◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 乗り換えの起点は、機能の比較ではなく商品点数の精査。20,000点が、株式会社ポディウムの事例で精査の前にBtoB ECへ登録されていた商品点数です5。
- 移行の規模を決めるのは、取引先数と組織階層です。10,000件が有料プランで扱える取引先数の上限で、卸価格を切り替えられる組織階層は5階層までです24。
- 初期費用は、製品とプランの名前を添えないと比べられません。100,000円(税抜)がEC-Rider Primo の初期費用で、EC-Rider の Standard・Pro プランでは20万円です23。
- 作り込みを伴う乗り換えでは、初期費用の桁が変わります。1,500万円が、大規模カスタマイズの初期費用の下限として示されています3。
- 解約日を決める前に、無料の試用で受注を通せます。30日が試用できる期間で、申込から利用開始までは最短3日です2。
目次

商品点数を精査する乗り換えの起点
「帳合」先の乗り換え・解約とは、いまの卸元をやめ、別の卸元へ商品登録や取引先データを移し替えることです。乗り換えと解約は、解約日から逆算するのではなく、扱う商品点数と取引先数を数え直すところから始まります。登録済みの商品を精査し、取引先データと組織階層ごとの卸価格をどこまで移すかを決めると、初期費用と作業量の見当が付きます。契約解除条項は帳合先ごとに確認が必要です。
精査の現場は、夕方の倉庫事務所で静かに進んでいました。担当者は受注の控えを繰り、画面の登録と一件ずつ照合していきます。「これはまだ動いている商品なのか」。手が止まるのは、いつも同じ場所でした。20,000点が、精査の前に株式会社ポディウムがBtoB ECへ登録していた商品点数です5。
乗り換えの相談は、機能の一覧を並べる作業ではなく、この数を数え直す作業から始まります。「使っていない商品」を抱えたまま移すのは、空の段ボールごと引っ越すようなもので、運賃だけが増えていきます。上限の側も見ておきましょう。30,000SKU(商品登録の単位)が、EC-Rider Primo の有料プランで扱える商品数の上限で、2026年時点の条件です2。先に挙げた登録点数と並べれば、上限に収まるかどうかよりも精査するかどうかが先に来ます。
数字を並べて比べると、ポディウムが精査前に抱えていた20,000点は、Primoの上限30,000SKUにまだ届いていません2,5。ただし上限に余裕があるからといって、未使用の商品をそのまま移してよいことにはなりません。精査を後回しにすれば、余裕のある上限の中で無駄な登録だけが積み上がっていきます。
照合のやり直しに費やす半日は、「移行の費用」としてそのまま見積書に乗ってくる作業量です。
取引先数と組織階層が左右する移行規模
移行の規模を決めるのは、商品点数だけではありません。「取引先マスタ」をどこまで持ち込むか、そして取引先ごとの卸価格をどの単位で持つかが効いてきます。本店と支店で単価が違う、部門ごとに掛け率が違うという運用は、珍しいものではありません。解約前のデータを書き出しただけでは、この構造までは移りません。
そこで数えるべきは、取引先の数です。10,000件が、有料プランで扱える取引先数の上限で、2026年時点の条件です2。自社の直近1年で受注のあった取引先を数え、この上限と比べてください。「件数さえ上限に収まればよい」という話ではありません。実際の負荷は、件数よりも一件あたりの設定の細かさに寄りますね。
階層の話に移ります。5階層までが、得意先の組織階層に応じて卸価格を切り替えられる対応の上限です4。本店、支店、部門と数えていくと、想定より早く階層は積み上がります。ここを「後で設定すればよい」と置いたままにすると、解約日の直前に価格表を作り直す作業が残ります。取引先ごとに数えて、いま何階層で運用しているかを書き出してください。
背景の数字も一つ置いておきます。43.1%が2024年のBtoB-ECのEC化率で、同じ年の市場規模は514.4兆円です1。取引の十件に四件以上が画面の上で動いている勘定になります。「もう全部が画面の中」とまでは言えませんが、乗り換えの最中に受注を止められる時間は長くありません。移行規模は、件数と階層の細かさ、そして止められる時間の三つで決まります。
