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企業間電子商取引の費用|初期費用の内訳と抑え方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 企業間電子商取引の費用は初期費用と月額費用の2種類で、初期費用は利用開始・画面設計・機能の設定・データ移行・公開前の検証の5項目に分かれます。
  • 構築方式はクラウド型・パッケージ型・個別開発の3つで、初期費用の中心となる作業が入れ替わります。
  • 取引先別の価格、掛売と与信、標準仕様への対応、取引データの保存という4つの要件が金額の幅を作ります。
  • 比較は3年間の総額で並べ、初期費用に月額の36か月分を足した金額を突き合わせます。
  • 支援制度は年度ごとの公募要領で対象経費と補助率が定まり、審査を経て採択されます。

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▽ 写真の出典元

企業間電子商取引の費用構造と初期費用の位置づけ

企業間電子商取引とは、企業と企業の間の受発注や見積り、請求のやり取りを、電話やFAXに代えて画面やデータで扱う取引の形です。費用は初期費用と月額費用の2種類に分かれ、初期費用は公開までに1回だけ生じる支出をまとめたものです。金額は構築方式と要件の数で動きますので、単一の相場では表せません。稟議では、内訳の項目ごとに根拠を示す形が通ります。ここでは費用の全体像と、初期費用が置かれる位置を整理します。

企業間電子商取引は、事業者間の取引をデータでやり取りする仕組み全体を指します。受発注の画面を持つサイトのほか、取引先の基幹システムとデータを直接つなぐ形も含まれます。事業者間取引のデジタル化は、総務省の『情報通信白書』(該当年版)でも取り上げられており、政策の側からも進み方が追われています1

初期費用と月額費用は、支払う回数が違います。初期費用は契約や構築にあわせて1回だけ、月額費用は利用している間ずっと生じます。比べるときに片方だけを見ると、判断を誤ります。3年間で見るなら、初期費用に月額の36か月分を足した金額が比較の土台になります。支払う回数の違いを押さえると、見積書の読み方も変わってきます。

初期費用の金額は、要件の数と構築方式で動きます。取引先ごとに違う価格を持つのか、掛売の与信をどこまで自動で判定するのか、既存の受発注業務をどこまで移すのかが分かれ目です。この3点が決まらないうちは、見積りの幅も縮まりません。要件が固まらないまま複数社へ依頼すると、前提の違う見積りが並び、金額の差の理由が読めなくなります。

検討から公開までの作業は、要件の整理・構築と設定・移行と公開の3段階に分けられます。要件の整理では、取引条件の洗い出しと費用の見積り依頼を進めます。構築と設定は画面設計と機能の設定が中心で、ここでの作り込みの量が費用に直結します。移行と公開ではデータ移行と公開前の検証が入り、ここを削ると公開後の手戻りにつながります。

公開後に要件を足す場合、費用は初期費用ではなく改修の費用として生じます。画面の追加や取引先別の価格の作り込みは、後から入れるほど作業がかさみます。公開前の1回で決めきれない前提に立ち、どこを後回しにするかを先に決めておく進め方が現実的です。改修の単価や対応の範囲は契約時に決まりますので、初期費用の交渉と同じ場で確かめておきましょう。

予算を申請する側から見ると、初期費用は年度内に1回で計上する支出、月額費用は毎年度続く支出です。この2つを混ぜた総額だけを出すと、翌年度以降の負担が見えにくくなります。申請書では、初期費用の内訳と月額費用の年額を分けて並べてください。判断する側が比べやすい形になります。

検討から公開までの作業を3段階で示しています。要件の整理では、取引条件の洗い出しと費用の見積り依頼を進めます。構築と設定では、画面設計と機能の設定を進めます。移行と公開では、データ移行と公開前の検証を進めます。
検討から公開までの3段階と段階ごとに進める作業

見積りを比べる前に確かめる5点(順位根拠:確認の依存関係にもとづく実施順序)

  1. 初期費用の内訳が、利用開始・画面設計と構築・機能の設定・データ移行・公開前の検証の5項目に分かれているかを確かめます。一式の金額では作業の量が読めません。
  2. 前提条件として、取引先の数、商品の点数、連携の相手、移行するデータの範囲を各社で同じにそろえます。前提が違えば同じ要件でも金額は変わります。
  3. 税別か税込か、初回のみか月額か、オプションが初期費用に含まれるのかを、欄ごとに分けて確かめます。
  4. 初期費用に月額費用の36か月分を足した3年間の総額で並べ、方式の違いを同じ土俵に乗せます。5年で比べるなら60か月分を加えます。
  5. 改修の単価、取引先の追加の単位ごとの費用、保守の範囲、契約の期間と更新の条件を、契約前に文書で受け取ります。

