◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 納品書の費用は初期費用と継続費用に分けると、件数に比例して増える継続費用の重さが見えてくる
- 既存のExcelや初期費用0円のクラウド帳票で導入費は抑えられるが、利用料や作業時間は残る
- 安く始めた運用の限界は、発行件数・送り先・担当者のどれが増えるかで表れ方が違う
- 紙で渡すか電子で渡すかで控えの残し方が変わり、電子で渡した納品書はデータで保存する前提になる
- インボイスとして使うなら、記載事項をどの書類に載せるかを先に決めてから書式を選ぶ
目次

納品書の費用は、初期費用と継続費用のどちらが重いのか
注文が入るたびにExcelで納品書を作り、印刷して封筒に入れ、切手を貼って出しています。
件数が増えてきて「仕組みを変えたいが、最初にお金はかけたくない」と感じたら、まず費用を二つに分けて考えると判断しやすくなります。
納品書は、手元のExcelや初期費用0円のクラウド帳票を使えば、導入費をかけずに出せます。
ただし、毎回かかる郵送費や作業時間は残ります。
実際に削りやすいのは、こちらの継続費用です。
また、紙で渡すか電子で渡すかで控えの保存方法が変わります。
そのため、安さだけで方法を決めると、後から手直しが必要になります。
初期費用に入るもの
初期費用は、納品書を出せる状態をつくるまでに一度だけかかる費用です。
具体的には、専用ソフトやクラウドサービスの導入費、プリンターなどの機器、テンプレートの作成、取引先や商品の情報の登録がここに入ります。
手元にあるExcelを使うなら、追加のソフト代はかかりません。
それでも、書式を整えたり、計算式や番号の付け方を決めたりする時間は、最初にまとめて必要になります。
つまり、初期費用を0円にしても、なくなるのはお金の支払いだけです。
準備の手間までは消えません。
この違いを分けておくと、「無料だから」と始めたあとで設定や入力に追われる状態を避けやすくなります。
継続費用に入るもの
継続費用は、納品書を1枚出すたびに繰り返しかかる費用です。
用紙やトナー、封筒、切手といった目に見える支出が、まずここに入ります。
そのほか、注文内容を書式に写す、印刷する、封入して宛名を書く、投函する、控えを綴じるといった作業の時間も継続費用です。
クラウドサービスを使う場合は、月額や年額の利用料もこちらに入ります。
初期費用が一度きりなのに対し、継続費用は発行件数に比例して積み上がります。
月に数通なら気にならない額でも、取引先が増えれば同じ作業がそのまま増えていきます。
納品書の費用が重いと感じたときは、件数を掛けてみると、重さの原因が初期費用と継続費用のどちらにあるかが見えてきます。
郵送費の公式料金
継続費用のうち、金額がはっきり分かるのが郵送費です。
日本郵便の料金表では、定形郵便物は50g以内で110円と示されています1。
この額には封筒や用紙の代金は入っていません。
そのため、紙で郵送する1通あたりの支出は、切手代に封筒・用紙・印刷の費用を足したものになります。
月の郵送費を見積もるときは、110円に月の郵送件数を掛け、そこへ封筒や用紙の分を加えます。
郵送件数は、納品書を単独で送る分と、請求書と同封して送る分を分けて数えておくと役立ちます。
請求書と同封しているなら、納品書だけを電子に切り替えても封筒は1通も減らないからです。
郵送を外部に任せる方法もあります。
たとえばマネーフォワード クラウド請求書の料金ページには、請求書の郵送代行が全プラン共通で1通210円(税抜)と掲載されています2。
ただし、これは同サービスで請求書を郵送する場合の条件です。
納品書の郵送に同じ料金が当てはまるとは限りません。
また、切手代と並べて高い・安いを比べてもあまり意味がありません。
自社で印刷・封入・投函している作業の時間をどこまで外せるかと合わせて見ると、比較として役立ちます。
作業時間の数え方
作業時間には、使える相場の数字がありません。
そのため、自社で数えるのがいちばん確かな方法です。
数え方は単純で、月の発行件数に、1件あたりの所要時間を掛けます。
1件あたりの時間は、作業を工程に分けて計ると見落としが減ります。
次の時間をそれぞれ数日分記録し、平均を取ります。
