◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 標準プランのまま使うなら、初期費用は EC-Rider Primo の10万円、Standard・Pro プランの20万円という水準に収まります。
- 全プラン共通で初回のみ8万円が別に示されており、標準プランでも支払いは二つの欄に分かれます。
- 業務に合わせて作り込むと桁が変わり、大規模カスタマイズの初期費用は1,500万円からとなります。この金額は下限であって、上限ではありません。
- 月額費用も別にかかり、小規模カスタマイズでは7万円からが示されています。初期費用だけで総額は決まりません。
目次

BtoB-EC市場の拡大と受発注のオンライン化
BtoB-EC取引とは、企業間の売買を電子データでやり取りする仕組みです。受発注のオンライン化は、この仕組みを画面上で完結させる取り組みです。
初期費用は、標準プランのまま使うか、業務に合わせて作り込むかで大きく分かれます。前者はプランごとに定められた金額で収まり、後者は数百万円からの見積もりになります。自社の取引先数と基幹システムとの連携の範囲を数えてから、見積もりを依頼してください。
朝八時の受注席では、前夜に届いた注文書が机の端に積み上がります。電話の呼び出し音が続くなか、担当者は受話器を肩で挟んだまま、注文書の品番へ赤いペンを走らせます。日東電工CSシステム株式会社は、業務用の通販サイト「ハルイチ」を立ち上げ、この受注の入口をオンラインへ移しました。
サイトを立ち上げるとき、扱う商品をどこまで載せるかが最初の関門になります。25,000品が「ハルイチ」の開設時の掲載点数で、2020年に公開された事例の値です3。紙のカタログで同じ点数を扱えば、改訂のたびに差し替えが発生します。データで持つか、紙で持つか。受発注をオンラインへ移す最初の分かれ目がここになります。
紙と電話が残る現場は珍しくありません。514.4069兆円が2024年のBtoB-EC市場規模で、43.1%が同年のEC化率(「その他」を除く値)です4。取引の半分近くが、すでに画面の上で動いています。
514.4069兆円に43.1%を掛けると、画面の上で完結している取引額はおよそ221.7兆円にのぼります4。残る292.7兆円ほどは、この2つの数値の差から算出した値で、いまも紙の注文書や電話でのやり取りに支えられていると考えられます。自社の取引がこの292.7兆円側に含まれているなら、受発注をオンラインへ移す余地はまだ大きく残っています。
注文書の転記をやり直す時間も、登録番号の食い違いを電話で照合する時間も、最後は人件費という形で毎月の費用に積み上がります。
初期費用の内訳|プラン別の相場
Primoプランの初期費用
この人件費を抑える入口にあたるのが EC-Rider Primo です。初期設定と商品データの取り込みを済ませ、標準の画面のまま受注を受ける形が前提になります。「まずは既存の取引先だけを画面へ移したい」という段階なら、作り込みを足さずに始められます。取引先ごとに異なる画面を出したい場合は、この枠には収まりません。
金額は「初期費用」と「月額」に分かれて示されています。10万円が EC-Rider Primo の初期費用(税抜)で、月額は8.8万円と公開されています2。いずれも2026年時点の値です。初期費用だけを見て決めず、月額を年額に直した数字と並べてください。
月額を年額に直すと、8.8万円は年間およそ105.6万円になります2。初期費用の10万円と合わせると、初年度の支払いはおよそ115.6万円です。標準の画面だけで受注が回るなら、この額が導入コストの目安になりますね。
Standard・Proプランの初期費用
扱う量が増えると、標準の枠の中でも上位のプランを選ぶことになります。ここで確かめたいのは、自社の受注のうち何件が標準の画面のまま回るかという数です。社内で「例外対応」と呼んでいる手順が多いほど、標準プランから外れる余地が増えます。取引先ごとの数え上げを先に済ませてください。
価格は段で分かれています。20万円が Standard・Pro プランの初期費用で、入口のプランより高く、作り込みを伴う場合の下限には遠く及びません1。全プラン共通の費用も別にあります。8万円が初回のみ必要な費用として示されています1。どちらも2026年時点の値で、支払いは「初期費用」と「初回のみの費用」の二段構えになりますね。
Standard・Proプランを選ぶと、初期費用20万円に初回のみの8万円を合わせて、契約時にはおよそ28万円の支払いが発生します1。Primoの初期費用10万円と比べると、上位プランを選ぶ段階ですでに支払いの重さが変わってきます。どちらのプランを起点にするかは、取引先ごとの画面の出し分けが必要かどうかで決めてください。
