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ショップバイヤーの費用と月額|内訳と選び方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 月額は、仕入れ先の場に参加する会費と、自社の受発注の場を維持する利用料の2つに分かれます。
  • 見積は基本利用料・追加費用・決済と請求の費用の3区分に並べ直すと、抜けている項目が見つかります。
  • 月額が上がるのは契約の見直し時ではなく、商品数・会員数・取引先数の枠を越えた時点です。
  • 年額は月額の12倍に、初期費用を利用予定の月数で割った額を足して求めます。3年前提なら36か月です。
  • 支援制度は補助対象経費・補助率・補助額の下限と上限・クラウド利用料の対象年数の4点を公募要領で確認します。

A collection of vintage items including a yellow toy car and
▽ 写真の出典元

ショップバイヤーの費用と月額の全体像

ショップバイヤーとは、店舗や小売事業者が扱う商品を選び、仕入れの実務を担う調達の担当者です。本記事で扱う費用と月額は、2つの範囲に限ります。仕入れ側が場へ払う会費と、受注側が自社の受発注の場を保つために払う利用料です。ショップバイヤーの費用と月額は、誰がどの場に対して払うのかで中身が変わります。仕入れを担当する側が払うのは、仕入れ先が集まる場に参加するための会費です。受注を受ける卸やメーカー側が払うのは、自社の受発注の場を維持するための利用料になります。同じ月額という言葉でも、この2つは課金の起点が違います。自社の立場を決めてから固定費と変動費に分けると、金額の根拠を社内で説明できる形に整います。本節では、両方の立場に共通する費用の数え方を先に整理します。

費用が発生する場面は、大きく3つに分かれます。1つ目は場に参加し続けるための固定費で、月額や年会費がここに入ります。2つ目は取引が起きたときだけ発生する変動費です。3つ目は開始時に一度だけ発生する初期費用になります。この3区分は年額へ換算するための枠であり、月額に何が含まれるかという内訳は後の節で扱います。3つを混ぜたまま見積を読むと、毎月いくら見込むべきかが分からなくなります。

仕入れ側の月額は、参加する場ごとに発生します。無料の会員プランと有料の会員プランを分け、月会費の有無で使える範囲を変えている場が公表されています6。買い手側の登録料や入会金、月会費を設けないと案内している場もあり、その場合は費用の中心が仕入れ代金と送料へ移ります7。どちらも公式の案内で条件を確かめられます。ただし、月会費そのものの金額は、本記事の執筆時点で公表値を確認できていません。金額の代わりに見るべきは、月会費の額、無料で使える範囲の上限、有料プランで開く機能という3点です。

受注を受ける側の月額は、自社が持つ受発注の場の規模で決まります。商品数や会員数の上限がプランの区切りになる形が料金の案内に示されています4。基幹システムとの連携や画面の作り込みを含む形では、初期費用と月額の双方が規模で変わると公表されています5。もっとも、初期費用の桁や月額の下限から上限までのレンジは、本記事の執筆時点で具体的な公表値を確認できていません。金額を押さえたい場合は、想定する商品数と会員数を添えて各社へ見積を依頼する形が近道です。月額の数字だけを見比べても、自社が払う金額にはたどり着きません。

では、どの順序で数えれば社内の説明が通るのでしょうか。費用の全体像は、4つの順序で分解すると社内で説明しやすくなります。第一に立場の確定、第二に固定費と変動費の切り分け、第三に年額への換算、第四に上限超過の確認です。年額への換算では、月額を12倍し、初期費用を利用予定の月数で割った額を足します。3年使う前提であれば、36か月で割る計算になります。

金額を比べるときは、税抜と税込のどちらの表記かをそろえてください。料金の案内は改定されるため、確認した年を添えて社内資料に残す方法が安全です。2026年に入っても各社の料金ページは更新が続いており、見積の根拠は取得した時点と対にして扱う形が前提となります。企業間の電子商取引については市場規模とEC化率(全取引に占める電子商取引の割合)が毎年公表されており、前提の年をそろえる考え方は同じです1

