◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 帳合の費用は月額の固定料金ではなく、掛率・保証金・返品・配送・最低取引額という取引条件に分かれて出る。
- トーハンのHONYALは連帯保証人と信認金を原則不要にし、初期在庫の分割払いも相談できるが、在庫の代金そのものは払う必要がある。
- その代わり、返品は仕入額の15%まで、配送は週1回、扱えるのは書籍の注文品のみで、負担は売れ残りと売り逃しの形で出る。
- 月の採算は、売れた分の取り分から、返品枠を超えた売れ残り・固定費・分割払いを差し引いて見当を付ける。
- 書店以外の店は書店の条件を当てはめず、月額の固定請求の有無を含めて同じ項目を卸ごとに聞き取って比べる。
目次

「帳合」の費用は月額ではなく取引条件に出る:まず確認する5項目
開業の準備で仕入先を考え始めると、卸や取次に口座を開いてもらったら毎月いくら払うのか、売上の小さな店でも続けられるのかが気になります。
確認できた範囲では、帳合の費用は月額の固定料金ではなく、掛率・保証金・返品・配送・最低取引額という取引条件に分かれて出ます。
書店の取次では、トーハンのHONYALが連帯保証人と信認金を原則不要にしました1。
その代わり、返品は仕入額の15%まで、配送は週1回、扱えるのは書籍の注文品のみです1。
この条件を自店の品揃えと返品の見込みに当てはめれば、続けられるかを判断できます。
帳合の意味(卸との継続取引)
「帳合」は、小売店が特定の卸や取次と継続して取引する関係を指して使われる言葉です。
書店であれば、帳合先の取次から本が届き、仕入代金の精算もその取次と行う、という関係を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
会計の分野では帳簿の数字を照らし合わせる意味で「帳合」と言うこともあり、会計ソフトの月額費用を調べていた場合は別の話になります。
以下は、店が卸に口座を開いてもらい、商品を仕入れて代金を払う取引の費用の話です。
開業準備の段階では、家賃や光熱費と同じように「帳合にも毎月いくらかかるのか」を一行で見積もりたくなります。
ところが、確認できた書店の取次の例では、月額の利用料という形で費用が示されてはいませんでした。
示されていたのは、保証人や保証金が要るか、返品をどこまで受けるか、配送は何回か、店の取り分はどの程度か、という取引条件です1。
帳合の負担は、毎月の請求書に「帳合料」として載るものというより、仕入れの値段や、売れ残り・開業資金の扱いに織り込まれていると考えると見積もりやすくなります。
この見方に切り替えると、「売上が小さくても続けられるか」という問いにも答えやすくなります。
固定の月額であれば、売上が少ない月ほど重くのしかかります。
取引条件に織り込まれた負担は、売れた量や仕入れた量に応じて増減するものと、開業時に一度まとまって出ていくものとに分かれます。
どちらがどれだけ自店に効くかは、条件を項目ごとに分けると見えてきます。
掛率・保証金・返品・配送・最低取引額
卸に条件を尋ねるとき、軸にしたいのは次の5項目です。
・掛率:定価に対して何割の価格で仕入れるかを示す割合です。
・保証金・保証人:取引を始めるときに預ける現金や、支払いを保証する人が要るかどうかです。
・返品:売れ残った商品を卸に戻せるか、戻せるならどこまでかという条件です。
・配送頻度:注文した商品が店に届く間隔です。
・最低取引額:一度に、または一定期間に仕入れる額の下限です。
このうち、毎月の手残りに直接効くのは掛率と返品です。
掛率は、売れた商品ごとの店の取り分(マージン)を決めます。
取り分は売れた分にだけ生まれるので、売上が小さい月は取り分も小さくなりますが、掛率そのものが売れなかった月に固定の支払いを生むわけではありません。
返品は反対に、売れなかった分をどう処理するかを決めます。
戻せる範囲が狭いと、売れ残りの仕入代金がそのまま店の負担になります。
保証金・保証人と最低取引額は、主に始めるときの重さに効きます。
保証金は開業時に用意する現金を増やし、最低取引額が高いと、小さな店でも一度にまとまった量を仕入れることになります。
配送頻度は費用として請求されるものではありませんが、補充が遅れる間は売れたはずの商品を売れません。
