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BtoB EC商品カテゴリ設計の手順を5ステップで解説

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • BtoB ECの商品カテゴリ設計は、分類基準の決定から階層設計、属性との切り分け、運用ルールまでを順に決める作業です。
  • 日本標準商品分類やGS1のGPCといった公的・国際標準の考え方を、そのまま設計の判断基準として使えます。
  • 重複配置(同じ商品を複数カテゴリに置くこと)を許すかどうかは、標準の原則に照らして条件を決めておくことが大切です。
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BtoB ECの商品カテゴリ設計とは——本籍・階層・属性で決まる整理作業

BtoB ECの商品カテゴリ設計とは、取り扱う商品を用途・機能・材料などの一貫した基準で階層に整理し、各商品の所属先(本籍)と絞り込み条件(属性)の役割分担、さらに改廃時の運用ルールまでを決める作業です。営業部門の分類をそのままECに持ち込むと購買担当者の探し方と一致せず、迷った末に離脱を招きます。

商品カテゴリ設計は、商品マスタ整備(商品名・型番・仕様といったデータ項目そのものの整備)とは役割が異なります。カテゴリ設計は「どこに置くか」を決める構造の設計であり、データ項目の整備を前提としつつも別の工程です。

この記事では、分類基準の決定から階層設計、属性との切り分け、移行・運用ルールの整備までを、公的な分類標準の考え方に沿って5ステップで整理します。個別の商品データ項目そのものの整備手順は扱いません。

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商品カテゴリ設計は現状把握から運用ルール整備まで5段階で進みます

なぜBtoB ECのカテゴリ設計は難しいのか

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経済産業省の令和6年度電子商取引に関する市場調査(結果概要)によると、2024年の国内BtoB-EC市場規模は514.4兆円(前年465.2兆円、前年比10.6%増)に拡大しました*1。同調査でBtoB-ECのEC化率は43.1%(前年比3.1ポイント増)となっています*1

なお、このEC化率の算出対象は、BtoB-ECでは業種分類上「その他」以外とされた業種に限られる点に注意が必要です*1。同調査は1998年度から毎年実施され、今回で27回目の実施です*1。取引の電子化が進むほど、電子カタログに載る商品点数は増え続けます。

商品点数が増えるほど、既存の分類だけでは対応しきれなくなります。卸売業・製造業の現場では、営業担当者別や仕入先別に商品を管理してきました。この分類は社内の業務分担には合理的ですが、購買担当者が「用途」や「型番」で探す行動とは一致しません。

さらにBtoB特有の事情として、型番を指名して直接検索する購買行動と、カテゴリをたどって「探して選ぶ」購買行動が同じサイトに同居します。型番検索の導線はカテゴリ構造とは別に用意する必要があり、カテゴリ設計だけで両方の要件を満たそうとすると破綻しがちです。

設計前に決める4つの分類基準——公的標準に学ぶ

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総務省が所管する日本標準商品分類(JSCC)は、統計調査の結果を商品別に表示する場合の統計基準として昭和25年3月に設定され、現行版は平成2年6月に改定されたものです*2。設定から数えて第5回目の改定にあたります*2

日本標準商品分類(JSCC。統計調査の結果を商品別に表示するための国の統計基準)の改定方針では、類似商品を集約する分類基準として「商品の用途」「機能」「材料」「成因」を用い、ひとつの基準のみでは望ましい分類が得られない場合は必要に応じ複数の基準を採用するとされています*2。この4基準は、そのままEC商品カテゴリの第一階層を決める物差しとして使えます。

一つの商品は一つの分類項目(本籍)に分類することが原則です*2。ただし統計上重要性の高い商品で複数の項目に分類する必要がある場合は、同一商品を再掲する方法が採られます*2。再掲する際は、商品の用途・機能等からみて汎用性の大きいほうに本籍を置き、再掲箇所には商品名の後にかっこ書きで本籍の番号を記載します*2

複合機能商品の分類については、その主たる機能に基づいて所属を決定するとされています*2。これにより難い場合は、製造費中の最も大きいウエイトを占める機能に基づいて所属を決定します*2。EC側では「主たる用途」で本籍カテゴリを1つに決め、それ以外の用途は属性やタグで補うという判断に読み替えられます。

用語は、公示文書・日本工業規格(JIS。工業製品の種類・形状・品質等を定めた国の標準規格)・日本農林規格(JAS)・学術用語等によることとし、外来語を使用するときは片仮名を用いるとされています*2。カテゴリ名を社内の略称や英語表記のままにせず、購買担当者が検索で使う語に合わせる根拠として引用できます。

商品カテゴリ設計の手順(5ステップ)

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ここまでの分類基準を踏まえ、実際の設計は次の5ステップで進めます。各ステップに「何が決まれば次に進めるか」という完了条件を明示すると、手戻りを防げます。

商品カテゴリ設計を進める5ステップ/順位根拠:実施順序(前段の完了が次段の前提になる)

