◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 全プラン共通の初期費用は、80,000円です。Standard・Proプランの初期費用は、200,000円です3
- EC-Riderの小規模カスタマイズは、初期費用400万円から、月額費用7万円からです3
- EC-Riderの大規模カスタマイズの初期費用は、1,500万円からです3
- BtoB-EC化率は43.1%で、前年からの上昇幅は3.1ポイントです1
- デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠は、補助上限350万円・補助率2/3以内です2
目次

帳合業務のコスト構造とBtoB-EC化率
帳合とは、卸や小売との間で継続して商品を受発注する取引の形を指します。受発注システムの費用は、初回だけの初期費用と毎月続く月額費用の二階建てです。EC-Rider Primoの初期費用は、10万円(税抜)と示されています。自社の帳合へ画面と連携を作り込む場合は桁が変わるため、「月額の安い方を選ぶ」という比べ方では判断を誤ります。帳合先の数と基幹システム連携の有無から見積もってください。
手作業の帳合にかかる工数とコスト
朝いちばんの受注センター。FAXの用紙がトレーに重なり、温まったインクの匂いが残る中で、担当者は一枚ずつ取り上げて品番と数量を基幹システムへ転記します。帳合先ごとに電話・FAX・EDIと受注の方法が分かれるため、同じ商品を同じ数だけ受けても入力の手順が揃いません。転記が溜まるのは、決まって受注の締め切りが近い時間帯です。「どの帳合先がどの方法か」を覚えている担当者が休むと、その日の照合はそこで止まります。
企業間の電子化が進む中での帳合
電話とFAXの帳合が残る一方で、企業間の取引そのものは電子のやり取りへ寄っています。BtoB-EC化率は、43.1%です1。四割を超える取引が電子で動いている中で、自社の帳合がそこへどれだけ入っているかを、まず帳合先ごとに数えます。「うちはFAXが多い」という感覚と、受注方法ごとの実数は食い違うことがあります。
このBtoB-EC化率は、2024年度を対象とした調査で示された値です。前年からの上昇幅は、3.1ポイントでした1。同じ年度のBtoB-EC市場規模は、514.4兆円と示されています1。電話とFAXのまま据え置くか、受注の一部を画面へ寄せるか、どちらを選ぶにしても費用の話として並べる時期に入りました。「電子化は他社の話」と置かず、自社の受注方法の内訳を毎年同じ形で記録しておくと、稟議の場で比べやすくなります。
「あとで直せばいい」と先送りした転記の手戻りは、帳合先ごとの確認と再入力に充てた時間となり、そのまま毎月の人件費へ積み上がります。
受発注システムの初期費用と月額費用
全プラン共通の初期費用とプラン別の内訳
受発注システムの費用は、初回だけ払う初期費用と、毎月続く月額費用の二階建てで組み立てられています。EC-Riderの料金では、全プラン共通の初期費用が、80,000円と示されています3。これはエンタープライズプランを除く初回のみの費用です。Standard・Proプランの初期費用は、200,000円です3。「初期費用いくら」と一語で括らず、共通分とプラン分を分けて見積書へ並べてください。
いずれも2026年に公表されている値で、共通の初期費用とプランごとの初期費用は別の勘定になります。稟議書へ載せる導入時の支出は、この二つを足した額です。月額費用は使う機能と規模で動くため、初期費用だけを見比べても導入後の負担は見えません。「初回だけの費用か、毎月続く費用か」を見積もりの一行ずつに書き添えておくと、稟議の差し戻しが減ります。
EC-Rider Primoの初期費用・月額費用
小さく始める場合の実額を見ます。EC-Rider Primoの初期費用は、10万円(税抜)と示されています4。EC-Rider Primoの月額費用は、8.8万円(税抜)です4。クイックビジネスプランの初期費用は、100,000円です4。「まず一部の帳合先から」という始め方であれば、導入時の支出は十万円台に収まります。
ここまでの費用は、2026年の公表値であり、機能と適用の条件があらかじめ決まった形での提供です。自社の帳合の手順へ画面や連携を作り込む場合は、同じ料金表の別の欄を見ることになります。「この額で全部できる」と読み替えず、その額でどこまでの受注方法を受けられるのかを一つずつ確かめてください。月額の数字を横に並べて安い順に選ぶのではなく、受けられる受注方法の範囲で並べ直すと、比べる土俵が揃います。
