◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 43.1%は国内の企業間取引で電子商取引が占める割合で、導入そのものは特別な判断ではなくなっています(全業種を合わせた値です)
- DXの取り組みで成果が出ているかを「わからない」と答えた企業は26.8%あり、稼働後に効果を語れない状態は自社だけの話ではありません
- 構築期間には2か月の事例と4か月の事例があり、商品点数と連携の有無で先に置く工程が変わります
- 約20,000点の登録商品を稼働前に精査した事例があり、データの手入れは稼働後ではなく前工程に入ります
- EC-Rider Primo なら申込から最短3日で使い始められ、稼働前に現場の反応を数字で残せます
目次

企業間EC化率43%が示す導入の広がり
BtoB ECは、稼働の日を「ゴール」と置くか、定着までの期間を含めて計画するかで進め方が分かれます。取引先数と商品点数を先に数え、データの精査と試用を工程へ組み込めば、規模に合った順序が決まります。稼働後に効果を語るための数字も、稼働前にしか残せません。
朝八時、営業事務の島に積み上がる紙の束。印字したてのファクスはまだ温かく、担当者は一枚ずつ受注データへ転記していきます。取引先ごとに違う帳合の条件は、紙の余白に「前回と同じ」と鉛筆で書き足されています。この束の高さが、朝いちばんに出社した人の見る景色になっていますね。
まず、広がりの度合いを数字で確かめます。43.1%は、2024年の国内の企業間取引のうち電子商取引が占める割合です1。十件の取引のうち四件あまりが、紙や電話を挟まずに流れている勘定になります。514.4069兆円という市場規模も同じ調査の値で、企業間の商いの相当部分が画面の上を通っています1。ただしこれは全業種を合わせた「合計の値」であり、自社の業種や規模の水準をそのまま表すものではありません。
自社の業種や規模の内側でも、転記のやり直しと単価の問い合わせに使う時間は、帳簿へ項目が立たないだけで、毎月の人件費として確かに支払われています。
定着の壁|DX成果「わからない」二割強
その人件費を消すはずの稼働の日も、区切りであって終点ではありません。仕組みが立ち上がっても、取引先へ案内を出し、単価や取引条件を登録し終えるまでには時間が残ります。受注の一部が電子へ移り、残りはファクスのまま流れる並走の期間も生まれます。この並走を「移行の途中」と受け取るか、「効果が出ていない」と受け取るかで、次の一手が変わります。
一拍置いて、調査の数字を見ます。26.8%は、DXの取り組みで成果が出ているかを「わからない」と答えた企業の割合です2。2025年度の調査で、成果が「出ている」と答えた60.8%と並べると、四社に一社あまりが判断を保留している計算になります2。この調査はDX全般を尋ねたもので、EC導入企業だけを取り出した数字ではありません。
自社の成果を語るには、比べる相手の数字が要ります。稼働前のひと月の受注件数を、ファクス・電話・メール・電子の別で数え、取引先ごとに控えを残してください。稼働後に同じ数え方で並べれば、どの経路が減り、どこが動かなかったかが表になります。前の値を残さないまま月日が過ぎると、手元には「今の件数」だけが残り、増減を語る言葉が消えますね。
人材不足という土台の課題
もう一つ、「人手」という土台の数字があります。
85.5%は、DXを進める人材が量の面で不足していると答えた企業の割合です2。2025年度の値で、十社のうち八社以上が人手の足りなさを挙げている計算になります。担当者が日々の受注業務と兼務のまま稼働を迎えると、取引先への案内も商品データの手入れも、注文の合間へ押し込まれます。誰が週にどれだけの時間を充てるのかを稼働前の計画へ書き込んでおくと、案内の進み具合を後から点検できます。
400万円という初期費用の下限は、EC-Rider で小規模のカスタマイズを選んだ場合に2026年時点で示されている額で、いまの紙の手順を丸ごと写し取る道はここから始まります7。
開発期間の長短にみる定着への近道
対処は、規模に合わせて順番を入れ替えるところから始まります。取引先の数がひと目で数えられ、商品点数も限られるなら、まず「試用」から入り、現場が触った反応を見る道があります。取引先も商品点数も桁が変わるなら、データの精査を先に置き、そのうえで構築へ進む道が現実的です。どちらの進め方が優れているかではなく、自社の取引先数と商品点数がどちらに近いかを先に数えてください。
二〜四ヶ月で稼働した事例
「どれくらいで動くのか」を、実際の事例で確かめます。
フリュー株式会社は、BtoB向けのECサイトを短い期間で立ち上げた例です4。2か月という構築期間は、2016年の事例で、一つの四半期に収まる長さにあたります。フーヅフリッジ株式会社は、「実質的な開発期間」を4か月としています3。2017年の事例で、先に挙げた構築期間の倍ほどの幅があります。自社がどちらに近いかは、商品点数と、基幹システムとの連携が要るかどうかを数えると見当がつきます。
精査という前工程
稼働の前に置く工程として、「精査」があります。
株式会社ポディウムは、導入にあたって約20,000点の登録商品を精査しています5。2025年の事例で、EC-Rider Primo の有料プランが扱える30,000SKUの上限に収まる規模です6。型番の重複や廃番、取引先ごとの単価の食い違いをここで直しておけば、取引先が最初に開いた画面で「この型番はまだあるのか」と迷わずに済みます。精査を後へ回すと、同じ確認の電話が稼働後も鳴り続けます。
