◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 公式ページで確認できた例では、初期費用0円で1ページ税込10円相当を払う型と、初年度ライセンス2,016,000円(税抜)の型があり、どちらも相場ではなく各製品の価格です。
- 初期費用の差は、使用権とサポート、帳票ごとの読取定義、受信環境の接続、連携、テスト運用のどれが含まれるかから生まれます。
- FAXは圧縮で画質が落ちて修正作業が増えるため、受信画像をそのまま使い、自社の注文書で修正が入る欄を記録して試すことが判断材料になります。
- ネットFAXの受信料はOCRの料金とは別で、受信・OCR・連携の費用を分けて見積を読む必要があります。
- 比較は初期費用ではなく、税の扱いをそろえた数年分の合計と、修正にかかる人の作業時間で行います。
目次

0円と2,016,000円:FAX-OCRの価格はなぜここまで開くのか
取引先からFAXで届く注文書を、一枚ずつ受注画面へ打ち直している。
FAX-OCRで転記を減らせないかと考えたとき、まず知りたいのは「始めるのにいくら用意すればよいか」ではないでしょうか。
公式ページで確認できた例だけでも、初期費用0円でページごとに払う型3から、初年度ライセンス2,016,000円(税抜)の型1まで開きがあります。
この差は、帳票ごとの読取定義が要るかどうか、FAXの受信環境、枚数制限やサポートの範囲から生まれます。
自社の受信方法・帳票・月の枚数を整理して少量で試し、継続費用まで含めた総額で見積を比べると、自社に合う入口が見えてきます。
初期0円・従量課金の例
株式会社SpreadのFAXサービス「SP-FAX」に付くAI OCRは、料金ページで初期費用と月額の表示がどちらも0円です3。
費用が発生するのはOCRで読み取ったときで、処理1ページごとに10pt、税込10円相当がかかります3。
ポイントは1pt=税込1円相当で、月額基本料は「0円〜」と表示されています3。
この型では、導入を決めた時点でまとまった支払いは生じません。
その代わり、OCRにかけたページ数がそのまま請求額に表れます。
注文書が月に数十枚の職場と数千枚の職場では、同じ料金表を見ていても、毎月の負担はまったく違う姿になります。
登録できるのは法人ドメインの職場アカウントに限られ、FAX番号を引き継ぐ場合は回線事業者によって事前確認が必要とされています3。
初期費用が0円でも、こうした利用条件を満たせるかどうかは、料金表とは別の問題として残ります。
初年度ライセンス型の例
もう一方の例が、株式会社PFU(リコーグループ)が2025年に発売したDynaEye 11 Entry AI-OCRです。
初年度ライセンスは2,016,000円(税抜)、2年目以降は年額336,000円(税抜)と発表されています1。
このライセンスには使用権とサポートサービスが含まれ、処理枚数の制限はありません1。
製品の位置づけは、準定型帳票向けのエントリーアプリケーションです1。
準定型帳票とは、取引先ごとにレイアウトは違っても、品名・数量・単価のように載っている項目がおおむね共通する帳票を指す言葉で、FAXで届く注文書や伝票はこれに近い性質を持ちます。
リリースでは、伝票やFAXを扱う流通業などが想定されています1。
初年度にまとまった額を払う代わりに、何枚読ませても年額は変わりません。
従量課金の例とは、お金の出ていき方が逆向きになっていると考えると分かりやすいでしょう。
この2例が示すこと・示さないこと
0円と2,016,000円という数字は、それぞれの製品・プラン・時点での価格です。
FAX-OCRの相場がこの範囲に収まる、という意味ではありません。
ほかの提供元の製品や、パッケージを自社向けに作り込む導入、個別開発の費用は、この2例から推し量ることはできません。
2製品は、読み取りの方式も、含まれるサポートの範囲も同じではありません。
片方は帳票の事前登録なしにページ全体を読み取るサービスで3、もう片方はサポート込みのライセンス製品です1。
同じ作業を同じ条件で頼んだときの価格差ではないので、数字だけでどちらが安いか高いかを決めることはできません。
それでも2例を並べる意味はあります。
初期費用の欄に何が入り、何が入っていないかで、金額の桁が変わることが見えるからです。
見積書の「初期費用」が0円でも数百万円でも、その中身を作業に分けて読めば、自社の条件でどこが膨らみそうかの見当がつきます。
費用が発生する作業を分解する:使用権・帳票定義・受信接続・連携・テスト
使用権とサポート