月額を下げること自体が目的になると、判断を誤ります。参加する場を減らせば会費は下がりますが、仕入れ先の選択肢も同時に減ります。上限の小さいプランを選べば月額は下がる一方で、商品数が増えた時点で上位プランへの変更が要ります。費用の話は、削減できる額と失う範囲を並べて初めて比較として成立します。

ショップバイヤーの費用の全体像は4つの順序で分解します。立場の確定では仕入れ側か受注側かを決めます。固定費と変動費の切り分けでは、毎月かかる額と取引で動く額を分けます。年額への換算では月額の12倍に初期費用を足します。上限超過の確認では枠の値と現在値の差を見ます。
立場の確定から上限超過の確認までの費用の数え方

見積を依頼する前に確定させる項目の優先順5件(順位根拠:後の項目の金額が前の項目の決定に依存する順序)

  1. 自社の立場を確定します。仕入れ側として会費を払うのか、受注側として受発注の場を維持するのかで、課金の起点が変わります。
  2. 想定値を4つ書き出します。商品数、会員数、取引先数、月間の注文件数がそろわなければ、返ってくる金額の意味がそろいません。
  3. 利用予定の月数を決めます。3年なら36か月、5年なら60か月で初期費用を割り付け、年額として比較できる形にします。
  4. 上限を越えた場合の条件を質問に入れます。枠の値と、越えた後の単価やプラン変更の扱いを確認しておけば、増える時期を予算に織り込めます。
  5. 税抜か税込か、保守料を含むかを指定します。表記と含む範囲がそろって初めて、3区分の合計を稟議資料の1つの表に載せられます。

月額課金の料金体系の主な種類

料金体系は、参加する場に会費を払う形と、自社で受発注の場を持つ形の2つが軸になります。前者は固定の月会費が中心で、後者は初期費用と月額に加えて規模ごとの区切りが入ります。さらに、固定費と従量課金を組み合わせた形もあります。どれが自社に合うかは、取引先の数と注文の件数、そして仕入れ先を新たに探す必要があるかどうかで決まります。3つの体系の課金軸を先に押さえると、見積の比較が成り立ちます。なお、受発注システムの選定基準と見積比較の手順は、当サイトの関連記事でも個別に扱っています。

会費型の参加は、仕入れ先が集まる場に月会費を払って加わる形です。課金軸は会員プランの区分そのものであり、金額は会員プランを変えたときに動きます。無料の会員プランと有料の会員プランを分けている場では、月会費の有無で使える範囲が変わります6。買い手の登録料や入会金、月会費を設けないと案内している場もあります7。月額の数字だけでなく、無料で使える範囲がどこで終わるのかを確認してください。

自社の受発注システムを持つ形では、初期費用と月額の両方が発生します。課金軸は商品数と会員数という枠の大きさです。商品数と会員数の上限でプランを分ける料金の案内が公表されています4。既存の基幹システムに合わせた作り込みを含む形では、規模ごとに初期費用と月額の幅が示されています5。取引先ごとの掛率(定価に対する卸値の割合)や請求の締め日を持つ商習慣であれば、この形が検討の対象に入ります。

固定費と従量課金の併用は、月額を抑えて注文の増加分を後から払う形です。課金軸は注文件数や取扱高といった取引の量になります。読み方は単純で、固定費の月額に、想定する注文件数を掛けた変動費を足すだけです。注文が月100件のときと月1000件のときの2通りで計算すると、体系による増え方の差が見えてきます。件数の想定は営業側の計画から取り、費用の側で作らないでください。

体系を比べるとき、そろえるべきは金額よりも課金軸です。商品数で課金する形と取扱高で課金する形は、同じ月額でも増え方が異なります。前提の違う2つを1列に並べて優劣を付けると、社内の判断を誤らせます。比較表には金額だけでなく、何が増えると費用が増えるのかという列を1つ足してください。

