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取引先からEDI導入を求められたら?必要な準備と費用負担の考え方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 取引先の要求は、規格名・対象メッセージ・接続方式・期限の四つに分けて確認すると、必要な準備と費用の見通しが立つ
  • 流通BMSは流通システム開発センターが策定・運営する標準規格で、請求・返品・値引などのメッセージと通信方式を定め、消費財流通業界を対象としている
  • 中小企業共通EDI規格に対応したプロバイダー・業務アプリを利用する受注側企業は大きな費用をかけずに導入できたと中小企業庁が紹介しているが、金額の記載はなく、自社条件での見積もりが必要
  • クラウド型プロバイダー経由の接続ではEDIサーバーを自社保有せずに済み、検討の中心はデータ項目の対応付けに移る
  • 実証事業12件で報告された平均51.4%の削減は参考として示し、自社の見込みは対象取引先の受注件数と入力回数から積む
  • 対応が遅れた場合の取引への影響は取引先ごとに異なるため、並行運用や段階移行の可否を含めて直接確認し、回答を記録に残す

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▽ 写真の出典元

取引先からEDI導入を求められたら、まず何を確認すべきか

取引先から「次の期の取引分から当社指定のEDIへ移行をお願いします」という連絡が届くと、何を用意すればよいのか、費用はどのくらいかかるのか、断ったら取引はどうなるのかが一度に気になります。
最初に動かせるのは、取引先の要求を規格・データ形式・接続方式・期限の四つに分けて確認することです。
要求の多くは流通BMSや中小企業共通EDIといった業界標準への準拠を指し、その規格に対応したプロバイダーや業務アプリケーションを使う受注側企業は、大きな費用をかけずに導入できたと中小企業庁が紹介しています1。
導入効果の実証データは社内の判断材料になりますが、対応しない場合に取引がどうなるかは取引先ごとに異なるため、推測せず取引先へ直接確かめる必要があります。

要求内容の4点(規格・データ形式・接続方式・期限)を洗い出す

取引先からの連絡は、一枚の通知文や短いメールだけということが少なくありません。
EDI(電子データ交換。
注文書や出荷案内といった取引の書類を、紙やFAXではなくデータでやり取りする仕組み)への移行を求める文面に、具体的な規格名や接続方法が書かれていない場合、社内で相談を始めようとしても「何が必要か分からないので判断できない」というところで止まってしまいます。
この段階で先に手を付けるべきなのは、システムの検討ではなく、取引先の要求を分解して、すでに決まっていることと、まだ聞けていないことを切り分ける作業です。

確認したい要素は次の四つです。

<ul><li>規格:流通BMSや中小企業共通EDIといった業界標準か、取引先が自社用に定めた独自仕様か</li><li>データ形式:発注だけか、出荷・受領・請求・返品・値引まで含むか。
どのメッセージを対象にするか</li><li>接続方式:自社のシステムがデータを送受信するのか、取引先が用意する画面を使うのか</li><li>期限:いつの取引分から切り替えるのか、接続テストはいつまでに行うのか</li></ul>

この四つを押さえると、その後の準備の中身も費用の見通しも大きく変わることが見えてきます。
規格が公開された業界標準であれば、その規格に対応済みの事業者を探し、自社の受注業務とどう突き合わせるかという話になります。
一方で取引先が独自に定めた仕様であれば、まず仕様書を取り寄せ、どこから入手できるのか、誰が内容の質問に答えてくれるのかを確かめるところから始まります。
同じ「EDI導入の要求」という言葉でも、この二つは準備の性質がまったく違います。

期限についても、取引先が示す日付が何の日付なのかを取り違えないようにします。
接続テストの開始日なのか、本番運用の開始日なのか、取引先側のシステム切替日なのかで、自社に残された時間は変わります。
見積もりを取り、社内で費用の決裁を通し、テストを行うという工程を逆算すると、実際に使える期間はカレンダー上の日数よりかなり短くなるのが普通です。

