◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 受注・決済・在庫管理・与信対応の現状を書き出すことが、仕組みを選ぶ前の出発点になる
- 既存の卸や代理店との線引きを先に決めないと、価格の見せ方や会員区分といったサイトの基本仕様が決まらない
- 始め方はECカートのBtoB機能、卸売・業務用の専門モール、簡易受発注システムの三つで、既存取引先の有無と価格を個別化する必要性で選び分ける
- IDの発行だけでは取引先ごとの価格表示は実現せず、会員区分と価格の結び付けと、それを表示する機能の両方が要る
- すべての取引が掛売になるとは限らないため、決済手段を取引先の区分ごとに切り替えられるかを確認する
目次

小規模の製造業事業者がBtoB通販を始める前に整理すべきこと
小規模の製造業事業者がBtoB通販を始めるなら、受注・決済・在庫管理・与信対応のどこまでを自社で担うかを先に決め、その範囲に合う仕組みを選ぶのが起点です。既存の卸や代理店と価格が衝突する商品がある場合は、誰に何をいくらで売るかの線引きを先に固めます。
受注・決済・在庫管理・与信対応の現状を洗い出す
BtoB通販は新しい販売の仕組みをゼロから作る取り組みに見えますが、実際に動かすのは既存の受注業務の延長です。
電話やFAX、メールで受けている注文のうち、どれをWebの画面に置き換えられるのかを見るところから始めると、必要な機能の範囲が具体的になります。
最初に書き出したいのは、受注・決済・在庫管理・与信対応の四つについて、いま誰がどの手段で処理しているかという事実です。
受注では、注文書の形式、品番の伝わり方、発注単位(ばら・ケース・ロット)、納期回答を誰が出しているかを確認します。
決済では、締め日と支払サイト、振込や手形といった支払方法、請求書の発行元が何か所あるかを見ます。
在庫管理では、実在庫の数をシステムで持っているのか、受注生産や取り寄せが混ざっているのかを区別します。
与信対応では、新規の取引先をどの基準で受け入れ、誰が可否を判断しているのかを書き出します。
この洗い出しは、システムの見積もりを取る前に行う意味があります。
現状が言葉になっていないと、どの機能が標準で足りてどこに追加の作業が要るのかを判断できず、複数の提案を比べる基準も持てないためです。
受注業務が一人の担当者に集中している場合は、その担当者への聞き取りがそのまま要件の下書きになります。
内製するか外部サービスを使うかを決める
仕組みの作り方は、自社で開発する方法と、既存のサービスを利用する方法に大きく分かれます。
社内に開発の担当者や継続して保守できる体制がない場合は、既存のサービスを前提に検討したほうが、立ち上げまでに何をすればよいかを見通しやすくなります。
ただし、既存サービスを選んだからといって、自社の取引条件がそのまま標準機能に収まるとは限りません。
判断の材料になるのは、取引先ごとに価格を変える必要があるか、発注単位や荷姿に特殊な扱いがあるか、基幹システムや販売管理ソフトへ注文データを取り込む必要があるか、の三点です。
これらが標準機能の範囲で実現できるのか、追加の開発として扱われるのかは、製品やサービスによって違います。
見積もりを依頼する段階で、自社の条件を並べて一つずつ可否を確認しておくと、導入した後の作り直しを避けやすくなります。
内製を選ぶ場合は、作り終えたあとの保守を誰が担うかまで含めて決めておきます。
注文を受ける仕組みは止まると取引そのものが止まるため、担当者の異動や退職で手が入らなくなる状態は避けたいところです。
外部サービスを使う場合も、サポートの範囲と、設定変更を自社でどこまで行えるのかを確認しておくと、日々の運用の負担を読みやすくなります。
既存の卸取引先への影響を確認する
製造業がBtoB通販を始めるとき、技術面と同じくらい先に確認しておきたいのが、既存の販路との関係です。
代理店や卸を経由して届けている商品を、同じ条件でWebから直接売ると、既存の取引先の価格と衝突する可能性があります。
この線引きが決まらないと、価格をどう見せるか、誰にIDを出すかといったサイトの基本仕様も決められません。
取り得る方向はいくつかあります。