・注文書やメールから品名・数量・単価を写す時間
・印刷と押印の時間
・封入と宛名書きの時間
・控えを保存する時間
工程に分けておくと、どの方法でどの工程が短くなるのかを後で比べられます。
たとえば、PDFをメールで送るようにすれば、封入と投函の時間は減ります。
一方で、注文内容を写す時間はそのまま残ります。
こうして見ると、初期費用を抑える工夫と、継続費用を減らす工夫は別のものだと分かります。
次に比べる二つの方法は、どちらも導入時の支払いをほぼ0円にできます。
そのため、方法の差が出るのは、写す・送る・保存するのどの工程を減らせるかです。
| 費用の区分 | 含まれるもの | かかり方 |
|---|---|---|
| 初期費用 | ソフトの導入費・機器・書式づくり・取引先や商品の情報の登録 | 始めるときに一度 |
| 継続費用 | 用紙・封筒・切手・サービスの利用料・写す/印刷/封入/保存の作業時間 | 発行件数に比例して毎月 |
初期費用0円で始められる方法は何があり、何ができて何が難しいか
既存のExcelを使う
すでにExcelなどの表計算ソフトがある会社なら、追加の支払いなしで納品書を作れます。
書式を自由に変えられ、担当者も操作に慣れているため、明日からでも始められるのが強みです。
作った納品書をPDFに書き出してメールに添付すれば、郵送を減らすこともできます。
一方で、Excelは1枚ずつの書類を作る道具です。
発行の記録を管理する仕組みではありません。
そのため、次のような点は作る人が気を付けるしかありません。
・注文内容を毎回手で写す
・納品書番号の重複や欠番を防ぐ
・計算式を上書きして金額を誤らないようにする
控えのファイルをどこにどんな名前で置くか、誰が送ったかも、ルールを決めない限り記録に残りません。
件数が少なく担当者が一人のうちは問題になりにくい方法です。
ただし、前の節で数えた「写す時間」はほとんど減りません。
初期費用0円のクラウド帳票
クラウド型の帳票サービスには、料金ページで初期費用0円を明記しているものがあります。
例としてマネーフォワード クラウド請求書を見ると、全プランで初期費用は0円です2。
見積書・納品書・請求書・領収書の作成と送付も、どのプランでも使えると掲載されています2。
書類をサービス上で作成・送付するため、どこで何を作ったかを1か所にまとめやすくなります。
控えの置き場所を個人の運用に頼らずに済むかどうかが、Excelとの違いとして表れます。
ただし、初期費用が0円でも、利用料はプランごとに月額または年額でかかります。
同ページの料金は税抜で示され、支払い方法によって金額に差があります2。
料金体系の一部改定を予定している旨の注記もあります2。
また、プランによって次の点が異なります2。
・帳票作成リクエストの上限件数
・CSVでの一括作成ができるか
・一括送信ができるか
これは1つのサービスの、ある時点の条件です。
ほかのサービスの初期費用や上限の相場を示すものではありません。
別のサービスを検討するときも、同じ観点で各社の料金ページを並べると比べやすくなります。
表のExcelの列は、一般的な使い方をもとにした整理です。
判断が分かれるのは「件数の上限」と「電子での送付」の行です。
Excelは件数に上限がない代わりに、件数が増えるほど人の作業が増えます。
クラウド帳票は作業を仕組みに任せやすい代わりに、プランの条件で使える範囲が区切られます。
請求書の機能と併用する
納品書だけを見直すより、請求書とまとめて考えたほうがよい場合もあります。
締め日にまとめて請求書を出しているなら、納品書に書いた品名・数量・金額を、請求書へもう一度写す作業が起きているはずです。
ここでも転記が発生しています。
すでに請求書をクラウドサービスで出しているなら、同じサービスで納品書も作れるかを見てください。
作れれば、追加の初期費用をかけずに済む場合があります。
前述の例のように、納品書と請求書を同じプランで作成・送付できるサービスもあります2。
ただし、次の2点は製品ごとに違います。
・納品書の内容をそのまま請求書へ引き継げるか
・複数の納品書を1枚の請求書にまとめられるか
試すときは、実際の取引1件分を最初から最後まで流してみてください。
どこで入力し直しが起きるかが分かります。
