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FAX-OCR導入を一人担当で進める場合の期間の見積もり方―自分でできる準備とベンダー任せの境目

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 導入全体の所要日数を示す公表資料はないため、期間は精度検証のように区切りごとに見積もる
  • 担当者が用意するのは帳票サンプルと読み取り項目までで、読めるかどうかの評価はベンダー側の作業になる(PFUの無償事前検証サービスでは約2週間・10営業日が目安)
  • 公表されている認識率は読ませた帳票の条件込みの数値で、自社の帳票で試さない限り当てはめられない
  • 事前検証は読めるかどうかの判断材料、60日間のトライアルは運用の形を確かめるためのもので、知りたいことで選ぶ
  • 既存システムへの取り込みは精度とは別の確認事項で、期間が読めないぶん、手が空く区間に問い合わせを出しておく

20代前半の日本人女性がFAXの送信をしている場面

一人担当で立ち止まりやすい理由と、まず切り分けるべきこと

毎朝届くFAXの注文書を見ながら基幹システムへ打ち込み、その作業をいちばん分かっているという理由で、OCRの導入まで任される。
周りに専任のチームはなく、上司から最初に聞かれるのは「いつから使えるのか」です。
導入全体で何日、という目安は、公表されている一次資料では確かめられません。
ただ、期間を左右する精度検証だけを取り出すと、担当者が用意するのは帳票のサンプルと読み取りたい項目までで、読めるかどうかの評価はベンダー側が引き受け、所要の目安も公表されています(PFUの無償事前検証サービスでは約2週間)2。
この線引きをつかむことが、一人のままでも見通しを立てる出発点になります。

FAXで届いた注文書を見ながら基幹システムへ打ち込む作業は、担当が固定されやすい仕事です。
食品小売・卸売業の受注担当者106名を対象にした2023年3月の調査では、受注方法としてFAXを使っている人が67%4、FAX・メール・電話で受注している90名のうち60%が注文書の手入力に手間がかかると答え、38.9%がオペレーションの属人化が発生していると答えています4。
これは食品業に限った調査なので、割合をそのまま他の業種に当てはめることはできません。
それでも、紙で届いた注文を人が読んで打ち直す限り、その作業に慣れた人のところへ集まっていくという構図は、業種を問わず思い当たるはずです。

そして、その業務をいちばん分かっている人が、OCR導入の担当にもなります。
詳しいから任される、という順序なので、専任の体制が付くとは限りません。
同じ調査では、FAX・電話での受注をやめると取引に支障が出ると考える担当者が58.8%(n=80)にのぼっており4、受け口そのものを閉じる選択が取りにくい事情もうかがえます。
紙で受け続ける前提のまま、入力の負担だけを軽くしたい——一人担当の多くは、この位置から出発することになります。

ここで最初に詰まるのが、「どれくらいで使えるようになるか」という問いです。
上司に報告するにも、通常の受注業務の合間に時間を空けるにも、期間の見当が要ります。
けれども、社内周知や運用ルールの整備まで含めた導入全体で何日かかるかを、実際のデータで示した公表資料は見当たりません。
帳票の数も、既存システムの状態も、社内で決裁を通す速さも会社ごとに違うので、一律の日数が出しにくいこと自体は不思議ではないのです。

見通しが立たない本当の理由は、日数が分からないこと以上に、性質の違う作業がひとまとまりになっていることにあります。
自分の判断だけで進む作業は、自分が時間を取れば終わります。
一方、相手の手が入る作業は、こちらの準備が終わった時点から相手の作業日数が始まるので、着手が遅れた分だけそのまま後ろへずれていきます。
期間を見積もるというのは、全体をひとつの塊として何ヶ月かと当てることではなく、この二つを分けて、相手待ちがどこから始まるかを押さえることです。

FAX-OCRの導入でいえば、対象にする帳票を選ぶ、読み取りたい項目を書き出す、サンプルを集める——このあたりは自分の手元で進みます。
自社の帳票が実際に読めるかどうかの評価は、ベンダー側の作業です。
読み取った結果を既存の販売管理システムへ渡せるかどうかは、社内の情報システム担当か、システムの提供元の回答を待つことになります。
同じ「導入作業」と呼ばれていても、この三つは自分でコントロールできる度合いがまったく違います。

