◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 80,000円という EC-Rider の全プラン共通の初期費用のように、公開された値をそのまま稟議書へ書き写します
- 2か月と4か月、実在の導入事例の期間を引けば「いつから使えるか」に実績で答えられます
- 32.4%が意思決定を「スムーズでなかった」と振り返っており、つまずきは例外ではありません
- 57.1%がボトムアップで検討を始めるため、決裁者を動かす材料は起案者側でそろえます
目次

BtoB-EC化率43.1%が示す受発注システム検討の広がり
稟議書には、公開された料金表の初期費用と月額、そして実在の導入事例の開発期間を、出典つきで並べてください。「いくらで、いつから使えるか」に決裁者が自分で裏を取れる形にすることが、根回しに頼らない起案の準備になります。
夕方6時の受注の島。届いたばかりのFAX用紙が、インクの匂いを残したまま積まれています。担当者はその1枚ずつを目で追いながら、基幹システムへ手で転記していきます。「今日中に片づくかどうか」という呟きが、月末になると毎日のように聞こえてきますね。
この光景が特別なものかというと、そうではありません。43.1%、これが2024年のBtoB-EC化率で、半分にわずかに届かない水準です1。514.4兆円、これが同じ2024年のBtoB-EC市場規模で、電子化の対象になっている取引の総額にあたります1。電子化が進んだ取引もあれば、紙や電話で動く取引も残っており、「うちだけが遅れている」わけではないことが分かります。
自社の受注のうち何割がFAXや電話で処理されているかを数えれば、43.1%という全体平均との距離が具体的な数字として見えてきます1。514.4兆円という市場規模の内側に自社の取引も含まれている以上、電子化を検討する理由は業界平均との比較からも導けます。
転記のやり直しと電話での照合は、1件あたりは数分でも、月末に積み上げれば人件費という金額になって返ってきます。
稟議が停滞する所要日数と悩み
稟議は、書類を出した瞬間から待ちの時間が始まります。3日といえば、見積りを取り直せるくらいの長さです。37.6%、これが稟議の申請から承認までに「1日以上3日未満」を要した割合になります2。この調査はBtoB EC受発注システムに限ったものではなく、稟議一般の実態を尋ねた調査です2。自社の直近1年の起案が何日で戻ってきたか、決裁の記録を数えて比べてください。
待たされている感覚は、気のせいではありません。60.5%が稟議の承認に「時間がかかる」と回答しています2。79%は、稟議について何らかの悩みを持つ人の割合で、いずれも2022年時点の調査であり、直近の数字ではありません2。悩みを抱える側が多数派であるなら、遅れを起案者個人の段取り不足として片づけるのは早すぎます。手を入れる先は、書類の中身と回し方の両方にあります。
稟議で費やす3日という単位と、導入で費やす2か月から4か月という単位を並べると、桁の違いに気づきます267。決裁に要する日数を先に見積もっておけば、稟議書を出すタイミングを導入完了の目標から逆算でき、稟議の遅れが導入時期そのものを押し出す事態を避けやすくなります。
170,000円というEC-Rider B2B Ⅱのベースエンジン利用料の月額下限があります4。これを物差しにすると、判断を先送りした月数が、そのまま見送った改善の量として数えられます。
意思決定の実態|起案から決裁者まで
検討の火は、下から点くことが多いようです。57.1%、これはシステム導入の検討のきっかけが「ボトムアップ」だった割合で、半分を超えています3。この調査もBtoB EC受発注システムに限ったものではなく、システム導入全般の意思決定を尋ねた調査です3。上から降ってくる話ではなく、現場から持ち上げる話であるなら、決裁者を納得させる材料も起案者が用意することになります。
立ち上げの手間も、軽くはありません。12.0%が、システム導入のプロジェクト立ち上げに101時間以上を費やしたと答えています3。32.4%は、意思決定が「スムーズでなかった」と振り返った割合で、こちらも2022年の調査です3。回答の3つに1つ近くがつまずいているのであれば、つまずく前に書類の中身をそろえておく価値はあります。
ボトムアップで検討を始めた57.1%の起案者は、多くの場合その後の稟議書も自分で書くことになります3。稟議に悩みを持つ人が79%にのぼるという別の調査と重ねれば2、起案と決裁の両方を同じ担当者が担うために負担が集中しやすいことが見えてきます。調査の対象は異なりますが、起案者自身が両方の工程を担っている職場では、備える書類の質がそのまま所要時間を左右します。