400万円からという小規模カスタマイズの初期費用は、「いまの作り込みをそのまま再現する」という選択に付く値段です3。
解約と乗り換えでかかる初期費用の差
解約と乗り換えは、同じ財布から出る費用でしょうか。「解約」の側で出るのは違約金や残存期間の支払いで、「乗り換え」の側で出るのは初期費用と移行の作業です。前者は契約書の条項で決まり、後者は移す量で決まります。帳合先ごとに契約解除条項は異なりますので、予告期間と最低利用期間は個別に確認してください。
入り口の値段を並べてみます。100,000円(税抜)が、EC-Rider Primo の初期費用です2。プランが変わると値も変わります。20万円は、同じ提供元の EC-Rider で Standard・Pro プランを選んだ場合の初期費用です3。いずれも2026年時点の条件で、「初期費用」と一括りにできる数字ではありません。どの製品のどのプランの値かを添えないまま並べると、安く見えた方が高くつきます。
もう一つ、初回だけかかる費用があります。80,000円が、EC-Rider の全プランに共通する「初回のみ」の初期費用です3。月々の支払いと違い、ここは一度きりの負担として見積もれます。金額よりも読み違えやすいのは、解約側で発生する作業の量です。取引先データの書き出し形式、卸価格の持ち方、過去の受注履歴をどこまで持つか。この三つを解約の申し出より前に決めておくと、移行の見積もりがぶれません。
無料トライアルで見極める移行前の判断
判断を早めるのに使えるのが、無料の試用です。契約を解く前に、移したいデータの一部だけを載せて動かす方法があります。「本番と同じ卸価格が出るか」を、画面の上で確かめられます。カタログを読み比べるよりも、受注を一件通す方が早く済みますね。
条件を押さえておきましょう。50件が、EC-Rider Primo の無料トライアルで登録できる取引先数の上限です2。30日が試用できる期間で、申込から利用開始までは最短3日と示されています2。いずれも2026年時点の条件ですから、申し込む前に最新の内容を確かめてください。「まず全部載せる」ではなく、主要な取引先だけを枠に入れ、階層の深い先から試してください。
50件という無料トライアルの上限は、有料プランの上限10,000件と比べればごく一部の規模です2。ですが規模の小ささを気にする必要はありません。階層の深い取引先を選んで試せば、少ない件数でも卸価格の切り替えを確かめるには十分です。
選ぶ基準は、機能の数ではなく、解約日までに何を確かめ終えられるかです。試用の期間内に受注から出荷指示まで一度通せるなら、その帳合先は候補に残ります。通せないなら、解約の予告期間を延ばすか、乗り換えの時期を後ろへずらすか、どちらかを選ぶことになります。「動くはずです」という見込みのまま解約日を決める進め方が、いちばん高くつきます。
ここから先は、「どこまで作り込むか」の規模ごとに、費用と段取りを細かく見ていきます。
帳合先の解約日と乗り換えの段取りは、契約解除条項と移すデータの量を突き合わせないと決められません。
試用の枠に入れる取引先の選び方や、解約の予告期間との並べ方を、自社の件数に当てて確かめられます。無料相談で要件を整理する
解約日を決める前に確かめる項目
- 扱う商品点数を精査し、「移す商品」と「落とす商品」を分ける
- 受注のある取引先数を数え、いま何階層で運用しているかを書き出す
- 契約解除条項と予告期間、最低利用期間を帳合先ごとに読み直す
- 初期費用と月額を、製品名とプラン名を添えて並べる
- 無料の試用で、受注から出荷指示までを一度通す
この並びに優劣の順序はありません。
同じ項目でも、「どこまで作り込むか」によって確かめる深さが変わります。
作り込みの規模で変わる乗り換えの進め方
| 乗り換えの進め方 | 作り込みの範囲 | 初期費用の下限 | 確かめる相手 |
|---|---|---|---|
| 小幅な作り込みで足りる乗り換え | 画面表示と帳票の調整まで | 400万円から3 | 現場の担当と帳合先 |
| 基幹連携を伴う作り込みの乗り換え | 在庫・与信・請求の連携を含む | 1,500万円から3 | 情報システム部門と基幹側の保守 |

小規模カスタマイズ型の乗り換え事情