FAX-OCRを業務で動かすまでに費用がかかりうる作業は、見積を読むための整理として、次のように分けられます。
各作業に決まった相場があるわけではなく、どの作業が見積に含まれているかを読み分けるための枠組みです。
- 使用権とサポート:ソフトやサービスを使う権利と、問い合わせ・不具合への対応
- 帳票ごとの読取定義:どの位置の何を読むかを、帳票の様式ごとに設定する作業
- 受信環境の接続:受信したFAXをOCRへ渡す経路をつくる作業
- 他システムとの連携:読み取った結果を受注システムなどへ渡す仕組み
- テスト運用・教育:実際の帳票で試し、担当者が修正の手順を覚える期間
PFUの例では、初年度ライセンスに使用権とサポートサービスが含まれています1。
見積書に「ライセンス費」と一行だけ書かれている場合、サポートが含まれているのか、別の年額として立つのかで、2年目以降の負担が変わります。
従量課金のサービスでは、サポートの範囲が料金表のどこに書かれているか、書かれていなければ問い合わせで確かめることになります。
帳票ごとの読取定義
費用の差が出やすいのが、帳票ごとの読取定義です。
OCRの方式によっては、取引先Aの注文書は右上に注文番号、表の何行目から明細、といった読み取り位置を様式ごとに登録してから使うものがあります。
その方式で取引先の数だけ様式があれば、その分の設定作業が発生し、提供元に代行を頼めばその作業が見積に載ります。
SP-FAXのAI OCRは、帳票フォーマットの事前登録が不要で、ページ全体を読み取る方式と説明されています3。
この方式なら、取引先ごとの様式を最初に登録する作業そのものがありません。
一方で、ページ全体を読んだ結果のうち、どの文字を受注のどの項目に当てはめるのかを、誰がどの段階で決めるのかは、別に確かめておきたい点です。
取引先ごとに様式がばらばらな職場ほど、この「事前登録が要るかどうか」の違いが初期費用の見積に大きく効いてきます。
取引先の数と様式の種類を数えておくと、見積の金額がどの作業から来ているのかを読み解きやすくなります。
受信環境と連携の準備
受信したFAXをOCRへ渡す経路と、読み取った結果を受注システムへ渡す経路も、費用が出る場所です。
ネットFAXのMOVFAXは、自社の自動帳票サービスやAI-OCRとの連携が可能と案内していますが、連携の料金や手順は公式サイトに記載がありません4。
連携できるかどうかと、連携にいくらかかるかは別の話で、後者は見積で確かめるしかありません。
読み取ったデータをファイルで受け取り、担当者が受注システムに取り込むのか、システム同士を直接つなぐのかでも、作業の量は変わります。
直接つなぐ場合は受注システム側の設定や改修が必要になることがあり、その費用はOCRの提供元ではなく、受注システムの提供元から見積が出る場合もあります。
OCRの見積だけを見て予算を組むと、この部分が抜け落ちます。
テスト運用・教育
見落としやすいのが、本番前に実際の注文書で試す期間と、修正の手順を担当者が覚える時間です。
OCRの結果に読み間違いがあれば、人が画像と見比べて直してから受注に回します。
どの欄を必ず目で確かめるか、読めなかった注文書をどう扱うかを決める作業は、提供元に頼めば支援費として、社内で行えば担当者の作業時間として発生します。
この部分は金額として見積に出ないことがあるぶん、比較の場で抜け落ちやすくなります。
課金方式を並べて比べるときも、表に載る金額の外にこの時間があることを頭に置いておくと、判断を誤りにくくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 使用権とサポート
- DynaEye 11 Entry AI-OCR:初年度ライセンスに使用権とサポートを含む
- SP-FAX AI OCR:初期費用と月額の表示は0円
- 帳票ごとの読取定義
- SP-FAX AI OCR:帳票フォーマットの事前登録は不要
従量課金型とライセンス型を同じ軸で比べる
2形態の比較表
作業に分けて見たことを、2つの課金方式に当てはめます。
同じ軸で並べると、次のようになります。
| 比べる軸 | SP-FAX AI OCR(従量課金型) | DynaEye 11 Entry AI-OCR(ライセンス型) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円(表示)3 | 初年度ライセンス2,016,000円(税抜)1 |
| 継続費用 | 月額基本料0円〜、処理ページ数に応じて加算3 | 2年目以降 年額336,000円(税抜)1 |