自社のIT予算の枠は、体系を選ぶより前に決めておく前提条件になります。企業のIT予算や投資の動きは業界団体の年次調査でも継続して扱われています3。枠を決めないまま見積を集めると、比較の基準がその都度動いてしまいます。先に上限を置けば、集める見積の条件も自然に定まります。

導入後の乗り換えを想定するかどうかも、体系の選び方に影響します。会費型は解約が軽い一方、自社の受発注の場はデータの移行を伴います。初期費用を払う形ほど、利用予定の月数を長めに置いて年額を計算することになります。3年前提と5年前提では、1か月あたりに割り付ける初期費用がおよそ1.7倍の差になります。

自社の商流に合わせた要件整理を進めたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。

月額費用の内訳と見落としやすい項目

月額の内訳は、基本利用料、追加費用、決済と請求の費用の3つに分けて数えます。基本利用料に何が含まれるかは体系ごとに違い、商品数の上限や会員数の上限が枠として設定されます。追加費用には独自ドメインやデータ連携が入り、契約の後で足される項目です。決済手数料は取引が動いた分だけ増えます。与信(取引先の支払い能力を審査して後払いを認める仕組み)の費用も同じ動き方をします。この3区分で見積を並べ直すと、抜けている項目が浮かび上がります。

基本利用料に含まれる範囲は、料金の案内で確かめられます。商品数の上限と会員数の上限をプランの区切りとして公表している例があります4。上限に達した時点で上位プランへ移るため、現在値ではなく1年後の見込み値で選ぶことになります。現在値が枠の半分でも、年内に倍増する計画があるなら枠は先に取っておきます。

追加費用は、基本利用料の外側に積み上がります。独自ドメインの利用、機能の拡張、基幹システムとのデータ連携が代表的な項目です。作り込みを含む形では、規模に応じて初期費用と月額の幅が示されています5。見積を受け取る際は、月額に含む項目と別建ての項目を分けた一覧を求めてください。

決済と請求の費用は、取引が動いた分だけ発生します。第1節で変動費と呼んだ費用は、実際にはここで数えます。決済手数料は取扱高に対する率で決まり、請求の締めや回収を任せる場合は与信の費用が加わります。率が0.1ポイント違うだけでも、取扱高が大きいほど年額の差は開いていきます。固定費の比較に気を取られると、この変動費を見落とします。

見落としやすいのは、初期費用の中に入っている作業の範囲です。データの移行、商品情報の登録、取引先ごとの掛率の設定は、誰がどこまで担当するかで金額が動きます。自社で担う範囲を広げれば見積は下がる半面、社内の工数は増えます。この振り替えは費用の削減ではなく、費用の置き換えにすぎません。

保守と問い合わせ対応の扱いも確認してください。月額に含む形と、別の保守料として払う形の2通りがあります。障害が起きたときの対応範囲が契約に書かれているかどうかは、金額と同じ重さで見る項目です。書かれていない範囲は、実質的に自社の負担として残ります。

区分 代表的な項目 費用の動き方 確認する点
基本利用料 商品数の上限と会員数の上限 上限を越えた時点で上位プランへ移る 1年後の見込み値で枠を選ぶ
追加費用 独自ドメイン、機能の拡張、データ連携 契約の後で基本利用料の外側に積み上がる 月額に含む項目と別建ての項目の区分
決済と請求の費用 決済手数料、与信の費用 取引が動いた分だけ増える 取扱高に対する率と年額の差
保守と問い合わせ対応 障害が起きたときの対応範囲 月額に含む形と別の保守料の2通り 契約に書かれていない範囲の負担

費用が変動する要因と増えるタイミング

月額が増えるのは、契約を見直したときではなく、上限を越えた時点です。商品数、会員数、取引先数の3つがプランの区切りとして使われ、いずれかが枠を越えると上位プランへ移ります4。注文件数や取扱高に連動する費用は、越えた分だけ毎月変わります。加えて、請求書に現れない運用の工数という費用もあります。この4つを分けて追えば、費用が増える時期を前もって見積もれます。