既存の画面と帳票を少し直せば足りる場合、論点は「どこを直さないか」に寄ります。標準の機能で回る部分まで作り込み直すと、初期費用も保守の手間も重くなります。解約前の運用をすべて再現するのではなく、紙の帳票に合わせていた体裁をこの機会に揃える選び方もあります。
月々の負担を見ておきます。70,000円が、小幅な作り込みを伴う場合の月額の下限として示されています3。2026年時点の条件で、直す範囲が広がれば上に動きます。先に挙げた「解約日までに確かめ終えられるか」とは別に、この進め方では「続ける年数分の月額と作り込みの分が見合うか」を先に置いてください。直す項目を一覧にして、帳合先の担当と一行ずつ削る打ち合わせから始めると、見積もりが締まります。
初期費用400万円からと月額70,000円からを重ねると、初年度だけで500万円近い負担になる計算です3。この額を、乗り換え後に続ける年数で割ってみると、月々の重さが具体的に見えてきます。「作り込みの範囲を削れば下がる」という関係だけは、先に押さえておいてください。
難易度そのものは高くありませんが、「直す項目の一覧」を作って合意するところに、担当者の時間がまとまって要ります。
| 確かめる項目 | 小幅な作り込みでの見方 |
|---|---|
| 直す範囲 | 標準の機能で回る部分は直さない |
| 月額の下限 | 70,000円から3 |
| 解約側の作業 | 取引先データの書き出し形式を先に決める |
| 判断の時期 | 試用で受注を一件通してから解約を申し出る |
直さずに済む項目と直すべき項目の仕分けは、標準の機能で何が回るかを知る相手と一緒でないと決まりません。
帳票の体裁や画面表示のうち、作り込みなしで代えられる部分がどこまであるかを聞けます。無料相談で自社の条件を持ち込む
大規模カスタマイズ型の乗り換え事情
基幹システムと受発注をつなぐ場合、乗り換えは「帳合先を替える」話では収まりません。在庫の引き当て、与信の確認、請求の締めが、同じ流れの上に並びます。解約の日付を先に決めてしまうと、連携の試験に充てる時間が足りなくなります。止めてよい日と止められない日を、業務の側から先に洗い出してください。
土台の費用から確かめます。170,000円が、EC-Rider B2B Ⅱ のベースエンジン利用料の月額下限です3。2026年時点の条件で、作り込みの規模が上がればこの上に積まれます。ここでの基準は、費用の大小ではなく、基幹側の保守を担う相手と同じ卓に着けるかどうかです。「連携は後から足せる」と置いたまま解約日を決めると、戻し先がなくなります。
初期費用1,500万円からと月額170,000円からを合わせると、初年度だけで1,700万円台に届く計算になります3。基幹連携を伴う分、この額は保守費用の交渉次第でさらに動きます。数字の大きさよりも、どこまでを外部に委ねるかを先に決めておく方が、後の見積もりがぶれません。
難易度は高く、情報システム部門と基幹側の保守、そして現場の「止められない日」を突き合わせる分だけ工数が伸びます。
| 確かめる項目 | 基幹連携を伴う場合の見方 |
|---|---|
| 連携の範囲 | 在庫・与信・請求のどこまでをつなぐか |
| 月額の土台 | ベースエンジン利用料は170,000円から3 |
| 解約側の条項 | 最低利用期間と予告期間を契約書で確認する |
| 切り替えの日程 | 止められない日を押さえてから解約日を決める |

在庫や請求の締めまで同じ流れに乗る乗り換えでは、解約日より先に連携の試験日程を置く必要があります。
止められない業務を避けて切り替え日を置く段取りと、基幹側の保守とのつなぎ方を相談できます。無料相談で自社の条件を持ち込む
要点の整理
| 確かめる場面 | 置く基準 |
|---|---|
| 商品点数 | 受注のある商品だけを移し、登録を維持する手間で判断する |
| 取引先数と組織階層 | いま何階層で運用しているかを書き出してから移行規模を決める |
| 初期費用 | 製品名とプラン名を数字ごとに添えて並べる |
| 月額の負担 | 続ける年数分を足して、作り込みの分と見合うかを確かめる |
| 解約の条項 | 予告期間と最低利用期間を帳合先ごとに個別に確認する |
| 判断の時期 | 試用で受注から出荷指示まで通してから解約日を決める |
