◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- BtoBの買い手は複数の候補を並べてから売り手に接触しており、比較の場面で条件が読み取れるかが新規集客の出発点になる
- 検索広告は上限クリック単価を設定して予算を区切れる一方、SEOは反映に数時間〜数か月かかるため、同じ期間の成果で比べない
- 比較掲載サイトは成果報酬型が一般的で、掲載できるかどうかは媒体に自社の商材のカテゴリがあるかで決まる
- 着手の順番は、買い手が使う言葉で検索需要があるかと、問い合わせに返信できる件数の二つで決める
- 規格・単位・最小ロット・納期・初回取引の条件がそろっていなければ、流入が増えても新規注文には結びつかない
目次

BtoB購買担当者は営業に会う前にどこまで検索・比較しているか
既存のお得意先からの注文で売上が成り立っていて、新規の引き合いは年に数件。
検索から問い合わせを増やしたいけれど、広告なのかSEOなのか、比較サイトへの掲載なのか、どれから手を付けるか決めきれない。
そんな状態を動かす手掛かりは、売り手側の施策一覧ではなく、買い手の動きのほうにあります。
BtoBの購買担当者は、営業に会う前に自分で検索し、候補をいくつか並べてから声をかけてきます。
まずその行動を踏まえたうえで、検索広告・SEO・比較掲載サイトの費用のかかり方と、効果が表れるまでの時間差を押さえ、自社の予算と人手で回せる手段から始めます。
そして、比較の場面で見つけてもらった後に、商品情報や見積の対応が整っていて初めて、検索経由の流入が新規注文につながります。
営業に会う前に候補を絞り込んでいる買い手の割合
新規の注文が増えないとき、「まだうちが知られていないだけだ」と考えがちです。
ただ、買い手の側から見ると、知られていない会社は「知られていない」のではなく、候補の一覧に載っていないだけ、ということが起きています。
HubSpot Japanが2026年に公表した調査では、複数の候補をリストアップした段階以降に売り手へ接触した買い手の合計が63.5%に上っています1。
この数字が示しているのは、問い合わせが届いた時点ではすでに比較が始まっている、という順番です。
自社に電話やフォームから連絡が来たとき、その担当者はすでに他社のサイトも見終えていて、自社は候補のうちの一社として扱われている可能性が高い。
つまり、営業の説明が上手かどうかよりも前の段階で、候補に入るか入らないかが決まっているということになります。
検索経由の集客を考えるというのは、営業の手前にあるこの「候補に入る」段階に、自社の情報を置きにいく作業です。
この調査が対象にしているのは、従業員50名以上の企業に勤め、直近12カ月以内にBtoB商材の購買検討に関与した人です1。
取引先が小規模な事業者や個人事業主中心の商材では、社内の稟議や比較の進め方が違うため、同じ割合がそのまま当てはまるとは限りません。
それでも、自社の過去の新規受注を思い出したときに「相手がどこで自社を知ったか」を説明できないものが多いなら、調べられている場面を押さえられていない可能性があります。
まずは、直近一年の新規問い合わせがどの経路から来たのかを並べてみると、この調査の読み替えがしやすくなります。
比較検討する提供会社数の目安
同じ調査では、実際に比較検討した提供会社が2社以上だったケースが80.3%を占めています1。
最初から一社に決めて話を進める買い手は少数派で、ほとんどの場合、自社は横並びのなかに置かれます。
これは営業現場の感覚と食い違うことがあります。
「うちを名指しで問い合わせてきた」という一件も、その手前では何社かのサイトを見比べた結果かもしれないからです。
横並びで見られる前提に立つと、サイトに載せるべき情報の優先順位が変わります。
会社の歴史や理念よりも先に、取扱い品目、規格、入数や単位、最小ロット、納期の目安、対応できる地域といった、比較の判断に直接使われる項目が必要になります。
価格を公開できない商材でも、「どの範囲を扱っていて、どの条件なら受けられるのか」が読み取れるかどうかで、候補に残るかが分かれます。