400万円という小規模カスタマイズの下限は、いまの手順をそのまま画面へ写し取ろうとしたときの出発点で、プランごとの初期費用とは桁が変わります1。
カスタマイズ規模で変わる費用の下限
小規模カスタマイズの費用感
標準の画面へ自社の手順を少し寄せる改造が、小規模カスタマイズにあたります。受注画面に自社の品番体系を通す、取引先ごとの価格表を読ませるといった範囲が入口です。「今の伝票と同じ並びにしてほしい」という要望は、ここから先の話になります。
金額の帯が「標準プラン」から動きます。400万円が小規模カスタマイズの初期費用の下限で、プランごとの定額とは別の帯に移ります1。2026年時点で示されている下限であり、範囲が広がれば上へ動きます。
初期費用だけでなく月額にも下限が示されています。7万円が小規模カスタマイズの月額費用の下限で、初期費用400万円とは別に毎月かかり続けます1。1年で84万円ほどが積み上がる計算になり、初期費用と合わせた総額で比較する必要がありますね。
大規模カスタマイズの費用感
小規模の範囲からさらに手を広げ、基幹システムと在庫と請求をつなぎ、受注から出荷指示までを画面の中で完結させる場合が大規模になります。「紙の運用をそのまま画面へ」という進め方を選ぶと、この帯に入ります。既存の手順を変えるか、システム側を手順へ合わせるか。費用の分かれ目がここにあります。
覚悟が要る帯です。1,500万円が大規模カスタマイズの初期費用の「下限」として示されています1。2026年時点の値で、これは上限ではなく出発点です。連携する相手が増えれば、この数字の上へ積み上がります。見積もりは1社だけで判断せず、範囲の書き方を比べてください。
1,500万円という下限は、小規模カスタマイズの下限400万円のおよそ3.75倍にあたります1。「小規模で足りるはずが、要件を足すうちに大規模へ膨らんだ」という進み方は珍しくありません。最初の要件定義で範囲を区切っておくことが、この帯を超えないための備えになりますね。
月額費用を含めた導入コストの総額
初期費用の安さに安心して契約し、毎月の請求書で目を丸くする、という順番は避けたいところです。導入の総額は「初期費用+月額×契約期間」で見ます。契約期間を何年で見るかは、社内で先に決めてください。初期費用が低い方式ほど、月額の重みが増します。
毎月の額も公開されています。8.8万円が EC-Rider Primo の月額(税抜)です2。7万円が小規模カスタマイズの月額の下限として示されています1。いずれも2026年時点の値です。「一度きりの支払い」と「毎月の支払い」を分けて並べ、稟議の資料には合計を載せてください。
3年契約で見積もると、Primoは初期費用10万円に月額8.8万円を36か月分足したおよそ326.8万円になります2。小規模カスタマイズは初期費用400万円に月額7万円を36か月分足したおよそ652万円です1。期間を延ばすほど、この二つの帯の差は月額の分だけ縮まっていきます。
契約期間をさらに5年で見ると、Primoの総額はおよそ538万円、小規模カスタマイズはおよそ820万円になります1,2。長期契約になるほど両者の差は縮まりますが、それでも小規模カスタマイズの総額が上回り続けます。選ぶべき帯を決める前に、費用を動かす条件そのものを次に確かめる必要があります。

費用を左右する条件
費用を動かすのは、機能の数ではなく取引の形です。取引先の数、価格表の種類、基幹システムとの連携の有無を、自社の直近1年の実績で数えてください。「だいたいそのくらい」ではなく、名簿の行数で数えます。ただし商品点数の多い卸にとって、この数え上げはまだ入り口に過ぎません。
先に挙げた小規模カスタマイズの下限と、プランごとの初期費用との間には、大きな開きがあります。どちらを選ぶかは、標準の画面のまま処理できる受注の件数で決まります。自社の受注のうち、標準の画面で回る件数と、例外として人が手を入れる件数を並べてください。数えた結果が「例外の方が多い」であれば、見積もりの前提そのものを見直す必要があります。
43.1%という全体のEC化率4は、自社の受注のうちどれだけを画面へ移せているかを測る一つの物差しになります。この水準を下回っているなら、標準プランのままで移行できる余地がまだ残っている可能性があります。逆にこの水準を超えているなら、残る受注こそが作り込みを検討する対象になります。
ここから先は、取引の形ごとに、どの費用帯を前提に見積もりを取ればよいかを順に見ていきます。
帳合の初期費用は、取引先の数と連携の範囲が決まらないうちは、見積もりの形になりません。