同じ商品を何点も置けない小さな店ほど、この影響は表に出やすくなります。
取り分の水準については、トーハンのHONYALが、マージン率はほとんどのエリアで一般的な書店と同程度だとしています1。
少額で始められる仕組みでも、店の取り分を大きく削って入口を広げたわけではない、という点は押さえておけます。
ただし、これは書店と取次の取引で示された条件です。
食品や雑貨の卸の条件は、書店の例とは別に、取引先ごとに確かめる必要があります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 毎月の手残り
- 掛率(売れた分の取り分)
- 返品(売れ残りを戻せる範囲)
- 開業時の現金
- 保証金・保証人
小規模でも口座は開けるのか:保証金と初期在庫という従来の壁
従来の買取りと初期在庫
口座を開くときに最初にぶつかるのは、毎月の負担よりも、開業前にまとめて出ていく現金です。
書店の場合、従来は仕入れる本をすべて返品できない「買取り」とし、一定の在庫を抱える必要があったと報じられています2。
買取りとは、売れ残っても卸に戻せない条件で仕入れることです。
同じ報道は、資金力がなければ参入が難しかったと伝えています2。
たとえば、小さな店舗に本棚を据え、開店日に棚を埋めるだけの本を用意する場面を考えてみます。
棚を埋める分の代金は、本が売れる前に支払う必要があります。
しかも買取りであれば、しばらくたって売れ残った本も店に残り、現金には戻りません。
売上の小さな店にとっては、月々の取り分の多少より、この最初の在庫に寝る現金のほうが、開業できるかどうかを左右します。
保証金も、開業時の現金に効く項目です。
書店の取次では取引保証金を信認金と呼び、HONYALの発表でも、連帯保証人とあわせて不要にする対象として挙げられています1。
在庫の代金と保証金が開業前に重なると、店の準備にかけられる資金はそれだけ小さくなります。
保証人・信認金が原則不要になった仕組み
トーハンは2024年10月、小型書店の開業を支える少額取次サービスとしてHONYALを始めました3。
HONYALでは、連帯保証人と信認金(取引保証金)を原則不要としています1。
初期在庫の費用についても、分割払いを相談できるとしています1。
先ほどの場面に当てはめると、開業時に用意する現金から保証金の分が原則として外れ、棚を埋める在庫の代金も、相談しだいで一度に払わずに済む可能性があります。
ただし「原則」とある以上、例外がありうることは読み取っておく必要があります。
また分割払いは「相談できる」という扱いで、必ず分割になる、あるいは在庫の代金が要らなくなるという意味ではありません。
在庫の代金そのものは払うものであり、分割にすれば、その分が開業後の毎月の支払いに加わります。
月額の帳合料はなくても、月々の出費に初期在庫の分割分が入ってくる、という点は試算で見落としやすいところです。
対象として想定されているのは、小型書店の開業だけではありません。
飲食店やヘアサロンなど他業種の店舗での書籍販売も想定され、公共施設や一般企業との連携も視野に入れているとされています1。
本を主力にしない店でも、書籍の販売を始める入口になりうるということです。
一方で、審査の基準や、例外的に保証金を求める場合の金額は、発表の中では示されていません。
自店が対象になるか、どの条件が付くかは、申し込みの段階で個別に確かめることになります。
そして、保証金が原則不要になった分、別のところに条件が付いています。

保証金なしの代わりに受け入れる制約:返品15%・週1回配送・注文品のみ
返品枠15%の意味
HONYALでは、返品は仕入額の15%までとされています1。
仕入れた本の一部は売れ残っても取次に戻せるものの、戻せる量には上限がある、という条件です。
戻せない買取りに比べれば余地は広がりますが、売れ残りをすべて戻せるわけではありません。
たとえば、ある期間に仕入れた本のうち、売れ残りが仕入額の15%を下回るなら、売れ残りは返品枠の中に収まる計算になります。
売れ残りがそれを上回ると、超えた分は店の在庫として残り、その仕入代金は店の負担になります。
つまり15%は、品揃えの見込み違いを返品で吸収できる幅の上限だと読めます。
選んだ本がよく売れる店にとっては十分な枠でも、売れ行きの読みが外れやすい開業直後には、この枠の使い方が採算を左右します。