  1. Step1 現状の棚卸し:既存分類・サイト内検索ログ・取引先別の公開要件を洗い出します。既存分類の何が使え、何が使えないかを判別できた時点で完了です。
  2. Step2 分類基準を決めて第一階層を確定する:用途・機能・材料・成因のいずれか、または複数を組み合わせて第一階層の名称を確定します*2。第一階層の項目名がすべて購買側の語彙で言えることが完了条件です。
  3. Step3 階層を設計する:第一階層の下に何段まで分けるかを決めます。段数は商品点数と検索行動から自社で決める判断であり、細分化しすぎて到達できない状態を避けます。各階層の子カテゴリ数が一覧として破綻しない範囲に収まれば完了です。
  4. Step4 カテゴリと属性(絞り込み条件)を切り分ける:1つの商品が複数の値を取り得る軸(サイズ・色・材質等)は属性に回し、本籍を1つに決められない軸はカテゴリから外します。
  5. Step5 移行・URL設計・改廃の運用ルールを先に決める:新設・統合・廃止が発生したときのURLとリダイレクトの扱いをあらかじめ文書化します。

Step3の段数の目安は、公的な分類標準の階層数を参考にできます。日本標準商品分類の標準分類番号は大分類・中分類・小分類等の順に配列され、基本コードは中分類番号とされています*2。総務省の例示では大分類から6桁分類までの段階が示され、改定方針では原則として6桁まで細分し、必要に応じてそれ以下の細分も行うとされています*2。すべての段をECのカテゴリメニューに反映する必要はありませんが、購買担当者が迷わずたどり着ける段数(多くは3段前後)にとどめ、それ以上の粒度は属性や型番検索で補う設計が現実的です。

Step4を誤ると、階層を深くしすぎて到達できない、あるいは1階層に商品が集中して一覧が破綻するといった問題が起きます。カテゴリと属性の切り分けを内製で判断するには、分類の設計思想と自社の商品データ構造の双方を理解した担当者が必要です。判断を誤ると、後工程の商品登録や検索改善をやり直すことになります。

可視化したカテゴリ構造を自社の商品点数に当てはめる作業を具体的に見積もるには、無料相談で要件を整理するのが近道です。

カテゴリにするか属性にするか——切り分けの判断基準

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カテゴリと属性(絞り込み条件)の区別を言語化できないまま設計を進めると、同じ軸がカテゴリと属性の両方に重複して現れ、購買担当者を混乱させます。判断の物差しは「1つの商品がその軸で1つの答えしか持たないか」です。

軸の性質 カテゴリ向き 属性向き
商品1点の答えの数 1つに決まる本籍として扱える軸です。
用途・機能・材料など公的分類の基準に近い軸が該当します*2
1つの商品が複数の値を持つ軸です。
サイズ・色・材質・容量などが該当します。
購買導線での役割 「どの棚に置くか」を決める階層です。
ナビゲーションとして一覧構造をつくります。
「その棚の中で何を選ぶか」を決める条件です。
絞り込み(ファセット検索)として機能します。
改廃時の影響 URL構造に直結するため変更コストが高めです。
Step5で移行ルールを先に決めておきます。
値の追加・削除がURLに影響しにくい設計にできます。
商品マスタ側での追加が中心になります。

粒度の最下層——「どこまでを別商品として分けるか」——を判断する客観的な物差しには、GS1(国際的な流通標準を策定する団体)が定めるGTIN(Global Trade Item Number。商品識別コードの国際標準)の設定原則が使えます。一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)によれば、GTIN設定の基本原則は「1つの取引単位に対して1つのGTINを設定する」ことです*4

既存の商品に変更を加える場合、または新商品を発売した場合、GS1はブランドオーナーが考慮すべき変更原則を示しており、GTINを変更するには次の少なくとも1つに当てはまる必要があるとしています*4。第一に、消費者や取引相手が変更した商品を以前の商品と区別したいと考えること。第二に、消費者や取引相手に対する規制・責任開示要件があること。第三に、商品の出荷・保管・受領方法などサプライチェーンに影響がある重要な変更があること、の3点です*4。なお、新しいGTINの設定が必要になる具体的な基準は、別途「GTIN設定ガイドライン」に10の基準として整理されています*4。EC側では、この3つの観点を「別商品として分けるべきか」を検討する物差しとして使えます。

階層構造そのものの考え方は、GS1が策定するGPC(Global Product Classification。世界共通の商品分類の国際標準)にも表れています。GS1によれば、GPCの分類の基本単位は「brick(ブリック)」と呼ばれ、最上位の区分は「segment(業界区分。特定の産業を指す)」、最下位の区分は「brick attribute(商品の具体的な詳細区分)」と定義されています*3。上位から下位に向かって粒度を細かくしていく考え方は、EC側の階層設計にもそのまま応用できます。

よくある失敗と回避策

階層を深くしすぎると、購買担当者が目的の商品にたどり着けなくなります。反対に浅すぎると1階層に商品が集中し、一覧ページが機能しなくなります。Step3で決めた段数を、実際の商品点数で試作して検証することが回避策です。