稟議書に添える費用と事例の材料
初期費用と月額の目安
稟議書に載せるべきは、感想ではなく出所のある金額です。80,000円、これが EC-Rider の全プラン共通の初期費用で、初回のみ発生します4。200,000円は、EC-Rider の Standard・Pro プランで別途示される初期費用です4。400万円、これが小規模カスタマイズの初期費用の下限で、月額は70,000円からと公開されています4。「だいたい数百万円」と書くのか、公開値をそのまま引くのか。決裁者が自分で確かめられるのは後者だけです。
数字を出す前に、実物を触っておくと説明が具体的になります。30日、これが EC-Rider Primo の無料トライアル期間で、月次の締めを一度通せる長さです5。ここまでの金額は、いずれも2026年時点で公開されている値になります4。トライアルで撮った画面を稟議書の別紙に回せば、決裁者は文章ではなく操作で判断できます。「使えそう」を「使った」に変える工程を、起案の前に挟んでおきたいところです。
月額費用だけを取り出しても、小規模カスタマイズの70,000円からベースエンジン利用料の170,000円までの開きがあります4。初期費用の欄だけでなく、稼働後に毎月出ていく金額の欄も分けて書いておくと、決裁者は総額の見通しを立てやすくなります。
導入事例に見る開発期間
フーヅフリッジ株式会社は、BtoB ECサイトの実質的な開発期間を4か月としています6。フリュー株式会社の場合は、BtoB向けECサイトの構築期間が2か月でした7。この幅が、「いつから使えるか」に答えるときの実績値になります。案件によって期間に差が出ているのですから、自社の要件の量を先に数えてください。
これらの事例は2016年と2017年に公開されたもので、当時の要件に基づく期間です67。期間を書けない稟議書は、決裁者にとって終わりの見えない相談になります。「半年から1年」のような幅の広い表記ではなく、実在の事例の月数を引いてください。過去に社内で動かした案件の期間と並べて比べれば、無理のある工程かどうかが見えてきますね。
フリューの2か月とフーヅフリッジの4か月を並べると、同じBtoB ECサイトでも要件の量によって期間が2倍に開くことが分かります67。稟議書にこの幅を添えて期間を評価しやすくしたら、次は自社がどちらの規模に入るかを見きわめます。
規模で分かれる稟議の基準
規模の線引きは、感覚ではなく公開された金額の段差で置けます。1,500万円、これが大規模カスタマイズの初期費用の下限で、小規模カスタマイズの下限の3倍を超える水準です4。「うちはどちらに入るのか」という問いは、取引先が数十社で標準機能に収まるのか、基幹システムとの連携や独自の帳票まで抱えるのかで分かれます。この二択を先に決めてから、金額の欄を埋めてください。
基準を決めたら、稟議書の組み立ても合わせて変えます。標準機能中心なら「そのまま今の手順を移すだけ」という説明が通りますが、連携を伴うなら、どの業務がどう変わるかまで書く必要があります。求められている説明を見誤ると、差し戻しの往復が増えていきます。自社がどちらに当てはまるかは、取引先数と既存システムとの連携の有無を数えれば判断できます。
初期費用では3倍を超える差が生まれる一方で、月額費用は70,000円から170,000円までの開きにとどまります4。大規模カスタマイズを選ぶほど、初期費用の重みが月額費用よりも大きくなる計算です。稟議書の金額欄を埋めるときは、この重みの違いを踏まえて説明の比重を配分してください。
ここから先は、規模ごとの事情と、稟議書のどの欄に何を書くかを具体的に見ていきます。
規模の線引きは取引先数と連携の有無で置きますが、自社がどちらに当てはまるかは、実際の受注の形を見てもらったほうが早く定まります。
現在の受注件数と既存システムの構成を伝えれば、稟議書の金額欄をどちらの下限で書くべきかが分かります。無料相談で要件を整理する
稟議書に先に載せる項目
- 公開された料金表の初期費用と月額を、プラン名をそえてそのまま書き写す
- 実在の導入事例の開発期間を、自社の規模に近いものから選んで添える
- 無料トライアルで確かめた操作画面を、稟議書の別紙として付ける
- 現在の受注件数と転記の回数を数え、現場の負荷を件数で示す
- カスタマイズの要否を先に決め、初期費用の欄をどちらの下限で書くかを固定する
この並びに優劣の順序はありません。
どこまで書き込むかは、自社が標準機能中心か、基幹連携まで踏み込むかで変わります。
規模で変わる稟議書の書き方
| 自社の状況 | 稟議書で先に示す金額 |
