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電子データ交換の法令と保存要件|EDIデータ保存の実務

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 電子データ交換の記録は電子帳簿保存法第7条の対象で、紙に出力したものを原本とする運用は認められていません。
  • 真実性の確保は4つの措置から選び、可視性の確保では取引年月日、取引金額、取引先の3項目の検索が求められます。
  • 保存期間は法令ごとに異なり、国税の原則7年、欠損金が生じた事業年度は10年、委託取引の書類は2年です。
  • 委託取引の法令は2026年に中小受託取引適正化法へ改まり、参照する資料の版を確かめる必要があります。
  • 切替や終了の前に記録を取り出さないと、保存期間の途中で過去のデータを参照できなくなります。

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電子データ交換とは何か

電子データ交換とは、企業間の取引に必要な情報を、あらかじめ定めた標準の規約に従って通信回線で送受信し、計算機どうしで直接やり取りする仕組みです。取決めは情報伝達・情報表現・業務運用・取引基本の4階層に整理されています*2。紙の伝票を介さないため、やり取りの記録は電子のまま残ります。したがって保存の義務も、紙ではなく電子データを前提に考えることになります。受発注の中心を担う仕組みであるほど、記録の残し方が後の税務対応を左右します。

やり取りする電文は、見積、注文、注文請け、出荷案内、受領、請求という6つの区分が代表例です。送り手の基幹システムが所定の形式で電文を組み立て、回線を通じて相手先へ渡します。受け取った側は、その電文を自社の項目へ読み替えて取り込みます。人が画面へ入力し直す工程が挟まらないため、転記の誤りが減り、締めの処理も早まるでしょう。この読み替えの定義が、後から記録を元の形へ戻せるかどうかを分けます。

4階層のうち、情報伝達規約は通信の手順を、情報表現規約は電文の項目と並びを定めます2。業務運用規約は障害時の再送や訂正の扱いを決め、取引基本規約は取引の効力に関わる合意を受け持ちます。流通の分野では、この考え方を業界の標準仕様としてまとめた流通BMSが公開されています3。標準に寄せるほど、取引先ごとの個別対応は軽くなるでしょう。逆に個別の仕様が残る取引先ほど、記録の形式も分かれていきます。

紙のやり取りでは、注文書という物としての原本が手元に残ります。電子データ交換で原本にあたるものは電磁的記録であり、置かれる場所も自社の基幹システムとは限りません。回線の先の仕組みに置かれたまま、社内に写しが無い場合もあります。紙と同じ感覚で、出力しておけば足りると考えると、要件から外れることがあります。この違いが、後で述べる保存義務の当事者や原本の所在という論点につながります。

利用の場面は業種ごとに異なり、製造業の資材調達、小売業の補充発注、物流業の貨物追跡という3つが典型として挙げられています*4。いずれも日々の取引量が多く、電文の件数がそのまま保存すべき記録の件数になります。取引先が増えれば、規約の組み合わせもその分だけ増えます。運用の設計を後回しにすると、保存の可否を確かめる作業が積み上がっていきます。

読み替えますと、電子データ交換の導入は業務の効率化であると同時に、記録管理の設計でもあります。どの電文を、どの形式で、何年残すのかを決めない限り、要件を満たしているかどうかは判断できません。次の節では、その判断の前提となる法令の全体像を整理します。

見積で条件と価格を照会し、注文で数量と納期を伝え、出荷案内で出荷の内容を知らせ、請求で代金の額を確定するという順序を表しています。
電子データ交換でやり取りする取引情報の順序

保存要件の点検で先に確かめる5点(順位の根拠:着手の順序)

  1. 対象となる電文を洗い出します。見積、注文、注文請け、出荷案内、受領、請求という6つの区分のうち、どれが電子取引に当たるかを取引先ごとに分けます。
  2. 真実性の確保の措置を決めます。タイムスタンプ、訂正削除の履歴が残る仕組み、事務処理規程を含む4つの措置のうち、どれで満たすのかを改修の要否から選びます。
  3. 検索機能を試します。取引年月日、取引金額、取引先の3項目で検索でき、ダウンロードの求めに応じられるかを実際の記録で確かめます。
  4. 保存期間を法令ごとに割り当てます。国税の原則7年、欠損金が生じた事業年度の10年、委託取引の2年を同じ台帳で管理できる形にします。
  5. 移行と終了の手順を決めます。サービスの切替や終了に備え、記録の取り出しの形式、件数、対象の期間を契約と仕様で確かめます。