一つは、通販を既存取引先の注文受付の窓口として使い、新規の一般申込は受けない形です。
もう一つは、通販でしか扱わない商品や荷姿を分け、既存の販路と品ぞろえを重ねない形です。
代理店にもIDを発行して同じサイトから発注してもらい、代理店経由の注文もWebに集約するという進め方もあります。
どの方向を選ぶかは、既存取引先との契約や商習慣によって変わります。
すでに販売地域や販売先についての取り決めがある場合は、通販の開始がその取り決めに触れないかを先に確認しておく必要があります。
新たに販路を設計する場合と、既存の契約がある場合とでは、自社で決められる範囲そのものが異なります。
現状と線引きが整理できたら、次に押さえたいのは、BtoB通販が既存の卸売やBtoC通販と何が違うのかという点です。
BtoB通販と既存の卸売・BtoC通販との違い
BtoB通販の基本的な仕組み
BtoB通販では、取引先ごとにIDを発行し、ログインした企業にだけ価格や在庫を表示する形をとることができます。
誰でも価格を見られる消費者向けの通販と違い、取引先として登録した企業だけが入る閉じた画面を持てる点が、BtoBで使われる理由の一つです。
注文が入った後は、受注データを社内で確認し、出荷を指示し、締め日にまとめて請求するという既存の流れにつなぎます。
ここで見落としやすいのが、IDを発行しただけでは取引先ごとの価格表示は実現しないという点です。
個別の価格を出すには、会員の区分や取引先コードと価格のデータが結び付いていることと、その結び付きを画面に反映する機能が実装されていることの両方が要ります。
価格表を持っていることと、その価格をログインした相手ごとに出し分けられることは別の話なので、検討の段階では機能として確認します。
受注後の流れも同じで、注文データが存在することと、基幹システムへ取り込めることは別です。
連携の仕組みがなければ、Webで受けた注文を担当者が改めて入力し直すことになり、FAXを受け取っていたときと作業量が変わらない場合もあります。
どの形式で出力でき、どこまで自動で渡せるのかを、導入前に確認しておきます。
BtoCとの違い(価格非公開・掛け率・請求書払いなど)
消費者向けの通販は、価格が公開されていて、注文した本人がその場でカードや代金引換で支払い、届け先も注文者本人であることが基本の形です。
BtoB通販では、この前提がいくつも変わります。
価格は相手によって違い、支払いは締め後の請求書払いになることがあり、発注単位はケースやロットで、納品先が発注元とは別の工場や現場になることもあります。
画面の見た目がカートを備えた通販サイトと似ていても、求められる機能は変わります。
品番や規格からの検索、過去の注文履歴からの再注文、決まった品目をまとめて入力する一括注文、複数の納品先の登録といった機能は、発注作業を日常的に行う相手にとって使い勝手を左右します。
画像を並べて選んでもらう作りより、品番を早く正確に入力できる作りのほうが合う場合があります。
発注するのが取引先の担当者であることも、BtoCとの違いです。
社内の承認を経てから発注する取引先であれば、注文の前に承認の段階を挟む機能が必要になることもありますし、承認は相手の社内で完結していてWebには不要という場合もあります。
相手の発注のしかたを聞いたうえで、どこまでを画面に載せるかを決めます。
既存の卸売取引との違い
既存の卸売では、営業担当が窓口になり、価格や納期の相談も人を介して進みます。
BtoB通販を導入しても、取引条件を決めるのは人であるという点は変わりません。
変わるのは注文の受け方であって、取引関係そのものが自動化されるわけではない、と整理しておくと、導入の目的がぶれにくくなります。
置き換えやすいのは、条件が決まった後の繰り返しの注文です。
品番と数量が決まっている定番品の発注や、在庫と納期の確認は、Webの画面に移しやすい部分にあたります。
一方、新規の引き合いや仕様の相談は、これまでどおり人が対応する領域として残ります。
新規開拓の面では、卸売が営業活動を通じて接点を作るのに対し、通販では検索やモールを経由した流入が期待できる場合があります。
ただし、ログインしないと何も見えない閉じたサイトでは、その流入は生まれません。