気を付けたいのは、発表文からは、どの期間の仕入額を基準に15%を数えるのか、返品した分が代金の精算でどう扱われるのかまでは読み取れないことです。
月ごとに区切るのか、もっと長い期間で見るのかによって、売れ行きに波がある店が使える枠は変わります。
この点を口座を開く前に取次へ尋ねておくと、後の試算がぶれにくくなります。
また、15%という上限はHONYALの条件であり、他の取次や卸の返品条件を示すものではありません。
週1回配送と注文品のみの影響
配送は週1回で、扱えるのは書籍の注文品のみとされています1。
報道では、雑誌を配本対象から外して書籍に限定し、週1回程度の配本とするなど制約は多いと伝えられています2。
いずれも2024年の発表時点の条件です。
週1回の配送は、売れた本の補充や、お客さんから取り寄せを頼まれた本が、次の配送日まで届かないことを意味します。
棚に同じ本を何冊も置けない小さな店では、売れた本がしばらく棚から消える時間が生まれます。
その間に同じ本を探しに来た人には売れず、取り寄せを頼んだ人には待ってもらうことになります。
注文品のみという条件は、店が自分で選んで注文した書籍が届く、ということです。
品揃えを店の選書で決められる反面、何が売れるかの読みもすべて店が負います。
そして雑誌が対象外である以上、定期的に発売される雑誌で常連の来店をつくる、という売り方はこの仕組みだけでは組めません。
雑誌を主力にしたい場合は、別の仕入先を考える必要があります。
発表された条件から整理すると、HONYALでの負担は月額の固定費ではなく、二つの形で出ます。
一つは、返品枠を超えた売れ残りが店の在庫として残ることです。
もう一つは、週1回の配送と取扱い範囲の制約によって、売れたはずの機会を逃すことです。
続けられるかどうかは、この二つが自店でどの程度起きそうかで見えてきます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 返品は仕入額の15%まで
- 枠を超えた売れ残りは店の在庫になる
- 配送は週1回
- 補充・取り寄せは次の配送日待ち
- 品切れの間の売り逃し
採算の試算の組み立て:掛率と返品率から月の手残りを見る
入力する値
前の節で見た二つの負担を、月の数字に置き換えてみます。
業界全体の掛率や粗利率の相場はここでは示せないため、数字は自店の見込みと、卸から聞いた条件を入れて組み立てます。
以下は判断のための組み立て方の一例で、相場や実績を示すものではありません。
入れる値は次の四つです。
・月の売上見込み:定価で数えた、ひと月に売れると見込む額です。
・掛率:卸から示された、定価に対する仕入価格の割合です。
・月の仕入額:ひと月に注文する額で、初期在庫を分割にした場合は月々の支払い額も別に控えます。
・売れ残りの見込み:仕入れたうち、売れずに残りそうな額です。
ひと月の流れで見ると、入ってくるのは売上、出ていくのは仕入代金と店の固定費、それに初期在庫を分割にした場合の月々の支払いです。
売れた分については、定価と仕入価格の差が店の取り分になり、その大きさは掛率で決まります。
売れ残った分は、返品枠の内側なら取次に戻せるものとして扱い、枠を超えた分は店に残る負担に数えます。
HONYALであれば、この枠の上限が仕入額の15%です1。
売れた分の取り分から、枠を超えた売れ残り、店の固定費、分割払いを差し引いたものが、その月の手残りの見当になります。
これは厳密な損益計算ではなく、毎月の現金に余裕があるかを見るための見当です。
枠を超えて残った在庫は、後で売れれば取り戻せますが、売れるまでは現金が棚に寝ている状態です。
開業直後の数か月は、この寝ている現金が積み上がらないかを見ておくと、資金繰りの詰まりに早く気付けます。
この組み立てで見ると、売上が小さい店で効いてくるのは、取り分の率そのものより、売れ残りが枠を超えるかどうかと、固定費や分割払いとの釣り合いです。
取り分は売れた額に比例して小さくなる一方、固定費や分割払いは売上が小さくても同じ額が出ていくからです。
掛率が一般的な書店と同程度だとしても1、売上の規模が小さければ、固定的に出ていく額を賄えるかが先に問題になります。
返品率の見込み方
試算の中でいちばん読みにくいのが、売れ残りの見込みです。
開業前は売れ行きの記録がないため、どの本がどれだけ残るかを確かな数字で置くことはできません。