逆に、問い合わせないと何も分からないサイトは、連絡する手間のぶん後回しにされやすい。
「相見積もりに巻き込まれたくないので、あえて条件を出さない」という考え方もあります。
ただ、比較されずに指名されるには、指名する理由を相手が先に知っている必要があり、その理由も結局は検索の場で読み取れる情報から生まれます。
価格で並べられたくないのであれば、価格以外で違いが分かる項目——対応できる加工の範囲、小口の受注可否、在庫の持ち方など——を書いておくほうが、情報を伏せるより比較の土俵を選べます。
生成AI・AI検索を使う買い手の増加
同じ調査では、この2〜3年で増えた情報収集行動として、生成AIサービスやAI検索を使うことが33.5%で最多に挙がっています1。
買い手が情報にたどり着く入口は、検索結果の一覧だけではなくなりつつあるということです。
ただ、入口が増えても共通している点があります。
買い手は人に会う前に、文字で書かれた情報だけを頼りに自社を評価している、という点です。
ここで注意したいのは、対策として断定できることの範囲です。
生成AIの回答のなかに自社を出すための具体的な手順は、本記事で確認した資料の範囲では示されていません。
確認できているのは買い手の行動が変わったことまでで、そこから「こうすれば生成AIに取り上げられる」と踏み込むと、根拠のない作業が増えます。
そのうえで言えるのは、どの入口から来ても読める形で商品と条件の情報を置いておくことが、検索でもAIでも共通の土台になるということです。
品目一覧がPDFの中にしかない、規格が画像でしか書かれていない、取引条件が営業資料にしか載っていない——といった状態だと、そもそも文字情報として外に出ていません。
手段を選ぶ前に、自社の情報が外から読める形になっているかを見ておくと、どの手段に投資しても無駄になりにくくなります。
| 売り手が想定しがちな流れ | 調査から読み取れる買い手の流れ |
|---|---|
| 問い合わせが来てから比較検討が始まる | 複数候補をリストアップした段階以降に接触した買い手が63.5% |
| 自社だけが検討されている | 実際に比較検討した提供会社が2社以上だった買い手が80.3% |
| 検索エンジンだけで調べている | この2〜3年で増えた情報収集行動として生成AI・AI検索の利用が33.5%で最多 |
検索広告・SEO・比較掲載サイトは何が違うのか
検索広告のクリック課金と予算管理の仕組み
検索広告(リスティング広告)は、特定のキーワードで検索した人に広告を表示し、クリックされたときに費用が発生する仕組みです。
Google広告のヘルプでは、上限クリック単価を設定すると、実際の請求額はほとんどの場合その金額を下回り、設定した上限を上回って請求されることはないと説明されています2。
「いくらかかるか分からないまま走り出す」のが怖くて手を付けていない場合、この上限設定の存在は判断材料になります。
なぜ上限より低くなるのかというと、実際に支払う最大額は、広告ランクの下限値を満たし、次点の競合の広告ランクを上回るために最低限必要な金額に決まる仕組みになっているためです2。
同じ上限を設定していても、競合が多く入札されている語では請求額が上限に近づき、競合の少ない語では低く収まることがあります。
つまり、自社が狙う言葉がどれだけ取り合いになっているかで、同じ予算でも集まるクリック数が変わります。
実務上の意味は二つあります。
一つは、予算を区切って短期間だけ試すという使い方ができること。
もう一つは、他社の事例に出てくるクリック単価をそのまま自社の見込みに置き換えてはいけないことです。
実際の単価はオークションの状況や業種で動くため、見込みを立てるなら少額で出して自社の数字を取るのが確実です。
もう一点、クリック課金である以上、費用が発生するのはサイトに来た時点までだという区別も必要です。
来た人が問い合わせまで進むかどうかは広告側ではなくサイト側の話で、ここが整っていないと、クリック数だけが増えて問い合わせが増えない状態になります。
この「受け皿」の話は後半で扱います。
SEOは反映までに数週間〜数か月かかる
SEO(自然検索対策)は、広告枠ではない検索結果で見つかるように自社サイトを整える取り組みです。