電話とFAXでの受注を人手で受け続ける一年分の人件費を、EC-Rider Primoの月額8.8万円と並べ、どちらが大きいかを自社の帳簿で確かめてください。
費用が一様ではない理由
同じ受発注システムでも、見積もりの額が一様になることはありません。あらかじめ決まった機能をそのまま使うか、自社の帳合の手順へ画面と連携を作り込むか。この分かれ目で、見積書に並ぶ項目の数そのものが変わります。「カスタマイズ」の一語には、入力項目を一つ足す作業から基幹システムとの双方向の受け渡しまで幅があり、同じ言葉で話していても互いの指す中身が揃いません。
作り込みを伴う場合の実額を並べます。EC-Riderの小規模カスタマイズは、初期費用400万円から、月額費用7万円からと示されています3。EC-Riderの大規模カスタマイズの初期費用は、1,500万円からです3。どちらも2026年の公表値で、下限の提示である点に気をつけてください。「下限からいくら上がるか」を要件ごとに確かめると、稟議に載せる額の幅が見えてきます。
見積もりの桁を読むときは、帳合先ごとの受注方法の数と、基幹システム連携の有無を先に確かめると読み違えが減ります。電話・FAX・EDIのどれを残し、どれを画面へ寄せるのか。自社の直近一年の受注件数を受注方法ごとに数え、件数の多い方法から順に並べてください。「全部を一度に移す」と決めた場合、確かめるべき要件の数はその分だけ増えます。
要件が増えるほど膨らむ導入費用の一部には、公的な支援が使える場合があります。デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠(電子取引類型)では、補助上限額が、350万円と示されています2。中小企業・小規模事業者等の補助率は、2/3以内です2。2026年度の条件であり、対象となる経費や年数の要件は公募要領の最新版で確かめてください。「補助が出るなら作り込みまで」と進むのか、自己資金の範囲で小さく始めるのか、稟議の立て方が変わります。
帳合の規模で分かれる費用対効果
費用対効果を測る物差しは、帳合の規模で変わります。取引先が数社で受注も落ち着いているのか、多くの帳合先へ毎日出荷しているのか。ここを先に決めないまま同じ見積書を眺めても、高い安いの判断は人によって割れます。「うちは中くらい」と曖昧に置かず、帳合先の数と一日あたりの受注件数を実数で書き出してください。
単店舗から始める道筋であれば、導入時の支出は抑えられます。クイックビジネスプランの初期費用は、100,000円と示されています4(2026年の公表値)。「まず一店舗、まず数社」と範囲を区切り、運用が回ってから次の帳合先へ広げるやり方であれば、稟議に載せる額は十万円台に収まります。
一方で、多頻度・大量の卸では、月額費用の安さよりも基幹システム連携の作り込みが見積もりの中心になります。受注データの受け渡しを人手に残したままでは、転記と照合の工数はそのまま残ります。「どこまでを自動で流し、どこを人が確かめるのか」を要件として書き出したうえで見積もりを取ると、桁の違う提案が並んでも比べられます。
小口・多頻度の帳合を抱える卸であれば、受注回数の多い帳合先から順に画面へ寄せる進め方が現実的だと見られます。「月額がいくらか」ではなく、どれだけの受注方法を人手から外せたかで費用対効果は測れます。先に確かめるのは、帳合先の数と受注方法の内訳。
ここから先は、帳合の形ごとに費用の見方と先に確かめる項目を並べます。
帳合先の数と受注方法の内訳は公開された料金表には載っておらず、費用の桁を決める前に自社の実数を持ち寄って突き合わせる場が要ります。
どの受注方法を画面へ寄せると初期費用がどの桁に収まるかを、見積もりを取る前に確かめられます。無料相談で要件を整理する
稟議の前に数えておく帳合の費用項目
- 帳合先ごとの受注方法と、その受注件数
- 初回のみの初期費用と、毎月続く月額費用の内訳
- 基幹システムとの連携が要件に入るかどうか
- カスタマイズの範囲と、下限からどれだけ上へ動くか
- 補助金の対象経費に入る費用と、入らない費用
この並びに優劣の順序はありません。
同じ項目を数えても帳合の規模が違えば読み方は変わるため、次の三つの形に分けて確かめる費用の項目を並べます。

帳合の形で変わる費用の見方
| 帳合の形 | 受注の方法 | 先に確かめる費用の項目 |
|---|---|---|
| 小口・多頻度の帳合先を抱える卸 | 電話とFAXが中心で件数が多い | 月額費用が年間の支出に占める割合 |