このうち、所要の目安が公表されていて、しかも自分の準備しだいで早く始められるのが、真ん中の精度検証です。
ここを軸に置くと、漠然としていた期間の話が動きはじめます。

自分の時間で進む作業と、相手の作業日数が入る作業
FAX-OCR導入の作業を、自分の判断で進むもの、ベンダーの手が要るもの、相手の回答を待つものの三つに分けた縦並びの図

認識精度は何で決まり、それが検証の手間にどう影響するか

精度検証を軸にすると言っても、そもそもOCRの精度は事前にどこまで分かるものなのか、という疑問が残ります。
カタログに出ている数値をそのまま自社に当てはめられるなら、検証という工程自体が要らないはずです。
公表値が何を測ったものかを見ると、その工程が省けない理由がはっきりします。

公表されている数値の一例として、PFUが自社の基準帳票で比較した結果では、従来型のOCRの認識率が80%だったのに対し、AI-OCR(DynaEye 11)では98%になったとされています1。
AI-OCRとは、あらかじめ決めたルールで文字を照合する従来型に対して、大量の文字データを学習したモデルで読み取る方式を指す呼び方です。
18ポイントという差は小さくありませんが、この数値はPFUが用意した基準帳票での検証値であって、どんな帳票でも98%が出るという意味ではありません。

基準帳票は、評価のために条件をそろえた帳票です。
実際に自分の机へ届くFAXがそれと同じ状態かどうかは、帳票ごとに違います。
取引先ごとに様式が違う、欄外に手書きの追記が入る、送信元の機械や設定によって線の出方が変わる——そうした事情があるなら、基準帳票と同じ条件にはなりません。
PFUのコラムも、導入前に実際の業務で使用しているFAX注文書で精度を確認することが大切だとしています1。

帳票の種類が多いとき、手書きが混じるときに検証がどう膨らむかを考える材料として、自治体での実証があります。
2018年12月から2019年3月にかけて、町田市・郡山市・市川市・つくば市・横浜市・福岡市の6自治体が実際に使っている帳票73種類と、雑字やくせ字を含む手書きサンプルを持ち寄ってAI-OCRを検証し、正読率は約93%だったと報告されています3。
ただし、これは自治体の窓口業務で使う帳票を対象にした実証で、印字が主体の企業のFAX注文書とは対象も条件も違います。
企業がFAX-OCRを導入すれば93%になる、という数字ではありません。

この実証から担当者が持ち帰れるのは、精度の保証ではなく、検証という作業の輪郭のほうです。
73種類の帳票を確かめるには、73種類分の現物と、それぞれについて読み取りたい項目が要ります。
手書きが混じるなら、きれいに書かれた1枚だけを見ても実態は分からず、書き手の違うものを並べる必要が出てきます。
つまり、帳票の種類数・項目数・手書きの有無は、そのまま検証の作業量に変換されるということです。

自社に引き寄せるなら、最初に数えるべきは「何種類の様式が届いているか」になります。
取引先が10社あっても、こちらが用意したオーダーシートを使ってもらっていれば様式は1種類です。
逆に、5社がそれぞれ自社の注文書を送ってくるなら5種類として扱われますし、同じ会社でも部署ごとに用紙が違えばさらに増えます。
レイアウトが違えば読み取る位置の指定も別になるため、ここの数え方が、このあと出てくる準備量と期間にそのまま効いてきます。

50代後半の日本人女性が受信したFAXの確認をしている場面

精度の数値は、それ単体では持ち帰れません。
どの帳票を、どんな状態で読ませた結果なのかとセットで見て、自社の帳票がそのどれに近いかを考える材料にするものです。
そして近いかどうかは、結局のところ自社の帳票を読ませてみないと分かりません。
だから期間の話には、実物を読ませる区間が必ず一つ入ることになります。