| 比べる観点 | 既存のExcelを使う | 初期費用0円のクラウド帳票(例:マネーフォワード クラウド請求書) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 追加の支払いなし(書式づくりの時間は必要) | 全プランで0円 |
| 継続費用 | 写す・印刷・送付の作業時間と郵送費 | プランごとの利用料と作業時間・郵送する場合の費用 |
| 件数の上限 | ファイルの上限はないが手作業が件数に比例して増える | 下位プランは帳票作成リクエストに上限・上位プランは無制限 |
| 電子での送付 | PDFに書き出してメールで1件ずつ送る | 作成・送付は全プランで可能・一括送信は上位プランのみ |
| 将来の乗り換え | 書式とファイルの整理しだい | プラン変更時の条件と料金改定の予定を確かめる |
▼ 図の内容を文字で読む
- 注文内容を写す:品名・数量・単価を書式へ入力
- 印刷・押印:紙で渡す場合の時間
- 封入・宛名書き・投函:郵送する場合の時間
- 控えの保存:紙を綴じる・ファイルを保存する時間
- 月の作業時間:1件あたりの時間×月の発行件数
取引量や取引先が増えたとき、無料・低価格の運用はどこで限界が来るか
プランの上限
安く始めた運用の限界は、件数そのものより、件数が増えたときに使えない機能として表れます。
前の節の例で言えば、下位プランには帳票作成リクエストの上限があり、上位プランでは無制限です2。
CSVで複数の納品書をまとめて作る機能や、メール・郵送の一括送信は、上位プランのみとされています2。
担当者のアカウントを増やせるのも上位プランだけです2。
ここから分かるのは、何が増えるかによってぶつかる条件が違うということです。
・発行件数が増えれば、作成の上限に影響する
・送り先が増えれば、一括送信の有無に影響する
・担当者が増えれば、アカウントの数に影響する
上限の値は、そのサービス・そのプランの条件です。
ほかのサービスで同じ件数が目安になるわけではありません。
「月に何件を超えたら有料プラン」と一律に決められる基準もありません。
自社の件数と担当者数を、検討しているサービスの条件に当てはめて判断します。
Excel運用の転記と保管
Excelで続けている場合、限界はソフトの上限ではなく、人の作業として表れます。
たとえば担当者が二人になると、それぞれが手元にテンプレートをコピーして使い始め、書式や計算式が少しずつずれていきます。
番号を各自で振っていれば重複が起きます。
控えが個人のフォルダに散らばると、取引先から再発行を頼まれたときに、探すだけで時間がかかります。
見直しの目安は、相場ではなく自社の数字で決めるのが現実的です。
最初の節で数えた月の発行件数、1件あたりの時間、郵送件数を、数か月おきに同じ方法で数え直します。
件数の伸びに合わせて写す時間が増えているなら、次に手を付けるのは転記を減らす仕組みです。
郵送件数が増えているなら、電子での送付が次の対象になります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 月の郵送費の見積もり
- 110円×月の郵送件数
- 封筒や用紙の分を加える
- 郵送件数の数え分け
- 納品書を単独で送る分
- 請求書と同封して送る分(電子に切り替えても封筒は減らない)
- 郵送を外部に任せる場合
- 請求書の郵送代行は1通210円(税抜)
- 納品書に同じ料金が当てはまるとは限らない
納品書に法令上の作成・保存の義務はあるのか
書類としての区分
発行方法を選ぶ前に押さえておきたいのが、発行した納品書をどう残すかです。
国税庁の個人事業者向けの案内では、業務で作成したり受け取ったりした請求書・領収書・納品書などを、保存が必要な書類として扱っています4。
「作成した」書類も含まれるため、取引先に渡した納品書の控えも保存の対象になります。
納品書を発行するかどうかは、取引先との取り決めや請求の流れによって変わります。
一方で、発行すると決めたら、その控えをどう保存するかは方法選びと切り離せません。
Excelなら控えのファイルや印刷した紙を、クラウドなら発行データを、決めた期間きちんと取り出せる状態で残せるかが問われます。