段階的な課金では、枠の手前と直後で月額が変わります。枠の8割に達した時点を社内の警戒線に置くと、予算の追加を事前に申請できます。上位プランへの移行が期の途中で起きると、当期の予算に収まらない事態を招きます。枠の値と現在値の差は、月次で確認する項目に入れてください。

注文件数や取扱高に連動する費用は、繁忙期に跳ね上がります。では、どの月を基準に見積もるべきでしょうか。年間の平均だけで見ると、月ごとの振れ幅が資料から消えてしまいます。月別の注文件数を12か月分並べ、注文が多い月と少ない月の2点で計算する形が確実です。2点の差がそのまま、必要な予算の幅になります。

取引先数の増加は、費用と効果の両方に効いてきます。取引先が増えるほど受注処理の削減量は大きくなり、同時に会員数の枠へ近づきます。たとえば取引先が20社から60社へ増えれば、同じ月額でも1社あたりの負担は3分の1になります。1社あたりの月額に換算して並べると、社内の説明が通りやすくなります。

運用の工数は、請求書に現れない費用です。受注データの取り込み、在庫の引き当て、請求の突き合わせにかかる時間は、担当者の人件費として社内に残り続けます。この時間を月あたりの時間数で測れば、月額との比較が成り立ちます。測っていない工数は、削減の効果としても計上できません。

値上げや条件の改定にも備えが要ります。料金の案内は改定されるため、契約更新の時期に条件を再確認する運用を決めておきます。2026年時点で公表されている金額も、次の更新で変わる前提で扱ってください。公的な支援制度の条件も年度ごとに見直されます2

増える時期が読めていれば、費用は事故になりません。枠の値、現在値、増加の速度という3つを1枚にまとめ、四半期ごとに更新する形が現実的です。この1枚があれば、上位プランへの移行を予算の議論に先回りさせられます。

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料金体系ごとの向き不向きの見極め

体系の向き不向きは、仕入れの頻度と取引先の数、そして乗り換えの可能性で決まります。仕入れ頻度が低い段階では、会費型の参加が費用の面で扱いやすくなります。取引先が増えた段階では、自社の受発注システムを持つ形が受注処理の削減につながります。判断が割れる中間の段階では、固定費と従量課金の併用が選択肢に入ります。本節では体系の説明を繰り返さず、どの条件でどちらを選ぶかという基準と、切り替えに伴う費用だけを扱います。

仕入れ頻度が低い段階では、固定費を小さく保つ選び方が合います。判断の目安になるのは、月の仕入れ回数と、新しい仕入れ先を探す必要がどれだけあるかという2点です。回数が少なく、探索の要望のほうが強いのであれば、参加の負担が軽い形から始める判断になります。この段階は費用が増える起点を自社の意思で動かせるため、予算の管理も楽になります。

取引先が増えた段階では、判断の軸が費用そのものから処理の量へ移ります。目安は月間の受注件数と、取引先ごとに異なる条件をどこまで抱えているかです。電話と用紙による受注が月に数百件も残っているなら、自社で受発注の場を持つ判断が現実的になります。ただし、枠を越えた時点で月額が段階的に上がる点は、選ぶ前に織り込んでおきます。

注文件数が読めない段階では、どちらへ寄せるべきでしょうか。判断の目安は、想定件数の上振れと下振れの幅です。幅が2倍を超えるのであれば、固定費を小さく置いて増加分を後から払う形が緩衝材になります。売上と費用が同じ向きに動く点は、予算の説明としても受け入れられやすい形です。

乗り換えのときには、月額とは別の費用が発生します。商品情報と取引先情報の移行、取引先への案内、新旧の並行稼働の3つが代表的な負担です。並行稼働の期間は月額が二重に発生するため、切り替えの月を期の区切りに合わせる工夫が要ります。移行の作業を自社で担うか外部に任せるかでも、金額は変わります。