商品や技術情報を公開する部分と、価格を出さない部分を分けて設計するかどうかが、この違いを左右します。
違いが整理できたところで、実際にどの仕組みで始めるかという選択肢を見ていきます。

始め方の選択肢|ECカートのBtoB機能・卸専用モール・受発注システムをどう選ぶか
ECカートのBtoB機能を使う場合
一つ目は、ECカートのBtoB機能を使う方法です。
自社のドメインでサイトを持ち、会員区分ごとの価格表示、請求書払いへの対応、注文履歴からの再注文といったBtoB向けの機能を備えた製品を選びます。
消費者向けのカートにBtoB向けの機能を追加する形で提供されている場合もあるため、自社の取引条件がその機能の範囲に収まるかを確認します。
この方法が合いやすいのは、既に取引先がある程度あり、取引先ごとに価格が違う場合です。
商品点数が多く、カタログとしての役割もWebに持たせたい場合も、検索や絞り込みを備えたカート型のほうが扱いやすくなります。
自社のサイトなので、商品の見せ方や会員の区分を自社の都合で決められる点も利点です。
実際の運用例として、各種工業用粘着テープやテープ貼り機器を中心に約3,800品種の製品の提案・販売を手掛ける日東電工CSシステム株式会社は、加盟店向けの通販サイト「ハルイチ」を運用しています1。
同サイトでは、開設の時点でNittoグループの商品が2万5,000品そろっていたと紹介されています1。
これは当社が公開している導入事例の一つであり、同じ品数や体制がどの事業者でも実現するという意味ではなく、費用の相場を示すものでもありません。
自社で始める場合は、掲載する商品情報を誰がどの手順で用意できるかという点から見積もることになります。
卸売・業務用専門モールに出品する場合
二つ目は、卸売や業務用の商品を扱う専門モールに出品する方法です。
モールの運営者が集めたバイヤーに向けて商品を並べるため、自社で集客の仕組みを持たなくても、新しい取引先と出会う機会を得られます。
一方で、手数料の体系、価格の表示範囲、使える決済方法などは運営側の仕様に従うことになります。
この方法が合いやすいのは、既存の取引先がまだ少なく、まず見つけてもらうことを優先したい場合です。
扱う品目が絞られていて、商品情報の登録作業が重くならない場合も進めやすくなります。
出品して反応を見てから、自社サイトの構築を検討するという順序も取れます。
注意したいのは、既存の卸や代理店に卸している商品を同じモールに並べる場合です。
モールの仕様によっては価格が広く見える形になるため、既存の取引価格との関係を先に確認しておく必要があります。
価格をどの範囲まで公開する設定にできるのかは、出品前に運営者へ確かめる事項です。
簡易受発注システムを導入する場合
三つ目は、簡易な受発注システムを導入する方法です。
これは既存の取引先の注文受付を電子化することが主な目的で、商品を探してもらうことより、決まった品番を早く正確に注文してもらうことに寄った仕組みです。
FAXや電話で受けた注文を転記する作業を減らしたいという課題に対しては、対象が明確な分だけ効果を見極めやすくなります。
合いやすいのは、取引先が固定していて、繰り返しの注文が中心の場合です。
品目の入れ替わりが少なく、相手も発注する品番を把握しているなら、カタログとしての作り込みは優先度が下がります。
導入の範囲を既存取引先に限定できるため、既存の販路との衝突も起きにくくなります。
限界もあります。
新規の取引先を見つける機能を前提にしていないため、販路の拡大そのものには直接つながりません。
将来的に商品点数を増やしたり、カタログとして見せたりする予定があるなら、その段階で別の仕組みへ移る前提になるのか、同じ仕組みを広げられるのかを確認しておきます。
選ぶ際に見るべき条件
三つの選択肢のどれを選ぶかは、次の五つの条件で見ていきます。
一つ目は取引先ごとの価格設定ができるか、二つ目は請求書払いを含めて決済手段を取引先の区分ごとに切り替えられるか、三つ目は基幹システムや販売管理ソフトへ注文データを渡せるか、四つ目は商品情報の登録と更新を自社の体制で回せるか、五つ目は運用中に設定を変えたいときにどこまで自社で対応でき、どこからサポートへ依頼するのか、です。