社内の担当窓口を決める

取引先からの連絡は営業担当に届き、仕様の話は情報システム担当へ回り、実際にデータを扱うのは受発注担当というように、関わる人が分かれていることがよくあります。
このとき困るのは、それぞれが持っている情報が違うことです。
営業担当は取引先の事情を聞いているが仕様は読めない、情報システム担当は仕様書を読めるが現場でどの項目が使われているか知らない、受発注担当は現場を知っているが取引先とのやり取りには入っていない、という状態になりやすいのです。

窓口を一人に決めて、取引先への質問をまとめて出す形にすると、このずれが減ります。
質問が個別に飛ぶと、取引先側も誰にどこまで答えたかが分からなくなり、回答が食い違うことがあります。
窓口を決めたうえで、先ほどの四つの要素に沿った質問を一度に送り、回答は口頭ではなくメールなど後から読み返せる形で受け取っておくと、社内で説明するときの裏付けになります。

あわせて、社内で誰が何を決めるのかもこの時点で整理しておきます。
接続にかかる費用の決裁、受発注の作業手順の変更、既存の基幹システムに手を入れるかどうかは、それぞれ判断する人が違うことが多いためです。
後の節で触れる費用や効果の話も、最終的にはこの決裁のために整理することになります。
取引先への回答期限が迫ってから社内の承認経路を探すことになると、それだけで数日が失われます。

EDI導入を求められた後に確認する順序
要求文書の受領から規格名、対象メッセージ、接続方式、期限の確認を経て社内方針を決めるまでの流れ図

EDI導入で取引先から実際に指示される内容(流通BMSを例に)

流通BMSで定められるメッセージの種類

取引先が規格名を挙げてきた場合、消費財の流通に関わる取引で名前が出やすいのが流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)です。
これは一般財団法人流通システム開発センターが標準仕様を策定・運営しているEDIの標準規格で、請求・返品・値引といった取引メッセージと、そのやり取りに使う通信方式を定めています2。
対象となるのはスーパー、グロサリー、アパレル、生鮮、チェーンドラッグストア、ホームセンター、百貨店などの消費財流通業界です3。

ここで大事なのは、「EDIにしてください」という一言に見える要求が、実際には「どのメッセージを、どの形式でやり取りするか」という指示の集まりだという点です。
発注データだけを受け取る話なのか、出荷や受領、さらに請求・返品・値引まで含むのかで、関わる部署が変わります。
発注と出荷だけなら受発注の担当部署の中で話が収まることもありますが、請求や値引が対象に入れば、請求書の発行や消込を担当する経理の作業手順にも影響します。
取引先の通知文に対象メッセージの一覧が付いていない場合は、ここを必ず確かめておきたいところです。

なお、流通BMSはあくまで消費財流通業界を対象とした規格です3。
自社の取引がこの業界に当てはまらないのに取引先がEDI移行を求めてきたのであれば、別の規格か、取引先独自の仕様である可能性があります。
規格名を聞くだけでも、公開された仕様書を読めるのか、取引先から個別に受け取る必要があるのかが分かれるため、最初の質問に必ず入れておきます。

通信方式(XMLスキーマ・Web-EDI)の考え方

流通BMSでは、メッセージの内容だけでなく、XMLスキーマやWeb-EDIといった通信方式も定められています2。
また、通信回線をインターネットへ移すことで、従来の公衆回線や専用回線と比べて通信コストを低減できるとされています3。
ただし、削減額がいくらになるかまでは示されていないため、自社にとって安くなるかどうかは、いま契約している回線の費用と見比べて判断する必要があります。

接続方式の違いは、通信費よりもむしろ、社内に残る作業の量に効いてきます。
自社のシステムがデータを直接受け取る形であれば、注文の内容はデータとして自社の受注画面に入ります。
これに対し、取引先が用意した画面にログインして注文内容を見る形であれば、そこから自社の基幹システムへ入れ直す作業が残ります。
同じ「EDI対応済み」という状態でも、前者と後者では受注担当者の一日の動き方が変わるということです。