検証 読ませた帳票 結果
従来型OCR PFUの基準帳票 認識率80%
AI-OCR(DynaEye 11) PFUの基準帳票 認識率98%
6自治体でのAI-OCR実証 自治体が実用する実帳票73種類と、雑字やくせ字を含む手書きサンプル 正読率約93%

精度検証は担当者一人で完結するのか、ベンダー対応との境目はどこか

担当者が用意するもの(帳票サンプル・OCR項目)

実物を読ませるといっても、こちらが何を渡すのかが分からないままでは、自分の作業量を見積もれません。
PFUのDynaEye 11には無償の事前検証サービスがあり、申込時に提出するものが公開されています。
未記入の帳票データが1枚、記入済みのサンプル帳票データが最大10枚、OCRしたい項目の情報が1帳票あたり最大20項目、それに申込書です2。
対象にできる帳票は2種類までとされています2。

この一覧で目を引くのは、数が「最大」で区切られている点です。
サンプルを100枚集めても全部を受け取ってもらえるわけではないので、10枚の枠にどの帳票を入れるかを選ぶ作業が担当者の側に残ります。
項目も同じで、注文書に印字されている欄をすべて読ませるのではなく、20項目の枠の中から優先して読ませたいものを決めることになります。
ここは代わりにやってもらえる部分ではなく、自社の業務を知っている人にしか決められないところです。

未記入の1枚が求められているのは、どこに何の欄があるかという土台を示すためです。
記入済みの用紙だけでは、線なのか文字なのか判別しにくい箇所が出てきます。
自社で用意した注文用紙を取引先に使ってもらっている場合は原本がすぐ手に入りますが、取引先の様式で届いている場合は、白紙の状態のものを取り寄せる必要が出てくるかもしれません。
これは相手のある依頼なので、思い立った日のうちに終わるとは限らない部分です。

ベンダー側が行う作業と結果の受け取り方

提出したあとに何が起きるかも、あわせて公開されています。
PFUの技術者が実際にOCRをかけて評価し、コメント付きの評価結果資料(PDF)と、サンプル帳票のOCR結果(CSV)が返送されます2。
目安はサンプル帳票を預かってから約2週間、営業日にして10日です2。

この2週間は、担当者の手が止まる期間ではなく、空く期間だと捉えたほうが実態に合います。
読み取りの評価はベンダー側で進むので、その間に既存システムへの渡し方を問い合わせたり、いまの入力手順を書き出したりできます。
一人担当で作業時間が細切れになりがちなら、この並行できる区間をどう使うかで、体感の期間はかなり変わります。

返ってくるCSVは、自分が中身を知っている帳票の読み取り結果です。
手元の原本と突き合わせれば、どの項目が、どの帳票で外れたのかを担当者自身が特定できます。
全体で何%という一つの数字よりも、「品番は安定しているが、手書きで書き足された数量で外れる」といった偏りのほうが、運用を考えるうえでは役に立ちます。
入力の全部を自動にできなくても、外れやすい項目だけ目視で確かめる形にすれば、転記そのものを減らす余地が出てくるからです。

ここまでの枚数や日数は、PFUがDynaEye 11向けに提供している無償事前検証サービスの条件です2。
他のベンダーが同じ上限、同じ日数で受けているとは限りませんし、有償の検証しか用意していない場合もあり得ます。
複数社を比べるなら、「何を渡せば、いつまでに、どんな形で結果が返るか」を同じ聞き方でそろえて確かめると、期間の差がそのまま見えます。

無償事前検証サービスと無償トライアルの違い

同じPFUには、60日間の無償トライアルもあります1。
どちらも無償で、どちらも自社の帳票を使えるので、名前だけでは使い分けが分かりにくいところです。
違いは、手を動かすのが誰かという点にあります。

事前検証は、帳票を預けて評価してもらう形です。
担当者の作業は提出までで終わり、返ってくるのは報告書と結果データになります。
読めるかどうかの当たりを付けるには向いていますが、自分で製品を触るわけではないので、日々の操作の流れまでは分かりません。

トライアルはその逆で、製品を手元で動かします。
読み取らせて、誤りを画面で直して、結果を出力するところまで自分でたどれます。
そのかわり、試す時間は自分で確保しなければならず、60日という期間があっても、受注業務の合間にどれだけ触れるかは自分の予定しだいです。
一人担当にとっては、期間の長さよりも、その期間に自分の手が何時間空くかのほうが現実的な制約になります。