見積もりを比べるときは、初期の構築にかかる費用と毎月の費用の内訳、標準機能とカスタマイズの境目、既存データの移行方法、サポートの範囲を同じ項目で並べます。
項目がそろっていないと、安く見える提案が実は必要な機能を含んでいなかった、という判断の誤りが起きます。
金額だけでなく、自社の担当者が毎日の更新を続けられるかという運用面も、同じ土俵で比べておきたい点です。
選択肢の輪郭が見えたところで、製造業の取引で特に設定が必要になる条件を見ていきます。
製造業特有の取引条件で見落としやすい点|掛け率・請求書払い・与信管理
価格の非公開設定
BtoBでは、価格を誰にでも見せたくない事情があります。
取引先ごとに価格が違う場合、公開した価格と実際の取引価格の差が既存の関係に影響することがありますし、競合他社に価格を把握されることを避けたい場合もあります。
そのため、ログインの前は品番や仕様までを見せ、価格はログインの後にだけ表示するという分け方が、検討の対象になります。
ただし、すべてを非公開にすると、検索から新しい取引先が訪れる経路も閉じます。
商品の仕様や技術情報は公開し、価格と在庫だけをログイン後に出す二層の作りにすると、見つけてもらう経路を残しながら価格の扱いは守れます。
どちらを優先するかは、新規開拓を目的に含めるかどうかで変わります。
確認したいのは、会員区分ごとの表示制御が標準機能として備わっているかという点です。
ログインの有無で出し分けるだけでなく、区分ごとに見せる商品そのものを変えたい場合は、さらに細かい設定が必要になります。
自社がどこまでの出し分けを求めているのかを、区分の数と条件で書き出してから相談すると、話が早く進みます。
取引先ごとの掛け率設定
掛け率は、定価や標準価格に対してどの割合で取引するかを示す考え方で、取引先の区分や取引量によって変わることがあります。
BtoB通販では、この掛け率をどの単位で持つかが設計の分かれ目になります。
取引先をいくつかのランクにまとめて一律の掛け率を当てる方法、取引先ごとに個別の価格を持つ方法、数量に応じて段階的に価格を変える方法があり、自社の実態がどれに当たるかで必要な機能が変わります。
気をつけたいのは、原則の掛け率があっても、商品ごとに例外を設けている場合です。
特定の品目だけ別の条件で取引しているなら、区分ごとの一律設定では表現できず、商品と取引先の組み合わせで価格を持てる仕組みが必要になります。
例外がどれくらいあるのかを数えておくと、必要な機能の範囲を具体的に説明できます。
運用の面では、価格改定のときに誰がどう更新するかを決めておきます。
原材料費の変動で価格を見直す場合、区分ごとの掛け率を変えるだけで済むのか、取引先ごとの個別価格を一つずつ直す必要があるのかで、作業量が大きく変わります。
一括での取り込みや更新ができるかどうかは、導入前に確認しておきたい点です。
請求書払い・与信管理への対応
取引先への販売では、月末で締めて翌月に支払う請求書払いを前提にすることがあります。
ただし、すべての取引が掛売になるとは限りません。
新規の取引先は前払いにする、少額の注文はカード決済にするなど、条件によって決済手段を分けている場合は、その分け方を通販の画面でも再現できるかを確認します。
与信については、Webで申し込みを受けられるようにすると、これまで接点のなかった相手からの申込が入ることがあります。
誰をどの基準で受け入れ、どこまでの取引額を認めるのかを、申込が来る前に決めておくほうが、対応にばらつきが出にくくなります。
自社で審査する場合も、外部の決済サービスを利用する場合も、審査に通らなかったときにどう案内するかまで含めて手順にしておきます。
ここで挙げているのは一般的な検討の論点で、掛売の条件や請求のしかたは取引形態や契約内容によって扱いが変わります。
自社の契約や取引先との取り決めに関わる部分は、既存の契約書と照らして確認してください。
また、受注の窓口を通販に一本化しても、請求元が複数に分かれている場合は請求の仕組みまで自動でまとまるわけではないため、受注と請求は分けて確認します。
ここまでの内容を、始める前に確認する項目としてまとめます。