進め方を選ぶ基準は、取引先数と商品点数、そして精査に人をどれだけ割けるかの三つです。30日という EC-Rider Primo の無料トライアル期間は、ひと月の受注をひと回り試せる長さで、取引先は50件まで登録できます6。まず触ってから決める順序を取れば、稼働前に現場の反応を数字で持てます。取引先が10,000件の上限へ近づく規模なら、試用より先に精査と連携の設計を置く順序が向きます6。定着は稼働の翌日から始まる話で、そこへ回す時間を最初の計画へ残せるかどうかが、進め方を分ける一点。
ここから先は、条件ごとの進め方と、稼働前に数えておく項目を順に見ていきます。
帳合の条件も商品点数も会社ごとに違い、導入と定着をどの順序で進めるかは自社の受注の実物を見ながらでなければ決まりません。
取引先の数と商品点数を伝えれば、精査に要する手間と試用の範囲を稼働前の段階で見積もれます。無料相談で要件を整理する
稼働前に済ませておく手順
- 取引先数と商品点数を数え、規模に合う順序を先に決める
- 稼働前の受注件数を、ファクス・電話・メール・電子の別で控える
- 型番の重複と廃番、取引先ごとの単価の食い違いを直す
- 無料トライアルで現場が触り、使いにくい画面を先に見つける
- 担当者が充てられる時間を、稼働前の計画へ書き込む
この並びに優劣の順序はありません。
同じ手順でも置く順番は条件によって変わるため、当てはまりやすい三つの条件ごとに、先に置く工程と稼働前に数えるものを並べます。

条件別に見る進め方
| 当てはまる会社 | 先に置く工程 | 稼働前に数えるもの |
|---|---|---|
| 試用から始めたい小規模の卸売 | 無料トライアルでの試用 | 取引先数とひと月の受注件数 |
| 商品点数が万の単位に及ぶ卸売 | 登録商品の精査 | 型番の重複と廃番の点数 |
| 基幹システムとの連携が要る中堅企業 | 連携する範囲の設計 | 渡す項目と更新の頻度 |
試用から始めたい小規模の卸売
取引先の顔と名前が一致する規模では、電話とファクスでも受注が回ってしまいます。その分、稼働の後も「今までどおり電話で」と言われる場面が残ります。ここで問うべきは機能の多さではなく、受注を担う数人が明日から使えるかどうかです。
基準は、費用の総額ではなく試すまでの速さへ置きます。先に挙げた無料トライアルの範囲で主要な取引先を登録し、実際の注文を「受注から出荷指示まで」一巡させてください。申込から使い始めるまでの日数も短く、2026年時点の条件は下の表のとおりです6。使いにくい画面や足りない項目は、試用の間に一覧へ書き出しておくと、本番の設定へそのまま移せます。
この試用にかかる難しさは低めで、社内の工数は受注担当が日々の業務の「合間」に触る程度で足ります。
| 確かめる項目 | EC-Rider Primo での条件 |
|---|---|
| 試用できる期間 | 30日 |
| 登録できる取引先数 | 50件まで |
| 申込から利用開始まで | 最短3日 |

少人数で受注を回している会社ほど、試している間に通常の受注が止まらない段取りが要ります。
どの取引先から登録すれば無理なく試せるかを、試用を始める前に整理できます。無料相談で自社の条件を持ち込む
商品点数が万の単位に及ぶ卸売
商品点数が万の単位になると、紙の台帳と実際の在庫がずれている箇所が出ることがあります。急ぐのは構築ではなく、その前のデータの手入れです。型番の重複、廃番と後継品の対応、取引先ごとの単価を、担当を割り当てて洗い出してください。「あとで直す」と決めた項目ほど、稼働後の問い合わせとして戻ってきます。
基準は、稼働の早さよりも登録した情報の正しさへ置きます。先に挙げた精査の事例では、導入にあたって登録商品を一通り見直しています5。30,000SKUという上限は、2026年時点の EC-Rider Primo の有料プランで扱える商品数で、自社の点数がこの範囲に収まるかどうかで選べる仕組みが変わります6。精査の期間は工程表へ「別枠」で書き込み、構築の期間と混ぜないでください。
難しさは中くらいで、社内の工数は商品担当が期間を区切って「専念」する規模になります。
| 精査する対象 | 確かめること |
|---|---|
| 登録商品の型番 | 重複と表記のゆれ |
| 廃番の商品 | 後継品への置き換え |
| 取引先ごとの単価 | 現行の帳合条件との一致 |
| 在庫の数量 | 台帳と実地の差 |
精査の分量は商品点数と型番の状態で決まり、自社の台帳を見ないまま期間だけを置くと工程表が崩れます。
どの項目から手を付ければ精査が短く済むかを、着手の前に確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む
基幹システムとの連携が要る中堅企業
基幹システムとの連携が前提になると、決めることが受注画面の外へ広がります。「連携」と一言で呼ばれる作業は、どの項目を、どちらの向きに、どれだけの頻度で渡すかという取り決めの集まりです。ここが決まらないまま構築へ入ると、後からの作り直しが費用として積み上がります。
基準は、稼働までの速さではなく、費用の幅を先に押さえることへ置きます。EC-Rider のカスタマイズは、2026年時点で小規模なら初期費用400万円から、大規模のモデルケースでは1500万円からという水準が示されています7。取引先数が先に挙げた上限に届く規模なら、「まず受注だけ」と範囲を区切り、段階的に広げる順序も選べます6。