保存期間の確認
個人事業者の場合、これらの書類の保存期間は5年とされています4。
法人の場合は、法人税の規定に沿って保存期間を確認する必要があります。
個人事業者と同じ期間になるとは限りません。
この記事では法人の期間を示していません。
法人で運用している場合は、顧問税理士や国税庁の法人向けの案内で、自社の事業年度に当てはめて確かめてください。
また、納品書をインボイス(適格請求書)の一部として使う場合は、消費税の決まりからも保存を考える必要があります。
次の節で触れる記載事項とあわせて、どの書類をどの期間残すのかを一度整理しておきましょう。
そうすれば、方法を切り替えたときに古い控えの扱いで迷わずに済みます。
省略の可否
保存の手間を減らしたいときでも、控えを残さないという選択は取れません。
減らせるのは、保存の形と探す手間のほうです。
紙の控えを綴じるなら、月ごと・取引先ごとのファイルにまとめます。
データで残すなら、保存場所とファイル名の付け方を決めます。
工夫の中心は、こうした整理の仕方です。
注意したいのは、紙で発行した控えをスキャンしてデータだけを残し、紙を捨てる運用です。
紙の書類をスキャンして保存する場合にも、別の決まりがあります。
紙の控えを処分する前に、その方法が認められる条件を確かめておく必要があります。
保存の形を変えるのは、取引先への渡し方を決めてからでも遅くありません。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発行件数が増える
- 帳票作成リクエストの上限に影響する
- 送り先が増える
- CSVでの一括作成や一括送信の有無に影響する
- 担当者が増える
- アカウントの数に影響する
電子で送る・保存する場合に確認する条件と、納品書を請求書と兼ねる場合
メール添付で渡す場合の保存
郵送費を減らそうとPDFをメールで送るようにすると、保存の考え方も変わります。
紙で渡した納品書は、紙の控えを残せば済みます。
一方、メールなど電子で受け渡しした納品書は、電子帳簿保存法でいう「電子取引」に当たり、電子データとして保存する前提になります。
電子取引とは、紙を介さずに、メールやクラウドサービス上で取引の書類をやり取りすることです。
ここで迷いやすいのが、何を、どの形で残せばよいかです。
たとえば次のような点です。
・送ったメールの本文まで残す必要があるのか、添付したPDFで足りるのか
・データを改ざんできない状態にするには何をすればよいか
これらの具体的な条件は、国税庁が公表している電子帳簿保存法の一問一答(電子取引関係)で取り上げられています。
条件は事業者の状況によって変わるため、この記事では断定しません。
電子での送付を始める前に、一問一答の該当する問いで確かめておくと安心です。
実務上の分かれ目は、取引先ごとに渡し方が混在するときです。
たとえば、ある取引先にはPDFをメールで送り、別の取引先には紙で郵送しているとします。
この場合、控えも紙とデータの二通りで残すことになります。
どの取引先にどちらで渡したかを一覧にしておくと、保存の漏れに気付きやすくなります。
検索要件が不要になる場合
電子で保存するときの要件の一つに、検索要件があります。
これは、保存したデータを取引年月日・金額・取引先といった項目で探し出せるようにしておく決まりです。
国税庁の一問一答では、一定の条件に当てはまる事業者について、この検索要件が不要になる扱いも示されています。
ただし、対象になるかは売上高などの条件で決まります。
自社が当てはまるかは、一問一答の記載で確かめる必要があります。
不要になる場合でも、探しやすく残す工夫は無駄になりません。
ファイル名を「日付_取引先_金額」のように決めて保存しておけば、取引先から問い合わせがあったときにすぐ取り出せます。
クラウドサービスで発行する場合は、発行済みの書類をどの項目で検索できるかも比較の観点に加えると、判断しやすくなります。
インボイスの記載事項と複数書類
請求書と納品書の役割分担も、方法選びに関わります。
国税庁は、適格請求書発行事業者が交付する請求書・納品書などの書類の記載事項として、次の項目を挙げています3。
・事業者名と登録番号
・取引年月日
・取引内容
・税率ごとに区分した対価の額と適用税率