初期費用の内訳

初期費用は、大きく5つの項目に分かれます。システム利用の開始、画面設計と構築、機能の設定、データ移行、公開前の検証の5つです。内訳が分かれていない見積書は、比較の土台になりません。見積書に載っていない項目はどれでしょうか。そこを確かめると、後から足される費用の見当がつきます。各項目の相場を単一の金額で示すことはできませんので、公開されている料金表と自社の要件を突き合わせる形で確かめます。

1つ目は、システム利用を開始するための費用です。クラウド型では初期費用として料金表に掲げられていることがあり、金額と条件を提供元の公式ページで確かめられます678。ただし料金は改まりますので、閲覧した時点の表示で判断してください。税別か税込か、初回のみか年額かの別も、同じページで確かめる項目です。

2つ目は画面設計と構築、3つ目は機能の設定にかかる費用です。受発注の画面をどこまで自社の商習慣に合わせるかで、作業量が変わります。取引先ごとに見せる商品や価格を分ける要件は、設定だけで済む場合と作り込みが必要な場合に分かれます。どちらになるかは、選ぶ製品の標準機能の範囲で決まってきます。

4つ目は、商品や取引先のデータ移行にかかる費用です。商品の項目名や単位、取引先の与信の情報は、既存の台帳と新しい仕組みで持ち方が違います。この差を埋める作業は、件数ではなく項目の不一致の数で重くなります。移行の対象を公開時点で必要な範囲に絞ると、初期費用を抑えられます。

5つ目は、公開前の検証にかかる費用です。取引先が実際に注文を通せるか、掛売の請求が合うかを、公開の前に確かめます。内製で進める場合、受発注業務の知識、データ移行の設計、取引先との調整の3つを担える人員が要ります。この3つのうち1つでも欠けると、公開後に修正の作業が積み上がっていきます。

上の5項目のほかに、見積書へ現れにくい費用があります。自社の担当者が要件の整理や検証に使う時間は、見積書には載りません。既存の受発注業務を止めずに切り替える段取りも、社内の作業として残ります。委託の範囲を線で区切るときは、残る作業の側も書き出してください。公開後の運用を誰が担うかも、この段階で決めておくと後の負担が読めます。

オプションの費用を初期費用に混ぜないでください。取引先の追加、外部システムとの連携、帳票の追加は、契約後に単位ごとの費用として生じます。初期費用の欄に含まれるのか、別に請求されるのかで、総額の見え方が変わります。見積書では、初期費用・月額費用・オプションの3つを分けた形で受け取りましょう。

自社の商流に合わせた要件整理を進めたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。

構築方式による初期費用の違い

構築方式は、クラウド型、パッケージ型、オープンソースや個別開発の3つに整理できます。初期費用の中心となる作業はこの3つで入れ替わります。クラウド型は利用開始の設定が中心、パッケージ型は導入作業と設定が中心、個別開発は設計と開発が中心です。どの方式で安く済むかは要件の数で入れ替わりますので、方式の名前だけで順位は付けられません。比べる軸は金額そのものではなく、要件を満たすまでに必要な作業の量です。

クラウド型は、提供元の仕組みを共同で使う方式です。初期費用と月額費用が料金表に示されている提供元があり、契約前に金額と上限を確かめられます67。会員数や商品数、登録できる取引先の数に上限が置かれている場合、上限を超えた先の費用も先に確かめる点になります。標準機能の範囲で足りる場合は、作り込みの作業が減りますので、初期費用を抑える要因になります。利用開始の設定が中心になる分、公開までの作業は社内の要件整理に寄ります。

パッケージ型は、企業間取引向けに作られた製品を自社の要件に合わせて導入する方式です。製品に載っている機能を設定で使う部分と、追加で作り込む部分に分かれます。初期費用は導入作業と設定が中心となり、作り込みの量で幅が出ます8。改修の扱いと保守の範囲が契約でどう決まるかを、初期費用と同じ場で確かめてください。