| 課金単位 | 1ページ10pt(税込10円相当)3 | 年単位のライセンス、処理枚数制限なし1 |
| 帳票の事前登録 | 不要(ページ全体を読み取る)3 | 確認した資料に記載なし(準定型帳票向け)1 |
| サポート | 確認した資料に範囲の記載なし | ライセンスに含む1 |
| 無料試用 | メール確認後14日間・最大50ページ3 | 確認した資料に記載なし |
| 価格の時点 | 2026年に確認 | 2025年の発売時 |
表を読むときに気を付けたいのは、期間と税の扱いがそろっていないことです。
初期費用の行は導入時点の比較ですが、継続費用の行は、従量課金型が「毎月のページ数次第」、ライセンス型が「年額で固定」と、単位が違います。
金額も、従量課金型は税込相当、ライセンス型は税抜で示されています。
3年間で見た場合、ライセンス型は初年度に2年目以降の2年分を足して、2,016,000円+336,000円×2=2,688,000円(税抜)になります。
これは発表された価格を編集部が足し合わせた値で、PFUの当該製品にだけ当てはまります。
従量課金型の3年合計は、月に何ページ読ませるかが決まらないと出せません。
負担が小さくなる条件
従量課金型で負担が小さく収まるのは、OCRにかけるページが少ない場合や、月によって大きく増減する場合です。
FAXの注文が繁忙期に集中し、閑散期にはあまり届かない職場なら、少ない月の支払いはページ数に応じて小さくなります。
まず一部の取引先だけで試し、効果を見てから対象を広げたいときにも、始める時点の支払いが小さい型は動きやすいでしょう。
ライセンス型が候補に入るのは、処理するページ数が多く、毎月安定して続く場合です。
処理枚数の制限がないため、取引先が増えて注文書が増えても、年額は変わりません1。
サポートが料金に含まれていることも、社内にOCRの運用に慣れた人がいない場合には判断材料になります。
負担が増える条件
初期費用0円の型でも、読ませるページが増えれば、そのぶん月々の支払いは増えていきます。
月額基本料は「0円〜」と表示されているため3、どの条件で基本料が0円から変わるのかも、料金の詳細で押さえておきたいところです。

ライセンス型で負担が重くなるのは、ページ数が少ないまま年額を払い続ける場合です。
また、初年度の金額は一度に予算を確保する必要があり、稟議の通し方が従量課金型とは変わります。
どちらの型でも、修正が多ければ人の作業時間がかさむ点は同じで、この部分は料金表の外にあります。
その修正の量を左右するのが、FAXという受け取り方そのものです。
| 項目 | ライセンス額(円・税抜) |
|---|---|
| 初年度ライセンス | 2016000 |
| 2年目以降ライセンス(年額) | 336000 |
帳票・手書き・画質:FAX特有の条件が修正作業と費用を左右する
FAXの画質劣化と修正作業
FAXの注文書は、取引先の機器で読み取られ、圧縮された画像として届きます。
PFUのコラムは、この送受信時の圧縮で画質が落ち、文字や罫線がぼやけて認識精度が下がり、結果として修正作業が増えると説明しています2。
品番の英字と数字が取り違えられたり、数量の桁が読み落とされたりした注文書があれば、担当者は画像と結果を見比べて直してから受注に回すことになります。
読み取りそのものが速くても、確認と修正にかかる時間が増えれば、転記を減らした効果は目減りします。
費用を考えるときに料金表だけでなく修正の量を気にするのは、そのためです。
取引先が数量や品名を手書きで書き込んでくる注文書には、印字された帳票とは別の難しさがあります。
どの程度読めるかは製品や帳票、書き手によって変わり、一般的な数字に置き換えて見積もることはできません。
自社に届く注文書のうち、手書きがどのくらい混ざっているかを把握しておくと、試用の結果を読み解く手掛かりになります。
FAX画像で学習した製品か確認する
同じコラムは、選定の際に、FAX画像で学習したAI-OCRかどうか、傾きや拡大・縮小を補正する機能があるかを確認するよう勧めています2。
AI-OCRは、大量の画像から文字の形を学習して読み取る方式のOCRで、どんな画像で学習したかが、ぼやけたFAX画像への強さに関わるという考え方です。
取引先の送り方によっては、注文書が斜めに届いたり縮小されて届いたりするため、補正機能の有無も見ておく意味があります。
製品の資料に高い認識率が載っていても、それをそのまま自社の数字として受け取らないほうが安全です。