・税率ごとの消費税額等
・交付を受ける事業者の名称
なお、小売業・飲食店業・タクシー業などでは、一部を簡易にした書類が認められています3。
つまり、納品書という名前の書類でも、インボイスとして交付するならこれらの項目が必要です。
納品書と請求書を1枚にまとめた「納品書兼請求書」にする場合は、その1枚に記載事項をそろえます。
別々に出す場合は、どちらか一方にすべてを載せる方法があります。
また、国税庁のインボイス制度に関するQ&Aでは、複数の書類を合わせて記載事項を満たす方法も取り上げられています。
この方法を取るなら、どの納品書とどの請求書が対応するのかが分かる形にしておく必要があります。
具体的な書き方は、Q&Aの該当する問いで確かめておくと安心です。
テンプレートやクラウドサービスの書式は、この役割分担を先に決めてから選びましょう。
そうすれば、登録番号や税率ごとの消費税額を載せる欄があるかを見落としにくくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 紙で手渡し・郵送する
- 紙の控えを残す
- PDFをメールやクラウドで送る
- 電子取引として電子データで保存する
- 具体的な条件は一問一答の該当する問いで確かめる
- 渡し方が混在する
- 控えは紙とデータの二通りで残す
- 取引先ごとの渡し方を一覧にする
自社の状況別に、どこから始めるのが現実的か
少量・紙中心の場合
月の件数が少なく、担当者も一人で、取引先の多くが紙を求めている場合は、既存のExcelのまま始めるのが手堅い選択です。
このとき、初期費用の代わりに時間をかけたいのは、テンプレートの整備と、番号・保存のルールづくりです。
具体的には、次のような準備をしておきます。
・計算式のセルに保護をかける
・納品書番号の振り方を決める
・控えの保存場所とファイル名の付け方を決める
こうしておけば、件数が増えて乗り換えるときも、過去の控えを整理し直す手間が減ります。
郵送をやめたい取引先があるかどうかは、先方に聞いてみないと分かりません。
取引先ごとに、次の点を確かめておくとよいでしょう。
・納品書を紙で受け取りたいか、PDFでよいか
・PDFなら、どのメールアドレスに送るか
これが、次の一歩を決める判断材料になります。
取引先が増えている場合
取引先や件数が増え、写す時間や郵送件数がはっきり伸びている場合は、初期費用0円のクラウド帳票を試す段階です。
試す前に、最初の節で数えた月の発行件数、送り先の数、使う担当者の数を手元にそろえておきます。
これを検討中のサービスの料金ページに当てはめれば、どのプランなら上限・一括送信・アカウントの条件に収まるかが見えてきます。
電子での送付に切り替える取引先が出てくるなら、前の節の保存の条件も同時に確かめます。
郵送費が減っても、データの保存方法が決まっていなければ、後から過去分を探し直すことになるからです。
請求業務とそろえる場合
納品書の内容を締め日に請求書へまとめ直している場合は、請求書と一緒に見直したほうが、減らせる作業が大きくなります。
すでに請求書を出しているツールがあるなら、まずそこで納品書も作れるかを確かめます。
同時に、インボイスの記載事項をどの形で満たすかも決めておきましょう。
選択肢は、請求書に載せる、納品書兼請求書にする、複数の書類で満たす、のいずれかです。
これが決まっていれば、書式の選択で迷わなくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 1枚にまとめる
- 納品書兼請求書の1枚に記載事項をそろえる
- 別々に出す
- どちらか一方にすべてを載せる
- 複数の書類で満たす
- どの納品書とどの請求書が対応するか分かる形にする
- 書き方はQ&Aの該当する問いで確かめる
▼ 図の内容を文字で読む
- 少量・紙中心
- 既存のExcelで始める
- 番号・保存のルールと控えのファイル名を決める
- 取引先に紙かPDFかを確かめる
- 取引先が増えている
- 月の件数・送り先・担当者数をそろえる
- 初期費用0円のクラウド帳票を試す
- 請求業務とそろえる
- 請求書を出すツールで納品書も作れるか確かめる
- インボイスの記載事項の載せ方を決める