判断が割れたときは、条件を1つだけ動かして再計算してください。取引先数を1.5倍にした場合、注文件数を半分にした場合という2通りで比べると、体系の差が数字に現れます。ここに切り替えの費用を足して初めて、選んだ後の総額として比較できます。増え方の傾きを比べる形に変えると、選ぶ理由を言葉にできます。

料金体系の向き不向きは段階ごとに見極めます。仕入れ頻度が低い段階では、月の仕入れ回数が少ないかを数え、新しい仕入れ先を探す必要がどれだけあるかを確かめ、会費型の参加から始めます。取引先が増えた段階では、月間の受注件数を数え、取引先ごとに異なる条件をどこまで抱えているかを見て、自社の受発注システムを持つ形が現実的になります。注文件数が読めない段階では、上振れと下振れの幅を確かめ、幅が大きければ固定費と従量課金の併用を選びます。乗り換えのときには、商品情報と取引先情報の移行、取引先への案内、新旧の並行稼働という負担が加わります。
段階ごとの判断の目安と選ぶ料金体系の対応

月額費用を抑えるための手立て

月額を抑える手立ては、機能の絞り込み、公的な支援制度の活用、内製と外部委託の切り分けという3つに整理できます。使わない機能を外せば固定費は下がりますが、後から足すときの費用を先に確かめておく形が前提です。支援制度については、補助対象の経費と補助率、補助額の下限と上限、クラウド利用料が対象となる年数を公募要領で確かめます2。内製の範囲を広げる判断は、社内の工数との交換になります。

機能の絞り込みは、使う場面を書き出すところから始めます。受注、在庫、請求、分析の4つの領域ごとに、初年度に使う機能と2年目以降に足す機能を分けてください。上位プランでしか使えない機能が1つだけなら、その機能の価値と差額を比べる形になります。差額の年額が納得できない水準であれば、運用で代替する道も残ります。

公的な支援制度は、年度ごとに枠の名前と条件が変わります。補助対象経費、補助率、補助額の下限と上限、クラウド利用料が対象となる年数という4点は、当該年度の公募要領で確認します2。前年度の条件をそのまま社内資料へ写すと、申請の段階で差し戻されます。制度の名称自体が年度で変わる点にも注意が要ります。

支援制度を前提に予算を組むときは、採択されなかった場合の道筋も用意します。補助を受けられなければ着手できない計画は、社内の承認が下りにくくなります。自己資金だけで進める案と、支援を受けて範囲を広げる案の2案を並べる形が現実的です。2案の差額を明示すれば、判断の材料がそろいます。

内製と外部委託の切り分けは、金額ではなく担当できる時間で決めます。商品情報の登録や取引先の初期設定は内製に向きますが、基幹システムとのデータ連携は経験の差が出やすい領域です。内製へ寄せた分は月額が下がる代わりに、担当者の時間が月あたり何時間要るのかを見積もる話になります。時間を見積もらない内製化は、費用の付け替えで終わります。

支払いの条件も見直しの対象になります。年払いと月払いで金額が変わる場合があり、契約の期間によっても条件は動きます。ただし、長期の契約で単価を下げる判断は、乗り換えの自由度を手放すことと表裏です。事業の見通しが1年先までしか立たない段階では、短い契約から始める選び方が無難でしょう。

抑えすぎにも副作用があります。上限の小さいプランで始めれば月額は下がりますが、枠を越えた時点で移行の作業が発生します。年に2回も3回もプランを変更すれば、そのたびに設定の確認と社内の説明が要ります。削減額と手間を並べたうえで、変更の回数が少なく済む水準を選んでください。

A collection of old-fashioned alarm clocks displayed on a colorful table at an outdoor flea market.
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費用対効果の検証と社内稟議の進め方