そこで、返品枠の上限を一つの目安として使う方法が考えられます。
HONYALの条件に当てはめるなら、売れ残りを仕入額の15%以内に収める前提で仕入量を決める、という置き方です。
そうすれば、試算の上では売れ残りがすべて返品枠に収まり、店に残る在庫の負担をゼロとして扱えます。
反対に、それより多く残りそうだと感じるなら、その差がそのまま店の在庫になると見て、試算に入れておきます。
楽観と慎重の両方の置き方で計算しておくと、どの程度売れ残ると手残りが苦しくなるかの境目が見えます。
開業後は、注文した本、売れた本、売れ残って返品した本を記録していくと、見込みを実際の数字に置き換えられます。
注文品のみの仕組みでは、次に何を注文するかは店が決めるため、この記録がそのまま次の注文の判断材料になります。
返品枠をどれだけ使ったかを追っておけば、上限に近づいたときに仕入れを絞るといった調整もしやすくなります。
この試算は判断のための整理であり、採算が合うことを保証するものではありません。
掛率は自店が卸から示された値を使い、返品の数え方は契約時の説明に合わせて組み替える必要があります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 売れた分の取り分(足す)
- 月の売上見込み
- 掛率
- 枠を超えた売れ残り(引く)
- 売れ残りの見込み
自店の場合の選び方:業種・返品の要否・取扱い商品で分ける
書店の場合
ここまでの条件を、自店の状況に当てはめてみます。
分かれ目になるのは、主に扱う商品が書籍か雑誌か、売れ残りを戻せる余地が要るか、開業時に用意できる現金がどの程度か、の三点です。
書籍を中心に、選んだ本を並べる小さな書店を始めたい場合で、開業資金に余裕がなく、売れ残りを少しでも戻せる余地がほしいなら、HONYALのような少額取次は有力な候補になります。
保証人と信認金が原則不要で、初期在庫の分割も相談でき、返品にも一定の枠があるからです1。
この場合に見極めたいのは、自店の選書が返品枠の内側で回りそうか、週1回の配送で取り寄せや補充が間に合う売り方か、という点です。
飲食店やヘアサロンなど、本業の店の一角で本を売る形も、HONYALが想定する使い方に含まれています1。
本の売上で店を支えるわけではないなら、返品枠と配送頻度の制約は、本を主力にする書店ほど重くはならない可能性があります。
一方、雑誌を店の中心に据えたい場合は、雑誌が配本対象外と報じられているため2、HONYALだけでは品揃えを組めません。
出版社と直接取引する方法など、取次を通さない仕入れも選択肢としてはありますが、その条件はここで扱った資料には含まれていません。
比べる場合は、同じ5項目を相手ごとに聞き取り、横に並べることになります。
返品の枠や保証金の有無だけでなく、配送の間隔と取り分の水準まで揃えて聞くと、どちらが自店の売り方に合うかが判断しやすくなります。
他業種の場合に卸へ確認すること
食品や雑貨など、書籍以外の商品を卸から仕入れる店では、ここまでのHONYALの条件はそのまま使えません。
ただ、費用を月額だけでなく取引条件に分けて見る、という考え方は、口座開設の相談で何を尋ねるかを組み立てるのに使えます。
業種によっては月額の利用料のような固定の請求がある可能性も残るため、その有無も含めて尋ねておきます。
・月額の利用料や手数料など、仕入代金とは別に毎月請求されるものはあるか。
・掛率や卸価格はどう決まり、取引量によって変わるか。
・保証金や保証人は必要か、必要なら金額と返還の条件はどうか。
・売れ残りや破損品を返品・交換できるか、できるならどの範囲までか。
・配送の頻度と送料、注文から納品までにどのくらいかかるか。
・一度の注文や一定期間の最低取引額はあるか。
・初期の仕入れ代金をどう支払い、毎月の支払いはいつ発生するか。
答えが出そろったら、前の節の試算の枠に入れ直すと、自店にとってどの条件が重いかが見えてきます。
たとえば月額の固定請求があれば、それは固定費の側に入り、売上が小さい月ほど重くなります。
返品ができない卸なら、売れ残りの見込みはすべて店に残る負担として数えることになります。
複数の卸を比べるときも、同じ質問を同じ順で聞いておくと、条件の違いがどこにあるかを並べやすくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 書籍中心の小さな書店