PFUのコラムに載っているAI-OCRと従来型OCRの認識率の比較も、PFUの基準帳票で検証した結果で、実際の注文書で同じ値が出るとは限らないと注記されています2。
提供元の検証値は、その提供元が用意した条件での結果として読むのが妥当です。
自社帳票で試す
そこで頼りになるのが、自社に実際に届いたFAXで試すことです。
PFUのコラムも、無料トライアルで実際の注文書を試すことを勧めています2。
SP-FAXのAI OCRには、メール確認後14日間・最大50ページの無料体験があります3。
試すときは、一枚ごとに読めたか読めなかったかを見るより、どの欄で修正が必要になったかを記録しておくことをおすすめします。
品番、数量、納期、取引先名のどこで直しが入ったか、手書きの注文書と印字の注文書で差があったか。
こうした記録があれば、本番で修正にかかる時間の見当がつき、総額を比べるときの材料になります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 送受信時の圧縮
- 文字や罫線がぼやける
- 紙の再スキャン
- 画質の劣化が重なる
- 認識精度の低下
FAXの受信方法で追加準備が変わる:複合機・ネットFAX・紙のスキャン
複合機のメール転送
いま注文書を複合機で受けて紙に印刷している場合、OCRに渡す近道は、受信した画像を紙にせずそのまま送ることです。
SP-FAXのAI OCRは、複合機からのメール転送、専用メールアドレスへの転送、PDFのアップロードで受信FAXを取り込めるとしており、形式はPDFかTIFFを推奨しています3。
複合機のメール転送は、受信したFAXを指定したメールアドレスへ自動で送る機能です。
対応する機種は主要メーカーにあるものの、設定項目はメーカー・機種・管理者権限によって異なります3。
複合機をリース会社や情報システム部門が管理している職場では、設定を変える権限を誰が持っているかで、準備にかかる手間が変わります。
OCRの見積には入らない準備なので、導入を進める前に社内で話を通しておくと手戻りが減ります。
ネットFAX・メールFAX
ネットFAXは、FAXを複合機ではなくインターネット上のサービスで受け、PDFなどの画像としてメールや画面で受け取る仕組みです。
受信した時点で画像になっているため、OCRへの受け渡しは複合機より組み立てやすくなります。
ただし、ネットFAXの料金とOCRの料金は別物です。
たとえばMOVFAXでは、受信料金が1ヵ月1,000枚まで無料、1,001枚以上は10円/枚(税込11円/枚)と案内されていますが、これはFAXを受信するサービスの料金で、OCRの料金ではありません4。
同社はAI-OCRとの連携が可能としているものの、連携の料金は公式サイトに載っていません4。
ネットFAXへの切り替えとOCRを同時に検討するときは、受信の料金、OCRの料金、両者をつなぐ費用の三つを分けて見積を読む必要があります。
FAX番号をそのまま使い続けたい場合、番号の引き継ぎには回線事業者による事前確認が必要とされています3。
取引先に番号の変更を知らせずに済むかどうかは、受信方法を変えるときの大きな分かれ目です。
紙のスキャンは最後の手段
受信して印刷した紙を、あらためてスキャナーで読み込んでOCRにかける方法もあります。
手元の機器だけで始められる反面、PFUのコラムは、紙をスキャンし直すと画質の劣化が重なるため、複合機に保存された受信画像を使うのが基本だとしています2。
FAXの圧縮で一度ぼやけた文字を、印刷とスキャンでもう一度劣化させることになり、先に見た修正作業の増加に直結します。

印刷とスキャンの手間も残るため、転記を減らすという本来の目的からも遠ざかります。
受信画像をそのまま取り出せない事情があるなら、OCRを選ぶより先に、その事情を解消できるかを検討する価値があります。
| 受信方法 | OCRへの渡し方 | 画質 | 追加で生じる準備や費用 |
|---|---|---|---|
| 複合機のメール転送 | 受信画像をメールで転送 | 受信時の画像のまま | 複合機の設定変更(機種・管理者権限で異なる) |
| ネットFAX | 受信したPDFなどを転送や連携で渡す | 受信時の画像のまま | 受信サービスの料金とOCRとの連携費用を別に確認 |
| 紙のスキャン | 印刷した紙を読み込む | 劣化が重なる | 印刷とスキャンの手間が残る |
見積依頼の前に決めておく:試す範囲の絞り方と確認項目
試す範囲の絞り方
見積を依頼する前に、OCRに何を読ませたいのかを自社の側で絞っておくと、提供元ごとの回答を比べやすくなります。