電子データ交換に関わる法令の全体像

電子データ交換でやり取りした記録には、複数の法令が同時にかかります。国税の分野では電子帳簿保存法第7条が電子取引の記録の保存を義務づけ、細目は同法施行規則第4条が定めます56。委託取引では、2026年に施行された中小受託取引適正化法が書面の交付と記録の保存を求めます*7。会社法の帳簿保存も重なりますので、期間の長い法令に合わせて整理する進め方が実務に沿います。どれか1つを満たせば足りるという関係ではありません。

電子帳簿保存法は1998年に制定された法律で、国税関係の帳簿書類を電磁的記録で保存する場合の特例を定めます5。その第7条が、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存を求める条文です。電子データ交換による受発注も、この電子取引に含まれます1。したがって紙に出力したものを原本として残す運用は、現在の条文の下では認められていません。保存の可否は、出力の有無ではなく記録の残し方で判断されます。

具体的な要件は、同法施行規則第4条に置かれています6。真実性の確保と可視性の確保という2つの柱があり、それぞれに満たすべき事項が並びます。細かな解釈は所管の官庁が公表する一問一答で示され、改訂も重ねられています1*11。条文と一問一答の双方を見ないと、選べる措置の全体は把握できません。参照した資料の版と確認した時点を控えておくと、後の説明が容易になります。

委託取引の側では、下請代金支払遅延等防止法が2026年に中小受託取引適正化法へ改められました7。委託の内容や代金を明らかにする書類の作成と保存については、保存の期間を2年とする規則が置かれています9。電磁的方法で提供する場合の留意事項も公表され、2023年に改正されました*8。旧法を前提とした資料が残りますので、名称や条番号は最新の公表資料で確かめる必要があります。

会社法にも会計帳簿や事業に関する重要な資料の保存を求める規定があり、国税の期間とは一致しません。同じ注文の記録に、国税の側の期間と委託取引の2年が同時にかかる場合もあります19。年数の根拠は法令ごとに別々ですので、条文で確かめたうえで社内の基準を決めることになります。短いほうへ合わせますと、長い期間を求める法令の側で記録が足りなくなります。適用に迷う点は、所轄の税務署や専門家へ確かめる道が残されています。

3つの領域を並べますと、求めるものの向きが異なります。国税の法令は記録の残し方と検索の可否を見ます。委託取引の法令は、交付した内容と手元の控えが一致しているかを見ます。会社法は事業の記録としての保存期間を定めます。どれも同じ電文に関わりますので、法令ごとに別々の運用を作ると管理が重くなるでしょう。

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電子取引データに求められる保存要件

電子取引の記録に求められる要件は、真実性の確保と可視性の確保の2つに大別されます6。真実性の確保では4つの措置から自社の運用に合うものを選びます。可視性の確保では、見読可能装置の備付けとシステム概要書の備付け、そして検索機能の確保が求められます。検索機能は取引年月日、取引金額、取引先という3項目を軸に組み立てます1。要件の満たし方は事業者の規模や取引の形態によって分かれます。

真実性の確保として示されている措置は4つです*1。1つ目は送信側でタイムスタンプが付与された記録を受け取る方法、2つ目は受領後に速やかにタイムスタンプを付与する方法です。タイムスタンプの付与は、定められた期間内に済ませることが条件となります。3つ目は訂正や削除の履歴が残る仕組み、または訂正削除ができない仕組みで電文を授受し保存する方法です。4つ目が、正当な理由のない訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する方法になります。

可視性の確保では、保存した記録を速やかに出力できる状態が求められます。見読可能装置の備付けとして画面と書面へ出力できる機器を用意し、システム概要書の備付けとして仕組みの説明資料をそろえます*6。電子データ交換の電文は機械向けの形式ですので、人が読める形へ戻せることを確かめておく必要があります。取引先ごとに形式が違う場合は、その分だけ確認の手数が増えていきます。

検索機能の確保は3つの水準に分かれます*1。取引年月日、取引金額、取引先での検索、日付または金額の範囲指定、そして2以上の記録項目の組み合わせという並びです。税務職員によるダウンロードの求めに応じられる場合は、範囲指定と組み合わせの2つが不要とされています。自社の運用がどの水準にあるかを、先に確かめておくとよいでしょう。

検索機能そのものが不要となる取扱いもあります。判定期間の売上高が5,000万円以下である場合などが該当し、この基準額は以前の1,000万円から改正で引き上げられました1。自社が対象かどうかは、執筆の時点の施行規則と最新の一問一答で確かめる必要があります6*11。売上が基準を超えた年度に運用が追いつかない例もありますので、売上の変動も併せて見ておきます。