- 少額取次が候補
- 選書が返品枠の内側で回るか
- 週1回配送で補充が間に合うか
- 本業の店の一角で本を売る
保証金や返品枠の条件が分かっても、それを自店の仕入れ量や売上の見込みに当てはめる段階では、どの前提を置くかで迷いやすくなります。
卸から示された条件と自店の見込みを並べ、月の手残りの試算でどの前提が結果を大きく動かすかを一緒に確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 帳合の費用 | 月額の固定料金ではなく、掛率・保証金・返品・配送・最低取引額に分かれて出る |
| 開業時の現金 | HONYALは連帯保証人・信認金が原則不要、初期在庫は分割払いを相談できる |
| 引き換えの制約 | 返品は仕入額の15%まで、配送は週1回、書籍の注文品のみ(雑誌は対象外と報道) |
| 月の採算 | 売れた分の取り分から、返品枠を超えた売れ残り・固定費・分割払いを差し引いて見る |
| 書店以外の店 | 書店の条件を当てはめず、同じ項目を卸ごとに聞き取って比べる |

仕入先が複数になると、条件の違う取引先ごとに注文・返品・支払いを追う必要が出てきます。 取引先ごとの条件と注文・返品の記録をどう整理すれば確認の手間が減るかを、相談の中で具体的に洗い出せます。
よくある質問
帳合と帳簿合わせはどう違うのですか
この記事でいう帳合は、小売店が特定の卸や取次と継続して取引する関係のことです。
一方、会計の分野では帳簿の数字を照らし合わせる意味で帳合と言うこともあります。
会計ソフトなどの月額費用を知りたい場合は、卸との取引条件とは別に、そのソフトやサービスの料金を確かめることになります。
HONYALで雑誌は扱えますか
トーハンの発表では、取扱いは書籍の注文品のみとされています1。
報道でも、雑誌を配本対象から外して書籍に限定していると伝えられています2。
いずれも2024年の発表時点の条件で、雑誌を扱いたい場合は別の仕入先を考える必要があります。
保証金が不要でも、初期在庫の支払いは必要ですか
必要です。
原則不要とされているのは連帯保証人と信認金(取引保証金)で、初期在庫の費用は分割払いを相談できる、という扱いです1。
分割にした場合は、開業後の毎月の支払いにその分が加わるため、月の試算に入れておくと見通しを立てやすくなります。
書店以外の小さな店は、卸にどんな条件を確認すればよいですか
確認したい軸は、月額の固定請求の有無、掛率、保証金・保証人、返品の可否と範囲、配送の頻度、最低取引額、初期在庫の支払い方法です。
HONYALの返品15%などは書店向けの取次の条件なので、他業種の卸の基準としては使えません。
同じ順で聞き取って試算の枠に入れると、自店にとって重い条件がどれかが分かります。
返品が15%を超えそうな場合はどうすればよいですか
確認した発表では、15%を超えた場合の扱いまでは示されていません。
まず口座を開く前に、超えた分の扱いと、15%を数える期間を取次に確かめておくことが大切です。
運用の面では、注文品のみの仕組みなので、売れる見込みの高い本と取り寄せの依頼を中心に注文し、返品枠の使い具合を記録しながら仕入れ量を調整する方法が考えられます。
それでも枠を超えそうな品揃えなら、超えた分は店の在庫になると見て試算に入れ、続けられるかを判断することになります。
- 1 出典:株式会社トーハン「小型書店開業支援サービス「HONYAL」開始のお知らせ(プレスリリース)」(2024年)
- 2 出典:リアルサウンド「トーハンの小規模書店向け新サービスについての記事」(2024年)
- 3 出典:国立国会図書館 カレントアウェアネス「トーハンによるHONYAL開始の紹介」(2024年)
画像の出典元
- A colorful comic book store with organized shelves and boxes of comics for sale./Photo by Jonathan Cooper on Pexels
- Hands using calculator and writing in notebook during business planning on a white table./Photo by AlphaTradeZone on Pexels