ここで誤解しやすいのが、Web-EDIという言葉の扱いです。
Web-EDIは流通BMSの中でも通信方式として挙げられており2、画面を使う方式だから独自仕様だ、とは言い切れません。
見るべきなのは画面かデータかという見た目ではなく、仕様が公開された標準に沿っているのか、その取引先だけの取り決めなのかという点です。
標準に沿っていれば、対応している事業者やアプリケーションの中から選べる可能性がありますが、取引先固有の仕様であれば、その仕様に合わせる作業が自社側に発生します。

取引先へ質問するときは、「Web-EDIですか」ではなく、「どの規格のどのバージョンに準拠していますか」「仕様書は提供いただけますか」と聞くほうが、必要な答えが返ってきます。
この答えが、次に考える準備の中身と費用の前提になります。

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受注側の準備と費用負担の考え方

中小企業共通EDI規格対応プロバイダーを使う場合の費用感

取引先が中小企業共通EDIを挙げてきた場合、あるいは自社側の選択肢として検討する場合に、前提として知っておきたい成り立ちがあります。
中小企業共通EDIは平成28年度の中小企業庁の事業で策定された規格で、現在は特定非営利活動法人ITコーディネータ協会の「つなぐIT推進協議会共通EDI標準部会」が標準やガイドラインを提供しています4。
特定の一社の製品仕様ではなく、公開された標準として維持されているという点が、独自仕様との違いです。

費用について、中小企業庁は、この規格に対応したプロバイダーや業務アプリケーションを利用する場合、受注側企業は大きな費用をかけずに導入できると紹介しています1。
ここで気を付けたいのは、この説明が「規格に対応したプロバイダー・業務アプリを利用する受注側企業」という条件の下での話だということです。
取引先が独自システムへの接続を指定してきた場合や、自社の基幹システムに大きな改修が必要な場合は、この前提は当てはまりません。
また、具体的な金額は資料に記載がないため、いくらで導入できるという相場を持って社内に説明することはできません。
実際の負担額は、自社の条件を伝えて見積もりを取って初めて分かります。

見積もりを依頼するときは、かかる費用を性質ごとに分けて聞いておくと比較しやすくなります。
取引先とつなぐための接続そのものの費用、自社の業務アプリケーション側でデータ項目を対応付ける設定や改修の費用、運用が始まってから継続してかかる費用は、それぞれ発生する理由が違うためです。
取引先の要求を満たすために必要な部分と、この機会にあわせてやっておきたい部分が混ざっていると、社内の決裁でも判断がぶれます。

費用を自社と取引先のどちらがどこまで負担するかについては、今回参照した公的機関・業界団体の資料に一般的な取り扱いを示す記述がありません。
取引先が接続に関する費用を一部負担する例があるかどうかも含め、記事の側で断定できる話ではないため、見積もりの内訳を手元に用意したうえで、取引先へ直接相談する事項として扱うのが確実です。

クラウド型プロバイダーでサーバーを自社保有しない仕組み

中小企業共通EDIは、クラウド型のプロバイダーによって提供される形をとっており、企業はEDIサーバーを自社で保有せずに、自社のアプリケーションを接続できるように設計されています4。
この点は、費用の話以上に、社内で検討する内容そのものを変えます。

自社にサーバーを置く前提で考えると、機器の選定、設置場所、障害時の対応、保守を誰が見るのかといった検討が必要になります。
これを情報システムの専任者がいない体制で抱えるのは負担が大きく、EDI対応そのものが止まる原因にもなります。
プロバイダー経由で接続する形であれば、社内で決めるべきことは、どの業務アプリケーションのどのデータを、取引先のどの項目と対応付けるかという設定の話に寄っていきます。
自社の商品コードと取引先の商品コードをどう突き合わせるか、といった業務側の整理が中心になるということです。

もう一つ押さえておきたいのが、複数のプロバイダー間の相互接続も設計に含まれている点です4。
取引先が使っている事業者と同じところを自社も必ず選ばなければならない、とは限らないという見通しが立ちます。
ただし、実際に自社の取引先とつながるかどうかは個別の話です。
問い合わせの際は、規格への対応可否だけでなく、相手先の環境と接続した実績があるかを確認しておくと、後戻りが減ります。

EDIサーバーを自社保有せずに接続する場合の構成
取引先のシステムからプロバイダーを経由し、相互接続を通じて自社の業務アプリケーションへデータが届く構成図

EDI導入の効果を社内の意思決定にどう使うか

実証事業12件・平均51.4%削減の数値の読み方

社内で費用の決裁を通すには、取引先から求められているという事実だけでなく、自社にとって何が変わるのかを示す材料があると話が進みます。
その材料の一つが、中小企業庁が行った実証事業の結果です。
中小企業庁は12のプロジェクトを選定してEDI導入効果を測定する実証事業を行い、中小企業の受発注業務時間が平均して51.4%削減されたと報告しています1。

この数値をそのまま自社の見込みとして使うことはできません。
2016年度に選ばれた12件という限られた数のプロジェクトの平均値であり、業種や取引形態、導入の規模が違えば、実際の削減率は当然変わります。
受注件数がもともと少ない事業者と、日々大量の注文を処理している事業者とでは、同じ仕組みを入れても効き方が違います。

稟議書での置き方としては、「自社でも51.4%削減できる」と書くのではなく、「公的な実証事業では平均でこの程度の削減が報告されている」という位置づけで示し、自社の見込みは別途、自社の作業時間から積み上げるのが無理のない使い方です。
数値の出どころと対象を併記しておけば、決裁の場で根拠を聞かれたときにも答えられます。
取引先への回答を急ぐあまり、効果を大きく見せて承認を取ると、運用が始まった後で「思ったほど変わらない」という話になりかねません。

自社の業務量に当てはめる際の注意点

自社の見込みを積むときに数えるのは、受注が入ってから出荷の指示が出るまでに、どの画面へ何回入力しているかです。
FAXやメールで届いた注文を受け取り、内容を確認し、基幹システムへ品番と数量を入力し、控えを保管する、という一連の動きのうち、どこが転記作業なのかを分けて見ます。
取引先の注文が1日に何件あり、1件あたりの入力にどれくらいかかっているかが分かれば、対象になる時間の総量が出ます。

ここで見込みを立てるときに注意したいのは、接続によって減るのは主に転記の部分であって、確認の仕事がなくなるわけではないという点です。
在庫が足りないときの調整、納期の回答、取引先からの訂正や取消への対応は、データで受け取るようになっても判断が必要な仕事として残ります。
削減の見込みを出す際に、この部分まで含めて計算してしまうと、実際の運用とずれます。

もう一つは、効果が及ぶ範囲です。
今回接続するのは要求してきた取引先との取引であり、他の取引先との受注が従来どおりなら、その分の作業は変わりません。
自社の受注件数のうち、その取引先が占める割合を出しておくと、社内での説明が現実的になります。
取引全体の何割を占める相手なのかによって、かけられる費用の上限も自然に決まってきます。

この見立てと、前に整理した費用の内訳を並べると、判断の形が見えてきます。
対象となる件数が多ければ、初期の設定に手間をかけてでも自社システムへ直接データを取り込む形を選ぶ理由が立ちますし、件数が限られるなら、まずは取引先の求める最低限の方式で始めて様子を見るという選び方もあります。
どちらが正しいというより、削減できる作業量と負担する費用の釣り合いで決める問題です。

対応が遅れる場合に取引先へ確認しておきたいこと

移行期限・猶予措置の有無を確認する

見積もりと社内決裁の期間を並べてみると、取引先が示した期限に間に合わないことが分かる場合があります。
このとき最も気になるのは「間に合わなければ取引はどうなるのか」ですが、ここは記事の側で一般的な答えを出せる部分ではありません。
取引継続への影響は取引先の方針や個別の契約内容によって決まるもので、今回参照した公的機関・業界団体の資料には、対応が遅れた場合の影響の程度を示す記述がありません。
推測で社内を不安にさせるより、取引先へ確認して事実を持ち帰るほうが早く、確実です。

