グローバルECの過去事例を紹介しちゃいます

今回は、前回に引き続きグローバルなBtoB ECサイト(受発注サイト)の過去事例をご紹介をいたします。
本事例は今から15年ほど前のお話。
2010年代はリーマンショック後の急激な落ち込みから持ち直してきたところで、東日本大震災が発生し、日本経済は大ダメージを負いました。
その状況下、成長著しいアジアアセアンに向けた戦略的なシステム投資を行ったの本事例です。
訳あって企業名は公開できませんが、できる限り具体的にご紹介します。

グローバルECの要件としは以下のようなものがありました。
・アジアアセアンの各国に建設した重電設備の保守部品の受発注を行う
・各国の現地法人が現地のお客様から保守を依頼されている
・日本から部品を輸出し、現地法人の倉庫で保管するが、在庫がない場合は日本から送る
・サイト利用ユーザは、日本から現地法人への出向者と各国での現地採用者のため、言語は日本語と英語を切り替え可能とする
・受注後は日本側で処理するため、言語は日本語のみで良い
・通貨は日本円を為替レートで現地通貨に変換する
・重電設備は各国でその仕様が異なるため、設備に適合する部品を選択することが非常に難しい、それをシステムでカバーする
・注文データは日本の基幹システムとリアルタイムに連携する
・現地時間にて取引する

EC-RiderB2B(旧バージョン※1)でのFit & Gapを行うとこちらのようになりました。
※1.現バージョンはEC-RiderB2BⅡ(2024年6月にリリース)
・ユーザーサイトは日本語と英語を切り替え表示する(Fit)
・管理者側サイトは日本語で表示する(Fit)
・各国の倉庫で製品を保管するが、倉庫の在庫は日本側で管理する(Fit)
・各国の現地価格は日本円の価格を為替レートで変換するが、為替レートは日本側の管理者が管理し、手動で切り替えを行う(Fit)
・設備に適合する部品の絞込検索は、別途選定した海外ベンダーのドリルダウンエンジンを採用し、API連携にて実現する(Gap)
・基幹システムとはAPIでリアルタイム連携する(Gap)
・サーバーは日本リージョンを採用するため、現地時間は日本時間との差を用いて算出する(Gap)
・取引先データ、商品データ、注文データの差分はデータベースを拡張する(Gap)
・ユーザーサイトのデザインは各国で共通とするが、本サービス用にオリジナルデザインする(Gap)

グローバルEC要件のイメージ図

この事例を振り返っていて感じたこと。それは、15年前のグローバルECはインバウンドEC(越境EC)と同じ構造であることです。
当時の事例は、日本製の製品(日本で完成品として組み立てた製品)を各国に輸出し、現地企業を経て各国のお客様にお届けするモデルがほとんどでしたが、現状の引き合いは、日本のメーカーが現地法人で生産した製品を現地のお客様にお届けするモデルの需要が高まっています。

前回投稿の「インバウンドECとグローバルECについて考察してみた」ではIT化の目線で執筆していましたが、産業構造はすでにパラダイムシフトされていて、ようやくBtoB ECにその流れが届いたということと理解しています。

今後のグローバルECでの重要ポイント
・ユーザーサイトは現地の言語
・各国の倉庫で製品およびその在庫を管理、日本は主要ではあるがサプライヤーの一つ。
・各国での取引は現地通貨
・基幹システムは各国で運用管理し、本社である日本の基幹システムとリアルタイムに連携
・サイトコンテンツは各国で異なることが前提
・ECサイトのサーバーは各国で独立(課題がクリアされれば共用で問題なし)

今後のグローバルECのイメージ図

ECサイトベンダーの競合は、今後、日本を含めた諸外国のベンダーとなることは必然で、アドバンテージは日本独特の商習慣に慣れがあること、“おもてなし”の心を随所に実装していることでしょうか。弊社は一歩先をみたサービスであるために進歩を続けていきます。

グローバルECを検討、計画している企業様、ご相談承ります。

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