企業対企業の取引では、取引先毎に商品の販売価格(卸価格/下代)を個別に提示することが少なくありません。同じ「商品A」という商品を「取引先A」には500円で、「取引先B」には700円で販売したい、といったケースです。
継続して大量の商品を仕入れてくれる「お得意様」に有利な割引率を提示することで関係性を強められますし、逆に、顧客に対して取引の拡大を促すような意味もあるでしょう。
この記事では、BtoB向けECサイトにおいて、取引先ごとに卸価格を切り替える方法について考えてみます。
取引先ごとに異なる価格で商品を販売する
ECサイト上でこうした仕組みを実現する際には、いくつかの方法が考えられます。
まず、あらかじめ顧客のランク設定を定義しておき、「一定期間中に○円以上注文があればAランクに昇格する」というような形で自動化するような考え方があるでしょう。これは海外の雑貨卸売サイト等でよく見かける仕組みです。NISSEN様などのBtoC向けECサイトにおいても、類似の仕掛けがありますね。
ランクは設定するが顧客のランク付けは自動化せず、バックヤードで手動登録するようなやり方もあるでしょう。
商材や業態にもよりますが、国内のBtoB向けのECサイトでは、どちらかというとこの方式の方がよく見られるかもしれません。この場合、営業担当者がお客様と直接会話して値引率を決定し、それを反映するといったやりとりが発生することもあります。良くも悪くも営業担当者と取引先担当者との間の繋がりが強いのが、日本のBtoB取引の一つの特徴と言えるでしょう。
ECサイト上で卸価格をどう表現するか?
こうして決めた販売価格をサイト上でどのように表現するかにもいくつかのパターンが考えられますが、一般的なのは、ログインしたユーザごとに設定された価格を自動的に表示し、表示された価格で注文まで処理するというものです。
また、販売価格の決定方式にも、全ての商品に対して決められた割引率を適用するのか、商品ごとに異なる割引率を使うのか、利率ではなく絶対値(金額)で販売価格を決めるのかなど、様々なやり方があります。
どの方法を採用すべきかは、状況によって異なります。
通常は、自社のビジネスが現状どのようになっているか(AsIs)を分析した上で、それに近いものを選ぶ、あるいは分析結果をもとにToBeの姿を描き出してそこへ近づけるかのどちらかになるでしょう。
一つ注意が必要なのは、採用するECサイト構築ツールによって使える手法と使えない手法があるということです。このため、ツールの選定を誤ってしまうと本来やりたいことが実現できず、業務処理がスムーズに回らなくなる恐れがあります。
自社のビジネスのあるべき姿を明確にし、それに合ったシステムを選定して頂くのが、BtoBのECサイトを成功させるコツだと言えるでしょう。
EC-Rider B2Bの機能紹介
EC-Rider B2B は、取引先単位で個別に卸価格(販売価格)を設定する仕組みを搭載しています。
取引先の組織を階層化して管理するため、たとえば取引先が複数の店舗や販売エリアを持つ場合に、取引先全体、エリア全体に対して一括で同じ販売価格を設定したり、一部の店舗だけに特別な販売価格を設定したりすることも可能です。
組織単位できめ細かい販売価格設定を行いたい企業様には、自身を持ってお勧めできる機能です。
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組織階層は5階層まで構成することができますので、貴社のご要件にあわせて、最適な構成にてご提案します。
詳細につきましては、下記よりお気軽にお問い合わせください。