オープンソースや個別開発は、自社の要件に合わせて設計から作る方式です。ライセンスの費用が生じない場合でも、設計と開発の作業が初期費用の中心に移ります。工程ごとの見積りを受け取り、どの工程に何人がどの作業で入るのかを確かめる形が要ります。公開後の改修も自社側で段取りすることになりますので、運用の体制まで含めて判断しましょう。

内製で進める場合と外部に委託する場合では、費用の現れ方が違います。内製では見積書の金額が小さくなる代わりに、要件の整理、データ移行の設計、検証の作業が社内に残ります。委託では金額が見積書に集まり、社内に残る作業は要件の確認と受入の検証に絞られます。見積書の金額だけを並べると、社内に残る作業が金額に現れませんので、内製と委託を同じ条件では比べられません。どちらを選ぶ場合も、社内に残る作業を工数として書き出したうえで比べる形が公平です。

方式を先に決めてから要件を並べる順序では、費用の見通しが立ちにくくなります。取引先の数、価格の分け方、既存システムとの連携の3点を先に書き出してください。この3点が同じなら、方式の違いは作業量の違いとして比べられます。判断の材料がそろわないうちに方式を固めると、公開後の改修で費用が積み増しになります。順序を逆にするだけで、比較の精度は上がります。

構築方式 初期費用の中心となる作業 確かめる点
クラウド型 利用開始の設定 会員数や商品数の上限と超えた先の費用
パッケージ型 導入作業と設定 改修の扱いと保守の範囲
オープンソースや個別開発 設計と開発 工程ごとの見積りと運用の体制

企業間取引に固有の要件が初期費用を左右する理由

企業間の取引には、消費者向けの通販には無い要件が入ります。取引先ごとに違う価格、掛売と与信の判定、受発注データの連携、取引データの保存です。この4つは設定だけで済む場合と作り込みが必要な場合に分かれますので、初期費用に幅が生じる要因になります。金額を動かす主な変動要因は、機能の数ではなく取引先との約束事の細かさです。要件を先に確かめると、見積りの幅も縮まります。

取引先ごとの価格は、企業間取引の費用を動かす主要な要件です。同じ商品に取引先別の単価を持たせるのか、数量の段階で単価を変えるのかで、持つべきデータの数が変わります。標準機能で取引先別の価格表を持てる製品なら、設定の作業で収まります。持てない場合は、価格の決め方そのものを作り込むことになります。取引先の数が増えるほど、価格表の点数も比例して増えていきます。

掛売と与信の判定も、初期費用に現れます。与信の枠を人が確かめるのか、注文の時点で自動で判定するのかで、必要な作り込みが変わります。請求の締めや支払の条件が取引先ごとに違う場合、その組み合わせの数だけ設定が増えます。既存の会計や販売管理の仕組みと突き合わせる作業も、この要件に含まれます。判定の条件を文書にしておくと、見積りの前提として各社へ共有できます。

受発注データの連携では、業界で使われている標準仕様への対応が論点になります。流通の分野では、事業者間のメッセージを共通の形で扱う標準仕様として流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)が公開されており、基本形のVer.2.0が2018年に示されています5。この版の後に改定が入っている場合がありますので、参照するときは提供元である一般財団法人流通システム開発センターの公開情報で最新版と公表年を確かめ、最新版を前提として書き入れてください。対応が必要かどうかは取引先と業界で違いますので、一律に必要とは言えません。取引先から指定がある場合に限り、対応の範囲を見積りの前提として書き入れてください。

取引データの保存要件は、公開の前に確かめる項目です。電子でやり取りした取引の記録は、国税庁の『電子帳簿保存法一問一答(令和7年6月版)』で電子のまま保存する扱いが示されています4。検索の要件として、取引年月日・取引金額・取引先の3項目で探せる状態が求められます4。保存の期間は原則7年、欠損金の繰越がある事業年度では10年とする扱いが示されています4。判定期間の売上高が5,000万円以下の場合など要件が緩む扱いもありますので、自社が当たるかを確かめてください4

この要件を満たさないまま公開すると、公開後に保存の仕組みを作り直す作業が生じます。作り直しの作業は、初期費用の枠ではなく改修の費用として現れます。受発注の記録をどの仕組みで保存するのか、サイト側か会計側かを先に決めておいてください。一問一答は改まりますので、令和7年6月版のように参照した版年を稟議の資料へ書き添えておくと安全です。税務そのものの判断は、専門家に確かめる範囲として残しておきます。

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▽ 写真の出典元

初期費用を抑える進め方

初期費用を抑える道は、値引きの交渉ではなく要件の絞り込みにあります。要件の優先順位づけ、段階的な公開、標準機能の見極め、支援制度の確認の4段で進めます。この順で進めると、公開の時点で必要な範囲だけが初期費用に残ります。ただし削る対象を誤ると公開後の改修で戻ってきますので、削る基準を先に決めてください。基準は、取引先が注文を通せるかどうかの1点で足ります。

要件の優先順位づけでは、公開の時点で無いと注文が通らない機能を先に選びます。取引先別の価格や掛売の判定は、この列に入る要件です。帳票の細かい体裁や社内向けの集計は、後の段に回せます。公開時・次の段階・要望次第の3つに分けて並べると、判断しやすくなります。並べる作業は自社側で担う範囲ですので、委託の前に済ませておくと見積りの精度が上がります。

段階的な公開は、初期費用を時期で分ける進め方です。1回目の公開を主要な取引先に絞ると、移行するデータの点数も検証の範囲も小さくなります。2回目以降で対象を広げる形にすれば、費用も同じ順で分かれます。ただし段階を分ける前提は契約に書き入れてください。後から分けると、追加の作業として費用が生じます。

標準機能の見極めは、作り込みを減らす作業です。自社の商習慣のうち、製品の標準機能で置き換えられる部分がどこまでかを確かめます。運用の手順を製品側に合わせると、初期費用も公開後の改修も軽くなります。逆に、既存の手順をそのまま写す要件は作り込みの量を増やします。見極めには、製品の標準機能の一覧と自社の運用手順を突き合わせる作業が要ります。

公的な支援制度は、初期費用の一部を対象にできる場合があります。国の制度では、IT導入補助金のように通常枠などの枠が置かれ、対象経費と補助率が年度ごとの公募要領で定められています23。ただし審査がありますので、採択を前提に予算を組む進め方は避けてください。枠や要件は年度で改まりますので、2026年度に申請するなら同じ年度の公募要領で確かめる形になります3

安く始めた場合に後から生じやすい費用も、先に見ておきましょう。取引先を増やしたときの追加、連携の追加、保存要件への対応は、公開後に生じやすい項目です。初期費用を下げた分が改修の費用に移るだけなら、総額は変わりません。3年間の総額で比べる習慣を持つと、この入れ替わりに気づけます。見積りの段階で、追加が生じたときの単位ごとの費用を確かめておきましょう。

初期費用を抑える進め方を4段で示しています。要件の優先順位づけで公開の時点で要る機能を選び、段階的な公開で1回目を主要な取引先に絞り、標準機能の見極めで作り込みを減らし、支援制度の確認で対象経費と補助率を確かめます。
初期費用を抑える要件の絞り込みの4段の順序

見積りを比較するときの確認点

見積りは、金額の大小ではなく前提の違いで比べます。内訳の確認、前提条件の確認、合算での比較、契約条件の確認の4段を同じ順で当てると、金額の差の理由が見えます。前提がそろっていない見積りを並べても、比較にはなりません。差の理由を1行で書ければ、判断する側も追えます。同じ質問を各社へ投げる形が、前提をそろえる近道です。

内訳の確認では、初期費用の5項目が分かれて書かれているかを見ます。利用開始、画面設計と構築、機能の設定、データ移行、公開前の検証です。一式でまとめられた金額は、作業の量が読めません。金額が同じでも、担う範囲が違えば比較にはなりません。見積書の欄が5項目より少ないときは、どこに含めたのかを確かめます。

前提条件の確認では、取引先の数、商品の点数、連携の相手、移行するデータの範囲を見ます。この前提が違えば、同じ要件でも金額は変わります。税別か税込か、初回のみか年額かの別も前提の1つです。オプションが初期費用に含まれるのかも、この段で分けておきます。前提を1枚の表に書き出して各社へ渡すと、返ってくる見積りの粒度がそろいます。