自社の受注件数と価格表の種類を持ち込めば、どの費用帯に入るかの見当が付きます。無料相談で要件を整理する
見積もりを依頼する前に数え上げる項目
- 標準の画面のまま処理できる受注の件数と、人が手を入れている件数を分けて数える
- 取引先ごとに異なる価格表が何種類あるかを、名簿の行数で確かめる
- 基幹システムとの連携が受注データだけか、在庫と請求まで及ぶかを決める
- 初期に載せる商品の点数と、月あたりの商品データの更新回数を控える
- 初期費用のほかに初回のみ必要な費用があるかを、契約書の欄で確かめる
この並びに優劣の順序はありません。
数え上げた結果を、次に示す取引の形ごとの費用帯と読み合わせてください。

取引の形で変わる導入費用の基準
| 取引の形 | 初期費用の見方 |
|---|---|
| 取引先が限られた卸 | プランごとの定額と初回のみの費用で収める |
| 商品点数の多い卸 | データ取り込みの範囲を先に決める |
| 基幹システムとの連携が前提の卸 | 作り込みの下限を出発点に予算を組む |
取引先が限られた卸が初期費用を抑える手順
取引先が数えられる範囲に収まっているなら、受注の型も揃っているはずです。「毎週同じ品番を同じ担当者から受ける」という形が多く、画面の作り込みを足す理由が乏しくなります。まず標準プランのまま一巡させ、足りない部分だけを後から数えてください。
全体の費用帯を眺めるよりも、ここでは「初回のみの費用」を含めた1年分の支払いを見ます。その合計を、いまの受注業務にかかっている人手と並べてください。難易度は低く、工数は既存の取引先名簿を数え直す程度に収まります。
この条件に当てはまる場合、目安になるのは EC-Rider Primo の金額です。初期費用10万円、月額8.8万円という水準であれば2、稟議に必要な総額はあらかじめ計算できます。取引先が増えない限り、この見積もりを大きく超える理由はありません。
| 見積もりで確かめること | 回答の読み方 |
|---|---|
| 標準の画面で回る受注の件数 | 例外として手を入れる件数と並べて比べます |
| 初回のみ必要な費用の有無 | 初期費用と別の欄で請求されるかを契約書で確かめます |
| 月額に含まれる範囲 | 保守と問い合わせへの対応まで入るかを確かめます |
取引先が限られた卸では、プランごとの初期費用と初回のみの費用だけで収まるかどうかが最初の分かれ目になります。
いまの受注件数を伝えれば、作り込みを足さずに始められる範囲がどこまでかを確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む
商品点数の多い卸が見積もり前に整える数字
取り扱う品目が数万の規模になると、費用の話の前に商品データの話が来ます。業務用の通販サイト「ハルイチ」が開設時に並べた点数は、先に挙げたとおりです。品番と入数、単価、掲載の可否が揃っていない行が多いほど、取り込みの手戻りが増えます。
プランの価格表よりも、ここでは初期のデータ整備にかかる手間を基準にしてください。自社の商品台帳を書き出し、「空欄のある行」を数えます。難易度は中くらいで、工数は商品台帳の棚卸しに時間を取られます。
25,000品という「ハルイチ」の開設時点数3は、商品データ整備の規模を測る目安になります。自社の取扱品目がこれに近いか、それを超えるかによって、初期のデータ取り込みに割く期間の見積もりが変わってきます。整備の工数を見込んだうえで、基幹システムとの連携まで踏み込むかどうかを次に確かめる必要があります。
| 商品データで数えること | 見積もりの前に伝える内容 |
|---|---|
| 初期に載せる商品の点数 | 取り込みの対象になる行数を伝えます |
| 空欄のある行の数 | 整備を自社で行うか委託するかを伝えます |
| 更新の頻度 | 月あたりの更新回数を伝えます |

商品点数が多い卸では、初期費用そのものより、商品データの整備に工数と費用が寄ります。
台帳の行数と空欄の多さを見せれば、取り込みを委託した場合の費用の幅を聞き出せます。無料相談で自社の条件を持ち込む
基幹システムとの連携を前提に予算を組む場合
受注データを基幹システムへ流し、在庫と請求まで一本でつなぐなら、話は作り込みの帯に移ります。「今の画面と同じ操作で」という要望を全部残すか、業務の手順をシステムへ寄せるか。前者を選ぶと、費用は上へ動きます。
予算は、先に挙げた大規模カスタマイズの下限を出発点に組んでください。連携の相手ごとに「どちらのデータを正とするか」を先に決めます。難易度は高く、工数は情報システム部門と業務部門の双方から人を出す前提になります。