商品点数と取引先数を数え終えた段階でこそ、乗り換えと解約のどちらを先に動かすかの判断が具体になります。 自社の件数と階層を持ち込めば、移行にかかる作業の量と費用の見当を一緒に組み立てられます。
よくある質問
解約を申し出てから乗り換え先を探しても間に合いますか。
順序が逆になると、予告期間の途中で移行が終わらない恐れがあります。帳合先ごとに契約解除条項は異なり、最低利用期間や予告期間の定めも一律ではありません。「解約日を決める」より先に、移す商品点数と取引先数を数え、試用で受注を一件通してください。条項の確認は、必ず個別に行う必要があります。
商品点数はどこまで減らしてから移すべきですか。
一律の目安はありません。直近1年で受注のあった商品を先に分け、残りを「移す・保留・落とす」の三つに仕分ける順序が扱いやすいです。EC-Rider Primo の有料プランで扱える商品数には上限がありますが、上限に収まるかどうかとは別に、登録を維持する手間が毎月かかります。数える単位を先に決めてください。
取引先ごとの卸価格は、移行のときに作り直しになりますか。
書き出した一覧をそのまま取り込めるとは限りません。「本店と支店で単価が違う」という運用では、その階層の構造ごと移す必要があります。先に挙げた階層の上限まで対応できる仕組みもありますが、いま何階層で運用しているかを書き出さないうちは、そのまま移せるかどうかを判断できません。
初期費用を比べるときに気を付けることはありますか。
どの製品のどのプランの値かを、数字ごとに添えて並べてください。EC-Rider Primo の初期費用と、EC-Rider の Standard・Pro プランの初期費用は別の金額で、全プランに共通する「初回のみ」の費用も別に置かれています。製品名を判じられない数字は、料金として並べて比べないほうが安全です。
無料の試用だけで乗り換えの可否を決められますか。
登録できる取引先数と期間に上限があるため、すべては確かめられません。確かめられるのは、卸価格の切り替えが想定どおりに出るか、受注から出荷指示までの流れが自社の手順に合うか、といった点です。「全部を試す」ではなく「解約日までに判断できる材料を取る」と考えて、試す先を絞ってください。
移行の途中で受注を止める時間は、どれくらい見ておくべきですか。
業務によって違うため、一律には言えません。止めてよい日と止められない日を業務の側から洗い出し、その隙間に切り替えを収める順序が扱いやすいです。「土日に一気に切り替える」前提だけで日程を組むと、連携の試験でつまずいたときに行き先がなくなります。先に押さえるのは、切り替えの手順ではなく戻し方の確認。
- 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
- 2 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
- 3 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider(BtoB EC受発注システム)料金プラン・費用ページ」(2026年) 経路
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「BtoB向けECサイトで取引先ごとに卸価格を切り替える(EC-Riderお役立ちコラム)」(2026年) 経路
- 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年) 経路
画像の出典元
- Close-up of a handshake in a business environment, symbolizi/Photo by Bia Limova on Pexels
- Close-up of a diverse business handshake symbolizing partner/Photo by Mikhail Nilov on Pexels
- Close-up of an interracial handshake over a chessboard symbo/Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels