◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 電話は音声帯域が300Hz〜3400Hzに限られた手段で、そこに話し方や通信状態、発信者自身の言い間違いが重なると、文脈で埋め戻せない品番ほど聞き取り誤りが残る。
- 復唱は、聞き間違えた内容をそのまま読み上げると機能せず、相手が最初から違う品番を伝えている場合も見つけられない。
- 無線局運用規則の通話表は一般の受注電話に適用される義務ではないが、一文字ずつ読み合わせる共通の表として、紛らわしい桁に絞って借りて使える。
- 電話受注をやめる判断は相手の都合にも左右されるため、品番・数量・納期だけを控えで照合する形のほうが定着しやすい。
- 聞き間違いが起きたあとに照合できるよう、受けた日時・担当者・復唱内容・控えの有無と、入れ替わった文字を残しておく。
目次

「わかりました」のはずが誤出荷に―品番はなぜ電話で聞き間違えられるのか
受話器の向こうで読み上げられた品番をメモし、復唱し、相手も「はい、それで」と答えた。
それなのに届いた商品が違っていた——電話で注文を受ける仕事をしていると、こうした行き違いが起こります。
防ぎようがないように見えますが、通話中に変えられることと、通話の外へ出したほうが確実なことは分かれます。
電話は音声帯域が300Hz〜3400Hzに限られた通信手段で3、そこに話し方や通信状態、発信者自身の言い間違いが重なると聞き取りの誤りが生じます4。
通話中は一文字ずつ読み合わせる方法——無線通信で整理されてきた通話表の考え方1——を紛らわしい桁に絞って使い、桁数の多い品番や注文の多い相手には、注文書・メール・フォームでの確認を組み合わせます。
受話器の向こうで相手が品番を読み上げ、こちらはメモを取って復唱し、相手が短く肯定する。
ここまでは毎日繰り返している動作です。
厄介なのは、聞き取った時点で一文字ずれていても、その先の工程では誰も気づけないことにあります。
受注データに入力され、出荷指示が出て、倉庫でその品番の商品が取られ、梱包されて出ていく。
途中のどの担当者も、元の通話の音声には戻れません。
間違いが表に出るのは、たいてい相手の手元に別の商品が届いたあとです。
なぜ電話だと聞き取りを誤るのか。
まず、電話は音声をそのまま運んでいる手段ではありません。
電話帯域は300Hz〜3400Hzに限定されており、通話品質を評価するE-modelやPESQといったモデルもこの帯域を前提として設計されています3。
この解説は音声品質評価の技術仕様を示したもので、品番が聞き取りにくくなることを直接検証した資料ではありません。
それでも、対面なら口の動きや書いた文字で補えるものが、電話では限られた帯域を通った音だけになる、という前提は押さえておく意味があります。
そのうえに、通話ごとの条件が重なります。
電話代行サービスを提供するfondeskの説明では、聞き取りの誤りは発信者側の話し方の明瞭さや通信状態によって生じるほか、発信者自身が誤った情報を伝えることによっても起きるとされています4。
これは同社の運用経験に基づく一般的な説明で、発生率を測った調査ではありません。
ただ、三つ目の要因は、受け手の側からは手の打ちようがない構図を示しています。
相手が手元の在庫表を見誤って別の品番を言っているとき、こちらがどれだけ正確に聞き取っても、誤りが正確に伝わるだけです。
もう一つ、品番という情報そのものの性質があります。
言葉であれば、一部が聞こえなくても前後の文脈から復元できます。
「ボールペンを二十本」の語尾が途切れても、注文という文脈があれば埋められます。
品番は英数字と記号の並びで、そうした手がかりがほとんどありません。
仮に「AT-1730-B」と「AT-1130-D」が同じカタログに並んでいるとすれば、7と1、BとDのどちらを聞き取ったかは、その一文字だけで決まります。
桁数が増えるほど取り違えが起こりうる箇所も増え、しかもどの箇所も文脈では埋め戻せません。
ここから分かるのは、対策をどこに置くかです。
「気をつけて聞く」を徹底しても、帯域の制約も相手の言い間違いも変わりません。
通話中にできるのは、一文字ずつを別の情報として渡し直すことです。
通話中には拾えない誤りのほうは、通話の外に確認の場を作るしかありません。
出典:日本電信電話株式会社ネットワークサービスシステム研究所「音声品質評価法 技術解説」(電話帯域300Hz〜3400Hz)、株式会社うるる(fondesk)ヘルプ「聞き取りの誤り」(話し方・通信状態・発信者側の誤りという要因)
通話中にできる確認方法―復唱の限界とフォネティックコード(通話表)の使い方
復唱確認とその限界
聞き間違いへの対策としてまず思い浮かぶのは復唱です。
実際に多くの現場でそうしているはずですし、やめる理由はありません。
確かめておきたいのは、復唱が何を確認していて、何を確認していないのかです。
復唱で確かめられるのは、こちらが聞き取った内容と、相手が伝えたつもりの内容が一致しているかどうかです。
ところが、聞き間違えた内容をそのまま復唱すると、相手は自分の伝えた品番として受け取ってしまい、誤りに気づけない場合があるとされています4。
「AT-1130」と言ったつもりの相手に、こちらが「AT-1730ですね」と返しても、電話の向こうでも同じ帯域の音を聞いています。
相手が別の作業をしながら受け答えしていれば、なおさら肯定の返事が先に出ます。
さらに、前の節で見たとおり、相手が最初から違う品番を言っている場合には、復唱はまったく機能しません。
こちらの聞き取りが正確であるほど、誤りが正確に確定します。
復唱が効く範囲と効かない範囲を分けておくと、次に足すものが決まります。
効く範囲を広げる手が、通話中の伝え方の工夫です。
効かない範囲を埋める手が、通話の外での確認になります。
無線通信の通話表(フォネティックコード)とは
一文字ずつを別の言葉に置き換えて伝える方法は、無線通信の分野で古くから整理されてきました。
通話表は無線局運用規則第14条別表第5号に定められており、五十音を対象とした和文通話表と、アルファベットを対象とした欧文通話表(NATOのフォネティックコードに相当するもの)の両方があります1。
「アルファ、ブラボー、チャーリー」という読み方を耳にしたことがあれば、それが欧文通話表です。
ここで押さえておきたいのは適用範囲です。
この規則が使用を求めているのは無線電話通信で、なかでも海上移動業務・航空移動業務が対象とされ、それ以外の無線電話通信では使用が望ましいとされる位置づけにとどまります1。
固定電話や携帯電話を使った商用の受注電話を縛る決まりではありません。
つまり、受注の現場で通話表を使うかどうかは、法令に従うかどうかの話ではなく、自社で決める運用の話になります。
では無線の世界だけのものかというと、そうでもありません。
昭和43年発行の『広島県五十音別電話番号簿』には、無線局運用規則の和文通話表と同一の表が「ことばを送るのに便利な通話表」として掲載されていました2。
「ア 朝日のア」から「ン おしまいのン」まで並び、電話で言葉を正確に伝える手段として、無線に関わらない人へ向けて案内されていたことになります。
1960年刊行の『能率をあげる電話・電報の使い方』にも同様の記載が確認されています2。
これは当時の事例であって、いまどれだけの職場でこの表が使われているかを示すものではありません。
それでも、電話で言葉を正確に渡すために一文字ずつ読み替えるという発想が、特殊な現場の作法ではなく、電話帳に載る程度には身近な手段として扱われていた時期がある、という事実は使えます。
新しい読み替えの仕組みを社内で考案しなくても、すでにある表を借りればよい、ということでもあります。
品番確認への応用と注意点
品番の読み合わせに持ち込むとき、最初に決めるのは「どこまでやるか」です。
十桁の品番を全桁、通話表で読み上げれば、一件の通話が目に見えて長くなります。
注文が立て込む時間帯にそれを全件で行うのは現実的ではありません。
続けられるのは、紛らわしい桁だけに絞った形です。
どの文字が紛らわしいかは、自社の品番体系によって変わります。
アルファベットと数字が混ざる体系なら、BとD、MとN、1と7、0とOのあたりが候補になります。
商品一覧を眺めて、一文字違いで別の商品になる組み合わせが実際にあるかを確かめると、読み合わせるべき桁が具体的に絞れます。
ここを絞らずに「全部丁寧に」と決めると、忙しい日から先に守られなくなります。
次に、社内で読み方を揃えます。
担当者ごとに「朝日のア」「秋田のア」とばらつくと、聞き手のほうが一度立ち止まることになり、目的が薄れます。
和文通話表というすでにある表をそのまま使えば、決め直す手間も人による揺れもありません2。
アルファベットを含む品番なら、欧文通話表を併せて使う形になります1。
読み方を決めておく対象には数字も含まれます。
「いち」と「しち」のように音が近い数字は、社内で読み方を一つに決めておくだけで、揺れる余地をなくせます。
相手にも同じ読み方をしてもらうかどうかは、別の判断です。
取引先の担当者に読み方を覚えてもらうのは相手の時間を使う話なので、頻度の高い取引先とあらかじめ合意しておく形なら無理がありません。
こちらから確認するときだけ使う——相手が読み上げた品番を、こちらが通話表で読み返す——という片側だけの運用もあります。
この形でも、聞き手が自分の中で音を補って確定してしまう場面は減らせます。
効果については線を引いておきます。
一文字ずつの読み合わせで誤認識がどれだけ減るかを測った調査は、ここで参照できる資料の中にはありません。
言えるのは、聞き手が「たぶんこう言った」と自分で埋めてしまう余地が狭まる、という性質の話までです。
そして、相手が最初から違う品番を伝えている場合4には、この方法でも誤りは残ります。
通話中の工夫が届く範囲は、ここまでです。
出典:株式会社うるる(fondesk)ヘルプ「聞き取りの誤り」
出典:国立国会図書館 レファレンス協同データベース事例(通話表の法令根拠/電話帳掲載の通話表)
電話以外の手段(注文書・メール・フォーム)を組み合わせるかどうかの判断
電話・FAXに頼らざるを得ない実態
通話中の確認に限界があるなら、電話をやめてメールや注文フォームに寄せればいい——という結論に行きたくなります。
ただ、受注の手段は自社の都合だけでは決まりません。
食品の小売・卸売業の受注業務担当者106名を対象とした調査では、受注手段として電話を利用している担当者が50%でした5。
さらに、FAX・電話で受注する担当者80名に限ると、FAX・電話での受注を廃止すると取引に支障が出ると答えた人が58.8%にのぼります5。
この調査は2023年3月に食品の小売・卸売業を対象として実施されたもので、品番の聞き間違いそのものを扱ったものではありません。
業種や時期が違えば割合も変わります。
それでも読み取れるのは、受注の入り口を一本化しにくいという構図です。
注文するのは相手であり、相手の手元の仕組みや担当者の慣れが、そのまま入り口を決めます。
「電話は受けない」と社内で決めても、電話はかかってきます。
だとすると、置くべき問いは「電話をやめるか」ではなく、「電話で受けた内容のうち、どこを通話の外で確かめるか」になります。
手入力・確認連絡・管理の負担
では、通話の外で確かめる分の手間はどこに乗るのか。
同じ調査で、FAX・Eメール・電話で受注業務を行う担当者90名のうち、注文確認の連絡に手間がかかると答えた人は41.1%でした5。
確認の連絡そのものが、すでに負担として認識されている作業だということです。
この数字は、現場で確認が省かれる理由を説明してくれます。
復唱一回で済ませたくなるのは、担当者の気の緩みではありません。
確認を一件足すたびに、電話をかけ直す、メールを書く、返信を待つ、返信が来ないものを追う、という時間が積み上がるからです。
だから「すべての注文について書面でも確認する」という方針は、決めた直後は守られても、注文が集中する日から先に崩れます。
裏を返すと、続く運用の条件が見えます。
確認の対象を全項目に広げないこと。
送る内容を定型にして、毎回考えずに済むようにすること。
そして、誰が受けた注文でも同じ確認になるよう、手順を個人の判断から外しておくこと。
この三つが揃わない確認は、足したぶんだけ負担になって戻ってきます。
品番など間違えやすい情報だけ書面で補う考え方
そこで現実的になるのが、注文全体ではなく、誤ったときの損害が大きい項目だけを通話の外に出す形です。
品番、数量、納期。
この三つが合っていれば、多少の言い回しの違いは出荷を誤らせません。
組み合わせ方の一例です。
電話で注文を受け、その場で紛らわしい桁だけ読み合わせて復唱する。
通話後に、品番と数量だけを並べた控えを、メールか注文フォームの自動返信か、注文書の写しの返送で相手に渡す。
相違があれば連絡してもらう期限を決めておく。
出荷指示を出す前に、その控えと受注データを突き合わせる。
ここまでを定型にしておけば、通話中に拾えなかった誤り——相手の言い間違いを含めて——が、出荷の前に一度は目に触れます。
返信がないことを同意とみなしてよいかは、取引条件の問題です。
相手との合意なしに受注側だけで決められるものではないので、営業部門や取引先の担当者と話す必要があります。
ここで示したのは確認を置く場所であって、契約上の扱いまで含めた答えではありません。
どの取引先にどこまでやるかは、次のような点で分かれます。
品番の桁数と記号の多さ。
一文字違いの似た品番が自社の商品一覧にあるかどうか。
その相手からの注文の頻度。
一回あたりの数量や金額。
桁数が短く、似た品番もなく、年に数回しか注文がない相手であれば、通話中の読み合わせで足りることもあります。
逆に、毎週のように注文が入り、品番が長く似たものが並ぶ相手ほど、書面の定型を用意する手間は早く回収されます。
効果の見立てにも線を引いておきます。
書面を組み合わせることで誤受注がどれだけ減るかを示す資料は、ここで参照しているものの中にはありません。
確実に言えるのは、あとから照合できる記録が双方に残るということです。
この記録は、誤りを防ぐためだけでなく、起きてしまったあとの動き方を変えます。
聞き間違いが起きてしまった場合にどう対応するか
どれだけ手を打っても、聞き間違いがゼロになるわけではありません。
むしろ、起きたときの動き方を決めていないことのほうが、一件の誤出荷を長引かせます。
まず、気づくタイミングで対応が変わります。
出荷指示の前に、控えと受注データの突き合わせで気づいた場合は、手配を止めて相手に確認するだけで済みます。
出荷後や到着後に相手から連絡が来た場合は、返品や再出荷の手配と並行して、どこで認識がずれたのかを確かめることになります。
このとき効いてくるのが、通話の外に残した記録です。
復唱だけで進めていると、手元には「復唱して合っていた」という記憶しか残りません。
しかし復唱には、聞き間違えた内容をそのまま読み上げてしまい、相手にも誤りと分からないという限界があります4。
「相手がそう言った」「こちらは復唱した」の応酬になりやすいのは、双方に同じ記録がないからです。
品番と数量だけの控えを送っていれば、相手の手元にも同じ文字列が残っており、どちらの認識がどこでずれたかを、記憶ではなく文字で照合できます。
残す項目は多くなくて構いません。
受けた日時、受けた担当者、伝えられた品番、復唱した内容、書面の控えを送ったかどうか。
これに一つ足すとすれば、どの桁のどの文字が入れ替わったかです。
BとDが多いのか、1と7が多いのか、あるいは特定の商品群の品番体系に集中しているのか。
数件たまるだけでも、読み合わせる桁をどこに絞るかの材料になります。
先に「紛らわしい桁だけに絞る」と書いた、その紛らわしさを、一般論ではなく自社の実績で決められるようになるということです。
なお、誤出荷が起きたあとの訂正連絡の手順、返品や再出荷の扱い、記録の保管期間は、業種や会社ごとの規程で決まっています。
ここで書いたのは、記録が残っていれば何を照合できるようになるか、という考え方までです。
実際の手順は自社の規程に沿って確認してください。
電話以外の手段を足すとき、その手間がどの作業に乗るのかは、同じ調査の回答内訳からもう少し具体的に読み取れます。
品番の確認をどこまで通話中で行い、どこから書面に出すかは、自社の品番体系と取引先ごとの注文頻度が分からないと決まりません。受注の入り口が複数あるまま確認だけを足すと、手間が増えた実感しか残らないこともあります。
電話・FAX・メールで受けた注文が、いまどこで人の手を介して転記され、どの情報なら控えとして照合できるようになるのかを、現状の流れに沿って整理できます。無料相談で要件を整理する
FAX・Eメール・電話で受注する担当者が挙げた負担の内訳(食品の小売・卸売業、n=90、2023年3月)
注文を受けてから記録し終えるまでの作業の場面(入力・連絡・体制・保管)の順で並べています。
- 注文書の手入力に手間がかかる:60%
- 注文確認の連絡に手間がかかる:41.1%
- オペレーションの属人化が発生している:38.9%
- 注文書の管理(保管義務)が煩雑である:30%
品番の確認だけを書面に寄せるのか、注文の受け口ごと書面に寄せるのかで、軽くなる項目が入力側か連絡側かに分かれます。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 通話中に読み合わせる桁 | 一文字違いで別の商品になる組み合わせがある桁に絞る |
| 読み方の統一 | 和文通話表・欧文通話表をそのまま社内の共通表として使う |
| 書面確認の対象 | 品番・数量・納期に限定し、注文全体には広げない |
| 書面併用に寄せる相手 | 品番が長い、似た品番がある、注文頻度が高い、一回あたりの数量や金額が大きい |
| 起きたときに残す記録 | 受けた日時と担当者、復唱した内容、控えの有無、入れ替わった文字 |
聞き間違いの記録がたまってきたとき、読み合わせる桁を絞る運用で足りるのか、受注の受け口そのものを見直す段階なのかは、件数と業務量の両方を見ないと判断できません。 注文の受け口ごとに残っている確認作業と、書面の控えで代えられる部分を、自社の受注量に当てはめて確かめられます。
よくある質問
品番の桁数が多い場合、どのような確認方法が向いていますか
全桁を通話表で読み上げると通話が長くなるため、一文字違いで別の商品になる桁だけを読み合わせ、残りは通話後に品番と数量を書いた控えを送って照合する形が現実的です。
桁数が多いほど取り違えの起こりうる箇所が増えますが、品番には言葉のような文脈の手がかりがなく、あとから自分で埋め戻すことができません。
どの桁が紛らわしいかは自社の商品一覧を見れば絞れるので、まずそこを確かめてから読み合わせる範囲を決めると、通話時間を増やさずに済みます。
通話表(フォネティックコード)を使うと対応に時間がかかりませんか
全桁に使えばかかります。
だからこそ、使う桁を紛らわしいところだけに絞る前提で組み立てます。
注文確認の連絡はもともと負担として挙がっている作業で5、全件・全桁に広げる設計にすると、注文が集中する日から先に守られなくなります。
社内で読み方を揃えておけば、聞き手が言い直しを求める回数が減るぶん、通話が延びにくくなる面もあります。
注文の頻度が少ない取引先でも聞き間違い対策は必要ですか
頻度が低い相手ほど、書面の定型を決める手間は回収しにくくなります。
その場合は定型までは作らず、通話中の読み合わせに寄せる判断もあり得ます。
ただし、頻度が低い相手とは品番の読み上げ方に互いの慣れがなく、一回あたりの数量や金額が大きい注文では誤ったときの戻し作業も大きくなります。
頻度ではなく金額や数量で線を引き、大きいものだけ控えを送るという分け方も取れます。
電話をやめてメールやフォームだけに切り替えるべきですか
受注の手段は相手の都合にも左右されるため、自社だけでは決められません。
食品の小売・卸売業の調査では、FAX・電話で受注する担当者80名のうち58.8%が、FAX・電話での受注を廃止すると取引に支障が出ると回答しています5(2023年3月)。
業種や時期が違えば割合は変わりますが、入り口を一本化しにくい構図そのものは多くの現場に当てはまります。
電話を残したまま、品番など誤ると影響の大きい情報だけを書面で確かめる形のほうが、実際には定着しやすくなります。
復唱で「はい」と言われたのに品番が違っていた場合、何が原因と考えられますか
大きく二通りが考えられます。
一つは、こちらが聞き間違えた内容をそのまま復唱し、相手が自分の伝えた品番として受け取った場合です4。
もう一つは、相手が最初から違う品番を伝えていた場合で、これは聞き取りをどれだけ正確にしても防げません4。
どちらだったかは通話の記憶だけでは判別しにくく、品番と数量を書いた控えが双方に残っていれば、どこでずれたかを文字で照合できます。
- 1 出典:国立国会図書館「レファレンス協同データベース事例(通話表の法令根拠)」(2026年)
- 2 出典:国立国会図書館「レファレンス協同データベース事例(電話帳掲載の通話表)」(2026年)
- 3 出典:日本電信電話株式会社 ネットワークサービスシステム研究所「音声品質評価法 技術解説」(2026年時点掲載)
- 4 出典:株式会社うるる「fondesk ヘルプ 聞き取りの誤り」(2026年時点掲載)
- 5 出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」(2023年)
画像の出典元
- A neatly arranged office desk with a calculator, phone, stapler, tape, and notepad./Photo by RDNE Stock project on Pexels