取引先ごとの受け取り方や請求業務との関係が絡むと、どこから見直すかを社内だけで決めにくくなります。
現在の納品書の作り方と送り方を伺い、費用と作業のどこに負担が集まっているかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
納品書の出し方を選ぶ前に答えておく問い
方法を選ぶ前に社内で答えを出しておく問いを、取引先との確認から書式の決定まで、作業の流れに沿って並べた
- 取引先は、納品書を紙とPDFのどちらで受け取りたいか
- 月の発行件数と、そのうち郵送する件数はいくつか
- 納品書を作る担当者は何人か
- 請求書を出しているツールで、納品書も作れるか
- インボイスの記載事項を、どの書類に載せるか
取引先の受け取り方や件数が変わったら、これらの問いに答え直して方法を見直す
要点の整理
| 費用の見方 | 初期費用と、件数に比例する継続費用を分けて見積もる |
|---|---|
| 郵送費 | 定形郵便は50g以内で110円。封筒・用紙・作業時間は別に足す |
| 方法の比べ方 | 初期費用が同じなら、写す・送る・保存するのどの工程が減るかで比べる |
| プランの限界 | 件数・送り先・担当者のどれが増えるかで、ぶつかる条件が変わる |
| 保存 | 個人事業者は5年。法人は法人税の規定で確かめる。電子で渡した分はデータで残す |
| インボイス | 記載事項をどの書類に載せるかを決めてから書式を選ぶ |
保存の方法や書式の役割分担は、切り替えた後で直すと、過去分の整理まで手間が広がります。 始める前に、取引先への渡し方、控えの残し方、請求書との関係をどう組み合わせるかを相談で確かめられます。
よくある質問
Excelで作った納品書をPDFにしてメールで送ってもよいですか。
送ること自体はできます。
ただし、メールで受け渡しした納品書は電子取引に当たり、紙ではなくデータとして控えを保存する前提になります。
保存の具体的な要件は、国税庁の電子帳簿保存法の一問一答(電子取引関係)で確かめてください。
また、インボイスとして交付するなら、登録番号などの記載事項が必要です3。
取引先がPDFでの受け取りを望んでいるかも、事前に確かめておくと行き違いを防げます。
納品書を紙で渡した場合も、電子保存が必要ですか。
紙で渡した納品書は、紙の控えを保存する形で対応できます。
電子取引としての保存が関わるのは、メールやクラウドなど電子で受け渡しした場合です。
なお、紙の控えをスキャンしてデータだけ残し、紙を処分する場合は別の決まりがあります。
処分する前に、その条件を確かめてください。
納品書と請求書を1枚にまとめても、インボイスの要件を満たせますか。
国税庁が挙げる記載事項を、その1枚にすべて載せれば満たせます3。
記載事項は、事業者名と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等、交付を受ける事業者の名称です3。
書式を選ぶときは、これらの欄があるかを確かめておくと安心です。
初期費用0円のサービスで始めて、後から有料プランに移るときの注意は何ですか。
初期費用が0円でも、利用料はプランごとにかかります。
上位プランに移ると、作成件数の上限、一括送信、アカウント追加といった条件が変わります。
例として挙げたサービスでは、これらが上位プランで使えるようになると掲載されています2。
料金体系の改定予定が注記されている場合もあるため、移る時点の料金ページを改めて確かめてください2。
別のサービスへ乗り換える場合は、過去の納品書をデータとして取り出せるか、取り出した控えを保存期間中どこに残すかを、移る前に決めておきましょう。
- 1 出典:日本郵便株式会社「国内の料金表(手紙・はがき)」(2026年)
- 2 出典:株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウド請求書 料金プランページ」(2026年)
- 3 出典:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」(2026年)
- 4 出典:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」(2026年)