仕入先や社内組織をそのままカテゴリ名にしてしまう失敗もよく見られます。日本標準商品分類が用途・機能・材料・成因を基準に据えているように*2、カテゴリ名は購買担当者の探し方を基準に決め、社内都合の分類名をそのまま外に出さないようにします。

同じ商品を複数カテゴリに置く重複配置は、在庫・価格・改廃の反映漏れを招きやすい運用です。日本標準商品分類でも再掲は「統計上重要性の高い商品」に限る例外として扱われています*2。重複配置を許すのであれば、値を1か所で管理し他方へ自動反映する仕組みか、更新手順の明文化が欠かせません。

カテゴリ名が社内用語のままで、購買担当者の検索語と一致しない失敗も起きがちです。用語は公示文書・JIS・JAS・学術用語等に合わせ、外来語は片仮名で統一するという原則を*2、カテゴリ命名のチェックリストとして使うと防ぎやすくなります。

設計後の運用——新商品・改廃・取引先別公開範囲

カテゴリ設計は一度決めて終わりではありません。新商品をどのカテゴリに入れるかの判定ルールを、Step2で決めた分類基準に沿って文書化しておくと、担当者が変わっても判断がぶれません。

廃番・改廃が発生した際は、該当カテゴリと商品ページのURLをどう扱うかを事前に決めておく必要があります。カテゴリ自体を廃止する場合は、上位階層または近い分類へのリダイレクトを設計時に決めておきます。

取引先ごとに閲覧・購入できる商品を制限する要件は、カテゴリ構造そのものとは別レイヤ(属性・権限設定)で持つ設計が現実的です。カテゴリ構造に取引先条件を混在させると、カテゴリ数が取引先数に比例して増え、Step3で決めた段数の設計が崩れます。

この運用ルールを自社の基幹システム(販売管理・既存の商品マスタ)と接続する設計まで内製で完結させるには、EC側の分類設計と基幹側のデータ構造の両方を理解した人員が必要です。既存の分類とEC上の見せる分類が二重管理になっている場合、どちらから手を付けるべきか判断に迷う場面も少なくありません。

まとめ:カテゴリ設計を進める3つの判断軸

本稿ではBtoB ECの商品カテゴリ設計を、分類基準の決定から階層設計、属性との切り分け、移行・運用ルールの整備までの5ステップで整理しました。要点を3つに集約すると次の通りです。第一に、分類基準は用途・機能・材料・成因を軸に、公的標準の考え方を借りて決めます*2。第二に、階層と属性の切り分けは「1つの商品がその軸で1つの答えしか持たないか」を物差しにします。第三に、重複配置とGTINの粒度は、統計上の例外扱いとGS1の設定原則を根拠に条件を決めておきます*2*4


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よくある質問

階層は何段までにすべきですか

出典で確認できる段数の目安はなく、購買担当者が迷わずたどり着けるかどうかで自社ごとに決めます。参考として、日本標準商品分類は原則として6桁まで細分するとされ、総務省の例示では大分類から6桁分類までの段階が示されていますが*2、EC上のナビゲーションに全段を反映する必要はありません。実務では3段前後にとどめ、それ以上の粒度は属性や型番検索で補う設計が現実的です。

1つの商品を複数カテゴリに登録してよいですか

日本標準商品分類では、一つの商品は一つの分類項目(本籍)に分類することが原則で、複数項目への分類(再掲)は統計上重要性の高い商品に限る例外として扱われます*2。EC側でも重複配置は例外的な運用と位置づけ、在庫・価格・改廃を1か所で管理し他方へ反映する仕組みか、更新手順の明文化とセットで許可することで反映漏れのリスクを抑えられます。

カテゴリを後から変更するとSEOに影響しますか

カテゴリのURL構造を変更すれば、既存ページの評価やインデックスに影響し得ます。そのためStep5の段階で、統合・廃止時のリダイレクト方針をあらかじめ決めておくことが有効です。設計をやり直す前提で運用ルールを先に文書化しておけば、改廃のたびに個別判断する負担を減らせます。

公的な商品分類コードをそのままECのカテゴリに使えますか

日本標準商品分類やGS1のGPCは統計・流通実務のための分類体系であり*2*3、そのままECのカテゴリメニューに置き換えるものではありません。ただし、分類基準(用途・機能・材料・成因)や、本籍と再掲の考え方、粒度の物差し(GTIN設定原則)は、自社カテゴリの設計判断に応用できます*2*4

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. *1 出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和6年度電子商取引に関する市場調査(結果概要)」(2025年8月26日公表
  2. *2 出典:総務省「日本標準商品分類の意義、改定方針、概要等」(現行版・平成2年6月改定
  3. *3 出典:GS1「How GPC works」(GS1.org
  4. *4 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)「GTIN設定の基本原則」(GS1 Japan

画像の出典元

  1. 手順のイメージ/Photo by Vitaly Gariev on Unsplash
  2. 運用のイメージ/Photo by Accuray on Unsplash
  3. 取引先のイメージ/Photo by Ambre Estève on Unsplash
  4. よくある質問のイメージ/Photo by Stephen Harlan on Unsplash
  5. 手順のイメージ/Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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