Googleの検索セントラルが公開しているスターターガイドでは、サイトへの変更が検索結果に反映されるまでの時間は変更内容によって数時間から数か月と幅があり、数週間待ってから効果を確認することが勧められています3。
ここが、検索広告との最大の違いです。
この時間差を知らずに始めると、二つの誤りが起きます。
一つは、二週間ほどで順位が動かないことを見て「効果がない」と判断して止めてしまうこと。
もう一つは逆に、「SEOをやれば広告費がいらなくなる」と考えて広告を止め、その間の問い合わせが途切れてしまうことです。
反映に時間がかかるという性質は、短期の問い合わせ増加策としては使いにくい一方、一度評価されれば表示のたびに費用が出ていくわけではないという利点の裏返しでもあります。
また、SEOは費用がかからない手段だと説明されることがありますが、出ていくお金が少ないだけで、社内の時間は確実にかかります。
商品情報を整理する、用途や選び方を文章にする、更新を続ける——この作業を誰が担当するのかが決まらないまま着手すると、数か月後に何も残っていないという結果になりがちです。
着手するかどうかは、順位が取れそうかより先に、書き続けられる人がいるかで決まります。
比較掲載サイトの成果報酬型料金と掲載条件
比較掲載サイトは、第三者が運営する媒体に自社の情報を載せ、そこから資料請求や問い合わせを受け取る形の集客です。
料金体系は、資料請求や問い合わせなどのリードを獲得したときに課金される成果報酬型が一般的で、相場は1リードあたり1万円から5万円程度とされています4。
これはBtoB向けの比較・掲載型サイト全般についての一般的な目安であり、個別の媒体の確定料金ではない点には注意が必要です4。
もう一つの条件が、掲載できるカテゴリがあるかどうかです。
媒体に自社の商材を置くカテゴリが存在しない場合でも、依頼すれば新規カテゴリとして作成されることがあります4。
裏を返せば、「自社の商材は何というカテゴリで探されるのか」を一言で言えるかどうかが、掲載の前提になります。
社内の呼び方と買い手の探し方がずれている商材では、この言語化がそのまま、広告のキーワード選びやサイトの見出しにも効いてきます。
比較掲載サイトの性質として押さえておきたいのは、そこが最初から比較の場だということです。
自社サイトの評価が育つのを待たずに、すでに検討している人の前に出られる一方で、同じ画面に競合が並びます。
前の節で見たとおり、買い手の多くは2社以上を比較しています1。
並んだときに読み取れる条件がそろっていなければ、掲載料だけが出ていく状態になりかねません。
| 手段 | 費用の発生のしかた | 効果が表れるまで | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 検索広告 | クリックされたときに課金。上限クリック単価を設定でき、実際の請求額はほとんどの場合それを下回る | 出稿すればその日から表示機会が生まれる | 商材を指す検索語がすでにある |
| SEO | 社外費用より社内の制作・整備の時間 | 変更の反映に数時間〜数か月、効果確認は数週間待つことが推奨 | 中長期で自然検索からの流入を積み上げたい |
| 比較掲載サイト | リード獲得時に課金される成果報酬型が一般的(1リード1万〜5万円程度の目安) | 掲載後、媒体の閲覧者から順次 | 掲載できるカテゴリがあり、早く接点を増やしたい |
自社の予算・体制でどれから着手するか
検索需要が明確な商材の優先順位
三つの手段の費用と時間の違いが分かっても、自社がどれから始めるかは、商材の探され方で変わります。
判断の分かれ目は単純で、「自社の商材を指す言葉で、買い手が実際に検索しているか」です。
規格名や品番、用途名がはっきりしている商材——たとえば特定の資材や消耗品、決まった規格の部材など——は、買い手が自分で言葉にできるので、検索広告との相性がよくなります。
一方で、買い手が自社の課題をまだ言葉にできていない商材では、そもそも検索語が存在しないことがあります。
この場合、広告でいくら上限単価を上げても、検索している人がいないので表示されません。
