BtoBサイトをスモールスタートで
メーカー様や卸業者様がEC事業に着手される際、「まずはスモールスタートで」ということで小規模に事業をスタートされるケースが少なくありません。
Eコマースには大きな可能性を感じているものの、はじめから大規模な投資をするのはためらわれる。そこで、まずは小規模にスタートし、様子を見ながら徐々に規模を拡大していこうという戦略です。
B2Bサイトを立ち上げるにあたっては、サイト構築に用いるツールの選定が非常に重要なポイントとなりますが、このようなスモールスタートをするケースでは、特にその傾向が強まります。
スモールスタートだから…ということで、立ち上げ当初はサイトの機能を最低限に絞って初めてはみたものの、思いのほかビジネスが順調に成長し、すぐに機能を拡張する必要に迫られてしまった、という話をしばしば耳にします。
稼働開始後のリプレースは大変!
B2B向けのECサイトには、一般消費者向けのB2Cサイトとは異なる独特な仕組みが必要です。
登録企業限定公開の仕組みや取引先別に卸価格を設定する仕組みなどはもちろんのこと、セット販売やロット販売、リードタイムの通知や納期の連絡など、独自の商習慣にのっとった様々な対応が求められます。
サイト運営ツールの側でそうした要件に応じられないと、受注管理や出荷管理を担当する現場の方に負担がかかり、事業全体のパフォーマンスが低下してしまいます。
結果、ビジネスが成長するに従って「こんなツールでは運営できない!」という不満が現場から噴出し、早々にツールの入れ替えを検討することになりかねません。
既に稼働しているのサイトを別の基盤に乗せ換えるのは、思いの外骨の折れる仕事です。
商品データの移行、お客様データの移行、在庫情報はどの時点でどう動かすのか、既にサイトをご利用頂いているお客様がいらっしゃる中、どういったスケジュールで移行を実施するのか…等々、考えなければならないことが多々あります。
また、数か月、あるいは数年に渡って使用して手になじんだツールを入れ替えるとなると、現場のユーザへの負担も発生します。
結局、立ち上げ時にはスモールスタートでコストを抑えてみたものの、その後のサイト移行やツールの入れ替えにコストがかかり、最終的な収支では却って無駄が生じてしまいます。
BtoB向けECサイト構築ツールは拡張性が命
卸で実績のある商材、つまり「売れることが分かっている商品」をECサイト上で販売するという事業は、よほどまずいやり方をしない限りは比較的順調にビジネスが成長していくことが多いといえます。売り先となる取引先がすでに存在する状態からのスタートであれば、新規立ち上げサイトの大きな課題である「集客」の部分で躓く心配もありません。
スタート時の予算は抑えながらも、いざという時には柔軟に拡張が可能。
B2B向けのECサイトを構築する際には、こうした点にも留意してツールを選定するのが重要なポイントといえるでしょう。