◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 月額は基本料・保守・利用量による料金を分けて読む
- 商品数と利用者数は、契約の数え方に合わせる
- 掛売に必要な機能と、代行サービスの利用を区別する
- 初期費用と継続費を同じ期間で比較する

BtoB通販の月額費用、見積書の一行だけでは分からないこと
月額が安いと思っていたのに、連携や保守を加えると想定より高くなる。
BtoB通販の費用を比べるときは、こうした見落としを避けたいところです。
商品の数が増える場合や、掛売の取引を載せる場合には、基本料の外に何が必要かも確認しましょう。
この記事では、月額の内訳を読み、自社の使い方で比べる方法を整理します。
基本利用料・保守サポート・従量の三つに切り分ける
見積書に並んだ「月額費用」という一行を、そのまま他社と比べても答えは出ません。まず、基本利用料(システムを使う権利にあたる固定の料金)、保守・サポート(障害対応や問い合わせ窓口、更新の作業)、従量や手数料(アクセス量、決済、与信など使った分だけ増える料金)の三つに分け、どれが月額に入っていてどれが別立てなのかを、先方に書き出してもらいます。
例えば、一方の見積もりは利用料だけ、もう一方は保守や連携の運用まで含んでいるかもしれません。
含む項目を一覧にすると、金額差の理由を確かめられます。
安い方に不足する項目を単純に足すのではなく、必要な構成の見積もりを取り直します。
月額以外の継続費がないか確認する
確認したいのは、必要なオプション、連携の保守、決済や回収の代行、自社で行う運用です。
すべてが必ず別料金になるわけではありません。
基本料に含まれるものを二重に計上しないよう、契約ごとの範囲を確かめます。
上司へ説明するときは、確定した継続費と、まだ見積もりが必要な項目を分けます。
自社で行う価格更新や問い合わせ対応などは、外部への支払いとは別の作業時間として記載します。
金額が未確定の項目をゼロとして扱わないことが大切です。
同じ「月額」でも指す範囲が違う
同じ製品でも、料金の呼び名によって月額の指す範囲が変わります。たとえばEC-Rider B2B IIでは、ベースエンジン利用料の基本料金が月額170,000円〜と示される一方、ASP利用料金のモデルケースとしては月額260,000円という金額が示されています1。前者は基本の料金、後者は構成を決めたうえでのモデルケースで、どちらも正しい「月額」です。
基本料金とモデルケースの金額は、前提の構成が違う場合があります。
自社に必要なサーバーや連携、機能を示した構成で見積もります。
続いて、商品や利用者の数を契約上どう扱うか確認します。
商品点数が多いと月額は上がる?
商品数と利用者数の上限を確認する
商品や利用者の上限がある契約では、何を一件と数えるかを確認します。
商品を増やしたとき、別の取引先向けに表示を変えたとき、同じ会社に複数の担当者がいるときで数え方が違う場合があります。
自社のデータをその定義に合わせてから判断します。
自社の商品点数を数えるときは、型番違いや荷姿違いをどう数えるかで結果が変わります。取引先ごとに見せる商品を分けている場合は、その分だけ登録数が増えることもあります。見積もり依頼の前に、登録する予定の点数と、会員として登録する取引先担当者の数を自社で確定させておくと、各社が提示してくるプランの段が揃い、比べられる状態になります。
上限を超えるときの選択肢を聞いておく
上限に近づいた場合は、増枠、プラン変更、追加料金、別構成への移行など、契約上の選択肢を確認します。
必ず提供形態そのものを変えるとは限りません。
変更に必要な手続きと準備期間、データの引き継ぎも確認します。
変更案を比較するときは、月額だけでなく設定や移行の費用を含めます。
利用期間をそろえ、自社と取引先の操作が変わる場合は案内や教育の負担も見込みます。
数えるのは今の点数ではなく増えた後の点数
切り替えの検討中は、いま基幹システムに入っている商品数で見積もりを取りがちです。ただしFAXや電話で受けていた注文を通販サイトへ移すと、これまで台帳に載せていなかった商品や、取引先ごとの単価の出し分けが表に出てきます。登録する点数は、移行を終えた後の姿で数えます。
件数を整理したら、必要な取引条件を確かめます。
掛売だけでなく、前払いや別の決済方法を使う取引先があるなら、その扱いも整理します。
すべての取引が同じ条件とは限りません。
掛け売り対応で費用は増える?
与信・請求・回収を誰が担うかで変わる
掛売を扱うことと、与信や回収を外部へ代行してもらうことは別です。
自社で判断・請求・回収する運用を続ける場合と、代行を利用する場合を分けます。
代行の費用がある契約なら、課金対象、料率、固定料や最低料金を確認します。
見積もりを比べるときは、掛け売りの与信を自社で行うのか、外部の仕組みに任せるのかを各社に同じ条件で伝えます。条件が揃っていない見積もりは、金額の差が機能の差なのか前提の差なのか分かりません。
基幹システムとの連携が月額の差を生む
受注したデータを、請求や売掛管理へどう渡すかを決めます。
既存機能で連携する方法、ファイルを取り込む方法、自社で確認して入力する方法などがあります。
必要な連携と残る作業を比べ、基幹システムを必ず改修する前提にはしません。
連携の初期設定や開発と、その後の保守は分けて確認します。
接続先の変更や項目追加が起きた場合に、どちらの提供元へ依頼するかも重要です。
連携の範囲が広いほど月額が必ず同じように増えるとは限らないため、契約の内訳を見ます。
支払いと社内の作業を分けて比較する
比較表には、毎月の支払い、利用量による費用、一時的な支払い、自社の作業を分けて載せます。
年払いの保守は比較期間へ換算し、すでに月額に含まれるものは重ねて加算しません。
担当者の時間を金額換算する場合も、実際の支出と区別します。
費用をそろえたうえで、必要な処理を完了できるかを比較します。
料金だけが低くても、価格更新や受注確認に多くの手作業が残るなら、その理由を確認します。
月額の内訳、件数の数え方、掛売の役割分担が整理できると、必要な構成を具体的に相談できます。
将来の増加や変更も同じ表に置き、初年度とその後の負担を分けて考えます。
商品や利用者の数、価格や請求の管理方法を示して相談すると、基本料に含む範囲と追加費用を確認しやすくなります。
接続条件など未確認の部分は、その調査が必要なことも伝えます。
登録する商品と利用者、必要な掛売の処理、既存システムの情報を整理して相談できます。
費用を確定する前に、必要な機能と役割分担を一緒に確認します。
自社の条件を当てはめる比較表を作る
比較表の列は、各社のプラン名ではなく、自社の使い方に合わせます。
通常月と繁忙月、初回の対象と拡大後を分けると、表示された月額だけでは分からない差が見えます。



要点の整理
| 比較する項目 | そろえる条件 |
|---|---|
| 商品と利用者 | 契約上の定義に合わせた初回・将来の件数 |
| 機能 | 価格表示、注文、確認、データ出力の範囲 |
| 掛売 | 与信・請求・回収を自社と外部のどちらが担うか |
| 連携 | 対象データ、頻度、保守と変更の範囲 |
| 費用 | 基本料・保守・変動費・一時費用を同じ期間で比較 |
| 自社の負担 | 設定、更新、問い合わせ対応などの作業時間 |
複数社の見積もりが揃っていても、月額が指す範囲や前提の点数が各社で違ったままでは、金額の差が機能の差なのか前提の差なのか判断できません。条件を揃える作業そのものを、見積もりを出す側と一緒に行うのが確実です。 手元の見積もりを並べて、どの項目が月額に含まれ、どの項目が決済・与信手数料や運用費用として後から乗るのかを項目ごとに突き合わせられます。上司へ説明するための、初期費用と月額費用を同じ前提に置いた比較表の形まで確かめられます。
よくある質問
初期費用のほかに月額は必ずかかりますか。
料金体系は契約によります。
利用料のほか、年払いの保守や必要な支援がある場合もあります。
初期費用と継続費の項目を確認し、同じ利用期間に換算して比較します。
後からプランを上げられますか。
契約によります。
上限超過時の扱い、変更の適用時期、差額の精算、データ移行や再設定の有無を確認します。
変更できるとしても、追加費用や準備期間が不要とは限りません。
掛売に対応すると費用はどれくらい増えますか。
必要な機能と役割分担によります。
自社で請求・回収を続けるのか、代行を使うのかを分けます。
代行費用がある場合は対象となる取引や最低料金を確認し、連携や保守とは別に試算します。
複数社の見積もりを比べるとき、何を揃えればよいですか。
登録する商品点数、会員数、掛け売りと与信の要否、基幹システム連携の範囲、データ移行の対象、そして何年使う前提かの六つを揃えます。加えて、提示された月額が基本料金なのか、自社の構成を前提にしたモデルケースなのかを確かめます。EC-Rider B2B IIでも、基本料金は月額170,000円〜、ASP利用料金のモデルケースは月額260,000円と別に示されています1。
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