|---|---|
| 小規模カスタマイズを見込む情報システム部門 | 初期費用400万円から・月額70,000円から |
| 基幹連携を伴う大規模カスタマイズの情報システム部門 | 初期費用1,500万円から |
標準機能中心で起案する場合の進め方
取引先が限られ、受注の形式もおおむね揃っている職場では、独自の作り込みを増やすほど話が重くなります。「今の業務をそのまま載せ替えられるか」が、最初の確認事項になります。標準機能で足りる部分と、どうしても手を入れる部分を分けて数えてください。
ここでの判断は、金額の下限よりも、試して確かめられる範囲の広さで置きます。30日という無料トライアルの期間に、自社の受注パターンを一巡させられるかどうかが分かれ目です5。金額の妥当性を議論するよりも、「実際に回るか」を先に確かめます。稟議書の論点そのものを移す形になります。
行動としては、トライアルの申込みと並行して、現行の受注1か月分を数えて一覧にしておくことです。「まず触ってみる」を起案の前工程に置くわけです。この進め方は難易度が低く、工数も現場の担当者が通常業務の合間に進められる範囲に収まります。
200,000円という初期費用は、30日の無料トライアルで実物を確かめたあとに提示される金額です45。触って確かめた上での金額提示であれば、決裁者への説明も「試して問題なかったので」という具体的な根拠に置き換えられます。
| 稟議書の記載欄 | 標準機能中心での書き方 |
|---|---|
| 初期費用 | EC-Rider の Standard・Pro プランで公開された200,000円を引く |
| 確認の方法 | 無料トライアルで自社の受注パターンを一巡させた結果を書く |
| 決裁者への説明 | 現行の受注件数と操作画面を並べて示す |
標準機能で足りるかどうかは、自社の受注パターンを一度通してみないと判断がつかないため、試用の組み立て方から相談する意味があります。
トライアルの期間内にどこまで検証できるか、そして稟議書の別紙に何を載せられるかを確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む
基幹システムとの連携を含む起案の進め方
受注データを基幹システムへ流し込み、得意先ごとの単価や与信まで見にいく構成になると、検討する相手は自部門だけでは済みません。「どの業務がどこまで自動化されるのか」を、部門をまたいで詰める必要が出てきます。関係部門の数だけ確認の往復が増えるため、起案までの助走が長くなります。会議室の予約のほうが先に埋まる、という話も珍しくありません。
ここでの判断は、初期費用の大きさよりも、月々払い続ける金額が業務量に見合うかどうかで置きます。ベースエンジンの利用料のように、「稼働後も毎月かかる費用」を先に洗い出してください。一度きりの支払いなのか、毎月の支払いなのかを分けて書かないと、決裁の場で総額の話がかみ合わなくなります。
行動としては、「連携先のシステム名」と「やり取りするデータの種類」を一覧にしてから見積りを依頼することです。前提が揃っていない見積りは、あとから金額が動いて差し戻しの種になります。この進め方は難易度が高く、工数も関係部門との調整を含めて、情報システム部門に専任者を置ける体制が前提になります。
1,500万円という初期費用に加えて、月額170,000円からの利用料が稼働後も続きます4。初期費用の欄だけを埋めて稟議書を出すと、稼働後も続く月額費用の説明が抜け落ちます。金額の欄を初期費用と月額費用に分けて書いたら、次の一覧でここまでの要点を確かめます。
| 稟議書の記載欄 | 基幹連携を伴う場合の書き方 |
|---|---|
| 初期費用 | 大規模カスタマイズとして公開された下限額を引く |
| 月額費用 | EC-Rider B2B Ⅱ のベースエンジン利用料は月額170,000円から |
| 連携の範囲 | 連携先のシステム名とやり取りするデータの種類を列記する |
| 期間 | 自社に近い規模の導入事例の月数を引く |

連携先のシステムが増えるほど見積りの前提が動くため、要件を並べた段階で一度あたりをつけておく必要があります。
連携の範囲ごとに初期費用と月額がどう変わるかの目安を持ち帰れます。無料相談で自社の条件を持ち込む
要点の整理
| 判断する事柄 | 置く基準 |
|---|---|
| カスタマイズの要否 | 標準機能で今の受注をそのまま載せ替えられるかで決める |
| 費用の書き方 | 公開された料金表の初期費用と月額を、プラン名をそえて引く |
| 期間の書き方 | 自社の規模に近い導入事例の月数を引く |
