS1 Japanのガイドラインは、GTIN設定の基本原則を「1つの取引単位に対して1つのGTINを設定する」と定めています*1。2つの異なる商品や、単品とケースのように取引単位として異なるものに、同一のGTINを設定することはできません*1。逆に、1つの取引単位へ2つ以上のGTINを設定すること*1も認められていません。この原則は、社内コードを設計するときにも判断基準として使えます。「何を1件と数えるか」が定まっていない状態で項目設計に進むと、後工程で数え直しが発生します。
単品でコードを分ける要素
GS1 Japanのガイドラインは、単品の基本的な要素が異なる場合に別のコードを設定するとし、要素の一覧を示しています*1。この一覧は、自社コードでどこまでを別商品として扱うかを決める際の判断表として使えます。
| 要素 | 具体例 | BtoB ECでの見え方 |
|---|---|---|
| サイズが異なる場合*1 | 大袋、中袋、小袋*1 | 同じ商品名でも規格が違えば別コードにします。 |
| 正味内容量が異なる場合*1 | 100g、200g、500ml、650ml*1 | 重量・容量・個数の違いはコードを分ける対象です。 |
| 包装形態が異なる場合*1 | 袋入り、缶詰、瓶詰*1 | 荷姿の違いも別コードの対象になります。 |
| 色が異なる場合*1 | ピンク、ブルー、ホワイト*1 | 色違いの品揃えがある商材では見落としやすい観点です。 |
| 味が異なる場合*1 | カレー味、バーベキュー味*1 | 食品・飲料を扱う場合に該当します。 |
| 香りが異なる場合*1 | ジャスミン、ブーケ*1 | 日用品・化粧品を扱う場合に該当します。 |
| 販売単位が異なる場合*1 | 3個入り、5個入り、15個入り*1 | BtoB受発注で特に見落としやすい要素です。バラ・ケースの区別に直結します。 |
バラ・ケース・入数違いをどう持つか
BtoB受発注で最も判断に迷うのが、バラとケースの扱いです。GS1 Japanのガイドラインでは、集合包装(ケース、ボール、パレットなど)には、入数の違いごとに別のコードを設定するとしています*1。さらに、単品のコードを変更した場合は、集合包装のコードも同時に変更することが求められます*1。単品側だけコードを変えて集合包装側を据え置くと、単品と集合包装のひも付きがずれてしまいます。両方を同時に見直す運用が前提です。
集合包装用商品コード(GTIN-14)の構造
集合包装に使われるGTIN-14(集合包装用商品コード)は合計14桁です。先頭の1桁はインジケータと呼ばれ、”1″から”8″の8通りがあります*5。インジケータの後に単品コードの先頭12桁が続き、最後にチェックデジット1桁が付きます*5。主に受発注や納品、入出荷、仕分け、棚卸管理*5などで使われるコードです。荷姿・入数の違いをインジケータで区別できる設計になっているため、BtoBの受発注業務と相性のよい仕組みといえます。
社内コードを維持するか、標準コードへ寄せるか
GTINは原則としてブランドオーナー(商品の仕様に責任を持つ主体)が設定します*1。産業財・資材・受注生産品のように、標準コードが付いていない商品も存在します。本記事では、GTINの採用を推奨する立場は取りません。標準がどのような考え方で識別単位を分けているかを、自社コードを設計する際の判断材料として使うことを想定しています。
工程3:BtoB受発注で持つべき項目の設計
欠かせない項目と、あると発注が速くなる項目
項目設計で見落とされやすいのは、BtoB受発注に固有の項目です。次の表は、商品マスタに持つべき項目を整理したものです。
| 項目 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 商品コード(自社コード/標準コード) | 商品を一意に識別する。 | 1つの取引単位に1つのコードという原則*1で設計します。 |
| 商品名・型番・規格・メーカー名 | 取引先が商品を特定できるようにする。 | 表記のゆれを統一しておく必要があります。 |
| 販売単位と入数 | バラ・ケースの区別を明示する。 | BtoBの発注ミスの多くはこの項目の欠落に起因します。 |
| 最小発注単位・発注ロット | 発注可能な最小の数量を示す。 | 取引先ごとに条件が異なる場合は別マスタで管理します。 |
| 単位(個・箱・kgなど) | 数量の単位を明確にする。 | 同一商品で複数単位が併存する場合は基準単位を決めます。 |
| 荷姿・外装寸法・重量 | 配送・保管の計画に使う。 | 外装の変更はコード改廃の判断基準にもなります*1。 |
| カタログ番号・ページ | 紙カタログからの発注導線を確保する。 | 紙とECを併用する取引先向けの項目です。 |
| 代替品・後継品コード/検索用の別名・旧称 | 廃番時の受け皿と、取引先の呼び方への対応。 | 取引先は自社の呼び方で探すため、別名の登録が検索性を左右します。 |
検索性は項目設計で決まる
取引先は自社の商品名ではなく、自社の呼び方で商品を探します。旧称・略称・取引先固有の呼び方を検索用の別名として項目に持たせておかないと、商品が存在していても見つけてもらえません。取引先への呼び方の周知やマニュアル整備は、項目設計とは別の取り組みとして進める必要があります。
画像とカタログの紐付けをどこまでやるか
画像やカタログページとの紐付けは、項目として持たせるかどうかを工程3の段階で決めておくと、後工程での手戻りを防げます。紐付けの粒度は、取引先が発注時に何を参照するかに応じて決めるのが実務的です。
コード設計は経理の帳簿記載にも関わる
商品コードの設計は、EC側の使い勝手だけでなく、経理の帳簿記載にも関わります。国税庁のインボイスQ&Aは、帳簿に記載する課税仕入れに係る資産又は役務の内容について、「商品コード等の記号・番号等による表示で差し支えありません」としています*4。ただし、「課税資産の譲渡等であるか、また、軽減対象課税資産の譲渡等に係るものであるときは、軽減対象課税資産の譲渡等に係るものであるかの判別が明らかとなるものである必要があります」という条件が付いています*4。この記述は帳簿の記載事項についてのものであり、インボイス制度(適格請求書等保存方式、消費税の仕入税額控除の要件を定めた制度)の対応全体を保証するものではありません。制度対応の詳細は別途ご確認ください。
工程4:データの整備と名寄せ
表記ゆれをそろえる
整備の実作業として最初に着手するのが表記ゆれの統一です。全角・半角、型番の区切り記号、単位表記、メーカー名の正式表記など、部署ごとに異なる書き方をそろえます。ルールを決めずに手作業で直すと、担当者ごとに判断が割れるため、先に表記ルールを文書化しておくことが有効です。
重複の名寄せは業務側が判断する
同一商品が複数コードで登録されている場合、それが本当に同一商品なのかは判断が分かれます。工程2で見た識別要素の違いによる別商品である可能性もあり、システム側だけでは判断できません。工程2で整理した識別基準*1に立ち戻り、業務を理解した担当者が判断する必要があります。
廃番・終売の扱い
廃番になったコードを別の商品に付け替えたくなる場面がありますが、避けるべきです。GS1 Japanのガイドラインでは、2019年1月以降、一度使用したGTINの再利用は認められていません*1。過去の取引記録や在庫履歴が新しい商品と混線するリスクを避けるためのルールであり、自社コードの改廃ルールを設計する際の参考にもなる考え方です。
移行時の変換・突合は本記事の範囲外
旧システムから新システムへのデータ移行に伴う変換設計やマッピング表の作成、突合検収は、本記事では扱いません。本記事が扱うのは、移行の前段としてマスタをどう設計し整えるかという部分です。移行そのものの手順は別記事で詳しく解説しています。
中小規模のブランドオーナー向けの登録サービス
GS1 Japanは2019年10月から「GS1 Japan Data Bank -商品情報-」を提供しています*6。対象は、GS1事業者コードを貸与された中小規模の商品メーカー(ブランドオーナー)です。GTINの設定・管理や、バーコード画像の生成・ダウンロードができます*6。すべてのBtoB EC事業者に必須のサービスではありませんが、標準コードの管理負担を軽くする選択肢の1つです。
工程5:登録・検証と改廃運用のルール化
登録前に見る4点