| 基幹システム連携が前提の大量卸 | EDIと自動での受け渡しが中心 | 連携の範囲を足した初期費用 |
| 単店舗から始める卸 | 帳合先が限られる | 決まった機能のまま使う場合の初期費用 |
小口・多頻度の帳合先を抱える卸の費用の見方
一件あたりの金額が小さく、注文の回数だけが多い帳合では、受注のたびに電話とFAXの応対が挟まります。取引額に対して人手の割合が大きく、月額費用が年間の支出に占める割合も無視できません。ここで先に見るのは、帳合先の数ではなく、一社あたりの受注回数です。「上位の何社で全体の何割を占めるか」を自社の受注台帳から出してください。
「上位だけ先に」と範囲を区切り、受注回数の多い帳合先から順に画面へ寄せると、残る電話とFAXの件数は減ります。全社を一度に移すのではなく、上位の帳合先で運用を確かめてから広げる進め方であれば、導入時の支出も分けられます。難易度は中程度で、工数の大半は帳合先への案内と商品マスタの整備に向かいます。
| 確かめる項目 | 小口・多頻度の帳合での見方 |
|---|---|
| 受注回数 | 上位の帳合先が全体に占める割合を出す |
| 月額費用 | 年間の支出に占める割合で比べる |
| 移す順番 | 受注回数の多い帳合先から先に移す |
| 残す受注方法 | 件数の少ない帳合先は電話とFAXを残す |
一件あたりの金額が小さい帳合では、月額費用の差が年間の支出へ直に効いてくるため、受注件数の実績を示したうえで費用を詰める場が必要になります。
受注回数の多い帳合先から順に画面へ寄せた場合の月額費用の見通しを聞き取れます。無料相談で自社の条件を持ち込む
基幹システム連携が前提の大量卸の費用の見方
毎日大量の出荷を回す卸では、受注データが基幹システムへそのまま流れることが前提になります。画面から入力できても、そこから先を人が転記していては、照合の工数は残ったままです。ここで先に見るのは、月額費用ではなく、連携の範囲と既存の基幹システムの仕様です。「どの項目を、どの向きで、いつ渡すか」を一覧にしてから見積もりを依頼してください。
連携の範囲が広がるほど、見積書に並ぶ項目は積み上がります。先に挙げた小規模カスタマイズの下限も、要件が増えれば上へ動く前提の額です。「標準の機能へ業務の手順を寄せる」と決めるか、要件定義に時間を割いて作り込むか、どちらを選ぶかで初期費用の桁は変わると見られます。難易度は高く、工数は要件定義と接続の試験に集中します。
| 確かめる項目 | 大量卸での見方 |
|---|---|
| 連携の範囲 | 渡す項目と向きを一覧にする |
| 初期費用 | 下限の額ではなく要件を足した額で見る |
| 月額費用 | 連携の維持に伴う分を分けて確かめる |
| 社内の体制 | 要件定義を担う担当者を先に決める |
連携の範囲によって初期費用の見積もりが大きく変わる領域であり、要件を文章にする前に、どこまでを自動で流すかを技術の担当者と突き合わせておく必要があります。
自社の基幹システムとの受注データの受け渡しがどこまで標準の機能で届くかを、要件を固める段階で見極められます。無料相談で自社の条件を持ち込む
単店舗から始める卸の費用の見方
店舗や拠点が一つで、帳合先も限られている場合は、いきなり作り込みへ進む必要はありません。決まった機能をそのまま使う形であれば、導入時の支出は小さく収まります。ここで先に見るのは、費用の総額ではなく、いまの受注の流れがその機能に収まるかどうかです。「例外の処理が何件あるか」を一か月分だけ数えると、判断の材料が揃います。
先に挙げたクイックビジネスプランの初期費用は、小さく始める場合の目安になります。「まず一部の帳合先で」と範囲を絞り、転記と照合の減り方を確かめてから広げる方が、稟議も通しやすくなります。難易度は低めで、工数も商品マスタの整理と帳合先への案内が中心であり、ここまでの三つの形を踏まえて費用の項目を整理します。
| 確かめる項目 | 単店舗から始める場合の見方 |
|---|---|
| 例外の処理 | 一か月分の件数を数える |
| 初期費用 | 決まった機能のまま使う場合の額で見る |
| 始める範囲 | 一部の帳合先に絞る |
| 広げる時期 | 運用が回ってから次の帳合先へ移す |

小さく始める場合は費用の総額よりも運用が回るかどうかが分かれ目になり、いまの受注の流れが決まった機能に収まるかを事前に照らす場が役に立ちます。
一部の帳合先だけを移したときに転記と照合がどこまで減るかを試算できます。無料相談で自社の条件を持ち込む
要点の整理
| 帳合の条件 | 先に確かめる費用の項目 |
|---|---|