始める前に確認しておきたいポイントとまとめ
始める前のチェックポイント
始める前に確認しておきたい項目は、目的、対象、価格、決済、連携、運用の六つに整理できます。
目的は新規開拓か既存取引の効率化か、対象は誰にIDを出すか、価格は取引先ごとの出し分けが要るか、決済は掛売と他の手段をどう使い分けるか、連携は基幹システムへ注文データを渡すか、運用は商品情報と価格を誰が更新するかです。
この六つが決まっていれば、どの選択肢を選ぶ場合でも、見積もりの依頼と比較の基準を同じ形で作れます。
小さく始めて広げる進め方は、体制が限られている場合に取りやすい方法です。
まず既存取引先の一部に使ってもらい、注文から出荷、請求までの流れが回ることを確かめてから、対象を広げていきます。
ただし、後から取引先ごとの価格設定が必要になると、仕組みそのものを入れ替えることになる場合があります。
価格の出し分けと決済手段の切り替えについては、当面使わない予定でも将来必要になるかどうかを最初の要件に含めて確認しておくと、作り直しを避けやすくなります。
始めた後に見る項目も、あらかじめ決めておきます。
注文件数だけでなく、電話やFAXで受けていた注文のうちどれだけがWebに移ったか、受注の入力にかけていた時間がどう変わったかを見ると、効率化を目的にした場合の進み具合を判断できます。
新規開拓を目的にした場合は、問い合わせや新規の取引申込がどの経路から来たのかを記録しておくと、次の打ち手を決めやすくなります。
次に、自社の状況ごとに、どの選択肢から検討し始めるかを整理します。
取引条件を書き出し、既存の販路との線引きを決めるところまでは、仕組みを選ぶ前に自社だけで進められます。

自社の取引条件を書き出したあとに残るのは、その条件が実際の画面と運用でどこまで標準機能に収まるのかという判断です。取引先ごとの価格設定や請求書払い、注文データの受け渡しは、製品によって標準と追加開発の境目が違うため、条件を並べて確認した経験のある提供元に相談すると、複数の見積もりを比べる基準を早くそろえられます。
整理した取引条件をそのまま持ち込み、会員区分ごとの価格の出し分け、請求書払いの運用、基幹システムへの注文データの受け渡しが標準機能の範囲で実現できるのか、どこからが追加の作業になるのかを、実際の画面で確かめられます。無料相談で要件を整理する
自社の状況別に見た、最初に検討する選択肢
既存の取引先がすでにあるかどうかと、取引先ごとに価格を変える必要があるかどうかの二つの条件で整理しています。
- 既存取引先が固定していて、注文受付の手間を減らしたい場合は、簡易受発注システムから検討する
- 取引先ごとに掛け率や個別価格があり、商品点数も多い場合は、会員区分ごとの価格表示に対応したECカートのBtoB機能を軸に検討する
- 既存取引先がまだ少なく、まず新しい取引先に見つけてもらいたい場合は、卸売・業務用の専門モールへの出品を検討する
- 代理店や卸を経由する販路が中心の場合は、直販と競合しない売り方を先に決めてから仕組みを選ぶ
- 基幹システムや販売管理ソフトへの取り込みを前提にする場合は、どの選択肢でもデータ連携の可否を最初に確認する
新規開拓を主な目的にするか、既存取引の手間を減らすことを主な目的にするかで、優先して見る条件は入れ替わります。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 目的 | 新規開拓か既存取引の効率化かを先に決める |
| 対象 | 誰にIDを出すかを決め、既存の卸・代理店との線引きを固める |
| 価格 | 取引先ごとの個別価格が必要なら、会員区分と価格の結び付けを最初の要件に入れる |
| 決済 | 掛売を基本にするか、区分ごとに決済手段を切り替えるかを決める |
| 連携 | 基幹システム・販売管理ソフトへ注文データを渡せるかを見積もり前に確認する |
| 運用 | 商品情報と価格を誰がどの頻度で更新するかを決めてから仕組みを選ぶ |