どちらを選ぶかは、いま知りたいことがどちらなのかで決まります。
「うちの注文書がそもそも読めるのか」がまだ分からない段階なら、手間の小さい事前検証から入ると、判断材料が2週間程度で戻ってきます2。
読めることの見当が付いていて、運用の形——誰が誤りを直すのか、結果をどこへ出すのか——を確かめたい段階なら、実際に触れるトライアルでないと分かりません。
なお、実際の業務で使っているFAX注文書で確認することが大切だという点は、どちらの方法でも変わらないとされています1。

一人担当のまま無理なく進めるために、導入前に整理しておくべきこと

帳票サンプルの集め方

ここまでの内容は、裏返せばそのまま準備の指示書になります。
検証を申し込む日を待たなくても、提出物にあたるものは今日から集められるからです。
しかも集める対象は、製品を決める前でもほとんど変わりません。

サンプルは上限が10枚と決まっているので2、集め方よりも選び方が問題になります。
今日届いた10枚をそのまま出すと、たまたま状態の良い日だったのか悪い日だったのかが分かりません。
取引先ごとに書き方の癖があるなら別の取引先のものを混ぜる、手書きの追記が入ることがあるなら入っているものを必ず1枚入れる。
そうやって幅を持たせたほうが、返ってきた結果から「どこが弱いのか」を読み取れます。

そのためには、ある程度の期間から拾う必要があります。
入力のついでに、いつもと違う形のものを1枚よけておく——その程度の作業を数週間続けておけば、検討が本格化したときに選ぶ母数ができます。
未記入の1枚も、この時期に手配を始めておくと、取引先に依頼が必要な場合でも間に合いやすくなります。

なお、注文書には取引先の名前や単価が載ります。
社外に預ける以上、どこまでの情報を出してよいかは自社の取り決めに沿って判断する事柄で、調べれば答えの出る一般論ではありません。
伏せられる箇所があるのか、そのままの状態で出す必要があるのかは、申込先にも先に確認しておくと、提出後のやり直しが減ります。

OCR対象項目の整理の仕方

項目の整理は、机の上だけで進められて、しかも後々まで効く作業です。
1帳票あたり最大20項目という枠に対して2、自社の注文書では何項目を読ませたいのかを数えるところから始まります。

数え方のこつは、注文書を見るのではなく、自分が打ち込んでいる画面のほうを見ることです。
注文書に印字されていても入力していない欄はありますし、逆に、注文書には無いけれど毎回自分で補っている情報もあります。
いま手で打っている項目を書き出せば、それがそのまま読み取らせたい項目の候補になります。

書き出すと、たいてい二種類に分かれます。
ひとつは、たとえば品番や数量のように、外れると受注として成立しない項目です。
もうひとつは、外れても後工程で気づける項目や、毎回同じ値で固定できる項目です。
前者に限られた枠を使い、後者を落としていけば、20項目という上限は見た目ほど窮屈ではなくなります。

項目を絞ることは、運用が始まったあとの確認作業にも関わってきます。
読み取った結果を人が見て直す工程が残るなら、見る項目が少ないほど1件あたりの確認は短くなります。
全項目を自動で読ませることを目標に置くより、どの項目の転記をやめたいのかを先に決めるほうが、検証の設計も、結果の評価もしやすくなります。

既存システム連携の要否を洗い出す

三つ目は、読み取ったあとの行き先です。
事前検証で返ってくるのがCSV形式の結果データなので2、出力の形そのものは早い段階でイメージできます。
ただし、CSVが出ることと、それを販売管理システムが取り込めることは別の話です。

確かめたいのは、受け側に取り込みの口があるか、取り込み用のレイアウトはどう決まっているか、コードの持ち方が一致するか、という点です。
たとえば、注文書に載っているのが取引先側の品番で、自社の品番と頭の中で対応させながら入力しているなら、読み取りが完璧でも、対応表と変換の仕組みが別に要ります。
これはOCRの精度の問題ではないので、検証の結果がどれだけ良くても解消されません。
逆に、ここが先に整理できていれば、読み取り結果をどの工程へ流すのかという話を、具体的な単位で相談できます。