稟議を通すには、効果指標の設定、費用の分解、見積依頼、稟議資料の作成という4つの段取りを順に踏みます。効果を測る指標を先に決めなければ、費用が高いか安いかを判断する基準ができません。費用は固定費と変動費、初期費用の3区分に分けて年額へ換算します。見積は条件をそろえて集め、金額の差が何から生じているのかを説明できる形にします。この順序を守れば、差し戻しの回数を減らせます。

効果指標の設定では、金額に換算できる指標を2つか3つ選びます。受注1件あたりの処理時間、電話と用紙による受注の件数、入力の誤りに伴う再処理の件数が候補になります。導入の前に現在値を測っておかなければ、後から効果を示せません。測定の期間は繁忙期と閑散期の両方を含む形が望ましいでしょう。

費用の分解では、月額を12倍した額に、初期費用を利用予定の月数で割った額を足します。3年で見るなら36か月、5年で見るなら60か月で割る計算です。ここへ決済手数料などの変動費を、想定する取扱高に基づいて加えます。3区分がそろって初めて、年額としての比較ができる状態になります。

見積依頼では、前提条件を文書で渡します。商品数、会員数、取引先数、月間の注文件数という4つの想定値を明記すれば、返ってくる金額の意味がそろいます。税抜か税込か、保守料を含むか、上限を越えた場合の単価はいくらかという3点も、依頼の時点で質問に加えてください。回答は公式の料金の案内と突き合わせて確認できます45

稟議資料の作成では、費用と効果を同じ期間で並べます。年額の費用に対し、指標の改善量を金額へ換算した値を置く形です。効果が費用を下回る想定であれば、そのまま示したうえで、取引先数がどこまで増えれば釣り合うのかという分岐点を添えてください。都合のよい前提だけで釣り合わせた資料は、後の検証で信頼を失います。

検証は導入後も続きます。半年と1年の2つの時点で、指標の現在値と枠の使用率を確認する運用を決めておきます。企業のIT投資の動向は業界団体の年次調査でも継続して扱われており、社外の動きと自社の数字を並べる材料になります3。企業間の電子商取引の市場規模とEC化率も毎年公表されており、事業計画の前提として参照できます1

費用の説明は、金額の大小ではなく増え方の説明です。何が増えると費用が増えるのかを1文で言えれば、稟議の場で問われても答えられます。逆に、増える起点を説明できない見積は、金額が小さくても承認されにくいものです。分解の型を一度作れば、次の投資の判断にも同じ型を使い回せます。

ここまでの結論を、3点に絞って振り返ります。第一に、月額という言葉の意味は立場によって変わります。仕入れ側が払う会費と、受注側が払う受発注の場の利用料では、課金の起点が別物です。自社がどちらに立つのかを決めない限り、金額の比較は成り立ちません。

第二に、費用は固定費、変動費、初期費用の3区分で数え、年額へ換算して比べます。月額を12倍した額に、初期費用を利用予定の月数で割った額を足す形です。そこへ想定する取扱高に基づく変動費を加えれば、体系の違う見積を同じ土俵に載せられます。

第三に、費用が増える起点は契約の見直しではなく、上限の超過です。商品数、会員数、取引先数のいずれかが枠を越えた時点で、月額は次の段へ上がります。枠の値と現在値の差を月次で追えば、増加の時期を予算の議論へ先回りさせられます。

見積の条件をそろえる具体的な手順は、当サイトの関連記事でも書式として紹介しています。FSOLでは、受発注システムの選定と導入を支援しています。本記事で示した費用の分解や稟議資料の作成をそのまま持ち込み、自社の条件に合わせて相談できます。

本文の脚注に対応する資料は、次のとおりです。1は企業間の電子商取引の市場規模とEC化率を扱う公的な年次調査、2は当該年度のIT導入支援制度の公募要領、3は業界団体が毎年公表する企業のIT動向調査です。4から7は、受発注システムや仕入れの場を運営する各社の公式料金ページにあたります。