確認する項目が決まっても、商品情報の登録や日々の更新を自社の体制で回せるかどうかは、運用の手順まで見ないと判断しにくい部分です。加盟店向けの通販サイトを立ち上げた事例のように、商品点数が多い場合の登録や更新には進め方があり、導入を支援している提供元に確認すると、自社で無理なく始められる範囲を具体的に見積もれます。 自社の商品点数と更新の頻度を前提に、登録作業にどれくらいの手間がかかるのか、小さく始めてから対象を広げる場合に何を最初の要件へ入れておくべきかを確かめられます。
よくある質問
BtoB通販は既存の卸売と併用すべきですか、置き換えるべきですか
併用するか置き換えるかは、既存取引先との取り決めによって決まります。代理店や卸に販売地域や販売先の取り決めがある場合は、通販を既存取引先の注文受付の窓口として使い、直販とは分ける形が検討しやすくなります。取り決めがなく、これまで自社で直接販売してきた商品であれば、通販に寄せていく選び方もできます。いずれの場合も、同じ商品を誰にどの価格で売るのかという線引きを先に決めてから、サイトの仕様を決めてください。
小規模事業者でも取引先ごとの与信管理は必要ですか
掛売で販売する限り、規模にかかわらず取引先ごとの与信の判断は必要になります。ただし、既存の取引先だけを対象にする場合は、これまでの取引実績が判断材料になるため、新たに基準を作る負担は小さくなります。Webから新規の申込を受ける場合は、受け入れの基準、認める取引額の範囲、審査を誰が行うかを先に決めておくと、申込が来てから迷わずに対応できます。自社で審査する方法と外部の決済サービスを利用する方法があり、どちらを選ぶかは見込まれる申込の件数と社内で割ける手間から判断します。
請求書払いに対応するにはどんな仕組みが要りますか
注文の時点で支払いを求めず、締め日にまとめて請求する流れを、画面と社内業務の両方で作る必要があります。具体的には、取引先ごとに掛売を許可する設定、締め日と支払期限の管理、請求データの作成という三つが関わります。すでに社内で請求業務を行っている場合は、通販で受けた注文をその請求の仕組みへ取り込めるかが確認点になります。受注の窓口を通販に一本化しても、請求元が複数に分かれている場合は請求の仕組みまで自動でまとまるわけではないため、受注と請求は分けて確認してください。
取引先ごとに価格(掛け率)を変える場合、どう設定し、どう非公開にすればよいですか
会員の区分や取引先コードと価格を結び付けて管理し、ログインした相手に応じて表示を切り替える機能が必要です。IDを発行するだけでは個別の価格は表示されないため、その機能が標準で備わっているかを確認してください。非公開にする範囲は、ログインの前は品番と仕様まで、価格と在庫はログインの後という分け方が基本の形になります。商品そのものを区分ごとに見せ分けたい場合はさらに細かい設定が必要になるため、区分の数と条件を書き出したうえで相談すると判断しやすくなります。
商品点数が少なくてもBtoB通販は始められますか
始められます。点数が少ない場合は、カタログとしての作り込みより、決まった品番を早く注文できる画面と、取引先ごとの価格設定が整っているかを優先して見てください。ただし、将来的に取り扱いを増やす予定がある場合は、商品情報の登録方法と、一括での取り込みができるかどうかを先に確認しておくと、後の作業が軽くなります。
- 1 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(日東電工CSシステム株式会社様)」 経路
画像の出典元
- A minimalist workspace with an open laptop, coffee mug, and/Photo by Yan Krukau on Pexels
- Profile view of a sleek modern laptop in a minimalist style,/Photo by 500photos.com on Pexels
- Scenic view of Zagreb’s public media headquarters under a cl/Photo by Vladimir Srajber on Pexels
- A peaceful, sunlit tree-lined avenue in Madrid, ideal for a/Photo by Paulo Cerqueira on Pexels