4つ目の措置である事務処理規程は、仕組みの改修を伴わずに始められる選択肢です*1。規程には、対象となる取引、訂正削除の申請と承認、責任者の定めを書き出します。運用の面では、実際の訂正や削除がその手順どおりに記録されている状態を保ちます。規程だけを備え、運用が伴わない状態では要件を満たしたことになりません。

真実性の確保ではタイムスタンプの付与か事務処理規程のいずれかを選び、可視性の確保では見読可能装置の備付けとシステム概要書の備付けをそろえ、検索機能の確保では取引年月日による検索と記録項目の組み合わせに応えるという内訳を表しています。
電子取引の記録に求められる保存要件の内訳

書類ごとの保存期間と原本の考え方

保存の期間は、記録の種類ではなく根拠となる法令ごとに決まります。国税の分野では原則7年、欠損金が生じた事業年度に係る帳簿書類は10年とされ、委託取引の書類は2年です19。同じ受注データに複数の期間が重なる場合、短い期間で消しますと他の法令の側で記録が足りなくなります。原本として何を残すかも、併せて決めておく論点です。電文そのものか、取り込んだ後の伝票かで、後から確かめられる範囲が変わります。

国税の分野では、法人税法に基づき帳簿と取引に関する書類を原則7年間保存します1。欠損金が生じた事業年度については10年間へ延びます。電子取引の記録も同じ期間の対象で、電子帳簿保存法の下では電磁的記録のまま残すことになります5。期間の起算は申告期限を基準にしますので、取引の日から7年ではない点に注意が要ります。

委託取引では、中小受託取引適正化法に関わる規則により、書類または電磁的記録を2年間保存することが求められます*9。国税の7年と比べますと短く、先に保存の期限が来ます。ただし同じ注文の記録が国税の対象でもある場合、2年で消してよいことにはなりません。会社法の保存期間も別に定められており、年数は条文で確かめる必要があります。

どのデータを原本として残すかは、電文と取り込み後の伝票のどちらを基準にするかという判断です。受け取った電文には、相手先が送った内容がそのまま残ります。基幹システムへ取り込んだ後の伝票は自社の項目へ読み替えられており、桁や区分が丸められることがあります。取引の内容を後から確かめる用途では、受け取った電文の側を残す扱いが取りやすいと考えられます。

取り込み後のデータだけを残す運用にする場合は、読み替えの定義と変換の記録も併せて残す必要があります。どの項目がどう写されたのかを示せなければ、元の取引情報を復元できません。訂正が入った電文の扱いも決めておきます。後から送られた訂正の電文で上書きしますと、当初の内容と訂正の履歴が失われます。

回線の先のサービスに記録を預けている場合でも、保存の義務は取引の当事者に残ります*1。サービスの画面で閲覧できることと、自社が保存要件を満たしていることは別の話です。契約の中で、保存の期間、取り出しの方法、終了の際のデータの返還がどう定められているかを確かめます。期間の途中で解約する場面を想定し、取り出せる形式も控えておくとよいでしょう。

根拠となる法令 保存の対象 保存の期間
法人税法 帳簿と取引に関する書類 原則7年
法人税法 欠損金が生じた事業年度の帳簿書類 10年
中小受託取引適正化法 委託の内容を明らかにする書類 2年
電子帳簿保存法 電子取引の取引情報の記録 国税の法令の期間に従う
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取引先とのやり取りで求められる書面と記録の扱い

委託取引では、委託の内容や代金を明らかにする書面の交付が求められ、電磁的方法で提供することもできます78。提供した内容は、後から確かめられる形で控えを残します。書類または電磁的記録の保存の期間は2年とされています*9。電子データ交換で注文を送る場合、その電文が交付の手段を兼ねることがありますので、送信の記録と保存の記録を一致させる工夫が要ります。

電磁的方法で提供する場合の留意事項は公表されており、2023年に改正されました8。提供の方法や、相手方が内容を確かめられる状態にすることなどが整理されています。2026年の中小受託取引適正化法の施行に伴い、名称や条番号が改まった部分もあります7。参照する資料の版と確認した時点を控え、旧法を前提とした説明と混ぜない扱いが求められます。

交付した内容と保存した記録を一致させるには、送信の時点の電文をそのまま控える方法が分かりやすいでしょう。画面で作成した注文を後から編集できる仕組みでは、送った内容と手元の内容がずれることがあります。送信済みの電文を別の領域へ複写し、編集の対象から外す運用が採られます。複写の時点と件数を控えておきますと、後の照合が容易になります。

発注の内容を変更した場合は、変更の前と後の双方を残します。訂正の電文で上書きしますと、当初の内容が失われ、いつ何を変えたのかを示せません。訂正や削除の履歴が残る仕組みを使う場合は、その履歴が保存の対象に含まれているかを確かめます。事務処理規程で対応する場合は、変更の申請と承認の記録を規程どおりに残すことになります。