確認したいのは、期限そのものよりも期限の中身です。
示された日付が取引先側のシステム切替日なのか、全取引先への一律の締切なのかで、相談の余地が違います。
あわせて、接続テストに充てられる期間、従来のFAXやメールでの受注と当面併用できるか、対象メッセージの一部だけ先に始める段階的な移行が認められるかを聞いておきます。
取引先の担当者も、自社の切替計画に支障がない範囲であれば、進め方の相談には応じられることがあります。

相談するときは、「間に合いません」とだけ伝えるのではなく、自社の準備に必要な工程を示すと話が具体的になります。
見積もりの取得、社内の費用決裁、設定とデータ項目の対応付け、接続テストという単位で、それぞれどれくらいかかる見込みかを並べます。
取引先にとっても、いつなら確実に切り替えられるのかが分かるほうが計画を立てやすく、漠然とした遅延の連絡より受け止められやすくなります。

対応しない場合の取引条件見直しの可能性を確認する

聞きにくいのは、対応しなかった場合や大きく遅れた場合に、取引の条件が見直されるのかという点です。
ただ、ここを曖昧にしたまま社内で議論すると、費用をかけるべきかどうかの判断そのものができません。
最悪の想定で急いで高い費用を負担することも、影響が小さいと決めつけて準備を後回しにすることも、どちらも根拠がないまま選んでいることになります。

質問の仕方としては、対応しない前提で聞くより、「期限に間に合わない場合、当面の取引はどのような取り扱いになりますか」と、進め方の確認として尋ねるほうが自然です。
取引先の担当者が個人の見解として答えた内容と、取引先の正式な方針として示された内容は、社内では分けて扱います。
前者を根拠に費用の決裁を通すと、後から方針が違ったときに説明がつかなくなるためです。
メールなど文面で残る形で確認しておくと、この区別がしやすくなります。

そのうえで、自社からも代替案を添えて相談します。
対象メッセージを絞って先に始める、テスト期間を後ろにずらす、当面は従来の手段と並行する、といった選択肢を示すと、取引先側でも判断しやすくなります。
要求への回答が「できます」か「できません」の二択になっているうちは交渉になりませんが、条件と期間の話に持ち込めれば、双方の都合を突き合わせる相談になります。

ここまでを整理すると、取引先からEDI導入を求められたときにまず動かせるのは、規格とメッセージと接続方式と期限を確かめ、その条件で見積もりと社内の見込みを立て、間に合わない部分を取引先と相談するという流れです。
費用も影響も、自社の条件と取引先の方針が分かって初めて具体的になります。
調べられることと、聞かなければ分からないことを分けておくことが、遠回りのようで一番早い進め方です。

移行期限が厳しいときの相談の進め方
現状の共有、選択肢の提示、取り扱いの確認という三つの段階で取引先と相談を進める図

取引先から示された規格や仕様書を読めても、自社の受注業務のどこが噛み合わないのかは、いまの受注の流れを知らないと判断できません。

現在どの経路で注文を受け取り、どの画面へ入力し直しているかを一緒に整理すると、指定された形式のうちデータとして受けられる範囲と、確認作業として残る範囲が見えてきます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
最初に確認すること 規格名、対象メッセージ、接続方式、期限の四つを分けて取引先に質問する
要求の性質 公開された標準への準拠か、取引先固有の仕様かで準備の中身が変わる
費用の見方 規格対応のプロバイダー・業務アプリを使う受注側は大きな費用をかけずに導入できたとの報告がある。金額は自社条件で見積もる
社内の体制 EDIサーバーを自社保有しない接続では、検討の中心が機器選定からデータ項目の対応付けに移る
効果の見積もり 実証事業の平均削減率は参考値として示し、自社の見込みは対象取引先の件数と入力回数から積む
期限が厳しいとき 工程ごとの所要期間を示し、並行運用や段階移行の可否を取引先へ確認して記録に残す
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費用と効果の釣り合いは、取引先の要求内容と自社の受注件数の両方が揃って初めて具体的になります。 対象となる取引先の件数と現在の入力の手間を持ち寄っていただければ、どの範囲まで接続すれば社内の負担が変わるのか、見積もりを取る前に検討する材料をご用意できます。