全取引先の全帳票を一度に対象にすると、帳票定義や修正の見込みが膨らみ、提供元ごとに見積の前提もそろいません。
絞り方の一例として、注文の多い取引先から少数を選び、その取引先から届くFAXについて次のことを書き出します。
- 対象にする取引先と、それぞれの注文書の様式
- 月の受信枚数と、繁忙期の増え方
- 受信方法(複合機で印刷、複合機に保存、ネットFAX)と、複合機の設定を変えられる人
- 手書きが混ざる欄と、そのおおよその多さ
- 読み取った結果を渡したい先(受注システム、表計算ソフトなど)
無料体験の上限が最大50ページという例もあるため3、試す注文書は数を増やすより、選び方を工夫したほうが多くのことが分かります。
取引先ごとに数枚ずつ、手書きが入ったものや画質の悪いものも含めて選ぶのが要点です。
きれいに読める注文書だけで試すと、本番で修正が増えたときに見積の前提が崩れます。
見積依頼の確認項目
見積で確かめたいのは、金額そのものより、その金額に何が含まれているかです。
費用が発生する作業に沿って、次の点を問い合わせると、提供元ごとの見積を同じ物差しで並べられます。
- 初期費用に含まれる作業(使用権、設定、受信環境の接続、テスト運用の支援)
- 帳票ごとの読取定義が必要か、必要なら様式が増えたときの費用
- 受注システムなどとの連携にかかる費用と、どこから見積が出るか
- 処理枚数の上限と、超えた場合の扱い
- 読み取りミスの確認・修正を支える機能や支援の範囲
- サポートの範囲と、2年目以降も料金に含まれるか
問い合わせの際に書き出した枚数や帳票の情報を添えると、提供元は自社の条件に沿った見積を出しやすくなります。
情報が少ないと最小構成の金額だけが返ってきて、後から設定や連携の費用が加わることもありえます。
初期費用0円のサービスでも、自社の条件で何が追加になりうるかは、この問い合わせで初めて見えてきます。
3年合計で見る:月額・従量・サポート費を足した総額の比べ方
3年合計の考え方
見積が出そろったら、初期費用だけでなく、継続費用を含めた数年分の合計で比べます。
初期費用0円の型は始めやすい一方、処理ページ数に比例して費用が積み上がります3。
初期負担が大きい型には、2年目以降の年額にサポートと枚数制限なしが含まれている例があります1。
従量課金型の3年合計は、自社の数字を入れて次の式で出せます。
月の処理ページ数×1ページあたりの料金×3年分の月数+月額基本料などの固定費。
SP-FAXのAI OCRなら、1ページあたりは税込10円相当です3。
ライセンス型の3年合計は先の表で足し合わせた税抜の値なので、どちらかの税の扱いにそろえてから並べます。
月のページ数によって、どちらの合計が小さくなるかは入れ替わりえます。
ページ数が少なければ従量課金型の合計は小さく、多くなればライセンス型の固定額のほうが小さくなる地点がどこかにある、という関係です。
ただし2製品は読み取りの方式もサポートも違うため、合計が小さいほうが自社に合うとは言い切れません。
合計額は、ほかの条件を比べるための土台として使います。
修正作業の時間を入れる
もう一つ、料金表に載らない費用として、修正にかかる人の作業時間があります。
試用で記録した「どの欄で直しが入ったか」から一枚あたりの確認と修正の時間を見積もり、月の枚数を掛けると、毎月の修正時間の見当がつきます。
利用料が安くても修正が多い製品と、利用料は高めでも修正が少ない製品では、3年間で担当者が使う時間が違ってきます。
担当者の時間を金額に置き換える方法は会社ごとに異なりますが、時間として並べておくだけでも、稟議の場で「なぜこの製品か」を説明しやすくなります。

最初に知りたかった初期費用は、こうして並べると総額の一部にすぎません。
0円か数百万円かという入口の違いは課金方式の違いを映したもので、自社のFAX受信方法、帳票、月の枚数を当てはめて初めて、どちらの入口が合うかを判断できます。
FAXの受信方法・注文書の様式・月の枚数を書き出しても、それが見積のどの作業に効くのかは、社内だけでは結び付けにくいためです。
相談では、いまの受信から受注入力までの流れと注文書の種類を一緒に整理し、見積依頼で伝える条件と問い合わせる項目を確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 初期費用の読み方 | 金額より、使用権・帳票定義・受信接続・連携・テストのどれが含まれているかを見る |
| 課金方式 | ページ数が少ない・増減が大きいなら従量課金型、多く安定するならライセンス型も候補 |
| FAXの画質 | 受信画像をそのまま使い、自社の注文書で修正が入る欄を記録して試す |