| 帳合先が数社にとどまる | 決まった機能のまま使う場合の初期費用 |
| 受注回数が多く一件が小口 | 月額費用が年間の支出に占める割合 |
| 基幹システムとの連携が要る | 連携の範囲を足した初期費用と要件定義の工数 |
| 伝票の様式を帳合先ごとに合わせる | カスタマイズの下限からどれだけ上へ動くか |
| 公的な支援の活用を検討する | 対象となる経費と年数の要件を公募要領で確認 |
費用対効果の判断は公開されている料金表だけでは自社の帳合に当てはまらず、取引の規模と連携の要件を並べて初めて額の桁が定まります。 公的な支援の対象経費まで含めた総額と、稟議に載せる根拠の立て方を相談の場で整理できます。
よくある質問
初期費用と月額費用のほかに、導入時にかかる費用はありますか
料金表に載る費用のほかに、商品マスタの整備、既存データの移行、帳合先への案内といった社内の工数が発生します。これらは見積書に現れにくく、稟議の段階で抜け落ちがちです。「誰が、いつまでに、どの作業を担うか」を導入の前に割り振っておくと、開始後の手戻りを抑えられます。
補助金は月額費用にも使えますか
先に挙げたインボイス枠(電子取引類型)の補助上限額と補助率は公表されていますが、どの経費が何年分まで対象になるかは公募要領で定められています。クラウドの利用料の扱いは枠や年度で変わるため、申請の前に最新版で確かめてください。「対象になるはず」という前提で稟議を組むと、後から組み直しになります。
カスタマイズの見積もりが下限より上振れするのは、どんな時ですか
入力項目の追加だけで収まる場合と、基幹システムとの双方向の受け渡しまで含む場合とでは、作業の量が異なります。帳合先ごとに異なる伝票の様式へ合わせる要望が重なると、画面と帳票の数だけ確かめる項目が増えます。「いまの帳票をそのまま再現する」という要望は、範囲を決める前に一度棚卸ししておいてください。
電話とFAXでの受注を完全になくす必要がありますか
すべての帳合先を一度に移さなくても、受注方法を並存させたまま始める形は取れます。件数の多い帳合先から順に画面へ寄せ、件数の少ない帳合先は当面そのまま残す進め方であれば、現場の負担は分散します。「全部か、ゼロか」で考えず、受注件数の多い順に区切って移してください。
企業間の電子化が進んでいることは、自社の判断とどう関わりますか
先に挙げたBtoB-EC化率の上昇は全国を合わせた数字であり、自社の帳合先の事情をそのまま表すものではありません。判断に使えるのは、自社の帳合先から電子での受注を求められた件数です。「取引先から言われたら考える」ではなく、依頼の件数を年ごとに記録しておくと、稟議の根拠になります。
安いプランから始めて、後から上のプランへ移れますか
プランの変更ができるかどうか、また移行の際に初期費用が改めてかかるかどうかは、契約の条件で決まります。見積もりの段階で、移行時の費用と作業の範囲を文書で確かめておいてください。「まず小さく始めて、後で広げる」という前提を置く場合ほど、この確認が効いてきます。
- 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
- 2 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(デジタル化・AI導入補助金事務局)「デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠(電子取引類型)公募要領」(2026年度) 経路
- 3 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider(BtoB EC受発注システム)料金プラン・費用ページ」(2026年) 経路
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
画像の出典元
- Close-up of hands exchanging euro banknotes, symbolizing fin/Photo by cottonbro studio on Pexels
- Close-up of US dollar banknotes on a sofa, symbolizing finan/Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels
- Close-up of a leather wallet holding euro banknotes next to/Photo by Jakub Zerdzicki on Pexels