難しさは高めで、社内の工数は情報システムと営業管理の担当が要件の確認へ継続して「同席」する体制になります。
| 決めておく事柄 | 確かめる中身 |
|---|---|
| 連携する項目 | 受注・在庫・単価のどれを渡すか |
| 渡す向き | 基幹から送るのか、受け取るのか |
| 更新の頻度 | 即時か、一日ごとにまとめるか |
| 初期費用の下限 | 大規模のモデルケースで1500万円から(EC-Rider) |

連携の範囲は費用と期間に直結し、決め方を誤ると稼働の後で作り直しが生じます。
渡す項目と更新の頻度をどこまで絞れば費用が収まるかを、見積もりの前に見通せます。無料相談で自社の条件を持ち込む
要点の整理
| 決めること | 判断の目安 |
|---|---|
| 進め方の順序 | 取引先数と商品点数を数えてから決める |
| 稼働前に残す数字 | ファクス・電話・メール・電子の別で受注件数を控える |
| 商品データの精査 | 型番の重複と廃番、単価の食い違いを先に直す |
| 試用の使い方 | 主要な取引先を登録し、実際の注文を一巡させる |
| 費用の見当 | カスタマイズの規模で初期費用の幅が変わる |
| 人手の確保 | 誰がどれだけ時間を充てるかを計画へ書き込む |
定着までを含めた計画は、稼働日だけを決めた計画とは踏む工程の数が変わります。 自社の受注の流れをもとに、精査・試用・稼働・定着の期間をどう並べるかを相談の場で描けます。
よくある質問
稼働すれば受注業務の負荷はすぐ下がりますか
取引先が電子へ移った分だけ下がり、並走している間は紙と画面の両方を見る手間が残ります。稼働前に経路別の受注件数を控えておけば、どこまで移ったかを毎月確かめられます。負荷の増減は「全体の実感」ではなく、経路ごとの件数で見てください。
投資対効果をどう説明すればよいですか
比べる前の数字が要ります。稼働前のひと月の受注件数と、そこへ掛かった人の時間を控え、稼働後の同じ月と並べてください。「効果が見えない」という状態は、測る準備がないまま説明を求められたときに起きやすく、準備を稼働前へ戻すほど説明はやさしくなります。
利用率が上がらないときは何から見直しますか
取引先ごとに、最後に注文が入った経路を数えてください。電話やファクスが続いている先には、単価や納期の表示が合っているかを担当者の画面で確かめます。「案内が届いていない」のか「画面で手が止まる」のかは、案内の履歴と表示の点検を突き合わせると絞れます。
小さく始めて後から広げられますか
主要な取引先から始め、運用が回ってから対象を広げる順序は取れます。ただし商品データの精査だけは後へ回しにくく、最初に登録した情報がそのまま次の取引先の画面にも出ます。広げる前に、型番と単価の点検を済ませておいてください。
人材が足りない中でどう進めますか
85.5%が人材の量の面での不足を挙げた調査もあり、専任を置けない前提で段取りを組むほうが現実的です2。作業を「商品データ」「取引先への案内」「社内の手順書」へ分け、それぞれに担当と締め切りを決めてください。一人が全部を抱える形にしなければ、兼務でも進みます。
開発期間はどのくらい見ておけばよいですか
先に挙げた二つの事例では、構築そのものは数か月の幅に収まっています34。ただしこれは精査や社内の調整を含まない期間で、自社の商品点数と連携の有無によって前後します。工程表には、構築の前後へ精査と試用の期間を別に取ってください。
- 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
- 2 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026」(2026年) 経路
- 3 出典:株式会社イーシー・ライダー「EC-Rider B2B 導入事例(フーヅフリッジ株式会社様)」(2017年) 経路
- 4 出典:株式会社イーシー・ライダー「EC-Rider B2B 導入事例(フリュー株式会社様)」(2016年) 経路
- 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B Ⅱ 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年) 経路
- 6 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
- 7 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider(BtoB EC受発注システム)料金プラン・費用ページ」(2026年) 経路
画像の出典元
- Detailed shot of Ethernet cables connected to server ports h/Photo by Brett Sayles on Pexels
- 20代前半の日本人男性が手順の指導をしている場面/画像:生成AI(自社)
- Interior view of a warehouse filled with neatly stacked card/Photo by HONG SON on Pexels
- From below of long thin blue cables connected to row of smal/Photo by Brett Sayles on Pexels