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よくある質問

流通BMSに対応していない取引先の独自Web-EDIの場合はどう違うのか

違いは画面を使うかどうかではなく、仕様が公開された標準に沿っているかどうかです。
流通BMSは流通システム開発センターが標準仕様を策定・運営しており、メッセージの種類や通信方式が規格として定められています2。
標準に沿っていれば、その規格に対応した事業者や業務アプリケーションの中から選べる可能性があります。
一方、取引先が独自に定めた仕様の場合は、仕様書の入手先、質問に答えてくれる窓口、仕様が変更されたときの連絡方法を個別に確認する必要があります。
なお、Web-EDIという方式自体は流通BMSの通信方式としても挙げられているため2、画面で操作する形だからといって独自仕様とは限りません。
規格名とバージョンを確認するのが確実です。

EDI導入とインボイス制度・電子帳簿保存法への対応はどう整理すればよいか

取引先から求められているEDIの対象メッセージと、税務上の保存が必要な書類の範囲は、必ずしも一致しません。
まず、取引先の要求が発注や出荷までなのか、請求や値引まで含むのかを確かめます2。
請求に関わるメッセージが対象に入る場合は、経理側でいま何をどの形で保存しているかと突き合わせる必要が出てきます。
制度そのものの要件については、本記事で参照した資料の範囲外のため、国税庁など制度を所管する機関の情報で確認してください。
社内では、EDIの接続を検討する担当と、書類の保存方法を判断する担当の間で、対象となる書類の一覧を共有しておくと、後から二重に作業をやり直すことを避けられます。

複数の取引先から異なるEDI規格を求められた場合、社内システムはどう対応すればよいか

取引先ごとに別々の受け口を作ると、受注担当者が見る画面が増え、どの注文をどこで確認するのかという運用の負担が残ります。
自社側の受け口をどこまでまとめられるかが検討の中心になります。
中小企業共通EDIについては、クラウド型のプロバイダーで提供され、企業がEDIサーバーを自社保有せずに自社アプリケーションを接続できること、複数のプロバイダー間の相互接続も設計に含まれることが示されています4。
ただし、規格の異なる取引先をどこまで一つの経路でまとめられるかは、各プロバイダーの対応範囲によります。
問い合わせる際は、自社が求められている規格名を一覧にして示し、それぞれについて接続の可否と実績を確認してください。

取引先から短い移行期限を提示された場合、まず何を相談すればよいか

最初に確かめるのは、示された日付が何の期限かという点です。
接続テストの開始日なのか、本番運用の開始日なのか、取引先側のシステム切替日なのかで、相談できる範囲が変わります。
そのうえで、テストに充てられる期間、従来の受注手段と当面併用できるか、対象メッセージの一部だけ先に始められるかを聞きます。
相談するときは、見積もりの取得、社内の費用決裁、データ項目の対応付け、接続テストという工程ごとに必要な期間を示すと、取引先側も計画を立てやすくなります。
期限に間に合わない場合の取り扱いについては取引先の方針によるため、口頭の見解ではなく、後から読み返せる形で回答を受け取っておくと社内での説明に使えます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:中小企業庁「企業間のデータ連携で、受発注の業務コストを削減する!(ミラサポplus)」(2016年度)
  2. 2 出典:一般財団法人流通システム開発センター(流通BMS協議会)「流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)標準仕様」
  3. 3 出典:一般財団法人流通システム開発センター(流通BMS協議会)「流通BMS標準仕様(対象業界・通信基盤の説明)」
  4. 4 出典:つなぐITコンソーシアム(特定非営利活動法人ITコーディネータ協会)「中小企業共通EDIとは」

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  1. Professional colleagues engaged in a business meeting discus/Photo by Vitaly Gariev on Pexels
  2. Business professionals engaged in a collaborative meeting ar/Photo by Vlada Karpovich on Pexels
  3. Business professionals engage in an office meeting to analyz/Photo by Vlada Karpovich on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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