合算での比較では、初期費用に月額費用の期間分を足します。3年で見るなら月額の36か月分、5年で見るなら60か月分を加えた金額を並べます。初期費用が軽い見積りでも、月額が重ければ合算では入れ替わります。比べる期間は自社の更新の周期に合わせて決めてください。合算の期間を各社で同じにしておくことも、比較の条件になります。

契約条件の確認では、公開後に生じる費用の決め方を見ます。改修の単価、追加の取引先の単位ごとの費用、保守の範囲、契約の期間と更新の条件です。ここが空欄のままの見積りでは、公開後の総額が読めません。契約前に文書で受け取り、稟議の資料に添えておきましょう。更新のたびに条件が変わる契約では、合算の前提も置き直すことになります。

見積りを読み解く作業には、社内にも人手が要ります。受発注業務の知識、データの持ち方の理解、契約条件の読み取りの3つを、同じ担当者がそろえて持つとは限りません。3つのどれかが欠ける場合は、FSOLの支援を使う方法があります。FSOLは、取引条件の洗い出しから要件の整理、各社の見積りを同じ前提で比べる作業までを伴走する形で支援していますので、判断の材料をそろえる場として使えます。相談の場には、要件の一覧と現在の受発注の流れを持ち込むと話が早く進みます。

見積りを比較するときの4段の確認を示しています。内訳の確認では、初期費用の5項目が分かれて書かれているかを見ます。前提条件の確認では、取引先の数、商品の点数、連携の相手、移行するデータの範囲を見ます。合算での比較では、初期費用に月額費用の期間分を足して並べます。契約条件の確認では、公開後に生じる費用の決め方を見ます。
見積りの比較で前提をそろえるための4段の確認
Person using smartphone and laptop in a cozy indoor workspace setting.
▽ 写真の出典元

費用の質問は、次の3つに集まります。初期費用を無料と表示するサービスの見方、既存の受発注業務がある場合の追加費用、公開後の改修にかかる単価と契約条項の決め方です。答えはいずれも初期費用だけを見ない点で共通しており、月額費用と単位ごとの費用まで並べて確かめる形になります。無料の表示は費用が消えたのではなく、月額や単位ごとの費用へ移った形として読みます。3年間の総額に置き直すと、比べられる形になります。

初期費用を無料と示す表示では、無料の対象がどこまでかを確かめてください。利用開始の設定だけが無料で、画面設計や機能の設定、データ移行は別の項目として残る場合があります。公開されている料金表では初期費用と月額費用が分けて示されていますので、対象の範囲もそこで確かめられます678。表示の言葉ではなく、料金表の欄で判断する形が安全です。

無料の表示があるときは、月額費用と単位ごとの費用まで並べてください。初期費用が軽い分、月額や取引先の追加の費用に移っている場合があります。3年間の総額で置き直すと、初期費用の差が総額のどこに現れるかが見えます。無料という言葉そのものは、比較の材料になりません。

既存の受発注業務がある場合、追加費用は移行と並行運用の2か所に生じます。移行では、商品や取引先のデータを新しい持ち方に合わせる作業が必要です。並行運用では、電話やFAXの受注を残したまま画面の受注を始める期間の手間が生じます。この期間の作業は見積書に載りませんが、社内の負担として実在します。

既存の販売管理や会計の仕組みと連携する場合、費用は連携の相手の数で増えます。取引先から標準仕様での連携を指定される場合は、その対応も見積りの前提に入ります5。連携を公開の1回目から入れるのか、次の段階に回すのかで初期費用は変わります。取引先の側の準備も見て、順序を決めてください。

公開後の改修については、単価と対応の範囲をどの条項で決めておくかが論点になります。改修の作業単価、追加の取引先の単位ごとの費用、保守に含まれる作業の線引き、依頼から対応までの期間の4点を、契約書の条項として文書で受け取ってください。条項に書かれていれば、費用が生じる時期と金額の見当が付きます。書かれていない場合は、公開後の交渉に委ねられます。

費用の見通しを作る作業は、要件を整理する作業と同じものです。初期費用は5つの項目に分かれますので、一式でまとめられた金額のままでは比較になりません。構築方式の違いは優劣の順位ではなく、初期費用の中心となる作業の入れ替わりとして現れます。判断は初期費用だけでなく、月額費用を足した3年間の総額で行ってください。要件が並べば、初期費用の内訳も見積りの前提もそろいます。

【参考文献】

1. 総務省『情報通信白書』(該当年版)/総務省/https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ (2026年時点で参照しています)