この連携の確認にどれだけかかるかは、公表された資料で確かめられる類のものではありません。
相手が社内の情報システム担当なのか外部の提供元なのかで返事の速さが変わりますし、既存システムの改修が必要かどうかで話の大きさも変わります。
期間として言えるのは、これが自分の手元では縮められない待ち時間だということだけです。
だからこそ、精度検証をベンダーに預けている約2週間のような、こちらの手が空く区間に問い合わせを出しておくと、待ち時間が前後に重ならずに済みます2。

三つとも、契約前でも、製品を決める前でも進められる作業です。
そして、どのベンダーに相談することになっても、聞かれる内容はおおむね重なります。
準備ができていれば、相談を始めてから検証に入るまでの往復が減り、「揃えてから出し直す」ぶんの時間が要らなくなります。

20代後半の日本人女性がFAXの送信をしている場面

期間の見積もりは、全体で何ヶ月かを当てることではなく、自分の手で動く部分がどこまでかという線を引くことから始まります。

整えること 手を動かす内容 決まると変わること
帳票サンプル 未記入の原本と、書き方の幅が分かる記入済みの数枚をよけておく 提出する枚数の枠を、届いた日の偏りなく埋められる
読み取り項目 いま入力画面へ打ち込んでいる項目を書き出し、外せる項目を落とす 検証で確かめる範囲と、運用後に目視で確認する範囲が絞れる
既存システムへの受け渡し 取り込みの口、取り込み用のレイアウト、コードの対応を確認する 精度とは別に残る作業が、着手前に見える

対象にする帳票が何種類あるのか、読み取らせる項目をどこまで絞れるのかは、一人で机上で決めきるより、現物と入力画面を並べて整理したほうが早く固まります。

お手元のFAX注文書と、いま転記している画面の項目をもとに、検証へ出す前に自分で整えられる範囲と、相手の回答を待つ必要がある範囲の切り分けを一緒に確認できます。無料相談で要件を整理する

精度検証の進め方の比較(無償事前検証サービスと無償トライアル)

担当者が用意するものの重さと、確かめられる範囲の広さで並べています。

  • 無償事前検証サービス(PFU/DynaEye 11):未記入の帳票データ1枚、記入済みサンプル最大10枚、OCRしたい項目の情報を1帳票あたり最大20項目、申込書を提出する。対象帳票は2種類まで2。
  • 同サービスの結果:PFUの技術者がOCR評価を行い、コメント付きの評価結果資料(PDF)とサンプル帳票のOCR結果(CSV)が返送される。目安はサンプル預かり後、約2週間(10営業日)2。
  • 60日間無償トライアル(PFU/DynaEye 11):製品を手元で動かし、実際の業務で使っているFAX注文書で、読み取りから誤りの修正、結果の出力までを自分でたどれる1。
  • トライアルで要るもの:試す時間の確保。期間中にどこまで触れるかは、受注業務の合間にどれだけ手が空くかで決まる。
  • 共通する前提:いずれもPFUが自社製品向けに提供している条件であり、他のベンダーが同じ上限・同じ期間で用意しているとは限らない12。

読めるかどうかの判断材料がほしい段階か、運用の形まで確かめたい段階かで選びます。

要点の整理

40代前半の日本人男性が見積書の照合をしている場面
軸 基準
期間の見立て 導入全体の目安を示す公表資料は確認できない。精度検証はPFUの例で約2週間(10営業日)が目安
自分で進む範囲 対象帳票の選定、読み取り項目の書き出し、記入済みサンプルと未記入原本の用意
ベンダーの範囲 技術者によるOCR評価と、コメント付き評価結果資料・OCR結果CSVの返送
精度の数値の読み方 どの帳票を読ませた結果かと併せて見る。基準帳票での98%は自社帳票の保証ではない
残る未確認 既存システムへの取り込みに要する期間は一次資料で確かめられず、相手の回答待ちになる
30代後半の日本人男性がFAXの送信をしている場面