| 起案の順序 | 無料トライアルで実物を確かめてから金額の欄を埋める |
| 調査数字の扱い | 対象範囲を書き添え、自社の受注件数と並べて示す |
稟議は起案者の根回しだけで通すものではなく、出所のある金額と期間をそろえた時点で議論の土台が変わります。 自社の受注状況に合わせた費用と期間の目安を、稟議書へそのまま転記できる形で整理できます。
よくある質問
稟議書に書く費用は、初期費用と月額のどちらを先に示すべきですか。
初期費用と月額の両方を並べて示してください。初期費用だけを書くと、稼働後に払い続ける金額が見えないまま決裁されることになります。一度きりの支払いなのか、毎月続く支払いなのかを分けて書けば、決裁者は年額へ換算して自分で確かめられます。カスタマイズを伴う場合も、公開されている下限額を出典つきで引いてください。
調査の数字をそのまま稟議書に引用してもよいですか。
引用する際は、その調査が何を対象にしたものかを添えてください。60.5%という、稟議の承認に「時間がかかる」との回答割合は、BtoB EC受発注システムに限った調査ではなく、稟議一般の実態を尋ねた結果です2。対象範囲を書き添えておけば、決裁の場で出所を問われたときに話が止まりません。
市場全体の数字は稟議書の役に立ちますか。
背景の説明としては使えます。514.4兆円というBtoB-EC市場規模は、取引の電子化が特定の業種に限った動きではないことを示します1。ただし全国の総額から自社の効果を導くことはできません。市場の数字は検討の背景に置き、費用対効果は自社の受注件数と転記の回数で組み立ててください。
決裁までにどのくらいの期間を見込んで工程を引けばよいですか。
自社の過去の起案から逆算するのが確実です。37.6%という数字は、稟議の申請から承認までに「1日以上3日未満」を要した割合を示します2。ただしこれは稟議一般の調査であり、金額の大きい設備投資では別の決裁経路を通ることもあります。直近1年の起案記録から、金額帯ごとの所要日数を数えてください。
検討を始めるのに、経営層の指示を待つべきですか。
待つ必要はありません。12.0%が、システム導入のプロジェクト立ち上げに101時間以上を費やしたと答えており、準備そのものに時間がかかります3。この調査もシステム導入全般を対象としたもので、BtoB EC受発注システムに限った数字ではありません3。指示を待つのではなく、材料を集めながら起案の形を整えておくほうが早く動けます。
稟議が差し戻されたとき、どこから直せばよいですか。
まず、差し戻しの理由が金額なのか、効果の見えにくさなのかを分けてください。79%が、稟議について何らかの悩みを持つと答えており、書き直しは珍しいことではありません2。金額であれば公開された料金表の値へ差し替え、効果であれば現行の受注件数と転記の回数を添えます。直すべきは、書き手の熱意ではなく書類の中の数字。
- 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」(2024年) 経路
- 2 出典:株式会社エイトレッド「稟議書に関する実態調査」(2022年) 経路
- 3 出典:株式会社オロ「システム導入の〈意思決定プロセス〉に関する実態調査」(2022年) 経路
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider(BtoB EC受発注システム)料金プラン・費用ページ」(2026年) 経路
- 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
- 6 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(フーヅフリッジ株式会社様)」(2017年) 経路
- 7 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(フリュー株式会社様)」(2016年) 経路
画像の出典元
- Aerial view showcasing the suburban business district in Lis/Photo by Choco Kitty on Pexels
- Stunning aerial shot of a Dublin, CA residential area showca/Photo by Deane Bayas on Pexels
- Close-up image of ethernet cables plugged into a network swi/Photo by Brett Sayles on Pexels