そういう商材は、用途や困りごとから説明する情報をサイト側に置いて自然検索の入口を作るか、すでに比較の意思を持った人が集まっている比較掲載サイトのカテゴリを使うか、という選び方になります。
検索需要があるかどうかは、机上で考えるより既存の取引先に聞くほうが早いことがあります。
最近取引が始まったお客様に「どういう言葉で探しましたか」と尋ねる、過去の問い合わせメールの本文に出てくる呼び方を拾う、といった方法です。
社内では型番で呼んでいるものが、買い手の側では用途や通称で探されていることは珍しくありません。
ここで拾った言葉が、広告のキーワードにも、サイトの見出しにも、比較掲載サイトのカテゴリ選びにも使えます。
少人数・低予算での組み合わせ方
限られた人数で三つを同時に始めると、どれが効いたのか分からなくなるうえ、広告の調整も記事の更新も問い合わせ対応も中途半端になります。
現実的なのは、反応の確認が早い手段で需要の有無を確かめ、確かめた言葉をサイト側に残していく進め方です。
検索広告は上限を設定して予算を区切れるので、「この言葉で探している人がいるのか」を確かめる用途に使えます2。
反応のあった言葉について、商品ページや説明の文章をサイトに用意しておけば、反映に時間のかかるSEO側の作業も同時に進みます3。
費用の見方も、手段ごとにそろえておくと比べやすくなります。
検索広告はクリックごとの課金で上限を設定でき2、比較掲載サイトはリード獲得時の成果報酬型が一般的です4。
SEOは外に出ていく費用より社内の時間がかかります。
この三つを「月いくら使うか」で並べると比較しづらいので、「問い合わせ1件にいくらまで出せるか」に置き換えると判断が揃います。
平均的な受注金額と粗利、そして問い合わせが受注に至る割合が分かれば上限を出せますが、この受注率だけは自社の実績を数えるしかありません。
そしてもう一つ、見落とされやすい制約が人手です。
問い合わせが増えても返せなければ、見込み客を他社に渡すだけになります。
誰が、何時間以内に、どこまで答えて返すのかを決められる件数が、当面はそのまま集客量の上限になります。
月に5件しか丁寧に返せないなら、まずその5件を確実に取れるところまで出稿を絞り、対応の型ができてから広げるほうが、結果的に無駄が少なくなります。
ここまでの進め方は、各手段の仕組みから整理した考え方であり、成果を保証するものではありません。
検索経由の問い合わせを新規注文につなげる受け皿をどう整えるか
掲載商品・見積対応を整える必要性
手段を選んで流入が増えても、見つかった先で判断できなければ、買い手は次の候補に進みます。
比較の段階で見られているのは、だいたい決まった項目です。
どの品目を扱っているか、規格やサイズはどうか、入数や単位は何か、最小ロットはいくつからか、納期はどのくらいか、そして初回の取引をどういう条件で受けてもらえるか。
これらが読み取れないと、候補から外れるか、問い合わせが「御社は○○を扱っていますか」という確認から始まることになります。
仮に、ある購買担当者が必要な資材を用途名で検索し、自社サイトにたどり着いたとします。
品番の一覧はPDFの中にあり、最小ロットと価格は問い合わせてくださいと書かれ、納期の記載はない。
この担当者が社内で今日中に候補を三社出すよう言われていたら、返信を待つより、条件がその場で読める他社をリストに入れます。
広告費をかけて連れてきた一人が、この数十秒で離れていく——これが、集客だけを増やしたときに起きることです。
受け皿を整えるというのは、派手な作り込みのことではありません。
社外に出せる粒度まで商品情報を整理し、見積依頼で必ず聞くことになる項目——品番、数量、希望納期、納入先、支払い条件——をあらかじめ入力してもらう形にしておくことです。
これによって減るのは、往復の確認メール、電話での聞き取り、そして聞いた内容を見積書へ書き写す手間です。
失注がなくなるという話ではなく、返すまでの時間と、そこで起きる転記を減らすという話として考えると、どこから着手するかが見えてきます。
卸売事業者が通販サイトで新規リーチを広げた例
注文を受ける場所に商品を並べること自体が、知ってもらう手段にもなる——という関係が分かる例があります。
各種工業用粘着テープやテープ貼り機器を中心に約3,800品種の製品の提案・販売を手掛ける日東電工CSシステムは、2018年に加盟店向けのBtoB通販サイトを立ち上げました5。
このサイトには最初からNittoグループの商品が2万5,000品そろえられ、販売加盟店を通じて商品を周知し、新たな顧客層にリーチできる点が狙いとして挙げられています5。
この事例は加盟店向けの卸売を対象としたBtoB通販システムの導入例であり、検索広告やSEO、比較掲載サイトによる集客の効果を示す数値ではありません5。
読み取れるのは、自社が直接会える相手の数には限りがあるなかで、商品が並んでいる場所を用意すると、そこを経由して届く範囲が広がるという関係です。
検索の手段を選ぶ話と、受注の場を整える話は、本来この一点でつながっています。
自社に当てはめるときに見るのは、掲載点数そのものではありません。
見つけてもらった先で、買い手が判断に使う項目——規格、単位、最小ロット、納期の目安、取引条件——がそろっているかどうかです。
品目を増やしても条件が書かれていなければ、比較の場で選ばれる材料にはなりません。
逆に、主力の数十品目だけでも条件が読める状態になっていれば、そこを入口に問い合わせが生まれます。
ここまでをつなぐと、進め方の形が見えてきます。
買い手は候補を絞ってから接触してくるので、まず比較の場面に自社を置く。
置き方は、検索需要の有無と使える予算、そして返信できる件数で選ぶ。
そして、置いた先で読める条件をそろえておく。
この三つが揃って初めて、検索経由の流入が新規の注文になります。
| 比較段階で買い手が確かめること | 自社側で先に決めておくこと |
|---|---|
| 必要な品目を扱っているか | 社外に出せる形の取扱い品目一覧と、その探し方 |
| 規格・入数・単位が合うか | 品番ごとの規格表記と単位の統一 |
| 小口でも受けてもらえるか | 最小ロットと、小口時の条件 |
| いつ届くか | 在庫の有無の示し方と納期の目安 |
| 初めてでも取引できるか | 初回取引の与信・支払い条件と、誰が判断するか |
| 見積はいつ返ってくるか | 見積依頼で受け取る項目と、返信までの時間の目安 |
どの集客手段から始めるかまでは自社で決められても、見つけてもらった先で何をどこまで公開できる形にするかは、いまの受注業務や商品データの持ち方と切り離せません。
現在の注文の受け方と商品情報の管理状況を見ながら、社外に出せる形に整理できる範囲はどこまでか、見積依頼や初回取引の確認をどこまで仕組みで受けられるかを確かめられます。無料相談で要件を整理する
手段を決める前に自社側で確かめておく条件
買い手が自社を見つけてから注文に至るまでの流れに沿って、手段の選択や着手の順番が変わる条件を並べています。
- 自社の商材が、買い手の使う言葉(用途名・規格名・品番)で検索されているか
- 自社の商材を一言で言い表すカテゴリ名を、社外向けに説明できるか
- 商品の規格・入数・最小ロット・納期の目安を、社外に出せる形で持っているか
- 初回取引の与信や支払い条件が決まっていて、新規からの注文をその場で受けられるか
- 問い合わせが増えたとき、誰が何時間以内に返信できるか
- 問い合わせ1件に出せる上限額を、平均受注額と粗利から説明できるか
検索需要がはっきりしない商材では、上の一つ目と二つ目を先に確かめると、広告とサイト整備のどちらに時間を使うかが決めやすくなります。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 買い手の前提 | 候補を絞ってから接触してくるため、比較の場面で条件が読めるかが出発点 |
| 検索広告 | クリック課金で上限を設定でき、出稿当日から表示機会が生まれる |
| SEO | 反映に数時間〜数か月、効果確認は数週間。短期の問い合わせ増加策にはしない |
| 比較掲載サイト | 成果報酬型が一般的。掲載可否は媒体のカテゴリの有無で決まる |
| 着手の順 | 検索需要の有無と、問い合わせに返せる件数で決める |
| 受け皿 | 規格・単位・最小ロット・納期・初回取引の条件を先に決めて外に出す |
新規の問い合わせが増えるほど、既存のお得意先向けの受注対応と同じ人手でさばききれるかが次の課題になります。 注文の受け方を変えた場合に、どの確認や転記が減り、どこまでは人の判断として残るのかを、自社の品目数や取引条件に当てはめて具体的に確認できます。
よくある質問
検索広告とSEOは同時に始めてもよいか
同時に進めること自体に問題はありませんが、効果の出方が違うため、同じ月の成果で比べないことが前提になります。
検索広告はクリック課金で、出稿すればその日から表示の機会が生まれます2。
一方SEOは、サイトへの変更が検索結果に反映されるまで数時間から数か月の幅があり、効果の確認は数週間待つことが勧められています3。
同じ物差しで並べるとSEOは常に劣って見えるので、広告は当面の問い合わせ、SEOは来期以降の入口、と役割を分けて数えるほうが判断を誤りません。
実際の制約は人手のほうで、少人数で両方を回すなら、先に広告で反応のある言葉を見つけ、その言葉に対応する情報をサイトに残す形にすると、作業が二重になりません。
比較掲載サイトはどんなBtoB商材でも掲載できるか
掲載できるかどうかは、その媒体に自社の商材を置けるカテゴリがあるかで決まります。
カテゴリが存在しない場合も、依頼すれば新規カテゴリとして作成されることがあります4。
ただし裏を返すと、自社の商材がどのカテゴリで探されるのかを言葉にできることが前提になります。
料金はリード獲得時に課金される成果報酬型が一般的で、1リードあたり1万円から5万円程度が目安とされていますが、これは全般的な相場であって個別媒体の確定額ではありません4。
掲載前には、何をもって1リードと数えるのか(資料請求までか、商談の設定までか)と、自社が1件に出せる上限額を突き合わせておくと、後から見合わないと気づく事態を避けられます。
生成AI検索(AIO)向けの対策は何から始めればよいか
まず押さえておきたいのは、確認できている事実の範囲です。
2026年の調査では、この2〜3年で増えた情報収集行動として生成AIサービスやAI検索の利用が33.5%で最多に挙がっています1が、生成AIの回答に自社を出すための具体的な手順は、本記事で確認した資料の範囲では示されていません。
そのため、専用の施策を先に探すより、商品名・規格・単位・最小ロット・納期・取引条件といった情報を、画像やPDFの中ではなく読み取れる文字情報としてサイト上に置くことから始めるのが現実的です。
この整備は自然検索向けの作業と重なるため、仮にAI側の扱いが変わっても無駄になりにくいという意味でも、最初の一手として選びやすい部分です。
検索経由の問い合わせが増えても受注に至らない場合は何を見直すべきか
集客手段を増やす前に、直近の失注を理由ごとに数えるところから始めてください。
扱っていない商材の引き合いが多いなら、キーワードや掲載カテゴリの選び方の問題です。
条件が合わずに流れているなら、最小ロットや納期、価格帯を掲載の段階で示していないことが原因になりがちです。
返信までに日数がかかっているなら、体制と見積の手順の問題になります。
買い手の多くは2社以上を比較したうえで決めているため1、返答までの時間と条件の読み取りやすさは、そのまま比較の材料になります。
この三つのどれが多いかで、直すべき場所が広告側なのかサイト側なのか社内の対応なのかが分かれます。
- 1 出典:HubSpot Japan株式会社「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」(2026年)
- 2 出典:Google合同会社「Google 広告ヘルプ『クリック単価(CPC)』『個別クリック単価制について』」(参照2026年)
- 3 出典:Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」(参照2026年)
- 4 出典:株式会社才流「BtoBマーケティングにおける比較サイトの活用方法」(参照2026年)
- 5 出典:日東電工CSシステム株式会社「EC-Rider B2B 導入事例」(2018年)