注文だけでなく、注文請けや出荷案内、受領の電文も取引情報に含まれます*1。金額に関わる合意が電文の往復で成立する場面では、その往復の記録が交付の内容を裏づけます。片方向の送信だけを残しますと、相手が承諾した事実を示せません。取引先ごとに、6つの区分のうちどの電文まで残すのかを取り決めておくと、判断が揺れずに済みます。

書面の要件と保存の要件は、目的が異なります。書面の要件は取引の条件を相手へ示すためのもので、保存の要件は後から内容を確かめるためのものです。同じ電文が両方の役割を担う場合、どちらの基準にも合う形で残す必要があります。適用の可否に迷う点は、所管の窓口や専門家へ確かめる方法があります。

保存要件を満たす運用と社内体制のつくり方

運用の設計では、記録の入口から出口までを一続きで決めます。電文の受信、保存先への複写、検索項目の付与、期間の管理、廃棄という順序です。移行や切替の場面では、この一続きが途切れやすく、過去の記録が引き出せなくなることがあります。国税の7年と委託取引の2年という異なる期間を、同じ台帳で管理できる形にしておきますと点検が軽くなります19。

回線やサービスを切り替える場合は、切替の前に過去の記録の取り出しを済ませます。取り出せる形式、件数、対象の期間を契約と仕様で確かめ、欠けた分を後から補えるかを見ます。サービスの終了が決まってから動きますと、取り出しの窓口が閉じた後になることがあります。移行の計画には、旧環境の記録を保存期間の満了まで参照できる手立てを含めておきます。

部門をまたぐ役割は、あらかじめ書き出しておきます。受発注の担当は電文の内容を、情報システムの担当は保存先と検索の仕組みを、経理の担当は期間と証憑の対応を見ます。3つの担当のどこかが欠けますと、要件のうち片方だけが満たされた状態になりがちです。誰が点検し、誰が承認するのかを決めておきますと、担当が交代しても運用が続きます。

点検では、保存した記録が要件どおりに取り出せるかを実際に試します。取引年月日、取引金額、取引先の3項目で検索し、画面と書面へ出力できることを確かめます*1。取引先ごとに形式が違う場合は、形式の数だけ試す対象が増えます。試した対象と結果を控えておきますと、後の説明の材料になるでしょう。

内製で運用を組み立てる場合、必要な知見は1つの部門に収まりません。法令の要件の読み解き、電文の形式の把握、保存先の設計と権限の管理という3つの領域にまたがります。担当が兼務で回している場合、切替の時期に点検が後回しになりやすいと考えられます。外部の支援を使う判断は、難しさよりも、記録が途切れる場面を減らす目的で選ばれます。

税務調査や監査に備える準備は、特別なものではありません。求めに応じてダウンロードできる状態を保ち、どの記録がどこにあるのかを示せるようにします*1。事務処理規程で対応している場合は、規程と実際の運用が食い違っていないかを見直します。個別の適用について判断がつかない点は、所轄の税務署や専門家へ確かめる方法が残されています。

電文の受信から保存先への複写、検索項目の付与、期間の管理を経て廃棄に至るまでの手順の並びを表しています。
電子取引の記録を受信から廃棄まで取り回す手順の並び

システム選定と見直しの視点

選定では、保存要件への適合、既存業務との接続性、運用負荷という3つの観点で見比べます。適合の確認では、真実性の確保と可視性の確保のそれぞれについて、どの措置で満たすのかを製品の資料で確かめます。電子取引に関わる法的要件を確認する第三者の認証制度もあり、判断の材料になります*10。ただし認証の有無だけで、自社の運用が要件を満たすとは限りません。

保存要件への適合を確かめる観点は3つに整理できます。1つ目は真実性の措置で、タイムスタンプ、訂正削除の履歴、事務処理規程のどれで満たすのかという点です。2つ目は検索で、取引年月日、取引金額、取引先の3項目と、範囲指定、記録項目の組み合わせに応えられるかを見ます。3つ目は出力で、機械向けの電文を人が読める形へ戻せるかどうかになります*6。

既存業務との接続性では、取引先ごとの規約の違いをどこまで吸収できるかを見ます。情報伝達規約と情報表現規約が異なる取引先が残る場合、変換の定義がその分だけ増えます2。流通BMSのような業界の標準仕様に対応していれば、その範囲の個別対応は減るでしょう3。標準に乗らない取引先の分は、変換と保存の手当てを別に考えることになります。