| 受信方法 | 複合機の設定権限、ネットFAXの受信料とOCRとの連携費を分けて確かめる |
| 総額 | 税込・税抜をそろえ、数年分の利用料と修正の作業時間を並べて比べる |

複数の見積が出そろったあと、税込・税抜や含まれる作業の違いをそろえて比べる作業は、担当者一人では手間がかかるためです。 相談では、見積の前提をそろえたうえで、受注処理のどこで転記と確認が残るかを確かめられます。
よくある質問
FAXを複合機で受けている場合、OCRの導入前に何を準備すればよいですか。
受信したFAXを紙に印刷せず、画像のままメールで転送できるかを確かめます。
SP-FAXのAI OCRは複合機からのメール転送に対応し、形式はPDFかTIFFを推奨していますが、設定項目はメーカー・機種・管理者権限で異なります3。
複合機の管理者が別部門やリース会社にいる場合は、早めに設定変更の相談をしておくと準備が進みます。
帳票の様式が取引先ごとに違うと、初期費用は増えますか。
帳票ごとに読み取り位置を登録する方式では、様式が増えるほど設定作業が増え、代行を頼めばその分が見積に表れます。
一方、帳票フォーマットの事前登録が不要でページ全体を読み取る製品もあります3。
様式の数を伝えたうえで、様式が増えたときの費用を見積で確かめると判断できます。
無料体験では何ページ・何社分の帳票を試せばよいですか。
決まった目安はありません。
SP-FAXのAI OCRの無料体験はメール確認後14日間・最大50ページです3。
注文の多い取引先から少数を選び、手書きを含むものや画質の悪いものも混ぜて試し、どの欄で修正が必要になったかを記録すると、本番の手間を見積もる材料になります。
初期費用0円のサービスでも、後から費用が増えるのはどんな場合ですか。
処理ページ数が増えれば、従量分の支払いが増えます3。
このほか、ネットFAXの受信料、受注システムとの連携費用、修正にかかる人の時間は、OCRの初期費用の欄には表れません。
月額基本料が「0円〜」と表示されている場合は、どの条件で変わるかも確かめておくと安心です。
見積依頼のときに、枚数や帳票の情報はどこまで伝えればよいですか。
対象の取引先と注文書の様式、月の受信枚数と繁忙期の増え方、受信方法、手書きの有無、読み取った結果を渡したい先まで伝えると、条件に沿った見積が出やすくなります。
実際の注文書を見本として渡す場合は取引先の情報が含まれるため、社内の取り扱いルールに沿って扱ってください。
FAXのネットFAX化とOCRは同じ会社のサービスで揃える必要がありますか。
揃えなくても組み合わせられる場合があります。
SP-FAXのAI OCRはメール転送やPDFアップロードで受信FAXを取り込めるとしており3、MOVFAXはAI-OCRとの連携が可能としています4。
ただしMOVFAXの連携料金は公式サイトに記載がなく、別々の会社にするとつなぐ部分の費用や問い合わせ先が分かれます。
受信・OCR・連携の三つの費用と窓口を分けて見積を比べると判断しやすくなります。
- 1 出典:株式会社PFU(リコーグループ)「DynaEye 11 Entry AI-OCR 発売ニュースリリース」(2025年)
- 2 出典:株式会社PFU(リコーグループ)「FAX注文書はOCRできる?精度を向上させる3つのポイント(デジタラクル コラム)」(2025年)
- 3 出典:株式会社Spread「SP-FAX AI OCR サービスページ」(2026年)
- 4 出典:日本テレネット株式会社「MOVFAX 公式サイト」(2026年)
画像の出典元
- A focused young professional reading documents on a couch in a modern office environment./Photo by cottonbro studio on Pexels
- Businessman in a striped shirt taking notes with documents spread on a desk, highlighting workspace focus./Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels
- Close-up of hands writing on a notebook surrounded by tax documents and a smartphone./Photo by Leeloo The First on Pexels