データを本番のマスタへ登録する前に、件数・必須項目の欠損・コードの重複・単位と入数の整合の4点を確認します。この4点を機械的にチェックする仕組みを持っておくと、以降の運用で同じ確認を毎回繰り返せます。
取引先の目で検証する
社内での確認が終わっても、実際に取引先が検索して商品を見つけられるか、単位を間違えずに発注できるかは別問題です。登録後、取引先の立場で検索・発注を試す検証を、1つの工程として組み込んでください。
改廃のルールを文書にする
整備が完了した時点がゴールではありません。新規採番の承認者は誰か、どの項目を変更したらコードを変えるべきか、廃番の手続きはどう進めるかを、文書として残しておく必要があります。ルールが担当者の頭の中にしかない状態では、担当者が変わるたびに整備し直すことになります。
コードを変えるかどうかの物差し
GS1 Japanのガイドラインは、GTINが変更になる基準を10項目にまとめています*1。この物差しは、自社コードの改廃ルールを設計する際にもそのまま使えます。変更原則としては、次の3点が挙げられています*1。
- 消費者や取引相手が、その変更された商品や新しい商品を、以前の商品や現在の商品と区別したいと考えるか*1
- 消費者や取引相手に対して、規制や責任開示の要件があるか*1
- サプライチェーンに影響がある重要な変更があるか(例:商品の出荷、保管、受領方法)*1
10の基準のうち、数値を含むのは「包装の外寸、または総重量の変更程度が20%を超える場合」の1つだけです*1。それ以外の基準は、正味内容量の変更や商品表示の変更など、数値によらない判断基準で構成されています。なお、10番目の基準には原典に「国内ではほぼ適用なし、一部の輸出の場合のみ」という注記があります*1。国内のBtoB EC運用では、優先度が下がる基準として扱ってよいと考えられます。
整備は一度で終わらない
新商品の追加、仕様変更、廃番は毎月発生するものです。整備した直後は正しくても、運用ルールを決めていないと数か月で元の状態に戻ってしまいます。月次で確認する点検項目をあらかじめ決めておくことが、整備した状態を保つ鍵です。
商品マスタ整備でつまずきやすい5つの点
バラとケースを同じコードで扱うと発注単位を取り違える
単品とケースのように取引単位が異なるものに、同一のコードを設定することはできません*1。この原則を知らずに同じコードで管理すると、発注時にバラなのかケースなのかをシステム側で区別できなくなり、数量の取り違えにつながります。
廃番コードを別商品へ使い回してしまう
コードの新規発行を省略したい気持ちから、廃番になったコードを別の商品に付け替えてしまうケースがあります。一度使用したコードの再利用は、2019年1月以降認められていません*1。過去の取引履歴と新しい商品の情報が混線する原因になります。
価格・在庫を商品マスタに混ぜてしまう
取引先別の価格や在庫数を商品マスタに直接持たせると、更新のたびに整合性を保つ作業が発生します。商品を識別する情報と、変動する情報は、性質の異なるマスタとして分けて持つ設計が実務的です。
社内の呼び方だけで商品名を作ると取引先が検索できない
社内で使っている略称や品番だけを商品名にすると、取引先が普段使っている呼び方と一致せず、検索してもヒットしません。検索用の別名・旧称を項目として持たせる設計が必要です。
整備の担当を情シスだけに置くと商品部の判断基準が抜け落ちる
商品マスタの整備はシステム部門だけで完結できる作業ではありません。同一商品かどうかの判断や、どの項目を必須にするかの判断には、商品を扱う部門の知見が欠かせません。情シスと商品部・営業事務が役割を分けて進める体制が、整備の精度を左右します。
自社の入数体系・代替品コード・取引先ごとの呼び方といった商習慣が、標準的な項目にどこまで収まるかは、個社の要件によって変わります。この判断を自社だけで進めるのが難しいと感じる場合は、無料相談で要件を整理するという選択肢もあります。
まとめ:商品マスタ整備で押さえる3つの判断軸