2. 『IT導入補助金 交付規程・公募要領』(該当年度版)/経済産業省・中小企業庁/https://it-shien.smrj.go.jp/ (2026年時点で参照しています)

3. 『IT導入補助金 公募要領(2026年度版)』/独立行政法人中小企業基盤整備機構/https://it-shien.smrj.go.jp/ (2026年時点で参照しています)

4. 『電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和7年6月版』/国税庁/2025年6月/https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/ (2026年時点で参照しています)

5. 『流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)基本形 Ver.2.0』/一般財団法人流通システム開発センター/2018年公表/https://www.dsri.jp/ryutsu-bms/ (2026年時点で参照しています。最新版の有無は同センターの公開情報で確認します)

6. 各サービス提供元の公式料金ページ(提供元名・ページ名・URL・参照日は入稿時に確定して記載します)

7. 各サービス提供元の公式料金ページ(提供元名・ページ名・URL・参照日は入稿時に確定して記載します)

8. 各パッケージ製品提供元の公式製品・料金ページ(提供元名・ページ名・URL・参照日は入稿時に確定して記載します)

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企業間電子商取引の費用に関するよくある質問

月額費用には何が含まれますか

月額費用には、システムの利用料と保守の範囲が含まれるのが一般的な形です。ただし含まれる上限は提供元ごとに違い、会員数や商品数、登録できる取引先の数で区切られている場合があります。上限を超えた分や追加の連携が別の請求になるかは、公開されている料金表で確かめられます678。初期費用の見積りと同じ場で、月額の内訳も受け取っておきましょう。

見積りを取る前に社内で決めておくことは何ですか

取引先の数、価格の分け方、掛売と与信の扱い、既存システムとの連携の4点を先に決めておいてください。この4点が決まらないうちは、各社の見積りが違う前提で並び、金額の差の理由が読めません。公開時に無いと注文が通らない機能と、次の段階に回せる機能を分けておくと、初期費用の範囲も絞れます。

支援制度は初期費用のどこまで対象になりますか

対象になる経費の範囲は、年度ごとの公募要領で定められています23。通常枠などの枠ごとに補助率と対象経費が示されますので、自社が使う費用が当たるかは公募要領の記載で確かめる形になります。審査がありますので、採択を前提に予算を組む進め方は避けてください。2026年度に申請するなら、同じ年度の要領で読み直します。

取引データの保存は自社のどの仕組みで持てばよいですか

電子でやり取りした取引の記録は、電子のまま保存する扱いが示されています4。取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる状態が求められ、保存の期間は原則7年、欠損金の繰越がある事業年度では10年とする扱いです4。サイト側で持つのか会計側で持つのかを公開前に決めておくと、後の作り直しを避けられます。

契約期間や更新の条件はどこを見ればよいですか

契約の期間、更新の時期、更新時の料金の改定の扱いを見てください。3年で総額を比べる場合、契約が1年ごとの更新なら、更新のたびに前提を置き直すことになります。改修の単価と保守の範囲も同じ書面で確かめると、公開後に生じる費用の見当が付きます。空欄のまま契約する形は避けましょう。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. *1 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書(顧客との接点や事業者間取引)」(2025) 経路
  2. *2 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局)「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠(補助額・補助率・対象経費)」(2026) 経路
  3. *3 出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」(2026) 経路
  4. *4 出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(2025・令和7年6月版) 経路
  5. *5 出典:一般財団法人流通システム開発センター/流通ビジネスメッセージ標準協議会「流通BMS標準仕様」(2018・基本形Ver.2.0) 経路
  6. *6 出典:株式会社Dai「Bカート 料金プラン(初期費用・月額費用)」(2026・閲覧時点) 経路
  7. *7 出典:GMOメイクショップ株式会社「makeshop BtoB 料金モデル」(2026・閲覧時点) 経路
  8. *8 出典:株式会社ecbeing「ecbeing BtoB 料金プラン」(2026・閲覧時点) 経路

画像の出典元

  1. A group of diverse office workers standing by a window using/Photo by fauxels on Pexels
  2. Diverse group of professionals working on laptops at a brigh/Photo by cottonbro studio on Pexels
  3. Person using smartphone and laptop in a cozy indoor workspace setting./Photo by Engin Akyurt on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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