運用負荷は、日々の手数と、期間の管理の手数に分かれます。検索項目の付与が自動であれば日々の手数は小さく、手作業であれば件数に比例して増えます。保存期間の満了を仕組みの側で判定できるかどうかも、7年と2年が混在する場面で効いてきます19。見積の段階で、月あたりの電文の件数と取引先の数を数えておきますと比べやすくなります。

導入した後も、法令の改正で要件は動きます。検索が不要となる売上の基準や、猶予の取扱いは改正で変わってきました1。年度ごとに、参照している資料が最新かどうかを見直します。改正の有無は、条文と最新の一問一答の双方で確かめます6*11。見直しの結果、選んだ措置を変える判断もあり得ます。

内製で確かめる場合と、外部の支援を受ける場合では、確認の速さと抜けの少なさが変わります。内製では、法令の読み解き、電文の形式の把握、保存先の設計という3つの領域を自社で束ねることになります。外部の支援では、要件の一覧に沿って現状を突き合わせる進め方が取りやすくなります。いずれの場合も、最終的な適用の可否は所轄の税務署や専門家への確認が要ります。

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よくある質問

EDIでやり取りしたデータは、紙に印刷して保存すれば足りますか。

紙の出力だけでは足りません。電子取引の取引情報に係る電磁的記録は、電子帳簿保存法第7条により電磁的記録のまま保存することが求められます。書面への出力は、内容を確かめる手段としては使えますが、保存の要件を満たす代わりにはなりません。猶予の取扱いの適用を検討する場合も、最新の施行規則と一問一答で条件を確かめてください。

EDIサービスにデータを預けていれば、自社では保存しなくてもよいのですか。

保存の義務は取引の当事者に残ります。サービスの画面で閲覧できることと、自社が保存要件を満たしていることは別の話です。契約の中で、保存の期間、取り出しの方法、終了の際の返還がどう定められているかを確かめてください。国税の原則7年に対して契約の保管期間が短い場合は、自社側へ複写する運用を併せて設計します。

取引先ごとに電文の形式が違う場合、どこまで統一が必要ですか。

形式の統一そのものは法令の要件ではありません。求められるのは、取引年月日、取引金額、取引先の3項目で検索でき、人が読める形へ出力できることです。形式が分かれたままでも、その3項目を取り出せる仕組みがあれば要件には対応できます。ただし形式の数だけ点検の対象が増えますので、標準仕様へ寄せると手数は減ります。

サービスの終了や回線の切替で過去のデータが取り出せなくなったら、どうなりますか。

保存の義務は残りますので、取り出せない状態は要件を満たさない状態になります。切替の前に、対象の期間と件数を決めて記録を取り出し、自社の保存先へ複写しておくことが要ります。委託取引の2年と国税の7年では満了の時期が違いますので、長いほうを基準に取り出す範囲を決めます。取り出しの時点と件数も控えておきます。

Web-EDIやBtoB ECへ移行した後も、過去のデータの保存義務は続きますか。

続きます。移行は保存期間を切る理由にはならず、旧環境で受け渡した記録も満了まで残す必要があります。新旧の環境で検索の項目がそろわない場合は、旧環境の記録を別の台帳で管理し、取引年月日、取引金額、取引先で探せる状態を保ちます。個別の適用に迷う点は、所轄の税務署や専門家へ確かめてください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. *1 出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(2025) 経路
  2. *2 出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会「EDIの概要」(公表年の表記なし) 経路
  3. *3 出典:流通BMS協議会「流通BMS標準仕様」(公表年の表記なし) 経路
  4. *4 出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会「日本の典型的なEDI」(公表年の表記なし) 経路
  5. *5 出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 第7条」(1998) 経路
  6. *6 出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「同法施行規則 第4条」(1998) 経路
  7. *7 出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」(2026) 経路
  8. *8 出典:公正取引委員会「下請取引における電磁的記録の提供に関する留意事項」(2023) 経路
  9. *9 出典:公正取引委員会「下請代金支払遅延等防止法第5条の書類又は電磁的記録の作成及び保存に関する規則」(公表年の表記なし) 経路
  10. *10 出典:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会「電子取引ソフト法的要件認証制度」(公表年の表記なし) 経路
  11. *11 出典:国税庁「電子帳簿保存法関係」(公表年の表記なし) 経路

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  1. A beautifully designed chamber room with ornate woodwork and/Photo by Michael D Beckwith on Pexels
  2. Stack of colorful ring binders and documents on a modern off/Photo by Jakub Zerdzicki on Pexels
  3. A stylish desk with a laptop showing 11:30 AM, a ring binder/Photo by Leeloo The First on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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