本稿では、BtoB ECの商品マスタ整備を5つの工程に分けて整理しました。要点を3つに集約すると次のとおりです。第一に、識別の単位はGS1 Japanが定める「1つの取引単位に対して1つのGTINを設定する」という原則*1を判断基準にできます。第二に、項目設計では販売単位・入数・最小発注単位・代替品コードといったBtoB受発注に固有の項目を欠かさないことが、実務の精度を左右する要素です。第三に、整備は一度で終わらず、新規採番や廃番の承認ルールを文書化してこそ、整えた状態を保てます。自社の商習慣が標準項目にどこまで収まるかは、個社の要件によって変わる部分です。
ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。
よくある質問
商品コードは何桁にすればよいですか。
社内コードの桁数を一律に定めた公的な規定は確認できておらず、断定はできません。標準コードであるGTINには桁数の定めがあり、単品・最小取引単位に使うGTIN-13は13桁、集合包装用のGTIN-14は14桁です*1*5。自社コードは、基幹システムやECカートの桁数上限に合わせて設計するのが実務的です。
バラ売りとケース売りは同じ商品コードで管理してよいですか。
いいえ、同じコードでは管理できません。GS1 Japanのガイドラインは、単品とケースのように取引単位として異なるものに、同一のGTINを設定することはできないと定めています*1。バラとケースは別コードとして持つ設計が原則です。
廃番になった商品コードは、別の商品に使い回してよいですか。
使い回しはできません。GS1 Japanのガイドラインでは、2019年1月以降、一度使用したGTINの再利用が認められていません*1。ただし、2018年12月末までに終売となったGTINに限り、2019年1月以降1回だけ再利用することが認められています*1。
商品マスタの整備にはどのくらい期間がかかりますか。
対象件数や既存データの散在度によって変わるため、一律の期間は示せません。整備の見積もりには、棚卸で把握する対象件数・廃番件数・重複候補件数の3つの数字が目安になります。まずこの3つを洗い出すことが、期間を見積もる出発点です。
商品マスタと価格マスタは分けるべきですか。
分けて持つ設計が実務的です。商品を識別する情報と、取引先ごとに変わる価格・掛率は性質が異なり、同じマスタに混在させると更新のたびに整合性を崩しやすくなります。取引先別価格の実現方法は、別記事で詳しく扱っています。
- *1 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)「GTIN設定ガイドライン」(Release 2.2, September 2025)
- *2 出典:経済産業省「共通の商品マスタでサプライチェーンを効率化します―商品情報プラットフォームの実現に向けた方針を取りまとめました」(2025年3月14日)
- *3 出典:経済産業省 商務・サービスグループ 流通政策課「商品情報連携標準に関する検討会(開催状況)」(最終更新日:2025年3月18日)
- *4 出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問109」(令和8年5月改訂版)
- *5 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)「GTIN(集合包装用商品コード)とITFシンボル」
- *6 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)「GS1 Japan Data Bank -商品情報-」(2019年10月開始)
- *7 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(2025年8月26日公表)
画像の出典元
- マスタのイメージ/Photo by Jaffer Nizami on Unsplash
- 手順のイメージ/Photo by Erik Mclean on Unsplash
- 工程のイメージ/Photo by Kelly Sikkema on Unsplash
- 受発注のイメージ/Photo by 2H Media on Unsplash
- 発注のイメージ/Photo by Vitaly Gariev on Unsplash