検証結果を受け取ったあとに残るのは、読み取ったデータを実際の受注業務のどこへ流し、どこを人が確認するのかという判断です。 受注から出荷までの現在の流れをうかがったうえで、どの転記が減り、どの確認が残るのかを工程単位で洗い出し、社内で説明できる形に整理できます。

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よくある質問

FAX-OCR導入後、既存の販売管理システムとの連携作業もこの検証期間に含まれますか

含まれません。
PFUの無償事前検証サービスで示されている約2週間(10営業日)は、サンプル帳票を預かってからOCR評価結果資料とCSVが返送されるまでの目安です2。
読み取った結果を販売管理システムへ取り込む作業は別で、その所要期間を示す一次資料は確認できていません。
取り込み用のレイアウトの有無や、既存システムの改修が要るかどうかで幅が出る部分なので、検証を待っている間に受け側の担当へ問い合わせておくと、待ち時間が重なりません。

扱う帳票の種類が複数ある場合、精度検証は帳票ごとに繰り返す必要がありますか

読み取り位置の指定は様式ごとに別になるため、レイアウトが違えば別の帳票として扱われます。
PFUの無償事前検証サービスでは対象帳票が2種類まで、項目は1帳票あたり最大20項目と決まっています2。
3種類以上ある場合にどう扱えるかは申込先に確認が必要ですが、まずは件数の多い様式や、入力の負担が大きい様式から優先して出すと、判断材料が早く戻ってきます。
なお、取引先が複数でも共通のオーダーシートを使ってもらっていれば、様式としては1種類です。

無償事前検証サービスと無償トライアルは、どちらを先に使うべきですか

知りたいことが先に決まれば、順序も決まります。
自社の注文書が読めるのかどうかがまだ分からない段階なら、提出物を用意するだけで済む事前検証のほうが、担当者の手が空いたまま判断材料を得られます2。
読めることの見当が付いていて、誤りを直す画面や出力の流れまで見たいなら、60日間のトライアルでないと確かめられません1。
どちらを先にするかに一律の正解はなく、いま上司に説明しなければならないのが「読めるか」なのか「運用できるか」なのかで選ぶことになります。

検証結果で精度が想定より低かった場合、担当者はどこまで自分で調整できますか

返ってくるのは評価結果資料とサンプル帳票のOCR結果(CSV)なので2、手元の原本と突き合わせて、どの項目がどの帳票で外れたのかを担当者自身が特定できます。
そこまで分かれば、読み取らせる項目を絞る、自社で発行している注文用紙なら記入欄の作りを見直す、といった検討は自分の側でも進められます。
一方、製品側の設定やチューニングでどこまで改善できるかは製品と契約の条件によるため、評価結果のコメントを持って提供元に相談する範囲です。
精度を上げきれない項目が残っても、そこだけ目視で確認する形にすれば、他の項目の転記は減らせます。

運用開始後、精度を維持するための再学習やチューニングはどの程度の頻度で必要になりますか

頻度を示す一次資料は確認できていないため、何ヶ月に一度と申し上げることはできません。
確かなのは、読み取りの前提が変われば確認が要るということで、取引先が注文書の様式を変えた、新しい取引先が別の様式で送ってくるようになった、といった変化がその契機にあたります。
そうした場合に誰がどこまで対応するのかは、契約前に提供元へ確認しておく項目です。
運用開始後の対応範囲と費用の扱いは、導入時の検証条件とは別に決まるため、検証の申込時に合わせて聞いておくと後から慌てずに済みます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:株式会社ピーエフユー(リコーグループ)「FAX注文書はOCRできる?精度を向上させる3つのポイント(デジタラクル コラム)」(2025年)
  2. 2 出典:株式会社ピーエフユー(リコーグループ)「DynaEye 11 無償事前検証サービス」(2025年)
  3. 3 出典:株式会社NTTデータ「町田市、郡山市、市川市、つくば市、横浜市、福岡市におけるAI-OCR実用性の検証結果について」(2019年3月)
  4. 4 出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」(2023年3月)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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