1,500万円という大規模カスタマイズの下限1は、EC-Rider Primoの初期費用10万円2のおよそ150倍にあたります。この開きの大きさこそが、標準の画面で済むか、作り込みが要るかを見誤ったときの損失の大きさでもあります。連携の範囲を決める前に、この差を予算の担当者と共有しておいてください。
| 連携する相手 | 先に決めておくこと |
|---|---|
| 基幹システムの受注データ | どちらのデータを正とするか |
| 在庫データ | 引き当ての時点をどちらで持つか |
| 請求データ | 締め日と単価の適用をどちらで判断するか |
基幹システムとの連携を前提にすると、帳合の初期費用は作り込みの帯へ移り、下限から積み上がる形になります。
つなぐ相手と正とするデータを先に示せば、範囲の切り分け方と概算の出方が見えてきます。無料相談で自社の条件を持ち込む
要点の整理
| 確かめる条件 | 費用の見方 |
|---|---|
| 標準の画面で回る受注が大半 | プランごとの初期費用と初回のみの費用で収まります |
| 取引先ごとの価格表が複数ある | 小規模カスタマイズの下限を前提に見積もります |
| 基幹システムと在庫・請求まで連携する | 大規模カスタマイズの下限を出発点に予算を組みます |
| 契約期間を長く見込む | 月額を期間分足した合計で比べます |
| 商品点数が多い | データ整備の工数を見積もりの前に数えます |
帳合の初期費用は方式ごとに桁が変わり、自社の条件を当てはめないと、相場の数字はそのままでは使えません。 受注の件数と連携の有無を添えて相談すれば、どの費用帯で組むべきかを持ち帰れます。
よくある質問
初期費用のほかに、初回だけ必要な費用はありますか
全プラン共通で、初回のみ必要な費用が別に示されています。先に挙げた金額は、プランごとの初期費用とは別の欄に立つ扱いです。見積書を受け取ったら、「初期費用」の行と「初回のみ」の行が分かれているかを確かめてください。合算した数字だけを見ると、二つを取り違えます。
大規模なカスタマイズの費用は、示された下限で収まりますか
示されている金額は下限であり、上限ではありません。連携する相手や作り込む画面が増えれば、その上へ積み上がります。見積もりを比べるときは、総額ではなく「範囲の書き方」を並べてください。同じ金額でも、含まれる作業が違えば別の見積もりです。
標準プランで始めて、後からカスタマイズへ移れますか
移る場合、作り込みの費用は改めて発生します。標準プランで一度回してみると、どの手順が画面に乗らないかが件数で分かります。その数字を持って相談すれば、「どこまでを作り込むか」の切り分けが具体的になります。先に全部を作り込むか、動かしながら足すか、進め方は二つあります。
月額費用と初期費用は、どちらを重く見るべきですか
契約が続く限り毎月かかるのは月額の方です。社内で何年使う前提かを先に決め、その期間分の月額を初期費用へ足した金額で比べてください。稟議に出す数字は、期間分の月額まで含めた「合計」です。期間の前提が揃っていない見積もりは、並べても比べられません。
商品データの整備は自社で行う必要がありますか
品番や入数の欠けを埋める作業は、自社の台帳に触れる部分が多く残ります。委託する場合も、「どの列を正とするか」は自社で決めることになります。見積もりを取る前に、台帳の行数と空欄のある行を数えておいてください。数字があれば、委託の範囲を金額で比べられます。
取引先が少ない場合でも受発注システムは必要ですか
必要かどうかは、受注の件数だけでは決まりません。電話で受けた内容を紙へ書き、画面へ打ち直す。この「二度手間」が毎日続いているなら、取引先が少なくても効いてきます。まず直近1か月の受注件数と、打ち直しの回数を数えてください。
- 1 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider(BtoB EC受発注システム)料金プラン・費用ページ」(2026年) 経路
- 2 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン条件」(2026年) 経路
- 3 出典:株式会社ロジザード/EC-Rider B2B「導入事例 日東電工CSシステム株式会社様(業務用通販サイト「ハルイチ」)」(2020年) 経路
- 4 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査 報告書」(2024年) 経路
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