これらの発行元名、資料名、公表年、参照日は、掲載の前に最新版で確定して一覧に明記します。本記事の執筆時点では、各資料の版と公表年を確定できていません。公表年が2年より古い資料は最新版へ差し替え、差し替えができない場合は本文に公表年を添えます。読者が古い数値だと判別できる形にしておけば、数値の扱いを誤らせずに済みます。

稟議は4つの段取りを順に踏みます。効果指標の設定では、金額に換算できる指標を2つか3つ選び、導入の前に現在値を測ります。費用の分解では、固定費と変動費、初期費用の3区分に分けて年額へ換算します。見積依頼では、商品数や会員数などの想定値を文書で渡し、条件をそろえて集めます。稟議資料の作成では、費用と効果を同じ期間で並べ、釣り合う分岐点を添えます。
効果指標の設定から稟議資料の作成までの段取り

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よくある質問

無料で使える範囲と有料になる範囲の境目はどこですか

境目は場ごとに設定されており、無料の会員プランと有料の会員プランを分けて公表している場があります。有料側では掲載や機能の条件が広がる形です。買い手の登録料や入会金、月会費を設けないと案内している場もあります。判断の前に、公式の案内で無料の範囲がどこで終わるのかを確認してください。

初期費用は月額に換算して比べてもよいですか

利用予定の月数で割って月額へ足す形であれば比較できます。3年使う前提なら36か月、5年なら60か月で割ります。ただし前提の月数が違えば結論も変わるため、比較表には割り付けた月数を必ず併記してください。3年前提と5年前提では、1か月あたりの負担がおよそ1.7倍の差になります。

税抜と税込のどちらでそろえるべきですか

社内の予算資料が採っている表記に合わせてそろえます。料金の案内は税抜で示す場合と税込で示す場合があるため、収集した時点でどちらかへ統一してください。表記が混ざったまま合計すると、稟議の場で金額の食い違いが生じます。確認した年も併せて記録に残す運用が安全です。

契約後に料金が改定された場合はどうなりますか

改定の扱いは契約書の条項で決まるため、通知の時期と適用の時期を事前に確認してください。年度の途中で適用されると、当期の予算に収まらない事態が起きます。更新の時期に条件を再確認する運用を決めておけば、影響を予算計画へ先回りして反映できます。公表されている金額も、次の更新で変わる前提で扱ってください。

見積の金額が体系ごとに大きく違うのはなぜですか

課金軸が違うためです。商品数で課金する形、会員数で課金する形、取扱高で課金する形では、同じ月額でも増え方が異なります。前提の違う体系を並べて優劣を付けると判断を誤るため、商品数・会員数・取引先数・月間注文件数の4つの想定値をそろえて依頼してください。想定値がそろえば、差の理由を説明できます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和6年度 電子商取引に関する市場調査(BtoB-EC市場規模・EC化率)」(2025) 経路
  2. 2 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構/中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠(補助対象経費・補助額・補助率)」(2026) 経路
  3. 3 出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2026(2025年度調査)」(2026) 経路
  4. 4 出典:株式会社Dai(Bカート)「料金プラン(初期費用・プラン別月額・商品数/会員数上限)」(2026) 経路
  5. 5 出典:株式会社アイル(アラジンEC)「料金(カスタマイズ規模別の初期費用・月額費用)」(2026) 経路
  6. 6 出典:株式会社ラクーンコマース(スーパーデリバリー)「ヘルプ・使い方「会員プラン」(フリープラン/スタンダードプランの月会費)」(2026) 経路
  7. 7 出典:DeNA EC ソリューションズ株式会社(NETSEA)「よくある質問(バイヤー会員の登録料・入会金・月会費)」(2026) 経路

画像の出典元

  1. A collection of vintage items including a yellow toy car and/Photo by Feyza Daştan on Pexels
  2. Antique shop display featuring vintage metalware, a ship pai/Photo by Tahir Xəlfəquliyev on Pexels
  3. A collection of old-fashioned alarm clocks displayed on a colorful table at an outdoor flea market./Photo by Beyzaa Yurtkuran on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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